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2024年9月6日金曜日

JASSMの供与はウクライナに巡航ミサイルの安定供給をもたらす―一方で機微情報の漏洩リスクや米軍在庫の減少リスクも懸念(The War Zone)

 今回の話題はAGM-158 統合空対地スタンドオフミサイル(JASSM)で、米国がウクライナへ引き渡すことになりました。

頑なにロシア国内への攻撃を供与した装備では実行しないように求めてきた米国が態度を変えてきていることがわかります。


  

Todd Cromar/USAF


JASSMはロシアの防空システムを突破できる。しかし、提供される数が最大の利点となる


国が、今後数週間のうちに実施する支援パッケージにAGM-158 統合空対地スタンドオフミサイル(JASSM)をウクライナに提供する準備を進めているとの報道が本日出た。JASSMはウクライナの兵器庫内のいかなるスタンドオフ兵器よりも高性能であり、より優れた能力を提供できるが、最大の利点は、米国政府が安定供給できることであり、これにより、ウクライナが敵陣深くまで攻撃できる優先度の高い標的の数を大幅に拡大できる。

 JASSMがウクライナに送られる可能性があるという報道は、数ヶ月前に同国の最高幹部が、寄贈されるF-16ヴァイパーには、300~500キロ(186~310マイル)の射程距離を持つ最新型スタンドオフミサイルが武器メニューの一部として搭載されるだろうと主張していたことと一致する。

 また、ウクライナで生まれたばかりのヴァイパー部隊に、大きなリスクを負わせず、防空以外の任務を提供することにもなる。ウクライナは納入された6機半のF-16のうち1機と、貴重なバイパー訓練を受けたパイロットを失ったが、その経緯については依然として不明な点が多い。


F-16 ファイティングファルコンは、2024年8月4日にウクライナが初めて受け取ったジェネラル・ダイナミクス社製F-16 ファイティングファルコンの前で、ウクライナ軍の功績を称える演説を行うウクライナ大統領ヴォロディミール・ゼレンスキー氏(ウクライナ大統領府/提供/Anadolu via Getty Images)Anadolu


 現在、ウクライナ空軍は、イギリスとフランスから各供与された、ほぼ同一のストームシャドーとSCALP-EG巡航ミサイルを、空対地離脱攻撃の主な手段として採用している。両タイプとも、ウクライナのSu-24フェンサーによって発射される。 

 米軍から供与されたATACMS弾道ミサイルと、独自開発のネプチューン巡航ミサイルを除けば、これらの兵器はウクライナの長距離精密攻撃能力の最高水準を代表する装備だ。

 ストームシャドーとSCALP-EGはJASSMと基本性能は似ているが、米国製巡航ミサイルは生存能力がより高く、高度な低視認性(ステルス)機能を備えているため、非常に高度で密集した防空網をくぐり抜けることができる。

 これは、非常に精度の高い最新の電子情報やその他のインテリジェンスの助けを借りて行われ、ミッション計画インターフェースにプログラムされることで、ミサイルが標的まで無事に到達するための最良のルートが導き出される。SCALP-EGやストームシャドーのような終末誘導では、電子戦が激しい環境下でも正しい標的を攻撃できるよう、赤外線画像とシーン/イメージマッチング技術が併用されている。このシーカーシステムは非常に高度で、大気の状態が変化しても、プログラム通りに建造物の正確な部分をピンポイントで攻撃できると考えられている。

 JASSMの最初のバージョンは、射程距離が約330マイル(230マイルという情報もある)で、強化された建造物にも対応できる1,000ポンドの貫通弾頭を搭載している。

したがって、全体的には、ウクライナは、ウクライナ東部およびクリミア半島に広がるロシアの防空網を深く貫通できる、より先進的で生存性の高いミサイルを手に入れることになる。過去には、少なくとも一部のストーム・シャドー/SCALP-EGのミッションは、ADM-160小型航空発射デコイ(MALD)によって支援されていた。

 ADM-160は、敵の防空システムをかく乱し、混乱させるために存在する、小型巡航ミサイルのようなデコイである。JASSMのステルス性能により、MALDの支援なしでも、フランスや英国の同等のミサイルと同じ標的に命中させることができるかもしれない。あるいは、MALDの支援があれば、さらに効果的になるだろう。

