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2026年7月7日火曜日

今年のRIMPACのSINKEXでは旧タイコンデロガ級巡洋艦モービル・ベイが標的となる―最大の見ものとなるでしょう

 

タイコンデロガ級巡洋艦がRIMPACでSINKEXの標的となる

Ticonderoga Class Cruiser Set To Be Sunk During RIMPAC Wargames

旧USSモービル・ベイは味方部隊に海底に沈められる

https://www.twz.com/sea/ticonderoga-class-cruiser-set-to-be-sunk-during-rimpac-wargames

(米海軍写真:広報専門下士官 アレクサンダー・フロイテル)

『サンディエゴ・ユニオン・トリビューン』紙によると、今後数週間以内に、退役したタイコンデロガ級誘導ミサイル巡洋艦USSモービル・ベイ(同級7番艦)が、味方部隊によって太平洋の海底に沈められる。また、タラワ級強襲揚陸艦旧USSペリリュー(LHA-5)も、味方からの砲火で撃沈される予定だ。両艦は注目度が高く、かつ全く別の2つの標的であり、SINKEX演習としては類を見ないほど興味深い組み合わせとなるだろう。このイベントは、第30回環太平洋合同演習(RIMPAC)という隔年開催の国際海上演習中に実施される。

RIMPAC 2026は6月24日に始まり、7月31日まで続くが、沈没の日程や方法は明らかになっていない。沈没演習(SINKEX)RIMPACにおける集大成となるイベントであるが、使用される余剰艦の種類は回によって異なる。

The guided-missile cruiser USS Mobile Bay (CG 53) cuts through the Pacific Ocean, Feb. 5, 2019. The John C. Stennis Carrier Strike Group is deployed to the U.S. 7th Fleet area of operations in support of security and stability in the Indo-Pacific region. (U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 3rd Class Jake Greenberg)

2019年2月5日、太平洋を航行する誘導ミサイル巡洋艦「モービル・ベイ」(CG 53)。(米海軍写真:マス・コミュニケーション・スペシャリスト3等兵ジェイク・グリーンバーグ) 2等兵曹ジェイコブ・L・グリーンバーグ

モービル・ベイは2023年に退役し、1年後に国家歴史登録財への登録資格がないと判断され、その運命が決定づけられた。

1987年2月27日に就役したモービル・ベイは、就役期間36年間注に重要な任務多数に参加した。「同艦の作戦歴には、1989年のレバノン・ベイルートにある米国大使館からの避難作戦、『デザート・ストーム作戦』を支援するためトマホーク対地攻撃ミサイル(TLAM)22発の発射、そして1991年の『ファイアリー・ヴィジル作戦』において、フィリピン共和国スービック湾近郊のピナトゥボ山噴火により避難を余儀なくされた数千人の避難支援などが含まれる」と海軍は述べている。また、同艦は「メキシコ・アカプルコの南西約800マイルの海域における米国沿岸警備隊法執行分遣隊(CGLED)による10.5メートルトンのコカイン押収作戦や、2003年の『イラクの自由作戦』を支援するためTLAMの発射」にも参加した。

沈没日が現時点で不明であることに加え、モービル・ベイがどんな攻撃を受けるのかも分かっていない。こうした演習は、様々な兵器システムや乗組員の性能を検証するため実施される。その際、艦艇が多様な兵器の攻撃を受けることがよくある。

例えば、直近のSINKEXでは、西太平洋で行われた「ヴァリアント・シールド2026」で、米空軍のB-2Aスピリット爆撃機が、退役艦ジュノーに向けてAGM-158C長距離対艦ミサイル(LRASM)を発射した。多くの場合、魚雷から短距離ミサイル、ロケット砲、さらには空中からの銃撃に至るまで、あらゆる手段が用いられ、退役艦の犠牲を最大限に引き出そうとする。

