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2017年4月16日日曜日

米空軍F-35A戦闘飛行隊が初の欧州展開に出発


今回の派遣はシンボリックなものですが、記事にあるように本格欧州展開にむけた地ならしの意味もあるのでしょうね。それにしても東西での緊張要因が増えるばかりで米軍装備は薄く展開せざるを得ません。それだけにNATO各国が「ただ乗り」してきた状況に米国も忍耐の限界を感じているのでしょう。(NATO主要国ではやっと2016年から国防予算増加に転じています)

US Air Force F-35s making first operational deployment to Europe this weekend 

米空軍は今週末にもF-35部隊に初のヨーロッパ派遣を実施

By: Valerie Insinna, April 14, 2017 (Photo Credit: R. Nial Bradshaw/U.S. Air Force)

WASHINGTON — 米空軍F-35Aが今週末に初の海外展開でヨーロッパに向かい、NATO同盟国と共同訓練するとペンタゴンが14日発表した。
  1. 国防総省は発表内容を絞っており、「少数の」F-35Aが第388戦闘飛行隊(ユタ州ヒル空軍基地)からヨーロッパ内の非公開地点に展開するとしている。
  2. F-35隊は今週末に米本土を離陸し、ヨーロッパに数週間程度駐留し、ヨーロッパ内同盟国との軍事的つながりを強化する欧州再保証事業の一環となり、ロシアのヨーロッパ侵攻を食い止める抑止効果を期待する。
  3. 国防総省は「今回の訓練ではF-35事業の大きな一歩となり、空軍は第五世代戦闘機の作戦能力をさらに示す効果を上げることになる。さらにゆくゆくF-35Aのヨーロッパ駐留が2020年代初頭に予定されており、今回は細部をつめる意義もある」と声明文を発表している。
  4. 今回の派遣をトランプ大統領がロシアとの関係でぎくしゃくしていることと結びつけたくなるが、F-35の欧州派遣はオバマ政権時代から企画されており、昨年12月に前空軍長官デボラ・リー・ジェイムズからも今年に入り空軍部隊のヨーロッパ派遣を匂わせる発言があった。「F-35が戦闘投入可能となったので遠くない将来に同機をヨーロッパに展開する予定」とジェイムズは大西洋協議会で述べていた。「来年夏までにF-35がヨーロッパに姿を見せなければ驚くことになる。ステルス、状況認識とデータ融合の組合せは同盟各国へ抑止効果を見せつけることなろう」
  5. 今年2月に空軍航空戦闘軍団司令官のハーバート・「ホーク」・カーライルが退役前に同機をヨーロッパおよびアジア太平洋に早くて春にも派遣し、中東地区への配備は数年後と発言していた。
  6. 今回の欧州派遣で空軍はどの基地に移動するのかを発表していないが、一つの可能性は英空軍基地があるイングランドのレイクンヒースで、同基地はもともとF-35Aを54機駐留させる予定だが、配備は当初の2020年から数年送れる見込みだ。

2016年7月24日日曜日

☆★米空軍が考えるA-10後継機調達の道のり



CAS機というとA-10の印象が強い中、この記事によれば次期機材は当面は既存機種の転用、長期的には新型機の投入も可能と時間稼ぎのようなことをいっていますがどちらも軽量機となるとのことです。ということはA-10の再来は期待できないということですね。スコーピオンは検討対象外なのでしょうか。

Aerospace Daily & Defense Report

A-10 Warthog Replacement: U.S. Air Force Considers Two-Step Approach

Jul 21, 2016 Lara Seligman | Aerospace Daily & Defense Report

A-10s: USAF
米空軍はA-10ウォートホグの後継機でローエンド軽攻撃機「OA-X」と高性能版の「A-X2」の二機種で構想している。
  1. A-10退役を2018年に迎える中で空軍はまだCAS任務機開発の道筋を決めかねている。7月20日に外部関係者に最新動向を説明する機会で軽攻撃機種2つを並列開発し長期短期双方のニーズに対応する考えを紹介している。
  2. 説明では「OA-X」は防空体制の低い環境用だとマーク・ガンジンガー、戦略予算評価センターのアナリストが述べている。OA-Xはローエンド、低コストで開発工程の不要な機体で既存の米空軍軽攻撃態勢を補強する存在だという。
  3. OA-Xでは既存機種の転用を考え、A-29スーパートゥカーノあるいはAT-6練習機が候補とローレン・トンプソン、レキシントン研究所のアナリストが述べている。
  4. 空軍はOA-XはA-10後継機ではなく補完機材だとガンジンガーは強調している。
  5. 空軍が注目するのが「A-X2」で長期的にはウォートホグ後継機になると両アナリストは言う。A-X2は低度から中度の脅威環境で運用できる機体が理想で、つまり航空優勢が確保できない戦場にも投入可能な機体だ。A-X2を完全新型機にするか、既存機を利用するかは未定だが、価格と運用開始までのリードタイムが重要だという。
  6. 新型軽量攻撃機構想を進める空軍は予算制約に直面する一方で運用機材の即応体制でも問題がある。空軍は安価な既存機種改造策でCAS任務以外にパイロット訓練の実施と機体数追加も目論んでいるとレベッカ・グラント、IRIS独立研究所長は説明している。
  7. 「即応体制の問題では稼働機材を増やすのも解決策で、そのため二機種開発案が出てきたのだろう」とグラントは述べ、「新型機も欲しいと考えているのだろう」
  8. ガンジンンガーは空軍は早ければ2019年度の事業目的記述文書Program Objective Memorandum (POM)にこの事業を記載すると見ていると述べた
  9. 「CASという重要任務をどう継続するか真剣に考えているはずです。現行機種が老朽化し、規模縮小する中で即応体制の問題は予算とからんできます。今回の空軍のメッセージは地上兵員の男女を守ることを空軍が真剣に考えている証です」とガンジンガーは述べた。
  10. ただガンジンガーは補正戦争予算である海外緊急作戦Overseas Contingency Operations (OCO)費目で必要な資金を確保する可能性もあると指摘している
  11. ただトンプソンは空軍が二機種を同時追加して機材近代化を進めようとすれば反対に遭遇すると指摘。
  12. 「空軍が単純なA-10後継機と見ていない理由にA-10の高コストが指摘があります。ただ一度に二機種を追加する動きは予想外」とトンプソンは認めている。■


