ラベル #F-35 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル #F-35 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2026年7月2日木曜日

米空軍に加え各国のF-35パイロットが訓練するルークAFBは有事の際に同盟国間で効果を発揮する

 

各国のF-35パイロットを育成するルーク空軍基地第56戦闘航空団司令に聞く訓練の内幕

Training the World’s F-35 Pilots: Inside the 56th Fighter Wing at Luke AFB


https://theaviationist.com/2026/06/28/inside-the-56th-fighter-wing-at-luke-afb/

デビッド・バークランド准将が、訓練哲学、相互運用性、シミュレーション、そしてF-35の任務の継続的な進化について語った。

2026年の「ルーク・デイズ」航空ショーでは、ランウェイに圧巻の航空機ラインナップが並び、観客多数を動員したが、真の見どころは第56戦闘航空団の内部を間近で見学できたことだった。基地で過ごした時間は、同航空団が日々の運用をどのように行っているかを垣間見る貴重な機会となった。

ルーク空軍基地は大規模なF-16パイロット訓練の代名詞であったが、ここ数年でその任務は根本的に変化し、同基地はF-35A「ライトニングII」の主要な訓練拠点としての地位を確立した。

ルーク空軍基地は、2010年代半ばにF-35Aへの移行を開始した。この移行には、単に機体を入れ替える以上の抜本的な見直しが必要であり、基地のインフラ、訓練カリキュラム、さらに訓練生の準備体制の全面再構築を余儀なくされた。

F-35によって戦闘機操縦技能が置き換えられたわけではない。しかし、情報管理、センサーフュージョン、そしてより広範な作戦状況の把握がより重視されるようになった。同機のソフトウェアや現代の脅威は絶えず変化しているため、ルーク空軍基地の訓練カリキュラム全体も、その変化に対応できるよう柔軟性を保たなければならなかった。


航空ショーのリハーサルを数日前に控え、ルーク空軍基地では、オランダから派遣されたF-35A 3機とデンマークから派遣されたF-35 2機を交え、通常の訓練活動が本格的に行われていた。(画像提供:ハワード・ジャーマン)

ルーク空軍基地は1941年以来、軍用パイロット6万1,000人以上を輩出し、素晴らしい実績を築いてきた。同基地がF-35A「ライトニングII」の主要な訓練拠点へ変貌を遂げるにつれ、その存在感はさらに拡大し、現在では世界のF-35パイロットの約75%を輩出している。この訓練施設はグローバルな事業であり、ベルギー、デンマーク、イタリア、オランダ、ノルウェーといった国際的なパートナーをアリゾナ州フェニックスに招き、米国の乗組員とあわせ訓練を行っている。

その任務の規模は、第56戦闘航空団が現在どのように組織されているか、そしてルーク基地が世界最大級のF-35訓練組織の一つを支えるためにどのように進化してきたかを検証することで、より明確になる。

第56戦闘航空団は、空軍教育訓練司令部(AETC)の傘下組織である第19空軍の隷下だが、現在、空軍省は正規訓練部隊を空軍戦闘司令部へ再編入中だ。ルーク空軍基地の第56戦闘航空団には、現役F-35AライトニングII訓練飛行隊7個と、シンガポール空軍のパイロット訓練を専門とするF-16C/D飛行隊1個が配備されている。

ルーク空軍基地の第56戦闘航空団に配属されている訓練飛行隊:

  • 第61戦闘飛行隊「トップ・ドッグス」 – 米空軍、オーストラリア空軍(RAAF) – ルーク空軍基地初のF-35飛行隊;RAAFの訓練は2020年に終了

  • 第62戦闘飛行隊「スパイクス」 – 米空軍、ノルウェー、イタリア – ノルウェーおよびイタリアとのF-35A統合訓練任務

  • 第63戦闘飛行隊「パンサーズ」 – 米空軍 – 当初はトルコに関連していた

  • 第308戦闘飛行隊「エメラルド・ナイツ」 – 米空軍、オランダ、デンマーク – オランダおよびデンマークのパイロットとの統合訓練

  • 第309戦闘飛行隊「ワイルド・ダックス」 – 米空軍 – F-35A訓練任務

  • 第310戦闘飛行隊「トップ・ハッツ」 – 米空軍 – F-35A訓練任務

  • 第312戦闘飛行隊「スコーピオンズ」 – ベルギー – F-35A専用ベルギー転換部隊

  • 第425戦闘飛行隊「ブラック・ウィドウズ」 – シンガポール共和国 – シンガポール空軍(RSAF)のF-16C/D ブロック52パイロットの訓練

ルーク空軍基地におけるF-35訓練任務の拡大は、航空機や飛行隊の増強にとどまらなかった。第56戦闘航空団の2024年「Flying Forward」移行計画によると、同基地は、訓練運用を支援するシミュレーター計32台を配備し、世界最大規模となる見込みのF-35シミュレーター運用を計画していた。