モビール・ベイ」は、RIMPAC2022に参加したタィコンデロガ級巡洋艦4隻の1隻であり、SINKEXで処分される予定だ。さらに海軍の記録によると、元USSベラ・ガルフ、元USSアンティータム、元USSポート・ロイヤルもすべて、同じ運命をたどることになる。

退役したタイコンデロガ級巡洋艦で最初に沈没させられたのは、USSヴァレー・フォージで、2006年11月にハワイで行われた標的射撃訓練中に沈められた。

タイコンデロガ級はトマホーク対地攻撃ミサイル(TLAM)を搭載し、防空・ミサイル防衛部隊および指揮統制プラットフォームとしての役割を果たしている。また、ハープーン対艦ミサイルMH-60Rシーホークヘリコプターも装備し、対潜戦任務も遂行する。

1980年代から1990年代初頭にかけて建造された同級巡洋艦は、主に空母打撃群の対空戦能力の中核を担ってきた。

現在、海軍には同級艦が9隻現役で就役している。うち6隻は今後数年で退役する予定だが、残るUSSゲティスバーグUSSチョシン、およびUSSケープ・セント・ジョージは、近代化改修が完了しているか、あるいは完了間近で、20年代終わり頃まで現役を続ける見込みだ。

これらの艦艇を就役させ続ける取り組みは、多額の費用を要し、物議を醸してきた。その経緯については、当サイトの関連記事こちらで詳しく読むことができる。

海軍は、RIMPAC 2026を同演習史上最大規模として位置付けている。

141022-N-NZ935-057PHILIPPINE SEA (Oct. 22, 2014) – The amphibious assault ship USS Peleliu (LHA 5) sails into open water as part of the Peleliu Amphibious Ready Group (PELARG). Peleliu is the lead ship in the PELARG (#PELARG14), commanded by Capt. Heidi Agle, and is conducting joint forces exercises in the U.S. 7th Fleet area of responsibility. (U.S. Navy Photo by Mass Communication Specialist 1st Class Joshua Hammond/Released)

フィリピン海(2014年10月22日)―― 強襲揚陸艦「ペリリュー」(LHA 5)が、ペリリュー強襲準備群(PELARG)の一員として外洋へと進出した。(米海軍写真:マス・コミュニケーション・スペシャリスト1等兵ジョシュア・ハモンド/公開)MC1 ジョシュア・ハモンド

「演習期間中、30カ国、30隻以上の水上艦、5隻の潜水艦、15カ国の陸上部隊、206機以上の航空機、そして3万人が、ハワイ諸島と周辺で訓練および作戦活動を行う」と海軍はプレスリリースで述べた。「RIMPACは、この地域の海上交通路の安全と安定を確保するため不可欠な、参加国間の協力関係を育み維持しつつ、独自の訓練の機会を提供する。」

「モービル・ベイ」が最終的にどう処分されるのか、注目される。詳細が判明次第、最新情報を提供したい。■

ハワード・アルトマン

シニア・スタッフライター

ハワードはTWZのシニア・スタッフライターである。紛争について頻繁に執筆しており、特に中東やウクライナに焦点を当てているほか、世界中の軍・諜報当局者や業界リーダーへのインタビューも手掛けている。現在は、米中央軍および米特殊作戦司令部の本拠地であるフロリダ州タンパ近郊に在住している。

2024年7月20日土曜日

巡洋艦退役のあと、大型艦建造の予定がない米海軍の方針はこれでいいのか。

 


タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦の退役がはじまっており、今後の海上戦闘艦で必要なサイズ、発電容量等を考えると米海軍が進める駆逐艦建造では早晩能力不足が想定されるのですが、今のところ米海軍には大型艦の建造予定はないようです。しかし、これでいいのでしょうか。Naval Newsが専門家の意見をまとめてくれました。


米海軍は新型巡洋艦を建造すべきか?


タイコンデロガ級巡洋艦が退役した後、新たな巡洋艦を設計・建造するかNaval Newsは米海軍に尋ねてみた。また、海軍の決断について軍事アナリスト2名に分析を求めた。


米海軍のタイコンデロガ級巡洋艦は耐用年数を迎え、今後数年で退役する。2027年までに巡洋艦が姿を消すことになる。その代替となる巡洋艦は建造されるのだろうか?