 しかし、JASSMが提供できる能力が最大の魅力点ではなく、米国がこのミサイル数千発の備蓄に努め、より高性能なバージョンの開発を急ピッチで進めているという事実こそが魅力だ。国防総省の予算文書およびJASSMプログラムの選択取得報告書によると、2021年にこ生産が終了するまでに、2,000発強のAGM-158Aが取得されたことが示されている。前述のAバージョン、および現在のJASSM-ERの亜種と将来の亜種を含む、過去および将来のJASSM購入の「在庫目標」は、12,000発以上となる。

 AGM-158Aは2000年代初頭に就役し、Bモデルは2010年代半ばに続いた。初期のミサイルの一部は老朽化が進み、耐用年数に近づいているか、あるいは最新の状態を維持するため大規模なオーバーホールが必要な状態にある。そのため、米軍は少なくとも最も古く、最も性能の低いタイプについて、ウクライナに安定供給できる可能性がある。これと比較すると、ストームシャドーやSCALP-EGは、それほど大量に製造されていない。英国とフランスはこれらの兵器を惜しみなく提供しているが、その供給量は限られており、すでに大きな懸念事項となりつつある。

 例えば、ウクライナへの供給が始まる前、英国はこれらのミサイルを数百発ではなく数千発保有していたと言われている。JASSMが投入されれば、状況を安定化させることができるだろう。これは、AIM-120 AMRAAMやNASAMS防空システムが提供していたものと同様である。


初期の試験中にJASSMをテストする米空軍のF-16。米空軍


 ロシアにとって、JASSMはウクライナが高度な空対地発射型スタンドオフ兵器を大量に供給制限せず保有し、最強の防衛システムを突破されることを意味する。これはロシアにとって大きな問題で、特にクリミア半島の主要な標的、またウクライナの戦線後方にある主要な前進地域、貯蔵施設、司令部の地下壕、訓練センターなどに対して深刻な問題だ。状況によっては、より時間的制約のある標的を攻撃するのにも使用される可能性がある。現時点では、米国政府はウクライナがロシアの標的に先進的なスタンドオフ兵器を使用することを認めておらず、さらに、それほど進歩していない兵器の使用も、国境を越えて応戦する場合のみ許可されているに過ぎない。もしこの制約が変更されれば、JASSMはモスクワの防空体制にとって大きな問題となり、これほど破壊力のある長距離無人機は他にない。

 ウクライナとロシアの紛争でJASSMを使用することに対する大きな懸念のひとつは、このミサイルの技術的な機微性だ。20年前の電子工学やセンサー技術でさえも機微性が高いとみなされており、機体、特に低観測性設計の特徴、およびそれに伴う材料科学が最も懸念される。


最近の米空軍のテストで、JASSMを装備したF-16。米空軍



 米国のJASSMは、中国との紛争時には、絶対に不可欠な遠隔攻撃手段として大量に使用される。 そのため、その能力を損なうこと、特に、それらを発見する方法や、ターゲット探索装置を混乱させる方法については、大きな問題となる可能性がある。 しかし、ミサイルが発展する中で、このミサイルファミリーにどのような正確な技術的変更が加えられてきたのか、また、最も古いモデルをウクライナに提供することが、後の生産モデルや新型の変種に比べて極端にリスクが高いものとなるのかどうかは不明だ。また、中国やロシア、その他の敵対国がこれらの兵器についてすでに何を知っているのかも不明だ。もしすでに多くの情報が漏れていれば、リスクはそれほど大きくない。

 JASSMはこれまでも実戦で使用されており、残骸の一部は外国諜報機関に入手されている可能性もある。それでも、こうした事例は非常に限定的であり、米国軍が(シリアのように)必要であれば到達できる地域で、ある程度無傷の兵器を破壊するために、その場所が特定できれば、という条件付きだ。ウクライナでは、ロシア軍がさまざまな状態で複数のストーム・シャドーおよびSCALP-EGミサイルを回収し、そのうちのいくつかはほぼ完全に無傷の状態で、本国に持ち帰って研究に利用した。

 もしJASSMが紛争で大量に使用された場合、このような結果になる可能性は高いが、米国は容認できるだろうか?