このシミュレーターの拡充は、第5世代戦闘機環境におけるシミュレーション訓練の重要性の高まりを反映している。新たな能力について、第56訓練中隊の訓練システム責任者ショーン・ロベット少佐は、追加された改良型ミッション・リハーサル・トレーナー(MMRT)により、4機から12機のF-35が、シミュレーション上のパートナー国や他軍種からの参加者と共同で行動するシナリオを再現する能力が十分に確保されると述べた。訓練生は、実機飛行のみでは再現が困難な複雑なミッションセットや統合訓練環境を体験できるようになる。

これらの要素を統合することが、第56戦闘航空団が直面する中心的な課題である。航空機、シミュレーター、教官、整備要員、パートナー国、そして支援インフラは、米国および同盟国双方のために、即戦力となるF-35パイロットを育成できる、一体となった訓練システムとして機能しなければならない。

第56戦闘航空団が訓練任務にどのように取り組んでいるかについてさらなる洞察を得るため、本誌は同航空団司令官のデビッド・バークランド准将 Brig. Gen. David Berkland にインタビューを行った。第56戦闘航空団の指揮を執る前、バークランド准将はF-16の教官パイロットおよび兵器担当将校を務め、「サザン・ウォッチ」「ノーザン・ウォッチ」「イラクの自由」「フリーダムズ・センチネル」の各作戦で戦闘任務に従事した。

同准将は飛行隊、グループ、航空団の各レベルで指揮を執ったほか、米空軍兵器学校でも教官を務めた。飛行時間3,800時間以上、実戦飛行時間は930時間に及ぶ。同司令官は、現在の訓練理念、同盟国間の相互運用性の現実、そしてデジタル戦争の進展に合わせてF-35の訓練任務がいかに進化すべきかについて率直に語った。

デビッド・バークランド准将へのインタビュー

F-16からF-35への移行を指揮してこられましたが、同航空団は第5世代航空戦力の運用上および文化的な影響を完全に内面化できたとお考えですか、それともそれはまだ進行中のプロセスでしょうか?

文化的な面では、私たちの考え方はこれらのプラットフォームと並行して進化しています。私たちは第5世代の能力にうまく適応しつつ、積極的で問題解決志向の「ワイルド・ウィーゼル」的な考え方を引き継ぎ、F-35に直接応用してきました。この考え方を支えているのは、空軍兵士たちの献身的な姿勢であり、それが基地全体に戦士としての精神を醸成しているのです。

運用面では、脅威の進化は絶え間なく続いているため、訓練カリキュラムやシミュレーション環境を絶えず改良する必要があり、これは現在も進行中のプロセスです。しかし、役職を離れる準備を進め、これまでの成果を振り返る中で、ルーク空軍基地が戦闘作戦を支援する準備を万全に整えていると確信しています。私たちは、明日の戦いを確実に制する、革新的で適応力のあるウィングマンを育成しているのです。

F-16ではプラットフォームの習熟度を重視していた訓練哲学は、F-35におけるセンサーフュージョン、情報管理、システム統合の指導へと、どのように進化してきたのでしょうか?

これは大きな転換です。F-16では、パイロットは脅威を発見するためにセンサーの管理に多くの労力を費やしていました。F-35は、その重労働を引取り、戦域を表示することで、パイロットを解放し、高度な戦術的判断に専念できるようにします。

F-35の訓練生が初めて行うSEAD(敵防空網制圧)出撃では、高密度で統合された防空システムと対峙し、膨大なデジタル情報の流れをどのように管理するかが試されます。つまり、私たちのウィングマンには「統合された自律性」という文化が教えられており、相互支援が失われたわけではなく、単に進化しただけなのです。我々は、高度に連携し、広範囲に展開したチャンピオンチームとして戦います。ルーク空軍基地の空軍兵士たちは、このチャンピオン精神をもって卓越性を追求し、あらゆる敵を出し抜くために戦闘能力を最大限に高めています。


ルーク空軍基地の滑走路に接近するオランダ空軍のF-35(先頭)とデンマーク空軍のF-35(後続)が、先頭・後続の編隊で飛行している。(画像提供:ハワード・ジャーマン)

ルーク基地での訓練に使用されているF-35は、ソフトウェアおよびハードウェアの構成において、実戦配備機と一致しているのでしょうか?