米海軍は、タイコンデロガ級巡洋艦の後継艦として次世代巡洋艦計画(CG(X))を2001年11月に開始していたが2010年に中止した。代わりに、米海軍はアーレイ・バーク級駆逐艦のアップグレード版であるフライトIII DDG-51の建造を決定した。


米国議会調査局(CRS)の2010年6月10日付議会報告書によると、「CG(X)プログラムは2001年11月1日に発表され、海軍は次世代水上戦闘艦ファミリーの獲得を目的とした未来水上戦闘艦プログラムを開始すると発表した。この新しい水上戦闘艦ファミリーには、3つの新クラスが含まれると海軍は発表していた。


- DD(X)と呼ばれる駆逐艦-後にDDG-1000またはズムウォルト級に改名-精密長距離攻撃と艦砲射撃任務用、


- CG(X)と呼ばれる巡洋艦は、AAW(対空戦)とBMD(弾道ミサイル防衛)を任務とする。

- 潜水艦、小型水上攻撃艇、機雷に対抗する沿岸(近海)戦闘艦(LCS)と呼ばれる小型戦闘艦。


ズムワルト級駆逐艦(DDG-1000)と沿岸戦闘艦(LCS)は実際に建造されたが、CG(X)計画は実現しなかった。


2024年6月、Naval Newsは米海軍の海軍海システム司令部(NAVSEA)に巡洋艦の代替について、また新たなCG(X)プログラムの復活があるか尋ねてみた。NAVSEAは本誌の要請を米海軍広報部(CHINFOに転送した:


「タイコンデロガ級巡洋艦をCG(X)に置き換えるつもりはない。短期的にはDDG 51 FLT IIIが、長期的にはDDG(X)が、タイコンデロガ級巡洋艦が歴史的にサポートしてきた要件を満す」。


「DDG51フライトIIIの能力は、水上部隊が将来にわたり敵の脅威に歩調を合わせることを可能にする一方で、40年間の生産と30年間のアップグレードがあったものの、DDG51には、将来のアップグレードにむけたスペース、重量、電力、冷却マージン(SWaP-C)が不十分である。

「DDG(X)は、アーレイ・バークDDG51級駆逐艦とタイコンデロガCG47級巡洋艦の両方を次の永続的な船体形式として緩和するための戦力とSWaP-Cマージンを海軍に提供する進化的な副革命的アプローチとなる」。


CG(X)プログラムがキャンセルされた理由と、CG(X)プログラムの要件がまだ存在するかという質問に対して、CHINFOは、「CG(X)は海軍の将来のための革命的なビジョンを表していました。しかし、CG(X)は成熟したDDG1000の船型をベースにしており、技術的にも価格的にも大きな問題がありました。タイコンデロガ級巡洋艦が担った要件は、現在、短期的にはDDG 51 FLT IIIによって、長期的にはDDG(X)によって満たされようとしている。DDG 51 FLT III と DDG(X)の艦級で実現する海軍戦力は、CG(X)プログラムが意図した要件を満たすのに十分である。これらの能力は、水上海軍の任務を支援するのに十分であると考えられる。従って、CG(X)を追求する計画はない」。


CG(X)次世代巡洋艦設計のごく初期の想定レンダリングは、異なる船体とステルス上部構造を示している。グラフィック GlobalSecurity.org

そこでNaval Newsは、2つの非営利グローバル・シンクタンク研究機関にコンタクトを取り、2人の軍事アナリストに話を聞いた。


ランド研究所は米海軍CHINFOの発言に反論

ランド研究所所長でランド研究所上級政策研究員のブラッドリー・マーティン博士に話を聞いた。マーティン博士は元海軍大尉。


「クラス指定は特に大きな問題だとは思っていません。基本的な検討事項は、任務に対する能力です」。2027年までに米海軍が現役の巡洋艦や新造巡洋艦を保有しなくなることについて、マーティン博士は次のように述べている。「繰り返しますが、実際の能力よりも命名が先行しています。DDG(X)は、CG(X)が持っていたはずのレーダーと戦闘管理システムを持つでしょう。CGは主要な司令部であり、艦のCO(指揮官)は防空司令官(ADC)に任命される可能性があり、CGはそれに対応するために幕僚を乗せる想定でした。