 JASSMの安全保障上の問題については、以前、ウクライナがF-16戦闘機用に取得する可能性のある兵器について取り上げた特集記事で詳しく説明したが、それ以来状況は変化しており、より高度な兵器がウクライナに引き渡されているが、JASSMの問題は依然として変わっていない。 また、米国は太平洋地域における中国との大規模な戦闘において、これらの兵器(理想的にはさらに多くの兵器)をすべて必要とするだろうし、それらをウクライナに引き渡すことは、米国軍が最大の脅威に対峙する能力を損なうことになる、という意見もある。

 もう一つの選択肢として、AGM-84H/Kスタンドオフ陸上攻撃ミサイル拡張型(SLAM-ER)がある。このミサイルは、少なくともある程度は、トルコがF-16に統合している。この兵器は主に米海軍や韓国で使用されており、JASSMほど高度で強力、かつ射程距離が長いわけではないが、マン・イン・ザ・ループ標的捕捉など、JASSMにはない機能も備えており、JASSMの技術的リスクが発生しない有益な機能となる。

 JASSMをウクライナに送る取引が実際に実現するかどうかは、今後の成り行きを見守るしかないが、ウクライナのF-16戦闘機は、就役から間もない段階で戦力としてより大きな役割を果たすために、スタンドオフ式の地対地攻撃兵器を必要としている。そして、寄贈可能なストームシャドーやSCALP-EGがどれだけ残っているのかということが、ますます懸念される問題となっている。■


Above All Else JASSM Would Give Ukraine A Steady Supply Of Cruise Missiles

JASSM can penetrate Russian air defenses unlike anything Ukraine has now, but the numbers that could be provided is its biggest advantage.

Tyler Rogoway

Posted on Sep 3, 2024 7:09 PM EDT

https://www.twz.com/air/above-all-else-jassm-would-give-ukraine-a-steady-supply-of-cruise-missiles


2024年8月16日金曜日

JASSMステルス巡航ミサイルをウクライナへ提供との:報道が出てきたのは、実際に検討が進み、供与が現実になる兆候だ。クルスク侵攻作戦も後押し材料になるのか。(The War Zone)

 



F-16 carrying JASSMs on a test flight.

Maj. Jacob Rohrbach, a test pilot with the 40th Flight Test Squadron, flies a test mission with two JASSM-ERs onboard an F-16 on July 25, 2018, at Eglin Air Force Base, Florida. U.S. Air Force photo by Staff Sgt. Brandi Hansen


AGM-158 JASSMが供与されれば、ウクライナにとって最先端で生存能力の高い長距離攻撃兵器となる


国は、ウクライナに新たに到着したF-16戦闘機の搭載兵器として、AGM-158 統合対空対地スタンドオフ・ミサイル(JASSM)の供与に「前向き」であると伝えられている。JASSMは、非常に強力な新たな長距離攻撃能力を提供する。ワシントンからの報道は、ウクライナ政府高官が、同国はF-16用に最大射程300マイルの空中発射巡航ミサイル(種類は不明)を受け取ると述べた約6か月後に発表された。

 バイデン政権の匿名高官と「内部協議に詳しい」2人の人物の話として、ポリティコは本日、米国政府がJASSMをウクライナに承認するかどうかを検討しているが、前向きであると報じた。

 さらに、同じ情報筋によると、すでに国防総省は、ウクライナのF-16に、同ミサイルを統合する方法に取り組んでいるという。



 ウクライナに供給されるジェット機は、中期近代化(MLU)プログラムが実施されたF-16AM/BM規格であるが、現在、いずれもJASSMを装備していない。現在、このミサイルを使用しているF-16の運用者は、米空軍とポーランドのみ。MLU機材はJASSMを使用するため必要なソフトウェアを搭載できる、あるいはすでに搭載している可能性が高いが、起動や関連ハードウェアの調整が必要になる可能性があり、おそらく限定的なものになるだろう。