完全に同一です。ここルーク基地で私たちが操縦するF-35は、現役の実戦配備機とまったく同じソフトウェアおよびハードウェア構成を反映しており、当面の間、この状態が続くと予想しています。

これは、我々の「チャンピオンチーム」を構築する上で極めて重要です。第56戦闘航空団が活躍できるのは、同盟国、パートナー、そして地域社会との卓越した連携関係があるからです。彼らの支援があってこそ、協力体制が築かれ、任務の継続的な成功が可能になります。米国のパイロットであれ、我々と共に訓練や指導を行う国際的なパートナーであれ、全員が、高度な戦闘環境で実際に使用することになるのと同じ先進システムを操作している必要があります。現在の機体構成での訓練こそが、シームレスな相互運用性を確保し、わが国および同盟国に決定的な優位性をもたらす方法です。

現在の訓練プロセス全体を見渡して、ルーク基地におけるF-35の訓練のうち、どの側面が完全に成熟していると考えますか?また、どの部分で依然として活発な開発や改良が進められていますか?

現実として、F-35はダイナミックなプラットフォームであり、世界的な脅威環境は絶えず変化しています。そのため、我々の訓練は常に積極的な改良が加えられ続けている状態にあるのです。

実戦的な運用環境に基づき、戦術、技術、手順を絶えず更新しています。機体に新しいソフトウェアや能力が導入されるにつれ、第56戦闘航空団はそれに合わせて訓練を迅速に近代化しています。こうした運用上の卓越性を絶え間なく追求することこそが、我が空軍兵士たちに時代の先を行き、空軍の未来を形作り、明日の戦いに勝利するための力を与えているのです。

ルーク空軍基地の各飛行隊は、F-35の訓練シラバスの各段階や側面を専門としているのでしょうか、それとも飛行団全体で訓練は標準化されているのでしょうか?

訓練は第56戦闘航空団全体で完全に標準化されています。訓練カリキュラムの断片的な段階を専門とする飛行隊は存在しません。

すべてのパイロットは、最初の座学から最終チェックライドに至るまでの訓練プログラム全体を、配属された飛行隊内で完了し、すべての飛行隊が継続的に更新される同一のカリキュラムを実行しています。標準化こそが、結束力があり相互運用可能な部隊を構築する基盤となるため、このように運用しています。米国のウィングマンと飛行する場合でも、同盟国のパイロットと飛行する場合でも、全員がまったく同じ戦闘準備態勢の基準を満たすことが求められます。いかなる同等の敵に対しても勝利できる、統一された強力なチームを構築しています。

ルーク空軍基地では、米国およびパートナー国のパイロットが共通の訓練環境下で共に訓練を行っています。同盟国の教官や訓練生が同席することは、訓練体験にどのような影響を与え、将来の連合作戦に向けパイロットを準備する上でどのような利点をもたらしますか?

同盟国の教官と訓練生が完全に統合された形で参加しているということは、互いの命を預け合えるほどの信頼関係があることを意味します。その信頼こそが、大規模な戦闘作戦の初日から、チームとしての戦闘能力をさらに高めるのです。危機が訪れた際、我々はすでにシームレスな相互運用性を確立しており、これは戦闘において大きな強みとなります。

これらのパイロットが戦地で再び顔を合わせたとき、彼らが共に飛行するのは初めてとはなりません。同じように考え、意思疎通を図り、飛行し、戦うのです。今日、単一の統一された部隊として訓練を行うことで、連合軍が、各国に決定的な優位性をもたらし、明日の戦いに勝利する準備が整った、強力で結束の固いチームであることを確実にします。

F-35パイロットの訓練に関して、一般の人々や空軍全体にもっと理解してほしい点、最も誤解されがちな点は何ですか?

2つの側面があります。パイロット側に関しては、人々は訓練を単に90分間の出撃で、高速飛行やG負荷をかけるだけのものと考えがちです。しかし、舞台裏にある膨大な作業に気づいていません。どの任務も、機に搭乗する前に数時間にわたる任務計画が必要で、その後、編隊のあらゆる動きを分析するため数時間にわたる事後検討が行われます。

2つ目の誤解されがちな点は、地上でのチームワークの規模の大きさです。機を離陸させるには、航空団全体の協力が必要です。任務を成功させるためには、整備員、支援スタッフ、そして基地内のすべての空軍兵士に「チャンピオンシップ・メンタリティ(優勝を目指す姿勢)」が求められる、完全なチームワークが不可欠です。この比類なき献身と、周辺地域社会からの揺るぎない支援が相まって、他では見られない奉仕の精神が育まれています。■

本誌は、アリゾナ州ルーク空軍基地第56戦闘航空団広報部(56FW/PA)のリース・サーティン少尉、アリッサ・レッツ大尉、およびチャド・アッシャー上級曹長に感謝の意を表します。

さらに、アリゾナ州ルーク空軍基地第56戦闘航空団司令官のデビッド・バークランド准将に、心より感謝申し上げます。

執筆:ハワード・ジャーマン

ハワード・ジャーマンは、米国を拠点とするフリーランスの航空研究者兼写真家です。主な専門分野は、防衛、諜報、兵器システム、監視です。35年以上にわたり、航空宇宙分野の歴史や作戦に関する執筆、資料収集、写真撮影に携わっています。