2016年6月29日水曜日

★★F-35AがF-15E相手のドッグファイトで無敵ぶりを示した?



なるほど、今回はF-15E相手のドッグファイトでF-35に歯が立たなかったということですか。これから性能に磨きをかけていくということなので期待しましょう。


F-15E Strike Eagles unable to shoot down the F-35s in 8 dogfights during simulated deployment


Jun 27 2016 -

「仮想敵F-15E相手に八戦八勝」

米空軍のF-35Aは初期作戦能力の獲得宣言を今年8月から12月に予定し準備中だ。

  1. 実戦想定の配備が実施されており、結果から同機が「整備された防空圏を突破できること、また地上部隊向けの近接航空支援を行い、紛争地帯に配備可能なこと」を実証したという。
  2. ヒル空軍基地(ユタ)のF-35七機がマウンテンホームAFB(アイダホ)に展開し同基地のF-15Eストライクイーグル(第366戦闘機隊)と実戦テストを実施した。
  3. 航空戦闘軍団でF-35作戦性能要求の取りまとめ作業を統括するF-35システムズ統括室のデイヴィッド・チェイス大佐が空軍ウェブサイトに今回二回目となった配備シミュレーション結果を紹介している。
  4. 「マウンテンホームに到着したF-35は搭乗員、保守点検要員他支援部隊とともにミッションをこなした。今回の配備では予定88回の飛行を88回全部実施し、実行率100%を示した。また爆撃任務では16発投下したうち15発が命中という命中率94%を達成した」
  5. 「一連の数字は機体の安定度が高いとともに各部品が良好に作動したことを示している」
  6. 「マウンテンホームでの実績からF-35の性能で総合評価を導くことが可能。第二回評価作業でIOC後の空軍目標が生まれる。各報告データ全部が7月に集まり、総合性能評価に反映される。最終目標は必要な性能を同機に与え、ミッションを成功裏に実施させること。カレンダー通りには進展しない作業だ」
  7. 「本日の各機運用実績からはF-35は非常に高い評価がつき、性能だけでなく他機種への優越性も示した。ヒルではF-15Eとの統合運用が非常にうまくいった。爆弾の投下の正確さもよかった。すべての情報からIOCへの準備態勢の評価ができるだろう」
  8. 今回の配備についてまとめた図が下のように同時に公開されているが興味深い内容だ。
F-35 deployment

  1. 左から四番目の部分が興味を引くだろう。演習でF-15EがF-35に挑んだがF-15は全く歯が立たなかったというのだ。
  2. 図ではF-35がF-15Eに射撃を撃ち返したのかは不明だが、アナリストにはJSFがストライクイーグルに対し8対0の驚くべき撃墜比率を示していると指摘するものもある。
  3. ただし「被害ゼロ」は単にF-35がレッドエアー軍のアグレッサー部隊に撃墜されていないということだけかもしれない。F-15EにAN/APG-82 AESAレーダーとスナイパーATP(高性能目標捕捉ポッド)が搭載されていたとすれば、ストライクイーグル編隊はDCA)防御制空任務)にあたり、IOCに近づいた状態のF-35を「発見」できなかったのかあるいは「交戦」できなかったのかもしれない。これはトラブル続きで予算超過が批判されるF-35にとっては大きな成果だと受け止められるはずだ。
  4. 実はF-35が対戦闘機の空域で被害を受けずに飛行できる性能を示したのは今回が初めてではない。グリーンフラッグ演習15-08ではライトニングIIで一機も撃墜相当が発生していない。この大規模演習はほぼ一年前の出来事だがカリフォーニア州フォートアーウィンの国家演習センターで実施され、F-35はCAS(近接航空支援)の主力機として投入された。
  5. この時にはアナリスト数名からテスト機材二機を参加させたのはPR目的に過ぎないとの見方が出ている。事実各機は実戦想定の航空支援へまだ対応が整っていない状態で投入されていた。
  6. 今年の演習でどんな成果がでるか楽しみだ。■


