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2025年7月17日木曜日

韓国がAH-64アパッチ攻撃ヘリの追加発注をキャンセルするのは、来るべき事態の兆しにすぎない(TWZ) — ウクライナ戦が既存装備品の価値をひっくりかえしています 自衛隊の攻撃ヘリ全廃方針は先見の明があったということ?


攻撃ヘリが無用の長物だとすると誇張しすぎになるが、生存能力、能力、投資対効果が疑問視されていることは疑いがない

A South Korean AH-64 Apache helicopter fires rockets during a combined live-fire exercise between the South Korean and US armies at the Rodriguez Live Fire Complex in Pocheon on October 30, 2024. (Photo by Jung Yeon-je / AFP) (Photo by JUNG YEON-JE/AFP via Getty Images)

Jung yeon-je/afp via getty images


AH-64Eアパッチ・ガーディアン攻撃ヘリコプター36機の追加購入が頓挫したとのニュースが韓国から飛び込んできた。これらの航空機は韓国が調達ずみの36機のAH-64に加わるはずだった。

 コリア・タイムズ紙は、先週金曜日に承認された補正予算で資金がほぼゼロになったため、22億ドルの取引がキャンセルされたと報じている。同紙はまた、約10年前の最初の発注と比較して、航空機のコストが66%上昇したことも指摘している。韓国がアパッチの追加発注をキャンセルする可能性があるという話は、以前からあった。

 韓国の国会議員で国民の力党所属の柳永源(ユー・ヨンウン)は、コリア・タイムズ紙に、ウクライナで世界に披露された、防空ミサイルや浮遊弾薬/ドローンに対するヘリコプターの脆弱性が拡散されたことが、決断に拍車をかけたと語った。ユー議員は次のように述べた: 「高価なレガシー・プラットフォームにしがみつくのではなく、戦争の未来を反映した能力に投資しなければならない」。



本誌が以前から指摘しているように、ロシアがウクライナに全面侵攻するはるか以前から、攻撃ヘリの有用性は疑問視されてきた。このクラスの航空機にどれだけのリソースを注ぎ込んでいるかという根拠を、今日の戦場の現実、そして明日の戦場の予測に基づいて再評価しなければならないという意味だ。


生存性は、このリストの最上位にある。低空でゆっくりと飛行するヘリコプターが、極端な危険にさらされることなく、従来の直接攻撃的な意味で有用なほど、目的の近くで活動するにはどうすればいいのだろうか。新しい戦術や複合兵器のコンセプトは、確かにここで長い道のりを歩むことができる。しかし、予測が非常に難しく、したがって計画するのも難しい、マンポータブル防空システム(MANPADS)、道路移動型SAM、高射砲などのポップアップの脅威は、顕著な問題のままである。


さらに、ヘリコプターを撃墜したり、要求に応じて発射して追撃したりできる安価なうろつき弾の出現もある。このような兵器は、非常にダイナミックな脅威でもある。


ルックダウンレーダーや長距離防空システムの普及も、攻撃ヘリに大きな脅威を与えている。特に、センサーの忠実度や高度なネットワーキング能力が拡大し続け、対空ミサイル技術も充実している。 レーダーの地平線の利用や地形マスキングは、年を追うごとに、こうした脅威からある程度身を守る効果が薄れていくだろう。


ミサイルや航空発射兵器(ALE)を含む新しい長距離兵器は、防空ミサイルを攻撃したり、囮にしたり、妨害したりすることができる。 状況認識の強化や電子戦システムも役に立つ。 攻撃ヘリに対するリスクの増大は、その将来をより不透明なものにしていることは言うまでもない。


次に航続距離の問題がある。 攻撃ヘリの航続距離が短いことは有名で、特に戦闘用に装備を積んだ状態での航続距離は短い。攻撃ヘリの航続距離の短さが際立っている。接近防止能力が発達した現代では、攻撃ヘリがどのようにして目標地点の射程圏内に入るのか、ましてや射程圏内に入ってから生き延びるのか、少なくとも多くの戦闘シナリオでは大きな疑問符がつく。また、従来のヘリコプターにはない生存能力も、スピードによってある程度は引き出される。こうした要素は来る太平洋戦争では特に顕著であり、このため米陸軍をシコースキー・ボーイングSB-1ディファイアントよりチルトローターV-280バラーの開発・調達に向かわせた一因でもある。