 最終決定はまだ下されていないと伝えられているが、同じバイデン政権の高官は、ミサイルの機密技術への対応方法を含め、移転の詳細は現在調整中であると述べている。


AIM-120 AMRAAM および AIM-9 Sidewinder 空対空ミサイルを2発ずつ装備したウクライナ空軍の F-16。ウクライナ空軍


 JASSMはすでに20年近く運用されており、一部のF-16や他の戦闘機にも搭載されているものの、非常にハイエンドな兵器であり、これまでウクライナへの供与は見送られてきた。

 F-16のウクライナ供与が現実味を帯びてきた際、本誌はJASSMが「最も大きな切り札」であると判断した。その理由は、その複雑かつ機密性の高い技術にあり、中でも低観測性(ステルス)特性は、最新式の防空システムに対しても高い生存性を実現する。

 ウクライナへのこれらの兵器の移転には、かなりの技術的リスクが伴うが、当局は現在、そのリスクに見合う価値があるかどうかを真剣に検討しているようだ。


 JASSMまたはその残骸がロシアの手に渡る可能性があるだけでなく、ミサイルの射程距離が非常に長い問題もある。

 初期型のAGM-158Aの射程距離は約530キロ、重量は1,020キロだった。射程距離が延長されたAGM-158B、またはJASSM-ERの公式発表された射程距離は少なくとも930キロだ。JASSMのさらに長距離バージョンも開発中ですが、これはまだ米軍によって実戦配備されていない。

 小型ターボジェットエンジンを搭載したJASSMは、慣性航法システム(INS)とGPSで目標を探知し、自動目標識別機能付きの赤外線画像装置で目標への接近時に高い精度を確保する。このミサイルは、GPSが大幅に劣化した環境でも作動するように設計で、これは、ロシアがウクライナの誘導兵器を妨害するためGPS妨害を激しく行っているウクライナでは特に重要となる。JASSMは、1,000ポンドクラスの爆風破片/貫通弾頭を搭載している。

 米国がウクライナにJASSMを提供した場合、ロシア国境内の標的に対して使用することが許可されるかどうかが大きな問題となる。この問題は、現在2週目に突入したウクライナによるロシアのクルスク地方への攻勢によって、より鮮明になっている。

 ウクライナ国内での任務においては、この兵器の射程距離は同国の必要性をはるかに超えているが、この問題に対処するため射程距離を変更することは可能である。


 欧米の情報筋は、ウクライナへのJASSM供与の可能性を概ね否定しているが、同国の当局者はより楽観的な見方を示している。

 2月には、セルヒー・ナエフ中将(ウクライナ軍統合軍司令官)が、同国のF-16戦闘機に「300~500キロメートル」の射程距離を持つ、未公表の空対地巡航ミサイルが搭載されると発言した。ナエフ中将は、この兵器は「さらなる軍事支援パッケージ」の一部として到着する予定であると付け加えたが、それ以上の詳細については明らかにしなかった。この記述から判断して、JASSMが最も有力な候補であるように思われた。

 先月、ウクライナ代表団がワシントンを訪問し、JASSMの移転承認を求める具体的な要請を行ったと伝えられている。この訪問により、この問題はジェイク・サリバン国家安保補佐官の机に届くことになったと言われる。

 一方、米国の政界では、ウクライナに長距離兵器を提供し、使用制限を緩和することへ支持が高まっている。


 親ウクライナ派の議員グループは、特にクルスクでの新たな攻勢を支援するために、ウクライナへ米国が供給した兵器をロシア領土深部に投入することを許可するよう、政権に呼びかけている。

 もしワシントンがJASSMをウクライナに引き渡す用意があるならば、たとえ最も古い型であっても、ウクライナにとっては能力面で大きな飛躍となる。特に、ウクライナの占領地域上空に張り巡らされたロシアの密集した防空網を深く貫通するには、非常に有効である。

 政策を180度転換してハイエンド兵器をウクライナに提供するのは今回が初めてではない。米国が提供したM1エイブラムス戦車、ペイトリオット防空システム、陸軍戦術ミサイルシステム(ATACMS)、そしてF-16戦闘機の例があった。

