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2017年6月17日土曜日

US-2のインドネシア商談はどこまで進んでいるのか


インドネシアに限らずなかなか成約が見えてきませんが、焦る必要はないのでここは悔いのない交渉をおこなってもらいたいものです。しかし商取引の駆け引きが本質的に理解できない政府にどこまで交渉させておくのでしょうか。ましてや対象は日本が育んできた高度技術の塊ですからね。安売りにはしてもらいたくないものです。

Japan Maritime Self-Defense Force butai01 - 01

海上自衛隊 [CC BY 4.0], via Wikimedia Commons

 

MAST Asia 2017: ShinMaywa outlines options for industrial collaboration in Indonesia 

新明和工業がインドネシアUS-2商談で産業協力の可能性を示す

Ridzwan Rahmat, Tokyo - IHS Jane's Defence Weekly
13 June 2017

  1. 新明和工業はインドネシアがUS-2を採用すれば一部作業を現地産業界に分担させる用意があると述べる一方、イ現地での機体最終組立ての可能性は否定した。
  2. 幕張で開催された防衛技術展示会MAST Asia 2017会場でJane’s取材に答えた同社関係者がインドネシアの防衛装備調達方針に従い現地技術移転に応じる述べている。 
  3. ただし同関係者は最終的には日本政府の決定次第とし、成約をねらう同政府の動向に言及した。インドネシア国軍はUS-2をまず三機導入する検討中といわれる。
  4. 現地組立の選択肢があるが、主要部品をインドネシアへ搬送しての組立ては技術的・経済的に困難と同社関係者は指摘し、実施しても導入国の負担が増えるだけという。
  5. 可能性が高いのは完成機を搬送し、最終作業を現地で行うことと同関係者は指摘し、インドネシア国営航空機メーカーPTディルガンタラ・インドネシアを共同事業相手先候補にあげた。
  6. ただし同関係者は本案件は両国政府が引き続き協議中であり、US-2輸出がいつ実現するかは不明としている。■

2016年11月4日金曜日

US-2のインドネシア向け輸出が成約に近づく


インドより先にインドネシアが成約しそうということですか。3機というと少ないようですが、平成17年度から今まで納入されたのがわずか4機ですからメーカーの新明和工業にとっては大きな数字です。さらにインド他からの受注を期待する同社は忍耐強く成約を期待しているのでしょうね。戦前からの技術も入れれば数世代にわたる蓄積が鼻を開こうとしているというと大げさでしょうか。

Indo Defence 2016: ShinMaywa inches towards US-2 sale to Indonesia

Jon Grevatt, Bangkok - IHS Jane's Defence Weekly
03 November 2016
ShinMaywa Industries is looking to progress a sale of the US-2 to Indonesia in 2017. Source: Japanese Maritime Self-Defence Force

新明和工業がUS-2水陸両用捜索救難機(SAR)をインドネシアに販売しようとしている。同社関係者からジャカルタで開催中のインドディフェンス2016展示会でIHS Jane'sに明らかにされた。
まず3機を販売する計画だが、2014年4月の武器輸出三原則の改定した日本には初の大型国際防衛装備輸出案件となる。
新明和工業の輸出部門関係者は11月3日、US-2は非武装機材だが自衛隊が運用するため日本政府は防衛装備と認定していると述べた。
新明和工業はインドネシア国軍向け契約の締結は間もなと見ている。「政府レベルではUS-2輸出協議を続けており、2017年に成約すると見ている」(同上関係者)
後押しするのが2015年3月に両国政府間の防衛協力合意で防衛装備、技術の共同作業に道を開いたことだ。新明和はインドネシア企業PTディルガンタラDirgantaraと協議中だ。
同社によればUS-2取得に関心を示すインドネシア以外にアジア圏「数か国」がある。IHS Jane'sはタイが検討中と把握しており、もう一カ国はインドだ。
インド海軍はUS-2を合計12機16億ドルで調達する要求を提出している。日印両国は同機販売をめぐり協議を重ねているが、日本防衛省はIHS Jane'sに交渉は一旦中断中と10月に述べ、理由は日本政府がインドのUS-2i調達方針に不明瞭な点があり説明を求めているためという。■


2016年10月5日水曜日

★インド向けUS-2販売で日本が柔軟性を示す構え



なかなか進まない商談にはインド側に問題があるようですが、本案件はなんとか成約させたいものです。ライセンス生産が可能なのかわかりませんが、ノウハウの詰まった同機の技術情報をどこまでブラックボックス化できるかが重要ですね。