2016年6月11日土曜日

★米空軍はハイローミックスを再構築すべき段階にきている





Why America’s Air Force Needs to Revive the High-Low Mix

June 9, 2016

米空軍の構造問題は深刻だ。一方で戦闘機爆撃機無人機の装備近代化で航空優勢を今後も確保しようとしているが、第四世代機は高脅威環境では残存は期待できない。統合防空体制の出現で米空軍は航空優勢確立方法で再考を迫られている。
  1. F-35A戦闘機の一義的な任務は高性能ステルス性能や優秀な電子装備とデータ共有機能を生かせり高脅威度の環境を想定し、後に続く第四世代機に「ドアを開けてやる」ことだ。だが米国による航空優勢が脅かされる中でF-22再生産案が浮上してきた。目標を捕捉し敵防空網を突破するのがB-21爆撃機の要求性能の中心だ。空軍は無人機で統合防空網をどう克服するか熟考している。
  2. その反面、空軍の大部分の時間は海軍、海兵隊と並び深刻な脅威度がない環境での作戦展開た。各種機材が、対テロ作戦、対ゲリラ戦、平定作戦で飛行時間の大部分は支障なく上空待機をしている。
  3. ハイエンドの脅威環境に対応できるならローエンド脅威にも対応できることに疑問の余地がないだろう。ISIS相手の地上戦で近接航空支援に一番活躍している機体はB-1爆撃機だ。長距離飛行、高速であらゆる兵装を搭載でき、長時間滞空できるB-1が冷戦時代の任務内容を再定義されたのだ。
  4. だがハイエンド部隊をローエンド戦に投入するのはフェラーリを所有しながら子供のサッカー練習の送り迎えに使うようなものだ。これは21世紀の空軍の戦力整備にもあてはまる。F-35Aを空軍は1,763機整備する方針だが、接近阻止領域拒否の動きが欧州、中東、アジアで広がれば各機はハイエンド作戦中心の投入となり、抑止効果が期待されるようになる。ローエンド戦では一部のF-35が指揮統制の中継機の役割を果たすだろう。
  5. 第五世代機でハイエンド脅威に対応し、第四世代機の改修で大規模武力衝突勃発に備えつつ空軍は予算投入と性能整備の焦点を世界各地発生するはずの低難易度紛争への対応にあてるべきだ。特に航空優勢が比較的容易に確立できる環境での運用維持 (O&S) 費用を下げることだ。
  6. この要求にこたえる機材は既に存在しており、生産中のものもある。たとえば軽航空支援(LAS)機としてアフガニスタン空軍に頑丈で柔軟に運用でき抵コストの機材を供与しISRに加え対地攻撃も行う構想がある。A-29スーパーツカーノが現在8機同国内で運用されており上々の効果をあげている。レバノンが導入に傾いており、ナイジェリアもボコハラム戦で同機の投入を検討している。米空軍も独自にLAS導入を検討したことがあり、各国向けの訓練支援にあてようとした。低強度紛争で米軍や各国軍を支援する費用を下げる効果が期待できるので空軍は独自によるA-29導入を再考すべきだろう。
  7. 同様の議論が低コスト長時間投入可能な無人機部隊の調達で、MQ-9リーパーを補完することに可能だ。リーパーは現地戦闘指揮官の求めでISRに酷使されている。空軍はオーロラフライトサイエンシズのオライオン超長時間飛行無人機を導入しO&Sコストや人件費が削減できないか検討している。空軍が高脅威環境に対応でに走る中で低コストのISR用無人機は一層必要とされるはずである。
  8. ハイ・ローミックスの戦力整備は冷戦時代で意味があったが、紛争の形態が多用化し予算が厳しい今日では解決策としての効果が増えている。ハイエンドは専用機材としてF-22、F-35やB-21で構成する。だがローエンドは最小限のコストでミッションが求める要求を実現する方法で対応するのである。■

This story originally appeared in the Lexington Institute’s LexNext blog



2016年4月28日木曜日

USAF>次期空軍参謀総長の指名を受けたゴールドフェイン大将はこんな人


空軍参謀総長に指名受けたゴールドフェイン大将は今年57歳、戦闘機でキャリアを築いた人のようです。空軍が今後の世界にどう対応するのか、特に無人機、AI、宇宙装備、サイバー、ISRと多様なミッションを抱える組織として組織内価値観も変動する中でどういうリーダーシップを発揮するのかお手並み拝見ですね。
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Battle-tested general tapped to be next Air Force chief of staff