朝鮮半島に関して言えば、航続距離の問題はそこまで顕著ではないが、生存性の問題は間違いなく深刻である。北朝鮮がすでに急速に拡大しているドローンポートフォリオとその防空を強化するためにロシアから技術的支援を受け続けるなら、この問題はより顕著になるだけだろう。 そのため、アパッチの追加調達に費やされるはずだった数十億ドルが、他のプログラム、特にドローンや新機能に振り向けられることは、それほど驚くべきことではない。そのなかには、韓国がすでに導入している一方向攻撃型弾薬が含まれるのは間違いないだろう。この弾薬は間もなく、基本的なAI機能を使って人手を介さずに運用できるようになり、自分で標的を選べるようになる。非武装地帯を挟んでの戦いで砲兵を除けば、これ以上適切な武器はないだろう。


さらに韓国は、性能は劣るものの、独自の攻撃可能なヘリコプターを保有しており、その中にはマリン・アタック・ヘリコプター(MAH)やライト・アタック・ヘリコプター(LAH)があり、既存のAH-64部隊を補強することができる。


識者やメディアはしばしば、何かをまったく関係ないもの、あるいは関連性のないものとして描くことがある。このような二元的で「白か黒か」の位置づけは、良い見出しにはなるが、我々が生きている微妙な現実を代表するものにはほど遠いのが普通だ。AH-64をはじめとする攻撃ヘリは、現在でもその用途があり、統合軍戦略の重要な構成要素となっているが、だからといって、その規模を拡大したり、現在の規模を維持したりすることが論理的であるとは限らない。新戦力とバランスの取れた兵力削減は賢明な解決策であり、現有戦力が大幅なアップグレードやオーバーホールを必要とする中で、時間をかけて実現することができる。一方、戦力が小さすぎれば、作戦的に適切でなくなるし、その規模に見合うだけの維持費がかかる。 つまり、ここでもバランスが必要なのだ。

 また、アパッチへの需要は堅調で、海外からの関心も引き続き高いことも強調しておきたい。

 いずれにせよ、今後数年のうちに米陸軍の回転翼の在庫に同様の変化が見られる可能性はある。同軍は現在、およそ825機のアパッチを運用している。陸軍が新しい時代の戦争に(現時点では、あまりにもゆっくりと)適応していくにつれて、その数は劇的に変化する可能性がある。

本誌はこのトピックをより詳細に今後調査する。■



South Korea Canceling AH-64 Apache Order A Sign Of What’s To Come

While claims the attack helicopter is irrelevant are hyperbolic, their survivability, employability, and return on investment are definitely in question.

TYLER ROGOWAY


タイラー・ロゴウェイ

編集長

タイラーの情熱は軍事技術、戦略、外交政策の研究であり、防衛メディア空間においてこれらのトピックに関する圧倒的な発言力を育んできた。 The War Zoneを開発する前は、大人気防衛サイトFoxtrot Alphaのクリエーターだった。


2018年12月2日日曜日

自衛隊次期攻撃ヘリは海上運用の想定も

Japan sets naval-friendly requirement in search to replace AH-1S Cobra fleet 

陸上自衛隊AH-1Sコブラ後継機は海上作戦運用の想定

By: Mike Yeo    

陸上自衛隊のAH-1SヘリコプターがTOW対戦車ミサイルを発射している。東富士演習場にて。2014年8月19日。 (Kitamura Toshifumi/AFP via Getty Images)



本は現行ベル/富士重工AH-1Sコブラ攻撃ヘリコプターの後継機で艦載運用を想定する。
今年初めに出た情報要求(RFI)では新型ヘリコプターを海上運用型とし「臨時飛行施設または海上基地」から運用すると想定しているとベル顧問を務めるジョージ・トラウトマン退役中将が述べている。
国際航空宇宙展の会場でDefense News取材に答えたトラウトマン前海兵隊航空部隊司令官はRFIは「30機、40機、50機」各調達の価格および個別情報を求めているという。また今後3ないし4ヶ月内に提案要求が出るとした。
ベルにはAH-1Zヴァイパー案があるが、三菱重工業はUH-60J/JAブラックホークに補助翼および兵装運用箇所を追加した案を提案している。同社はブラックホーク、SH-60シーホーク各種を自衛隊向けにシコースキーのライセンスを受け1990年代から生産している。
エアバスは民生用H145で日本に進出しているが、今回はタイガー攻撃ヘリコプター案ではなくH145案を提示する。同社は神戸にあるヘリコプター修理点検施設の拡充を発表している。
その他にはボーイングがAH-64Eアパッチを、イタリアのレオナルドがAW249攻撃ヘリコプター(現在開発中)を提案する見込み。
日本はアパッチAH-64D13機をライセンス生産で導入済みだ。ただし同機は当初64機調達予定が大幅に規模縮小された。同機搭載のロングボウレーダーの性能が期待以下と評価されているといわれれる。■