2026年6月29日月曜日

レーダー未搭載のF-35が米軍に引き渡されているとのこれまでのメディアの指摘をついに当局が認めた ― いつもいつまでも問題に悩まされるF-35ですね

 F-35はレーダー未搭載のまま納入中と当局が正式に認めた

It’s Official: F-35s Are Now Being Delivered Without Radars


新型AN/APG-85レーダーの納入遅延はF-35を悩ませ続けているその他問題と深く絡み合っている

https://www.twz.com/air/its-official-f-35s-are-now-being-delivered-without-radars

The U.S. military has now confirmed the acceptance of at least six F-35 Joint Strike Fighters for the U.S. Marine Corps without radars.

米海兵隊のF-35Bジョイント・ストライク・ファイター。USMC

軍は現在、米海兵隊向けF-35ジョイント・ストライク・ファイターのうち、少なくとも6機がレーダー未搭載の状態で引き渡されたことを確認した。これは、新型AN/APG-85レーダーの開発に関連する問題によるもので、同レーダーの最初の量産ロットは2028年に納入される予定となっている。レーダー非搭載のF-35が登場する可能性については、2月に初めて公になった。AN/APG-85は、F-35の全機種を対象とした大規模な「ブロック4」アップグレード・パッケージの重要な構成要素であるが、この計画はコスト増と遅延に悩まされてきた

F-35合同プログラムオフィス(JPO)の責任者であるグレゴリー・マシエロ海兵隊中将は、今週初め、上院軍事委員会の公聴会で、レーダー未搭載のF-35B 6機の受領を明らかにした。これは、米空軍、海兵隊、海軍におけるF-35の運用準備率(長らく懸念事項となってきた)をめぐり、マシエロ中将と、アリゾナ州選出の民主党上院議員で元海軍航空士官マーク・ケリー上院議員との間で交わされた激しい議論の一環で行われたものである。

2週間前、議会の監視機関である政府監査院(GAO)は、報告書を公表し、2020会計年度から2025会計年度にかけて、全機種のF-35の「完全任務遂行能力(FMC)」率が平均で38%から25%に低下したと指摘した。GAOはFMCを、「すべての任務を遂行できる」機体と定義している。JPOは、GAOの数値そのものを直接否定していないが、FMC判定でGAOが用いた方法論については公然と異議を唱えている。


2週間前にGAOが公表した報告書には、2020会計年度から2025会計年度にかけての全F-35機種における「完全任務遂行能力(FMC)」の整備率に関する詳細な内訳が含まれていた。GAO

「GAOによるとFMC率は25%だ。貴局は56%だと主張している」とケリー議員は質問に先立ち述べた。「貴局の数値、50%を採用しましょう。つまり、航空機の半数は完全任務遂行能力を備えていないわけですが、レーダーが搭載されていない航空機を受け入れているのは海兵隊ですよね。その認識で正しいでしょうか?」

「海兵隊向けに、レーダーが搭載されていない航空機を6機受け入れたことは事実です。その認識は正しいです」とマシエロ中将は認めた。

続いてケリー議員は、これがAN/APG-85レーダーの供給不足によるものかどうかを尋ね、マシエロ中将もこれを認めた。

すでに流れている報道によると、問題の航空機は短距離離陸・垂直着陸(STOVL)能力を持つF-35Bであるとされているが、マシエロ中将は公聴会ではこれを確認していないようだ。海兵隊はB型を運用する米国唯一の部隊であるが、空母搭載型のC型も運用している


米海兵隊のF-35B。USMC 米海軍のニミッツ級空母「エイブラハム・リンカーン」の甲板上に停泊する米海兵隊のF-35C。CENTCOM

「ブロック4近代化プログラムは、海兵隊および統合軍が将来の脅威に対して引き続き制空権を確保するために不可欠である」と、海兵隊の広報担当者は本日、本誌からの詳細情報の問い合わせに対し述べた。「国防総省は、ブロック4の機能(テクニカル・リフレッシュ3(TR-3)、APG-85など)と、世界最大の戦闘機生産ラインについて、意図的に高度に並行した開発・生産プログラムを実施した。国防総省当局は、生産機がブロック4の機能搭載に先立って完成することによるリスクを十分に理解した上で、この決定を下した。各軍種のこの決定により、ブロック4機能の搭載に多大な改修を要するブロック3型F-35の製造を継続するのではなく、量産機がブロック4機能をそのまま搭載できるよう保証され、その結果、改修用ハードウェアの取り付けに要する数年分の時間を節約できた。」