 一方、他の長距離巡航ミサイルもすでにウクライナに納入されている。英国が提供したストーム・シャドー、そして類似のフランスが提供したSCALP EG巡航ミサイルである。いずれもすでにかなりの効果を上げており、ウクライナのSu-24戦闘機から発射されている。ただし、在庫は限られており、ウクライナ空軍に巡航ミサイルを常備しておくだけでもJASSMが必要になる可能性が高い。


 ストームシャドー/SCALP-EGの輸出仕様は射程距離が約155マイルであるのに対し、非輸出仕様はほぼその2倍であり、JASSMとほぼ同等のクラスに位置づけられる。欧州が供給する巡航ミサイルはいずれも、現在、ロシア奥深くの標的に対して使用することは許可されていない。

 また、ウクライナ空軍が新たに導入したF-16でJASSMを運用可能にするにはどの程度の期間が必要かという問題もある。報道によると、少なくともこのミサイルをウクライナのF-16に統合する研究はすでに進行中のようだが、パイロットや整備士がこのミサイルの使用に関する訓練を受けるとかなりの時間がかかる。

 同時に、JASSMはミッション計画のための重要なバックエンドインフラストラクチャーを必要とし、それには兵器工学のトレーニングも必要となる。ミッション計画はJASSMにとって重要な要素であり、高度に防御された地域を飛行する際に最高の生存確率を得るためには、最新の脅威情報を必要とする。

 これまでのところ、ウクライナのF-16は空対空ミッションでのみ使用されており、攻撃能力を追加する前に、防空ミッションを習得する可能性が高い。

 ウクライナはかねてより、防空システム、指揮所、兵站貯蔵地、防空システム、係留艦船など、ロシアの高価値目標を攻撃するための長射程兵器を求めており、JASSMは戦線から離れた目標を攻撃する兵器として、ウクライナの兵器庫に歓迎される追加となる。

 現時点では、米国政府がウクライナにAGM-158の提供を決定するかどうかは不明だが、今日の報道は、この問題が現在も活発に議論されていること、そしてJASSMを搭載したウクライナのF-16が現実のものとなりつつあることを示す、これまでで最も強い兆候だ。■


JASSM Stealth Cruise Missiles Now On The Table For Ukraine: Report

AGM-158 JASSM would be Ukraine’s most advanced and survivable long-range strike weapon yet.

Thomas Newdick

Posted on Aug 15, 2024 3:32 PM EDT

https://www.twz.com/air/jassm-stealth-cruise-missiles-now-on-the-table-for-ukraine-report



2020年5月12日火曜日

グアムにB-1BがJASSM実弾を搭載し戻ってきたのは中国へのメッセージ


第7爆撃団が爆撃機任務部隊の展開で即応体制を示した。 PACIFIC AIR FORCES PUBLIC AFFAIR—PUBLIC DOMAIN

ッセージは明らかだ。米爆撃機隊は尻尾を巻いて逃げ出したのではない。ステルスで一撃をいつでも加えられるぞ、と言っているのだ。

「ボーン」B-1がグアム島に戻ってきた。しかもステルスAGM-158共用空対地スタンドオフミサイル(JASSMs)20本とともに、米国の太平洋での戦力を示威する形で。同ミサイルは開戦となれば初期段階で投入される装備だ。

写真ではグアムに展開したB-1BにJASSM実弾が搭載されているのがわかる。B-1Bはスタンドオフ攻撃で米国と同等戦力を有する国の最高度防備標的でさえも狙う事ができる。さらに同ミサイルの後継モデルJASSM-ERが開発中で、完成すれば600マイル地点から攻撃できる。B-1B自体も大陸間横断の長距離航続距離を誇る。

総合すれば相手国には大きなメッセージになり、まさしくこれこそが機体を派遣する目的なのだ。

USAF
珍しい角度の写真でJASSMのステルス形状、赤外線画像センサーがわかる。ミサイルの最終飛翔段階ではこのセンサーで極めて精密な標的捕捉が可能だ。

空軍が10年以上に渡るアンダーセン空軍基地への爆撃機常駐を突然中止したが、B-1Bは米本国から太平洋各地を巡行しており、遠くは南シナ海まで活動範囲に収める。今回はB-1B部隊がアンサーセン空軍基地に戻ってきたが、同地にいつまで留まるかは不明だ。