「広範囲に分散した作戦とC2(コマンド・アンド・コントロール)能力は、ADCを支援する艦船の必要性を減少させている。統合防空ミサイル防衛は、広範囲に分散した統合アーキテクチャです。CGがなくても、C2が損なわれることはないだろう」。


米海軍の駆逐艦は、巡洋艦に比べて垂直発射システム(VLS)セルの数が少ない。これについてマーティン博士は、駆逐艦は巡洋艦に比べてVLSセルの数が少なく、砲も1門少ないことに言及し、次のような見解を示した。「最終的にDDG(X)に設計されるセルの数にもよるが、FFG(X)[USS Constellationフリゲート]とレガシーDDGの間では、艦隊全体のセルの総数はほぼ変わらないだろう(実際、制限されるのはセルではなく、セルに搭載するミサイルだ)。 NSFS(海軍水上射撃支援)用の砲はレガシーな能力にすぎない。1門でも2門でも、水上火力支援で実際に大きな効果を発揮できるほど艦を接近させるのは難しい。


「DDG(X)は、防空指揮官が望むなら、そのような構成にできるだろう。ペイロードを変更する能力は多用途性を与え、同様の艦船で異なる任務を可能にする。しかし、DDG、特にDDG(X)にないCGの能力は、現在それほど多くはありません。


マーティン博士は、米海軍が巡洋艦の新造を見送ったことについて、最後の考えを述べた。「冷戦時代のCGは元々DLGとして指定されていたため、その指定について特に重要なことはない。米海軍は、大型で複雑な水上戦闘艦に過剰投資している可能性があり、問題は、海軍がCGを退役させることで重要な能力を失っていることよりも、結局はCGにそっくりな本当に高価な有人プラットフォームを追加していることかもしれない」。


米海軍CHINFOのコメントに対するCSISの見解

米戦略国際問題研究所(CSIS)の国際安全保障プログラム上級顧問であるマーク・カンシアン退役米海兵隊予備役大佐は、米海軍が巡洋艦の新造を見送ったことについて、次のような見解を示した。


「巡洋艦と駆逐艦の区別は、駆逐艦が大型化して薄れてきた」。


「巡洋艦と駆逐艦の区別は、駆逐艦が大型化するにつれて薄れてきた。フライトIIIは全備重量が1万トン近くで、オリジナルのフライトIより1500トン重い。DDG-51クラスは、1980年代のアダムズ級駆逐艦の2倍、第二次世界大戦時のフレッチャー級駆逐艦の4倍の排水量である。実際、第二次世界大戦時の軽巡洋艦の排水量である。


「タイコンデロガ級は非常に多くのVLSセルを持っていたので、VLSセルの損失は問題だ。海軍の30年造船計画によれば、VLSの数は、艦隊を拡大する計画にもかかわらず、2030年代まで一定である。海軍の造船計画は潜水艦を重視し、SSBN(USSコロンビア級)が最優先だ。さまざまな艦隊構成は、大型水上戦闘艦の減少を示している。したがって、海軍がDDG51のアップグレードに固執し、新しい巡洋艦クラスに資源を投資しないことを決定したのは想定内だ」。■


Will the U.S. Navy Build New Cruisers? - Naval News

Peter Ong  04 Jul 2024


2022年4月26日火曜日

米海軍、巡洋艦全廃に舵を切りたいが、議会に反対派。A-10と同じ構造では。

 


USS ヴィッカースバーグ (CG-69) がBAEシステムズのノーフォーク艦艇施設で修理を受けている April 8、 2022. Christopher P. Cavas Photo used with permission