Stephen Losey and Phillip Swarts, Air Force Times 5:29 p.m. EDT April 26, 2016
Gen. David Goldfein(Photo: Air Force)
デイヴィッド・ゴールドフェイン空軍大将は戦場で鍛えられた戦闘機パイロットで湾岸戦争、アフガニスタン、コソボ紛争で戦闘ミッションをこなしてきた。同大将が空軍の次期参謀総長に指名されたとペンタゴンが26日発表した。
  1. 議会承認を受ければ、ゴールドフェインは7月1日にマーク・ウェルシュ大将の後任となる。ゴールドフェインは2015年8月から空軍参謀次長の職責にあった。
  2. 「空軍第二十一代参謀総長の指名を受け恐縮の至り」とゴールドフェインは語っている。「承認受ければ空軍隊員、その家族にしっかりと仕え、空軍の伝統と団結の遺産を守ることを誓いたい」
  3. 空軍長官デボラ・リー・ジェイムズはウェルシュ大将とこの人選を称賛している。
  4. 「ゴールドフェイン大将には経験と構想力が備わり、揺れ動く世界での課題の中で増大する軍事力への期待にこたえる必要な資質がある。大将は重要な協力関係の構築と維持の仕方がわかっており、戦闘経験もあり、空軍の人員と資源のバランスの中で必要かつ的確な判断を下し、明日の空軍づくりに貢献できる。空軍力の優位性を次世紀へつなぐためにこれ以上優れた人物はいない」(ジェイムズ長官)
  5. 「ゴールドフェインは空軍兵士として戦場でのリーダーの模範であり、だからこそ空軍に必要な人物だ。空軍隊員と深く結ばれており、家族もともに応援することをためらわず、正しく空軍の任務の重要性を理解している。だがなんといっても本人は妻のドーンとともに国に尽くす大きな名誉の意味を理解している」(ウェルシュ大将)
  6. ゴールドフェインは飛行時間4,200時間超でF-16ファイティング・ファルコンのC型D型、F-117Aナイトホーク、無人機MQ-9リーパーを飛行させており、そのほかにT-37、T-38、MC-12Wの操縦経験がある。
  7. セルビア上空を飛行中の1999年には乗機F-16に地対空ミサイルが命中し撃墜されている。
  8. ゴールドフェインは機外脱出し、農地を横断し敵のパトロール部隊から逃れ救難ヘリコプターを待った。だがヘリの救難隊員が地上に降りゴールドフェインを機内に収容するところで発砲を受けている。機体に5発の銃弾が帰還後に見つかった。
  9. 2007年にエルパソタイムズ紙に当時の救難隊員には毎年スコッチウィスキー瓶を送り敬意を表していると語っている。「シングルモルトの極上品」だという。
  10. 今回の人選は国防長官アシュ・カーターが戦闘機での従軍体験がある人物に参謀総長の職を希望した事で実現した。イスラム国過激派に集中的な空爆作戦を実施中だからこその人選だろう。
  11. 2月にMilitary Timesの取材でゴールドフェインは空軍の中核任務は技術が進歩して世界情勢の変化があっても不変だと語っている。
  12. 「1947年の国家安全保障法で与えられたミッションは五つ。それぞれ時間がたったが大きく変わっていない。形は変わっても意味を改めてよく考えていく必要があるが、空と宇宙で優位性を確保するのが空軍の中核的な任務でありそれにより国に仕えるのだ」
  13. またゴールドフェイン人事でA-10ウォートホグにはISIS戦で耐用年数を伸ばすことになりそうだ。
  14. 「A-10全機退役の決定時はISIL出現の前でした。イラクから撤退し、アフガニスタンで大幅な兵力削減に取り掛かっていた時点です。ロシアが力を盛り返す前で、A-10退役を話題にしていたのですが、前提が変わり、素早い状況対応を迫られています」とゴールドフェインはMilitary Timesに語っている。
  15. ゴールドフェインが最初に直面するのはジョン・マケイン上院議員だろう。強力な上院軍事委員会の委員長のマケインは空軍上層部とは空軍上層部とはぎくしゃくした関係で知られており、先月もA-10退役案で空軍を叱責していた。
  16. だがゴールドフェインもマケイン議員も戦闘中に撃墜された経験で共通し友好的な関係が生まれるもしれない。
  17. 上院軍事委員会はゴールドフェイン指名の公聴会日程を決めていないが、マケイン議員は大きな問題や遅延は発生しないだろうと述べている。「本人の経歴には非の打ち所がないし、評判もすこぶるよい。耳にした派内ではきわめてすごい経歴の持ち主のようだ」
  18. ゴールドフェインは空軍士官学校を1983年に卒業し、パイロット養成課程をシェパード空軍基地(テキサス)で受けている。順調に昇進し第555戦闘機隊の指揮官をアヴィアノ航空基地(イタリア)で、第366作戦集団の指揮をマウンテンホーム空軍基地(アイダホ)で、第52戦闘機団司令をスパンダレム基地(ドイツ)、さらに第49戦闘機団をホローマン空軍基地(ニューメキシコ)の司令を務めた。
  19. 戦闘航空軍団の作戦立案責任者をラングレー・ユースティス共用基地(ヴァージニア)で2009年に、空軍中央軍の指揮を南西アジアで2011年から2013年にかけて、さらにこの二年間はペンタゴンの統合参謀本部で統括官を務めてきた。
  20. 昨夏に大将に昇進し空軍ナンバー2となった。国防功労章、勲功章、殊勲飛行十字章他を受けている。
  21. ゴールドフェインは軍人の家系で父は空軍、兄も空軍中将で退役している。娘が一人おり、現在は空軍勤務中。妻ドーンは学校教師で世界各地の空軍基地でで将校配偶者クラブの運営に携わった。
  22. 2001年には著書"Sharing Success, Owning Failure: Preparing to Command in the 21st Century Air Force."「成功を共有し、失敗を受け入れる。21世紀の空軍の指揮に備える」(空軍大学出版会)を刊行している。■