離島奪還作戦の想定のためか、次期攻撃ヘリは陸上自衛隊の従来の運用構想と異なる性能が必要となります。水陸両用部隊への配備想定でしょうね。ロングボウが不要ならアパッチが今後長く活用できる機材になりますが、すでに既存機生産で肝心のスバルがひどい目にあっていますので今回はAH-1Z(米海兵隊が使用中)に傾くのではないでしょうか。

2015年5月4日月曜日

米印防衛協力>スコーピオン最初の購入国はインドになりそう ただし商談は高難易度


日米にとってインドは重要な安全保障のパートナーになりそうですが、うーん、インドの官僚制度としたたかな態度に米側も相当苦労している様子ですね。US-2輸出でも日本は相当覚悟するべきではないでしょうか。スコーピオンに関心を示していた亡国とはインドだったのですね。

Carter to offer Scorpion to India under joint development plan

Rahul Bedi, New Delhi and James Hardy, London - IHS Jane's Defence Weekly
30 April 2015

  
Industry sources in India say the US may offer the Textron
アシュトン・カーター国防長官は6月にインドを2日間訪問し、二国間戦略防衛協力のレベルを引き上げるとインド国防関係者がIHS Jane'sに明らかにした
  1. カーター長官は10か年の米印防衛枠組み協定に調印し、防衛貿易技術協力構想Defence Trade and Technology Initiative (DTTI)の早期実施でも合意形成し、二国間共同開発・生産をインドで進める。
  2. DTTIはカーターが国防副長官時代から進めてきたもので、米国はテクストロン・エアランドのスコーピオン軽攻撃偵察情報収集機をインドに提示するものとみられる。同機はインド空軍採用を目指し開発中。
  3. インド空軍司令官アルプ・ラハ Arup Raha 自身がスコーピオンに関心を示したといわれ、複座の同機は中間ジェット練習機(IJT)としても使える。インド空軍(IAF)でIJT機種が不足しているのはヒンドゥスタン・エアロノーティクス・リミテッド(HAL)のシターラ機開発が2005年から進んでいないため。
  4. 2014年のファンボロ航空ショーでテクストロン関係者からIHA Jane’sにスコーピオンの機体単価は20百万ドル未満、一時間当たり飛行費用は3千ドルとの説明があった。あわせて海外向けに2千機の販売目標があると述べていた。ただインドへの販売可能性についてはコメントを避けていた。
  5. バラク・オバマ大統領は1月のインド訪問の際に防衛枠組み合意を共同軍事演習や相互運用性の実現、情報の共有、対テロ対策、海洋監視協力で引き上げると認めていた。
  6. あわせて両国の軍部、防衛関係者高級レベルの相互訪問の頻度を引き上げる。
  7. 駐インド米国大使リチャード・ラフル・ヴァーマ Richard Rahul Vermaによれば両国は77項目のフォローアップをしているという。各項目はオバマ訪印を機にまとめられたもの。「再構成あるいは新規の30項目と別に30項目の対話をしている」というが、詳細は語らなかった。
  8. 関係者によればカーター訪印時にはDTTI枠組みで米国が約束した先行事例4項目の技術内容の進捗を検討するという。
  9. その対象のひとつはエアロヴァイロンメントRQ-11レイヴン無人機の共同開発、共同生産で、ロッキード・マーティンC-130J-30輸送機も対象だという。.
  10. 残る二つは機動性電気ハイブリッド動力mobile electric hybrid power systems (MEHPS)と核・生物・化学戦対応の戦闘服だという。
  11. 今年に入り作業部会がふたつ結成されており、航空機エンジン開発と電磁航空機発進システム(EMALS)が題材で長官訪問の機会に進捗を点検する
  12. カーターからはインド側に総額25億ドルの装備調達契約の早期締結を求める方向で、ボーイングAH-64Eアパッチ22機、ボーイングCH-47Fチヌーク15機がその内容。調達交渉は2013年末にすでに終わっている。.
  13. ボーイングは6月末までは両機種の価格据え置きを認めているがその後は無理との連絡がIAFに入っているとみられる。業界筋によればボーイングが価格据え置きで商談を維持するのはこれで9回目だという。
  14. インドの防衛調達手順Defense Procurement Procedure (DPP)では交渉集結案件で価格改定が発生した場合は入札やり直しとなる。■

2015年2月7日土曜日

MUM-Tは米陸軍の有人機・無人機共同作戦コンセプト


無人機と有人機の融合では対地攻撃ミッションが多い陸軍が先行しているようです。ゆくゆくは敵地上空での空中戦闘や爆撃ミッションでもおなじような組み合わせがみられることになるでしょう。無人機の運用が遅れている日本は逆に早く成果を利用できるといいですね。