 

 

導ミサイル巡洋艦USSヴィッカースバーグ(CG-69)は、2030年代まで維持すべく、総額2億ドルの修理の真っ最中だ。BAEシステムズ艦艇修理施設が2020年からヴィックスバーグの改修作業にあたっている。

 

 

 修理作業は、22隻残るタイコンデロガ級巡洋艦のうち11隻を2030年代まで維持し、空母打撃群で運用し、防空指揮官を乗せるとの10年前に出た論議を呼んだ海軍近代化計画の一部だ。

 しかし現在、海軍は、修理と維持にコストがかかりすぎるとして、旧式装備の大規模削減の一環として、近代化を中止しようとしている。今週発表された長期建艦計画によれば、海軍は近代化計画の対象艦を含む、巡洋艦の全艦を今後5年間で廃止する。

 議会が海軍の計画を認めた場合、海軍は2年間で巡洋艦10隻を退役させ、2023会計年度末には巡洋艦を22隻から12隻に減らす。

 海軍の戦力要求・能力担当副作戦部長(OPNAV N9)スコット・コン中将Vice Adm. Scott Connは、水曜日に記者団へ、「供用開始後30年以上経過した艦船に近代化のため資源を投入し続けていいのかに尽きる」と述べた。

 「議会は不満に思うかもしれないし、反発するかもしれない。第一線部隊には懸念がある。先週、ヴィックスバーグを訪れ、艦内を歩いたが、作業が進んでいた。しかし、まだまだ先は長い。これは海軍の『現実を見る』一部であり、現状を評価している。各艦へ投資を続けても、戦闘能力に見返りがあるだろうか」

 ヴィッカースバーグとあわせ、USSバンカーヒル (CG-52)、 USSモービルベイ (CG-53)、 USS サンジャシント (CG-56)、 USSレイクチャンプレイン(CG-57) を海軍は2023年度に退役させたいとしており、USSモンテレー (CG-61)、 USS フエシティ (CG-66)、 USSアンツィオ(CG-68)、USSヴェラガルフ (CG-72) とUSSポートロイヤル(CG-73) は今年退役が既に決まっている。

 残る22隻の巡洋艦は、2027年までにすべて退役する。

 今回の海軍の提案では、海軍と議会間で長年にわたる議論がさらに続くという予想がある。議員側は、後継艦なしで巡洋艦を退役させる海軍を繰り返し批判してきたからだ。

 巡洋艦の退役は、海軍と議員にとって10年以上の間、悩みの種であった。海軍は、巡洋艦運用を一時休止し、近代化するか、永久に退役させるなど、様々な案を出している。海軍の提案はすべて、議会が否決してきた。

 海軍と議員のやりとりは複雑で、年ごとに詳細や理由は変わるが、海軍は巡洋艦の削減を求め、議会は代替艦ができるまで維持を求めるという全体的な論調は一貫している。

 「現行巡洋艦の近代化は、見積もりコストを175〜200%上回り、数百日分の遅れが生じている。各艦は耐用年数30年の想定だったが、35年になっている」と、海軍作戦部長マイク・ギルデー大将Adm. Mike Gildayは昨年の下院軍事委員会で語っている。

 アンツィオ艦長をつとめたエレイン・ルリア下院議員(民、ヴァージニア)Rep. Elaine Luria (D-Va.)は、中国の海軍増強に直面し、海軍の巡洋艦退役案を声高に批判している。ルリア議員らは「デビッドソンの窓」(元米国インド太平洋軍司令官フィル・デビッドソン提督の警告)を持ち出し、中国が10年以内に台湾に動き出す可能性があると指摘している。

 同議員は昨年、「今ある艦であり、耐用年数を10年ほど延長する近代化とアップグレードのコストは、新造艦建造よりかなり低い」とUSNIニュースに述べている。

 「今ある艦をどう使うべきか、どうすれば最も効率的に使えるかを検討の必要がある。将来をにらんだ技術開発に投資するため、供用期間が残る現有艦を処分する考えは、新型プラットフォームの開発での低い実績を見れば、意味をなす物に見えない」。