海兵隊は、これ以上の質問についてはF-35 JPOに照会するよう求めた。本誌はすでに、詳細情報を得るために同事務所に問い合わせを行っていた。

「F-35ライトニングIIは、米空軍、海軍、海兵隊向けに先進レーダー(APG-85)を搭載できるよう製造されています。納入時、APG-85を搭載したF-35は、現在および将来の脅威に対して比類のない能力を発揮するでしょう。一部のF-35機については、ロット17での初期配備が計画されている」と、F-35 JPOは5月、レーダーの状況に関する最新情報を求められた際、本誌にこのように述べていた。「本プログラムは各軍と連携し、先進的な能力を実現するために、意図的に高度に並行した開発・生産プログラムを実施した。この決定は、能力の完成に先立って量産機を準備することのリスクを十分に理解した上で下されたものである。」


ロッキード・マーティンのF-35生産ラインの様子。ロッキード・マーティン

「当プログラムでは、新たな脅威に対処するために必要な性能、安定性、保守性の要件を満たすレーダーを供給するべく、APG-85の生産能力を拡大する計画がある」と同局は当時付け加えていた。「APG-85レーダーを搭載したF-35、具体的な近代化計画、能力、およびスケジュールについては、プログラムの機密性を維持するため、依然として機密扱いとなっている。」

F-35 JPOは、2月にレーダー未搭載のF-35が引き渡されているかどうかについて尋ねられ、本誌に対し同様の声明を出していた。

2月には米空軍も、レーダー未搭載のF-35Aを受領したことを明確に否定した。F-35 JPOが、空軍または海軍向けにレーダー未搭載のジョイント・ストライク・ファイターを受領したかどうかについては、現時点で確認されていない。これまでの報道によれば、海外顧客については、少なくとも当面の間、AN/APG-85を搭載した機体の受領予定が現在ないため、全く影響を受けないと見込まれている。

現在、F-35A、B、Cの各型で標準的に使用されているレーダーはAN/APG-81である。これは、1990年代に遡る空対空および空対地モードを備えた能動電子走査アレイ(AESA)型レーダーである。また、合成開口レーダー(SAR)モードも備えており、高解像度の地図のような画像を生成することができる。これらは、目標の捕捉・識別だけでなく、一般的な偵察目的にも使用できる。


APG-81がF-35に提供する能力の概要を示す、ロッキード・マーティンのブリーフィング用スライド。 ロッキード・マーティン既存のAPG-81のSARマッピング機能の例。 ロッキード・マーティン

ノースロップ・グラマンで開発中の新型AN/APG-85に関する詳細は、依然として限られている。今週の公聴会で、マシエロ中将は、公開の場では具体的な能力について言及することを控えた。

AN/APG-85もAESAであり、AN/APG-81と比較して、さまざまな新機能や改良された機能を提供することが期待されている。本誌が以前指摘したように、このレーダーは、数十年にわたる技術的進歩の恩恵も受けることになるだろう。一般的に、窒化ガリウム(GaN)の採用は、物理的なサイズ、重量、および電力要件の点においてレーダー開発に大きな影響を与えてきた。

また、AN/APG-81は、F-35の広範な電子戦能力や、その他のセンサー、設計上の諸要素と深く統合されている点にも留意すべきである。AN/APG-85も同様に、Block 4アップグレードパッケージの他の主要要素、特に計画中の新しい電子戦スイートと融合することが期待されており、これについては後ほど改めて触れる。


既存のF-35におけるセンサーやその他のシステムの統合について概説した別のブリーフィングスライド。ロッキード・マーティン

JPOが5月声明で指摘したように、当初の計画では、生産ロット17からAN/APG-85のF-35への統合を開始する予定だった。同ロットの機体の引き渡しは昨年から始まっている。しかし、今年初めに公表された公式予算文書によると、最初の量産型AN/APG-85の納入は2028年4月以前には行われない見込みである。これは、大幅に遅延している新型レーダーの納入スケジュールに比べれば、実際には9ヶ月の短縮となるものであり、同レーダーの単価は現在900万ドル近くに設定されている。

問題をさらに複雑にしているのは、F-35にAN/APG-85を取り付けるハードウェアが、AN/APG-81と下位互換性を持たないという点だ。昨年Breaking Defenseが報じたところによると、主請負業者であるロッキード・マーティンは、共通の取り付けソリューションを開発する可能性について言及したものの、ロット20機の納入が始まる前には準備が整わないとも述べている。ロット20の最初の機体が2027年から2028年の間に到着する見込みだ。