2016年4月19日火曜日

巡航ミサイルから指向性エネルギーで敵電子装備を破壊するCHAMP登場




Air Force Wants Cruise Missiles Capable of Beaming Directed Energy

POSTED BY: RICHARD SISK APRIL 13, 2016
(Photo courtesy Air Force Research Laboratory Directed Energy Directorate)
(Photo courtesy Air Force Research Laboratory Directed Energy Directorate)

米空軍は低空飛行中の巡航ミサイルから指向性エネルギービームを発射し敵防空網を突破する構想を検討中だ。対電子装備高性能ミサイルプロジェクトCounter-Electronics Advanced Missile Project, CHAMPの名称がついている。
  1. これまでも対電子装備兵器には海軍のEA-18Gグラウラーのように敵レーダーを妨害するものがあったが、CHAMPは敵レーダーを破壊する。空軍は12日にペンタゴン中庭で指向性エネルギー兵器構想の展示会を開き、その席上でこの構想を紹介している。
  2. カークランド空軍基地内(ニューメキシコ州)にある空軍研究所がボーイングAGM-86空中発射式巡航ミサイルを改造し高出力の高周波パルスの指向性エネルギービームをアンテナから発射し「敵の軍事電子装置や通信装置を使えなくする」ようにした。
  3. 「今のところはB-52でしか運用できません」とAGM-86を搭載するのが同爆撃機だけであるとニコラス・クォーターモント少佐(空軍研究所)が指摘するが、空軍はCHAMPを F/A-18やF-35共用打撃戦闘機でも運用できるように作業中だ。
  4. ボーイングはCHAMPの初期成功結果を2012年に公表ずみで、空軍は複数発射で複数目標に対抗できる制御可能な改良型を今年後半にテストする。
  5. ボーイングは2012年のテスト成功後に「CHAMPミサイルは事前プログラム通りの飛翔をし、高出力エネルギーのバーストを複数回放出し、効果的に目標のデータを破壊し、電子装置を使えなくしている」「CHAMPは一回のミッションで複数目標へ高周波数の攻撃を加えることができる」としている。
  6. また空軍はCHAMPの利点として「正確に目標を狙い、不必要な被害や生命への危険を回避できること」をあげている。■

2016年2月16日火曜日

★米空軍>第六世代戦闘機は海軍とは別個の機体になる(参謀次長)



F-22やF-35の次に登場する戦闘機は現在の戦闘機と外観も変わっているかもしれませんし、高エネルギー兵器を搭載するため多大な発電容量も必要ですから機体寸法も大きくなっている可能性もあります。そうなると空軍は相当先を見越した機体開発が可能ですが、海軍は空母運用を前提にしますからそんな大型機では運用できないと考えるでしょう。ともあれ、少しずつ情報が出てきた第六世代機とは相当技術的に進んだ存在の想定のようです。F-15やF-16も2040年代まで供用する案もあるようなので、ドッグファイトは既存機にまかせて、6th Genが過日提唱されたBattle Planeに大化けする可能性もあるでしょう。その前身としてArsenal Plane構想は要注目ですね。一方でF-35で各軍共通機材の開発では相当ストレスが空軍に高まっていたようですね。
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Sixth-Gen Fighter Likely Won’t Be Common Across Services, Air Force General Says