 海軍の現在の計画では、巡洋艦は次期フライトIIIアーレイ・バーク級駆逐艦に置き換えるとある。最初のFlight IIIジャック・ルーカス(DDG-125)は、来年就役の予定だが、駆逐艦の就役は、現行巡洋艦の退役より遅いペースになる。

 

USSアンツィオ (CG-68)がノーフォーク海軍基地に係留されている April 7、 2022. USNI News Photo

 

 海軍は次世代巡洋艦「CG(X)」を計画していたが、コスト問題から2010年に中止していた。

 2010年代半ばには、各巡洋艦が耐用年数を迎えるため、近代化して再び艦隊に加えるとして、7隻を先に退役させることになった。対象艦は正式には退役せず、乗組員数が管理サイズに縮小した空白の状態に入った。備品や燃料、艦船の装備は撤去され、別の巡洋艦の近代化プログラムに「参加」させた。造船所での作業も段階的にしか行っていない。

 近代化プログラムの対象艦は、いずれも現役復帰していない。フエシティとアンツィオの2隻は今年中に退役する予定で、状態が悪いため、海軍は修理の価値がないと判断した。

 今月初め、ノーフォーク海軍基地で、救命ボートがなく、塗装がピンク色に変わり、喫水線から船体にかけ腐食が進むアンツィオを見ることができた。

 新計画は、「うまくいくかどうか懸念があるのを認識している」とコン中将は言う。「ゲティスバーグでは成功した。同艦が動き出すのを見たい。ヴィックスバーグでは日程が決まった。その日を迎えられるかどうか。すべて紙の上での決定だが、それを変えようとする人たちがいる」。■

 

After a Decade of Debate、 Cruisers Set to Exit Fleet in 5 Years - USNI News

By: Sam LaGrone、 Mallory Shelbourne and Christopher P. Cavas

April 21、 2022 6:23 PMUpdated: April 22、 2022 9:40 AM


   

 

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Categories: AviationNews & AnalysisSurface ForcesU.S. Navy

Sam LaGrone

About Sam LaGrone、 Mallory Shelbourne and Christopher P. Cavas


2021年11月11日木曜日

グアム防衛にイージスアショアのかわりに退役巡洋艦タイコンデロガのイージスシステムが使えないか。意外に費用対効果が高い解決案になる? 日本でもイージス艦退役後の用途に参考にならないか。

 

USN

 

退役タイコンデロガ級巡洋艦をグアム周辺に配備すれば効率よくグアムのミサイル防衛の傘を拡げる効果が生まれるのではないか。

陸軍がイスラエル製アイアンドーム装備をグアムに配備し始めているが、数ある脅威の中でも巡航ミサイル相手に同装備が使えるかが焦点だ。同時に米軍にとってはさらに広範かつ多層構造のミサイル防衛の盾を戦略上重要なグアム島に展開することが課題だ。しかも迅速かつ安価に。そこでこの難題の解決策としてタイコンデロガ級巡洋艦を再活用できないか。米海軍は同級を退役させたいとしている。

現時点でグアムに展開中のミサイル防衛装備には陸軍のTHAADもあり、弾道ミサイルを最終段階で迎撃する。また前述のアイアンドームもある。陸軍は今回のアイアンドーム展開は短期間に限定し、実弾発射の予定もないとしている。

グアムに固定式イージスアショア施設を構築する案が昨年浮上してきた。米海軍はルーマニアで同様の施設を運用中だ。提案の背景には中国の航空部隊やミサイルの脅威がハイエンド戦にいったん発展すれば現実のものとなることもあり悠長なことは言ってられない事情がある。ただし、今年三月にミサイル防衛庁長官ジョン・ヒル海軍中将は地上配備装備では対航空機、ミサイル防衛の必要に対応できないと発言し、分散型防衛システムを提案し、地下施設や移動式装備の採用を提言した。