MUM-T Is The Word For AH-64E: Helos Fly, Use Drones

By RICHARD WHITTLEon January 28, 2015 at 4:32 PM

Apache AH-64E in Afghanistan
米陸軍に無人機革命が到来したようだ。新型装甲偵察ヘリも旧型ヘリの転用でも予算がない陸軍は、かわりにMUM-T Manned Unmanned Teaming 有人ヘリ無人機のチーム運用を前面に打ち出している。アフガニスタンではパット・デイビス中佐 Lt. Col. Pat Davis のAH-64Eアパッチ大隊では銃撃ミッションの6割で無人機の支援を得ているという。中佐は自身の経験をボーイング主催の報道陣向け朝食会で語ってくれた。
  1. 「性能にはすごいものがあります」と中佐はAH-64Eの威力にどれだけ惚れ込んでいるか語ってくれた。E型は重武装攻撃ヘリの最新型で、タリバンは「怪物」と呼んでいるという。
  2. AH-64Dから飛行速度、航続距離が伸びただけでなくE型では陸軍のMQ-1Cグレイイーグル無人機に「話す」ことができるという。これによりアパッチエコーの乗員は敵地のフルモーションビデオを目的地到着前に見られる。
grey-eagle-uav-in-iraq
  1. 「作戦テンポはとても早かった」とデイビス中佐は言う。現地での7ヶ月中に配下の1-229攻撃偵察大隊はアフガニスタンでE型を戦闘投入するs最初の部隊になった。24機のアパッチで合計11千時間の戦闘飛行を3月から11月の間に実施し、任務完全実施率は87%という堂々たる成績だったという。
  2. 大隊にはOH-58Dカイオワウォリアー偵察ヘリコプター15機、UH-60Mブラックホーク多用途ヘリコプター10機も配属されている。このうちOH-58Dは予算強制削減による航空機再編成事業Aviation Restructure Initiative (ARI)で退役が決まっている。デイビス中佐には直属の無人機がなかったが、E型乗員は戦術共通データリンクTactical Common Data Linkを使い、グレイイーグルの撮影したビデオ映像を見るだけでなく、センサーを操作したり、ヘルファイヤーミサイルを発射できた。
  3. アパッチからはこれ以外の無人機も操作できる。小型のスキャンイーグル、RQ-7シャドウからプレデターやMQ-9リーパーまでが対象だという。リーパーはプレデターやグレイイーグルより強力な武装を搭載し、ヘルファイヤー4発、500ポンド爆弾2発を運ぶ。
  4. AH-64Hからグレイイーグルを操作しMUM-TではLol 3(Level of Interoperability 3 相互運用度3)と呼ばれるセンサーを動かした。中佐によればアフガニスタン移動前の訓練でもグレイイーグルとの協同作戦をLol 4で行い、ヘリコプターから無人機を操作し、武器を投下させている。.
  5. 陸軍は各師団にグレイイーグル一個中隊を配属し、カイオワウォリアーは退役させる方針。これもARIの一環だが、州軍に配属中のアパッチ全機を正規部隊に編入すべきかとの議論もあり、州軍にはかわりにLUH-72ラコタとブラックホーク多用途ヘリで我慢してもらう構想だ。
  6. ジェフ・ホワイト大佐Col. Jeff Whiteは陸軍訓練教導本部 Army Training and Doctrine Command (TRADOC) で偵察攻撃ヘリコプターの責任者で、ボーイング朝食会の席上で「有人無人協同運用はカイオワウォリアーが退役するつなぎとして重要な存在」と発言。ただしホワイト大佐は陸軍はまだMUM-Tで学ぶことが多いと付け加えた。
  7. たしかにデイビス中佐の1-229飛行隊のアパッチエコー各機は利用可能な装備をその場で使ったのが現実で最初から想定した使用方法ではない。「どの機体がその場にあるか次第」とデイビス中佐も言う。「その場に無人機が飛んでいてリンクできた場合もあり、その場にいなければ呼ぶしかなかった」
  8. では指揮官としてOH-58Dと無人機のどちらが偵察用途でお気に入りだったのだろうか。「ミッションの条件次第ですね」と言う。有人ヘリコプターで敵地に入れば状況認識ははるかに詳しく可能。だが無人機をはるかに高高度(1万から1万5千フィート)に上昇させても同じ偵察が可能なら敵に見つかるることのないスタンドオフでいられる。この利点は大きいですね」■