Lara Seligman and Phillip Swarts, Defense News, Military Times 6:29 p.m. EST February 12, 2016
WASHINGTON — 各軍共通の機材としてF-35開発を進めた方法論とは反対に第六世代戦闘機は米空軍と海軍で共通要素のない機体になりそうだと空軍トップが語っている。
  1. 次世代戦闘機が各軍で別個の機体になりそうなのは空軍と海軍のミッション要求内容が異なることになりそうなためとジェイムズ・「マイク」・ホームズ中将(空軍参謀次長、計画立案要求性能担当)が述べている。第六世代機はF-22と海軍のF/A-18の後継機として2030年代実戦化を狙う。
  2. 「統合部隊といってもお互いに任務が違うので要求内容も異なる」とホームズ中将は報道陣に語った。「一部の技術要素は共通化できるだろうが、今の段階では同じ機体にはならないとみている」
  3. これは現在進行中の案件とは大きなかい離だ。第五世代F-35は空軍、海軍、海兵隊で共用の戦闘機として構想され、各軍向けに三つの型式が生まれた。
  4. 昨年は海軍と空軍が合同して代替策分析を実施し2030年代以降も航空優越性を確保する手段を模索するとしていた。だが海軍は独自にAOAを実施し、空軍はまだ行っていないとホームズ中将は述べた。ただし、両軍は強く連携していると強調するのは忘れなかった。
  5. 「意図的に一年を費やしもっと全体像を見るようにした」のだという。
  6. AOAを実施する代わりに、空軍は能力連携チームCapability Collaboration Team (CCT) を編成し、第六世代戦闘機の可能性を検討してきた。また空軍は産業界、その他の軍組織や学界、技術陣、政府研究施設とともに選択肢を二つまでにしぼったとホームズ中将は述べた。同チームは今春にも空軍上層部に検討結果を報告するとも明らかにした。
  7. 「多彩な領域を擁する空軍の中で問題解決も複数分野にまたがる方法を考えるのが空軍のやり方だ」とホームズは述べた。「宇宙、サイバー、飛行の各分野で何ができるかを見極め空対空の優位性を取り戻す方法を考える」
  8. 2017年度予算で空軍は複数の費目で実験と技術実証を求めており、第六世代戦闘機の開発リスクを低減するとホームズ中将は説明。第六世代機以外も含む広義の次世代制空戦闘機の予算は2017年度に20.6百万ドル確保し、2018年度2019年度は毎年13百万ドルを研究開発に使うと予算説明書は解説している。これとは別に2017年度から2019年度に75百万ドルが「イノベーションと実験」用に確保されており、第六世代戦闘機にも使われると空軍は説明している。
  9. 予算の使い方を空軍は今年中に決定するとホームズ中将は述べた。
  10. 「短期的にはまず実験と技術実証でリスク低減をこれから必要となる技術性能について行い、最終的には多様なシステムのファミリー構造が出現すると見ている」■


2016年2月1日月曜日

★米大統領専用機にボーイング747-8が選ばれました(米空軍発表)



VC-25Aは747-200が原型ですから確かに民間航空から同型機が消えている中で維持運航が大変なのでしょうね。ただ以下の空軍広報を見ると機体はボーイングでも保守管理や内部機材は他社提案が安ければどんどん採用していく姿勢が見えます。おなじ-200をベースにしたE-4フリートはどうなるんでしょうか。なお、日本政府は777-300ERを次期専用機として選定済みです。

AF awards contract for next Air Force One

By Secretary of the Air Force Public Affairs, / Published January 29, 2016


WASHINGTON (AFNS) -- 米空軍はボーイングに1月29日次期大統領専用機調達事業に関しリスク低減活動の契約を交付した。

同事業で契約交付はこれが初。この契約案に追加条項が加えられ民間向け747-8の改修を進め、大統領の搬送ミッション用に設計変更、テストが実施される。

第一ステップとしてリスク低減とライフサイクルコストの管理を進める。要求性能の決定および実機製造決定の際に設計上の代償も検討し、リスクを低くした形で技術製造開発段階に進み、ライフサイクルコストを低くするのが狙い。

「ボーイングとはこれで契約関係ができた。ボーイングは次期エアフォースワンの設計ができる」とエイミー・マケイン大佐(次期大統領専用機事業主査)は語る。「まずリスク低減策からはじめます。これは大変な作業となる個所を見つけることで、経済的な解決方法を探し、納税者の皆さんに最大の価値を実現しつつ、最高司令官のニーズにこたえる道を求めることです」

空軍長官は経済性が次期大統領専用機調達事業ではカギとなると明確に述べている。

「事業が負担可能な範囲で進むことをめざし、コストを意識した調達とします」とデボラ・リー・ジェイムズ長官は発言している。

空軍は供用期間を30年と想定して技術緒元を十分検討し改修と機体維持では企業間の競合を前提とする。競合でコストが下がり、革新性と技術の選択肢が広がる。

「この事業では価格を重視していきます」とマケイン大佐は語る。「今回の契約では747-8を同改造して次期エアフォースワンにするかを決めます。その後コスト削減の可能性を要求性能を検討して探り、サブシステムは競争入札にし、機体の維持管理でも同じとします」

「現有のVC-25A大統領専用機材は非常に高い性能を示してきました。これは機材を管理紙飛行させている空軍隊員各位の努力の結晶でもあります。ただし、機材更新の時期がきました。部品が陳腐化し、製造元が減り、整備時間が長くなっている現状の課題は新型機がやってくるまで増える一方です」とジェイムズ長官は述べている。■


2015年12月20日日曜日

★米空軍の核戦争演習で何が検証されたのか B-52は耐用年数100年に

核戦争はだれもが想像したくない究極の武力行使ですが世界の現状を考えると核兵器のオプションは有効と考えるのが現実世界です。戦略空軍の後継組織であるグローバル打撃軍は今回図上演習を行った模様です。思考の筋トレというのは意訳かもしれませんが、思考を鍛えるという課題を真剣に考えているようですね。100年たってもB-52が本当に飛行できるのかわかりませんが、実現すればすごいことですね。LRS-BあらためB-3の核兵器運用は相当先のことになりそうなので当面は既存各機種にがんばってもらうのでしょうか。