10月にMDAは議会に極秘扱いの報告書を送付し、グアム防衛システムの選択肢を提示した。本稿執筆時点で公になっているのは「装備構造研究」の部分のみで、かつ内容はごく少ないものの、機密解除版は非公開のままだ。

「追加研究の提言として、移動式装備に限った要求内容の検討があり、国際日付線以西の脅威に前方配備マルチドメイン指揮統制機能が対応する際の複雑性と緊急性はあえて無視している」とフィリップ・デイヴィッドソン海軍大将(インド太平洋軍INDOPACOM)司令官が退役前の3月に議会にて発言していた。デイヴィッドソンはイージスアショアのグアム配備を強く主張し、2026年以前に展開を完了し、太平洋での中国の動きを抑止すべきと口に衣着せず発言していた。

そこでタイコンデロガ級巡洋艦がからんでくる。現在同級は21隻が海軍にあるが、2022年度予算要求案では最古参の7隻を退役させるとある。各艦にはイージス戦闘システムが搭載され、強力な AN/SPY-1A/B多機能レーダーとMk 41垂直発射システム(VLS)122セルで各種ミサイルに対応する。SM-2、SM-6の対空ミサイル、SM-3弾道ミサイル迎撃ミサイルなどだ。このうちSM-2、SM-6は水上艦艇も二次攻撃対象とする。海軍はSM-6の大型派生型の開発も進めており、Mk41VLSで運用可能となり、MDAは対極超音速兵器の迎撃手段としてテストしたいとしている。

現在の標準型イージスアショア施設に同様の装備品が使われており、フライトIIAアーレイ・バーク級駆逐艦並みの機能を陸上に展開している。アーレイ・バーク級のイージス戦闘システムにはAN/SPY-1Dが採用されMk 41VLSは96セルになっている。

MDA

MDAの説明資料ではフライトIIA仕様のアーレイバーク級駆逐艦と陸上配備のイージスアショアの共通点を示している。

 

であれば、退役タイコンデロガ級巡洋艦を固定停泊させればイージスアショアと同様の有効範囲と性能が実現するはずだ。二隻以上定置させればさらに大きな防衛力が低コストで実現しそうだ。

今年八月にはヘリテージ財団がワシントンDCで海軍戦と高度技術が専門の主任研究員ブレント・サドラーがまとめた白書を公開し、まさしく同じ構想を展開した。サドラーは海軍が退役しようとするタイコンデロガ級7隻のうち3隻、すなわちUSSシャイロー、USSエリー、USSポートロイヤルにはイージス弾道ミサイル防衛装備が搭載されており、SM-3迎撃ミサイル他との組み合わせICBM含む大型ミサイル対応が可能と主張し、中間飛翔段階の大気圏外で迎撃できるとある。

「BMD対応の巡洋艦を退役させようという海軍の根拠は外洋運航するとこれまで保守管理をあとまわしにしてきたため高コストとなるからというものだ。とくに燃料タンクで漏れが発生している」(サドラー)「グアムには係留地が数か所ありBMD対応巡洋艦が短時間で場所を移動できるし、外洋では曳航移動も可能だろう。そのため艦の推進機関への高度対応体制は不要となり、乗組員削減も可能だ」

サドラーは自力移動力を限定しても曳航して移動でき、各艦の乗組員は最小限に絞ったまま、域内を移動しながら各種兵器を発射できると主張。

HERITAGE FOUNDATION

 

ヘリテージ財団による地図ではタイコンデロガ級巡洋艦三隻をグアムや米領サイパン付近や独立国パラオに配備した場合のミサイル防衛範囲を示している。

さらにグアムには戦略上重要な航空基地海軍施設があり、太平洋における米国の軍事力投射の中心地とされるので、同島への脅威を受け、近隣のティニアン島でも施設拡張の作業が必要となっている。また島しょ国のパラオとは防衛安全保障面での協力の仕組みづくりが進んでいる。退役後のタイコンデロガ級はこうした島しょ部の防衛にも役立つ。