APG-81レーダーが並んだ様子。ノースロップ・グラマン

その間、海兵隊や他の軍種がレーダー未搭載のF-35をどのように運用するかは不明で、これが本誌が海兵隊に投げかけた質問の一つであった。

「 「現在配備中のブロック3(TR-2)型F-35ライトニングIIは、実戦においてその能力を証明しており、現時点で世界最高水準の戦闘機である」と、海兵隊の広報担当者は声明で付け加えた。「その高度なミッションシステムにより、F-35はあらゆる気候や場所で抑止力を発揮し、必要に応じて優位に立つことができる。」

ケリー上院議員も今週の公聴会で、間接的にマシエロ中将にこの点について詰め寄った。

「では、レーダーのない機体は、完全任務遂行能力(FMC)を備えた機体とは見なせないということですね?」とケリー上院議員はJPO(共同プログラムオフィス)の責任者に尋ねた。

「完全任務遂行能力を備えた機体とは見なさないと思います」とマシエロ中将は答えた。

「『見なさないと思う』とおっしゃいますが、レーダーのないF-35がFMC機となり得るシナリオなど想像できません」とケリー上院議員は指摘したが、マシエロ中将は反論しなかった。


2026年3月、イランに対する「オペレーション・エピック・フューリー」を支援するため、米空軍のF-35Aが出撃する。USAF

本誌は以前、レーダーのないF-35が完全に無用になるわけではないものの、能力と生存性は確実に著しく低下すると指摘していた。以前の記事で述べた通り

編隊内のF-35の1機がレーダーを装備していれば、そのグループ内の他のすべての機体は、多機能先進データリンク(MADL)を通じて、その機体が提供するデータの恩恵を受けることができる。したがって、たとえレーダーが搭載されていなくても、MADLの通信範囲内で少なくとも1機の他の機体が協調して飛行していれば、ジョイント・ストライク・ファイターはF-35由来のレーダーデータを得られないわけではない。

少なくとも緊急事態においては、レーダーを搭載していない戦闘機を戦闘に投入することは可能だが、そうするには依然としてより大きなリスクを受け入れる必要がある。また、他のレーダー搭載機との連携を維持することが鍵となるため、戦術的な柔軟性も制限されることになる。それらの機体はレーダーをより多用せざるを得なくなり、それが弱点となり得る。F-35には、戦場情報の取得に活用できる受動型センサーも多数搭載されているが、レーダーの機能を完全に代替できるものはない。Link 16を介して他のプラットフォームから送信されるデータも、すべてのF-35パイロットが利用可能だ。

レーダーがないことによる最大の問題の一つは、レーダーが同機の電子戦システムにおいて重要な役割を担っている点かもしれない。狭く極めて強力なエネルギービームを放射するその能力は、同機の強力な電子攻撃能力をさらに高めている。したがって、レーダーがなければ、電磁スペクトルを活用して自身や他機を防衛する能力も制限されてしまう。

今週の公聴会におけるマシエロ中将の発言は、AN/APG-85レーダーが最終的にF-35に統合され始めたとしても、そのレーダーが提供する能力について新たな懸念を提起している。これは、レーダーや「ブロック4」アップグレードパッケージのその他の構成要素を十分に冷却するために何が必要かという点に関連している。熱管理はF-35の全機種にとって長年の課題であり、すでに作戦準備率や整備需要に重大な悪影響を及ぼしている。詳細についてはこちらを参照されたい。

アフターバーナーを点火して離陸するF-35。ロッキード・マーティン

「冷却には約30キロワットが必要ですね」と、ケリー上院議員はF-35 JPOの責任者への別の質問の中で述べた。「手元にある資料によると、ブロック4では32キロワットの冷却が必要とされています。しかし、APG-85の全能力を発揮するために必要な冷却能力は、それよりも高く、62キロワット程度になるようですね?」

「今後のプログラムにおける要件は、62~80[キロワット]です」と、マシエロ中将は答えた。「懸念しているのは、ブロック4の全システムが搭載された際、利用可能な電力全体、つまり32[キロワット]をすべて消費してしまう可能性があることです。」

「余裕が全くありません。これは賢明なやり方ではありません」と彼は続けた。「そこで、我々はそれを増強するための段階的なアプローチを取っています。また、プログラム全体にわたる電力・熱管理の、より体系的で費用対効果の高いアップグレードを検討するプログラムも進行中です。」

マシエロ中将は、この電力・熱管理システム(PTMS)のアップグレードはAN/APG-85の統合には必須ではないと主張した一方で、いずれにせよ適時に利用可能になることも明らかにした。

「我々の想定では、追加資金を要請中のエンジンコアのアップグレードは、2031年に配備される見込みであり、これに伴い電力・熱管理にもわずかな向上が見込まれます」と中将は説明した。「現在検討中のシステムは、その数年後に導入される予定です。その時点で、ブロック4を超える追加機能(詳細は未定)が実現し、それにはPTMSのアップグレードが必要となるでしょう。」