「Defense News」の画像検索結果

Air Force Nuclear War Game Tests Future Bomber Fleet

Lara Seligman 4:15 p.m. EST December 18, 2015

B-52H
(Photo: Airman 1st Class J.T. Armstrong/US Air Force)

MAXWELL AIR FORCE BASE, Ala. —2030年、米空軍は核戦争に直面している。

  1. 就役後80年のB-52が最新型スタンドオフ兵器を搭載しパトロール飛行中だ。新型大陸間弾道ミサイルは発射準備ができた。さらにステルスの長距離打撃爆撃機が敵防空網をすり抜ける。
  2. 今月はじめに空軍グローバル打撃軍(AFGSC)が大規模核戦争演習をマックスウェル空軍基地で実施し、現在開発中あるいは配備中の各装備が適正能力を発揮できるか検証した。
  3. 「実戦能力全般を試す演習です」とフェルディナンド・ストス准将Brig. Gen. Ferdinand Stoss(AFGSC戦力整備作戦立案本部長)がDefense News取材に答えた。「整備してきた装備が正しく機能するか確認したいのです」
  4. 空軍が進める核戦力近代化事業では次世代爆撃機LRS-Bを既存のB-1、B-52に加え、ステルスB-2に加え、ミニットマンII大陸間弾道ミサイル(ICBM)を地上配備戦略抑止力(GBSD)で交代させる。
  5. 演習は12月7日から10日にかけて実施され、将来の戦場で戦力が効果的に使えるかを検討するのが役目とストス准将は説明。演習結果はAFGSC司令官ロビン・ランド大将が評価し最上層指導部へ提出するという。
  6. 「ここ演習支援センターの役割はお客様となる世界各地の戦闘部隊指揮官が解決策を求め、当方へやってきますので、迅速に求められる課題へ解決策を提供することです。また正しい事実や会席結果やデータを背景情報として準備し、戦闘指揮官が選ぶはずの手段に付け加えます」とスティーブン・クウァスト中将(空軍大学校校長)が12月10日取材で語ってくれた。「これこそランド大将やグローバル打撃軍団がここ空軍大学校でめざすもので思考の筋肉を使うことです」
A B-2 Spirit takes off Nov. 8 during an exercise at
A B-2 Spirit takes off Nov. 8 during an exercise at Whiteman Air Force Base, Mo. (Photo: Tech. Sgt. Miguel Lara III/US Air Force)

  1. ストス准将は演習の詳細について言及を避けたが、混合部隊つまり既存装備と将来導入される新型装備の並行使用の効力が判明したという。
  2. 2030年の状況を想像するとB-52にはLink 16通信ネットワーク機能が付与され、レーダーも高性能化し、スタンドオフ兵器も威力を増しており、エンジン換装で航続距離は25%増えているだろう。B-1全機に統合バトルステーション(IBS)改修が加えられ、データリンク通信他の改良とともにエンジンも改修されているだろう。
  3. またB-2では全機で新型防御システム搭載が完了しており、画像処理能力の強化と新型アンテナが特徴だ。
  4. 演習で改良すればB-52は2050年以降も「難なく」飛行できるとわかったとストスは述べ、一部機材は100年使用できるという。だが将来のストラスフォートレス各機はスタンドオフ兵器を敵防空体制の外から発射する役目にまわり、運用可能な空域は制限を受けるはずとストスは言う。
  5. 一方で次世代機LRS-Bにより空軍は「未来へ踏み出す」ことが可能とし、優勢な敵空域に侵入できるとストス准将は強調する。ある程度の機数LRS-Bがそろえば「A2AD環境でも高い実力を発揮できる」という。
  6. 今回の核戦争演習は二回目で、初回は2013年12月に行ったが「初期段階」にとどまっていたとストスは回想する。早期に第二回目を実施したかったが予算強制削減措置により延期されたという。
  7. 米戦略軍司令官セシル・ヘイニー海軍大将や空軍参謀総長マーク・ウェルシュ大将は核戦争演習により戦略的思考が高まるとその効用を強調している。
  8. 劇的に変動し続ける世界情勢への対応を迫られる国家指導層に適切な助言を迅速に提供すべく、空軍大学校は新技術を最大限活用して演習工程をスピードアップしているとクウァストはDefense Newsに語ってくれた。
  9. 「この演習は頭の筋肉トレーニングであり、もっと迅速に展開しようとしています。予算をつぎこんで準備を長々と行っても提言を出すのが遅れるのではなくて、もっとすばやく実施したい」とクゥワストは言う。「ただし分析と正確度は変えずにおこないます。コンピュータ技術やシミュレーションという技術のサポートがありますし、モデリング技術やコンピュータコーディング技術も利用できますからね」■