ただし実施には費用とともに困難なハードルが立ちふさがる。「一部艦にはSPY-1Aレーダーが搭載されているが、アナログ装備だ」と海軍作戦部長マイケル・ギルディ大将が7月の海軍連盟イベントで述べており、「その他艦のレーダーも初期型SPY-1Bだ」と指摘した。

U.S. NAVY

タイコンデロガ級巡洋艦USSチャンセラーヴィルが2016年グアムに寄港した。

「こうした装備品は老朽化しており、敵ミサイルの速力に対応できず探知できなくなる事態が想定される」「巡洋艦自体の近代化改修は数千万ドルと当初想定を上回る額になっており、とくに供用開始後三十年が経過した艦体補修が大きな要素だ」(ギルディー作戦部長)

海軍では各種艦艇向けに新型かつミサイル防衛対応レーダーの導入を進めており、イージス戦闘システムも新しいバージョンに発展している。イージスのメーカーはロッキード・マーティンでAN/SPY-7(V)1長距離識別レーダー(LRDR) をタイコンデロガ級の AN/SPY-1 の後継装備として提案している。

係留状態のタイコンデロガ級ではかつての運用要求は不要となり、艦内センサーだけに依存しなくても脅威に対応できる。洋上展開する他艦や地上、空中、宇宙とネットワーク接続すればよい。ペンタゴンはすでにLRDRをハワイに設置する企画に取り組んでおり、戦術複合ミッション用水平線越えレーダーを独立国パラオに設置し、空中及びミサイルの脅威の探知能力向上をめざしている。これと別にグアムにも設置の話がある。衛星ベースのレーダー探知網を太平洋に実現する構想もある。

このからみでタイコンデロガ級が武装バージとしてVLSを活用し多層構造のミサイル防衛の一部になりうる。艦を不定期に移動すれば敵軍は位置把握に苦労するだろう。

「レーダーと兵装類の一体化の解除は前からある考え方だ」とMDAのヒル長官は3月にグアム防衛手段としてイージスアショア以外の可能性に触れていた。「リモート交戦」や「リモート発射」のコンセプトがミサイル防衛にあり、追尾照準データは外部から迎撃ミサイル発射装備に伝えられる。この考え方は確立済みだ。またネットワーク化センサー構造により標的の捕捉追尾が迅速になり、迎撃手段を確実に脅威に振り向けられる。

艦のレーダー他ミッション支援装備、主エンジンなど重整備が必要となる装備システムは除去するか廃棄する。指揮統制機能や主要センサー類は遠隔から行う。これで各艦を島しょ部防衛に投入しながら費用面で大きな訴求力が生まれる。

このような形でタイコンデロガ級を使用する承認を議会が出すかも落とし穴だ。議員連はいかなる理由にせよ巡洋艦退役に今後も反対し、各艦の能力とともに当面代替となる艦の出現が見えないのを理由とするはずだ。下院軍事委員会シーパワー及び兵力投射小委員会は今年始めにこうした反対意見が勢いを失いつつある兆候があるとしたが、下院上院ともに巡洋艦退役で生まれる穴を埋める海軍の案に懐疑的だ。

下院歳出委員会では別個に今後のグアム防衛システム予算を2022年度国防予算案から削除する動議を出している。ペンタゴンが正確な支出規模を伝えられないためとする。10月のMDA報告書では1.183億ドルでグアム向け新型防空ミサイル防衛体制の開発を開始するとあるが議員連が同じ要求を出していた。

老朽化してきたタイコンデロガ級巡洋艦群を再使用すれば、海軍としては装備品の整理にもなり、係留したまま防空ミサイル防衛拠点となりグアム周辺の防衛の傘を大きく広げる効果が生まれ、新しい解決策として関係者全員に魅力に映るはずなのだが。■

Decommissioned Navy Cruisers Could Be The Answer To Guam's Missile Defense Needs

BY JOSEPH TREVITHICK NOVEMBER 10, 2021