F-35用プラット・アンド・ホイットニー社製F135エンジン。プラット・アンド・ホイットニー

同時に、マシエロ中将自身も認めたように、PTMSのアップグレードが利用可能になるまでの間、現在の計画では冷却に余裕が全くない。ケリー上院議員からの追加質問に対し、中将は、AN/APG-85レーダーの初期配備にそれがどのような影響を及ぼすかについて、公開の場では言及することを控えた。

前述の通り、ブロック4アップグレード計画全体は、その構成要素の一部を再編成し加速させる取り組みが行われているにもかかわらず、遅延とコスト増に悩まされ続けているGAOによると、2025年9月時点で、アップグレードパッケージの一部に限定された納入スケジュールは5年の遅れを抱えている。当初の目標では、ブロック4の改良をすべて盛り込んだF-35が今年から配備され始めるはずだった。

AN/APG-85以外にも、ブロック4には最終的に、ジョイント・ストライク・ファイターのAN/AAQ-37分散開口システム(DAS)および電気光学照準システム(EOTS)の代替品に加え、新型電子戦システムやその他多数の改良された能力が含まれる予定である。空軍は以前、APG-85と直接連携するこの電子戦パッケージを最優先事項であると説明していた。これらすべてが、前述の補助発電能力および冷却能力の増強に対する需要を後押ししているが、その作業も現在、予定より遅れている

F-35プログラム全体としては、航空機の運用および維持に関連するコストの増大やその他の課題に直面したままで、現在就役中の全機種における低い戦備率の主な要因となっている。予備部品不足は特に根深く深刻な問題で、その詳細についてはこの過去の本誌特集記事で詳しく知ることができる。


整備中の米空軍F-35A。USAF

「これが現在我々が提示している要件であり、2027年度予算におけるこの『世代的な投資』が我々を助ける理由でもあります。したがって、利用可能な部品を十分に確保するつもりです」と、マシエロ中将は今週の公聴会で述べた。「これは、システム自体の構造的な問題ではありません。問題は、十分な部品を在庫として確保していなこなかった事実にあります。配備中の機数増加に伴い需要が飛躍的に増加したにもかかわらず、予備部品やシステムについて対応ができていなかったのです。」

昨年時点で、1990年代の初期開発から2070年代の予想寿命終了に至るまでのプログラム全体の総事業費は、2.1兆ドルと見積もられていた。JPOは過去に強調しているが、この数字には数千機のジェット機の調達費が含まれており、総費用の約半分はインフレによるものと見込まれている。

AN/APG-85をめぐる長引く問題に関しては、現在、F-35はレーダーを一切搭載せずに納入されており、この状況が変わるまでには数年かかりそうだ。■

ジョセフ・トレヴィシック

副編集長

ジョセフは本誌の副編集長として、当サイトの経験豊富で献身的なチームの統括を支援するとともに、有益かつ影響力のある防衛・国家安全保障に関するコンテンツを執筆している。彼はその渦中とも言えるワシントンD.C.エリアに在住している。


2026年5月6日水曜日

中東で圧倒的な軍事大国となったイスラエルがF-35・F-15IAの追加導入を発表

 

イスラエルがF-35とF-15IA戦闘機の追加購入を発表

詳細はまだ明らかでないが、イスラエルはロッキード・マーティンF-35と、ボーイングF-15EXのイスラエル仕様を各25機ずつ購入する意向


エルサレム発 — イスラエル国防省は日曜日、同国がF-35 ジョイント・ストライク・ファイターの第4飛行隊と、F-15IA戦闘機第2飛行隊を導入すると発表した。イラン作戦を受けてイスラエル国防軍の空軍力を大幅に拡大する。

各飛行隊は25機の新型戦闘機で構成されるため、この契約により、イスラエルはロッキード・マーティン社が製造する第5世代ステルス機F-35と、イスラエルではF-15IAとして知られるボーイングF-15EXの両方において、世界最大級の機体保有数を持つ国の一つとなる。

イスラエル国防省は声明で、「数十億シェケル規模の契約には、イスラエル空軍への機体群の完全な統合、包括的な維持管理、予備部品、および後方支援が含まれる」と述べたが、最終価格やスケジュールに関する具体的な詳細は明らかにされなかった。

同省の声明はさらに、「新設飛行隊は、IDF(イスラエル国防軍)の長期的な戦力整備の礎となり、変化する地域の脅威に対処し、イスラエルの戦略的制空権を維持する役割を果たす」と付け加え、在米イスラエル当局者がワシントンとの合意を最終化するための次の段階に着手し始めることを明らかにした。