2015年11月21日土曜日

★★米空軍>F-15、F-16の新規生産案を検討中か

これもF-35調達による戦力構成のひずみを是正する動きなのでしょうか。日本にとっても参考になりそうな動きですね。F-15やF-16が新規生産機体としてもはたしていつまで頼れる戦力なのかわかりませんが。

U.S. Considers Up To 72 New F-15s Or F-16s

Nov 19, 2015 Bill Sweetman | Aerospace Daily & Defense Report

LONDON — 米空軍はボーイングF-15、ロッキード・マーティンF-16、またはボーイングF/A-18E/Fのいずれか新造72機の調達に乗り出す構えだ。これはF-35共用打撃戦闘機が予算問題のため予定通りの生産が確保できないためと空軍上層部ならびに業界関係者が当地で開催中のDefense IQ International Fighter Conference席上で述べた。
  1. F-15とF-16は2045年まで現役に残る見込みだが、その時点で完全新型機が登場しているはずで、F-16でもAESAレーダー他を搭載する近代化改修案が復活しつつある。
  2. 会議では講演者の氏名等は明かさないチャタムハウスルールが適用された。
  3. 米空軍はF-35が量産体制に入る直後で「年間48機の調達を何とか実現しようとしている」と空軍高官が述べた。計画では2020年に60機、その後80機と年間調達数を増やす。そのためF-15やF-16の就役期間は延長され、2020年代末の時点でもF-35やF-22より合計機数で上回る。
  4. そこで空軍の構想は三部構成の戦闘機部隊にすることだ。300機のF-16と一部のF-15に近代化を施し、「ハイエンド戦闘でF-35とF-22を補助する」一方で、それ以外の機体はローエンド作戦に投入する。これ以外に72機(戦闘航空団の規模)を調達し、戦力を維持しつつ新型性能を備えた機体を導入する。ただし、「検討したところ、実施するとF-35をまとめて調達するより高くつくとわかった」と上記高官は述べており、まだ最終決定ではないようだ。
  5. 業界関係者も空軍からF-15新造機の価格条件等の照会があったとを認め、あわせて既存機の耐用年数延長策や改修案の選択肢も尋ねられたという。後者には既存機体の主翼交換や胴体の再作成もある。一方で米空軍は米海軍と並行した機体整備企画を展開している。海軍はF-35Cの調達数を減らして浮いた予算でスーパーホーネットの耐用年数延長にあてる。
  6. 一方F-16では戦闘エイビオニクス性能拡張装備Combat Avionics Program Extension Suite (Capes) の名称で性能改修を試みたものの2015年度予算で中止になったが、この中核技術の開発は台湾空軍向けに継続中で、韓国とシンガポールも参画する見込みだ。米空軍は保有機材の一部に性能改修予算を要求すると上記空軍高官は紹介した。
  7. もうひとつ検討中の構想では空軍の電子戦能力拡充策としてF-15E一部機材にレイセオンの次世代ジャマーポッドを搭載すると高官は述べている。■


2015年10月7日水曜日

LRS-B契約交付先の発表は間もなく?



USAF in ‘Final Closing Phase’ of Bomber Contract

By Lara Seligman5:54 p.m. EDT October 6, 2015

635797311321575465-DFN-bomber-avenger(Photo: US Navy concept/Wikimedia)
WASHINGTON — 米空軍は次世代爆撃機の契約交付先選定の最終段階に入っており、結果発表は間近に迫っている。
「最終選定の段階にあり、順調に進んでいるので、結果はまもなくわかります」とウィリアム・ラプランテ空軍次官補がDefense One主催のイベント会場で述べている。
仮に空軍が一年間におよぶ削減措置延長を受けても、長距離打撃爆撃機(LRS-B)の契約交付は予定通り実施すると同次官補は発言。
業界は息を飲んで相当遅れた契約先発表結果を待っている。ペンタゴンはまず今年夏に結果を発表する予定だったが、それが初秋になった。直近ではある空軍関係者があと数ヶ月だと見ている。
ペンタゴンはノースロップ・グラマン案、ボーイング=ロッキード・マーティン案のいずれを選択すべきかを検討中だ。
ペンタゴンはマクダネル・ダグラス/ジェネラル・ダイナミクスのA-12アヴェンジャーII事案からの教訓を得ていると現在の調達トップ、フランク・ケンドール副長官は言う。同機は全天候艦載ステルス爆撃機として海軍、海兵隊向けに計画されたもので、費用超過と遅延を理由に1991年に計画が打ち切られた。
A-12は「ブラック」つまり極秘開発計画が失敗した例だとケンドールは見る。ペンタゴンが「事業段取りで失敗」したためだという。契約受注2社は開発を目的にチームを組み、製造契約であらためて競争するはずだった。同時に両社とも最先端機に必要な技術開発に懸命だった。
A-12の失敗で固定価格開発契約方式が封じられたとケンドールは解説する。
そこでペンタゴンはLRS-BがA-12の轍を踏まないよう、成熟技術を多様することで新規開発の途を選択肢なかった。ただし、同事業は設計、テストの点では既存事業より先を言っている。空軍は両陣営による試作機を受領している。■