Japan promotes 'flexible' US-2 sale to India

Jon Grevatt, Bangkok - IHS Jane's Defence Weekly
04 October 2016

  
インドは新明和US-2i水陸両用機を導入し、捜索救難用に運用したい考え。 Source: Japanese Maritime Self-Defence Force
  1. インド向け新明和工業US-2の価格で日本が柔軟な姿勢を見せており成約を狙う。
  2. 両国政府はここ数年に渡り同機販売を交渉中でインド海軍(IN)へのUS-2i12機の納入は総額16億ドル程度といわれる。
  3. 9月末に日本の防衛省広報官はIHS Jane'sに対しインド要求には「柔軟に」対応して成約を急ぐと述べている。柔軟性とは機体価格だけでなく、インド産業界を機体生産に関与させることも含む。
  4. ただし同報道官からはインドからUS-2i調達方針が明確に示されていないため商談が停滞していると明らかにした。INは完成機2機を新明和から導入し、残る10機はライセンス生産したいとの意向を示していた。
  5. 「日印防衛当局間では検討を急ぐことで合意している」と報道官は語っている。「ただし協力の具体的協議のためインド側が可能な限り迅速に調達方針を示すよう防衛省は期待している」
  6. また報道官は「インドが調達方針を決定次第、当方もインド側要望に柔軟対応し両国間協力を具体化していきたい」と述べている。
  7. US-2i輸出案件は2015年12月に両国間で合意されており、インド政府によれば「防衛装備・技術の移転」と関連し「機密防衛情報の保護」も盛り込まれている。■


2015年12月21日月曜日

★US-2のインドネシア輸出は実現しそうだ



これはまた期待したい案件になりそうですね。インドネシアと日本の関係も良好ですから条件があえば案件として十分成立するのではないでしょうか。原油価格が最近下降しているためインドネシアには交易条件は逆風ですが、日本政府による融資制度など使えば完成機輸出には十分道がひらけるのではないでしょうか。今後注目ですね

Japan and Indonesia agree to start defence trade talks

Jon Grevatt, Bangkok - IHS Jane's Defence Weekly
17 December 2015
日本はインドネシアと防衛装備の輸出入および技術移転について交渉開始を合意したとの12月17日に発表した。
東京での両国の防衛、外交大臣会合で合意形成ができ、日本からインドネシアへの装備品輸出が成約しそうだ。輸出想定で浮上してきた装備は新明和工業US-2i水陸両用捜索救難機だ。
日本の防衛省発表では今回の会談で防衛安全保障分野での二国間協力の枠組みができて、日本からの装備品供給や関連技術分野での協力に道が開けたとしている。
中谷厳防衛相は「防衛技術の移転に関する交渉の開始が合意できた。これは大きな一歩」と発言したと伝えられる。中谷に対応するインドネシア国防相リャミザルド・リャクドゥはUS-2i取得への関心を改めて表明し、海洋監視安全保障体制の改善に取り組む同国の取り組みの一助としたいと発言している。■


2015年2月21日土曜日

★★US-2のインド向け売却案件の現状 




インドの文化の一部とも言える複雑な行政メカニズムにより思ったよりもUS-2案件は遅れていると思います。ただし、かなりその内容が明らかになってきましたが、日本国内では殆ど知られていないのでは。これによると現地ライセンス生産による技術移転というインドの希望が通った形ですね。今後の潜水艦案件にも共通する要素が出てくるかもしれませんのでご参考までに。

Aero India 2015: ShinMaywa confident of progress on US-2 sale to India

James Hardy, Bangalore - IHS Jane's Defence Weekly
17 February 2015

新明和工業はUS-2i計12機の販売が順調に進むと見ている。Source: Japanese Ministry of Defense

新明和工業はAero India 2015 展示会(バンガロール)で日印両国政府の支援によりUS-2水陸両用飛行艇12機のインド海軍(IN)向け販売は遅れているものの解決に向かっていると述べた。
  1. INが求める長距離飛行捜索救難機の調達認可は国防調達審議会 Defence Acquisition Council (DAC)がまだ結論を出していない。DACは契約前に事業の認可を下す権限を有する。
  2. IN高官によるとUS-2i調達(総額16.5億ドル)は昨年12月31日に開かれた統合軍司令部における軍主要装備調達分類委員会Services Capital Acquisition Categorisation Committee (SCAPCC)で特別議題となっている。インドでは装備調達はSCAPCCを通すことが義務付けられている。
  3. 新明和インドのパータ・ヅッタ・ロイPartha Dutta Roy,は2月18日に「相当の審査準備が完了した」のでDAC認可に向け今後は工程が加速化するとの見方を示した。
  4. 合同作業部会は2014年に立上り、会合を数回繰り返し技術移転の基礎作業や契約準備が進んできたとロイは述べている。
  5. INの目論見はまずUS-2を日本から2機輸入したあと、残り10機はライセンス生産で現地組立てするもので、インド民間企業と連携して実現しようとする。
  6. IN関係者は以前に購入機数の引き上げを示唆する発言をしており、海軍のみならずインド沿岸警備隊(ICG)あわせインド洋地域(IOR)で活動範囲が拡大している事に対応したいと言っていた。
  7. ロイによればUS-2i(機体総重量47トン)はロールスロイスAE-2100Jターボプロップ4発を搭載し、運用飛行範囲4,700kmなので、「3時間以内にIORのいかなる地点にも到達できる」という。■