Aircraft Spots
@AircraftSpots
USAF B-1Bs WHIP01 & 02 departed Andersen AFB, Guam to conduct operations over the South China Sea via separate routes 

USAF KC-135Rs DOLE11 & 12 provided tanker support
米空軍B-1B2機はそれぞれホイップ01、02としてアンダーセンAFBを離陸し、南シナ海で別々の行動を展開した。USAFのKC-135R、ドール11、12がそれぞれ空中給油で支援した。
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2:53 PM - May 8, 2020
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この新しい動きの背景にペンタゴンでよく聞かれる「動的兵力配備」構想がある。つまり戦略機材を予測困難な形で展開することだ。

グアムの滑走路を使う機材は中国との開戦直後に格好の標的になるのが厳粛な事実だ。グアムにTHAAD部隊が常駐しているが、中国は防衛網を圧倒する数の弾道ミサイルで米航空戦力撃滅を狙うはずで、最低でも滑走路を使用不能にする、支援設備を破壊することで航空戦力を使えなくするだろう。

アンダーセン基地への爆撃機常駐を取りやめたのはB-1B爆撃隊を酷使しているのとは無関係のようだ。

アンダーセン空軍基地で巡航ミサイルを爆撃機に搭載することは楽な仕事ではない。同基地は拡張されてきたとはいえ、回転式爆弾倉への兵装搭載用の施設がなく、ミサイルは一本ずつ爆撃機へ搭載する必要がある。この作業に何時間もかかる。


USAF

南シナ海が加熱する中で、ペンタゴンが断続的な爆撃機派遣でメッセージを送ること自体に驚くべき要素はない。太平洋での爆撃機常駐体制は終了したが、世界でももっとも予測困難な地から戦略的に撤退したわけではないことがはっきりとわかる。■

この記事は以下を再構成したものです。



BY TYLER ROGOWAY MAY 10, 2020
THE WAR ZONE

2019年9月28日土曜日

装備品:JASSM、LRASM両巡航スタンドオフミサイルの調達規模拡大に走る米空軍の狙い

USAF aims to double long-term JASSM production up to 10,000 units 米空軍がJASSM生産を倍増し1万本調達を目指す


27 SEPTEMBER, 2019
 SOURCE: FLIGHTGLOBAL.COM
 BY: GARRETT REIM
 LOS ANGELES
https://www.flightglobal.com/news/articles/usaf-aims-to-double-long-term-jassm-production-up-to-461148/


国防総省(DoD)はロッキード・マーティン製統合空対地スタンドオフミサイル(JASSM)の生産数を当初の4,900本から最高1万本に拡大する。

米空軍物資本部から生産拡大の意向が9月27日に示され供給先を求めている。調達規則によれば軍はロッキード・マーティンが唯一の供給者でも他の調達先を模索する努力が求められている。

USAFではロッキード・マーティン製の長距離対艦ミサイル(LRASM)の追加調達も求めており、当初の110本が400本にまで拡大する。JASSMの射程拡大版JASSM-ERが原型で、500カイリ (926km)の射程を有する。USAFと米海軍が共同開発した。

JASSMおよびLRASMはともに低視認性巡航ミサイルで亜音速で飛翔するが、射程距離が長く敵の防衛圏外から発射可能だ。

今回のUSAF公告は巡航ミサイルの長期調達へのDoDの関心度を表したものと言える。

2019年5月、需要拡大を見越してロッキード・マーティンは20千平米の巡航ミサイル生産工場をアラバマ州トロイで起工している。工場建屋が2021年に完成すると、2022年下半期からJASSM-ERの増産が実現すると同社は発表。

USAFではロット17でJASSMを360本生産するとしていた。ロット18ではJASSM-ER390本、ロット19ではJASSM-ER360本とJASSM40期を調達するとしており、その後ロット30まで最大550本ベースで続く。

LRASMの生産も2017年のロット1(23本生産)から拡大を続けており、ロット4では50本を調達したいとし、最大96本でロット8まで調達したいとUSAFは述べている。■