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、発表と同日の声明で、今回の新規購入に言及した。

「我々のパイロットはイランの空のあらゆる地点に到達することができ、必要とあればそうする準備も整っている。我々は素晴らしい航空機と素晴らしいパイロットを擁している」と彼は述べた。「戦力強化に関して言えば、我々はF-35とF-15IAという2つの先進的な航空機部隊を導入する。これらの航空機は、作戦『ライジング・ライオン』および現在の作戦『ローリング・ライオン』で実証された、イスラエルの圧倒的な制空権をさらに強化するものである。」

ロッキード・マーティンおよびボーイングの広報担当者からは、直ちにコメントを得ることができなかった。

イスラエルは2009年に、F-35I アディール(F-35I Adir)と呼ばれるF-35の購入に関する要請書(LoR)を初めて提出し、2012年に契約に至った。同国は2016年に最初のF-35が到着した際、同機の早期導入国となり、2018年には同機による初の戦闘任務を遂行した。2020年には、さらなる機体の到着に伴い、第2のF-35飛行隊が編成された。2023年10月3日のハマスによるイスラエル攻撃を端緒とする多面的な戦争が進行中の2024年、イスラエルは第3飛行隊の導入を決定し、これにより発注機数は計75機となり、そのうち48機が現在運用中である。

本日の発表により、F-35Iの保有機数は100機に増え、同機最大の運用国となる見込みだ。ロッキード・マーティンが2026年1月に発表したファクトシートによると、この第5世代戦闘機をイスラエルより多く導入しているのは、米国、英国、イタリア、日本のみである。オーストラリアもイスラエルと同様に、F-35を100機導入する方針だ。2026年1月30日時点で、1,300機以上のF-35が引き渡されている。

エルサレムは、2024年11月に締結された52億ドルの契約に基づき、F-35IAの第1飛行隊の導入プロセスを現在も進めている。ボーイング製ジェット機の第2次分を購入する決定は、米空軍がF-15EXの調達拡大計画も発表したのと同時期に行われた。

イスラエルのイスラエル・カッツ国防相は、2月28日にイスラエルと米国のイランへの空爆で始まったイランとの最近の紛争が、国を守る上での空軍の役割を証明したと述べた。

「作戦から得た教訓は、今後数十年にわたる制空権を確保するため、戦力増強を続けなければならないことを示している。F-35およびF-15IAの取得は、『イスラエルの盾』計画の中核をなすものであり、この計画はイスラエル国防軍(IDF)に永続的な質的優位性を与えることを目的としている」と彼は述べた。

「戦時下の差し迫った調達ニーズに加え、我々は10年後、さらにはそれ以降もIDFの軍事的優位性を確保するために、今すぐ行動する責任がある」と、イスラエル国防省のアミール・バラム事務総長は付け加えた。「今回の調達承認は、今後10年間にわたる厳しい安全保障情勢に備えるための3500億NIS規模の戦力増強計画を実行する上での最初の大きな一歩である」とバラム氏は指摘した。「これら2つの飛行隊が持つ相互補完的な能力により、イスラエル空軍は幅広い戦闘シナリオに対応する柔軟性を得ることになる。」

イスラエル国防軍(IDF)の軍事拡大

今回の購入は、イスラエル空軍の大規模な拡大の一環である。これには、2022年の大型輸送ヘリコプターCH-53Kおよび新型空中給油機KC-46Aの契約が含まれている。さらに、イスラエルは新たにアパッチヘリコプター30機を調達し、既存の戦闘ヘリコプター飛行隊を廃止せず維持する方針だ。

カッツは、空軍拡大計画の一環として、同軍が「自律飛行能力や次世代防衛システムの統合を通じ、宇宙空間における防御・攻撃両面でのイスラエル軍の優位性を確立するなど、大きな技術的飛躍を主導することが期待される」と述べた。

同氏は、イスラエルが「投資を続け、より強くなり、敵に先んじ続けることで、今日も将来も国家の安全を確保する」と語った。

イスラエルは陸軍も拡大しており、新部隊の創設や装甲部隊の強化、新型砲兵装備の配備を進めている。また、国内での弾薬生産にも多額の投資を行っている。

本日の声明でネタニヤフ首相は、兵器および防衛技術の国内生産への投資の一環として、同国が「画期的なイスラエル製航空機を開発する」とも述べた。同氏はこのプロジェクトについて詳細は明かさなかった。

本日の発表は、米国がイスラエルに対し、推定価格約10億ドルで1万発の新型先進精密殺傷兵器システム(APKWS)の調達を承認したと発表したのと同時期に行われた。■


Israel buying more F-35s, F-15IAs fighter jets, Netanyahu announces

Details are still to come, but Israel plans to buy 25 each of Lockheed Martin's F-35 and the Israeli version of Boeing's F-15EX.

By Seth J. Frantzman on May 03, 2026 3:06 pm

https://breakingdefense.com/2026/05/israel-buying-f35-f15-fighter-jets-netanyahu-announces/