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2024年12月25日水曜日

友軍の誤射で紅海で撃墜されたF/A-18Fは空母着艦前だった(The War Zone)―事件の調査結果を待ちましょう。一部のスーパーホーネットは記事にあるように空中給油機としても使われており、戦力としてはもったいない運用ですね。

 


  

USN/Mass Communication Specialist 2nd Class Daniel G. Providakes




この事件は、ハリー・S・トルーマン空母打撃群を標的としたフーシのドローンとミサイルによる持続的な攻撃のなかで発生した



の週末、紅海で米海軍タイコンデロガ級巡洋艦がF/A-18Fスーパーホーネットを撃墜した。 ハリー・S・トルーマン空母打撃群は、フーシのドローンとミサイルによる攻撃を撃退していた。 

「最初の任務から無事に帰還した後、F/A-18Fが部隊に飛来したOWAとASCMからの防空支援を行うために再び発進した。 「残存機の回収が行われている間に撃墜された」。

 F/A-18Fは現地時間12月22日未明、タイコンデロガ級巡洋艦USSゲティスバーグが発射したミサイルによって撃墜された。 ハリー・S・トルーマンの航空団の各機は、12月21日から22日の夜にイエメンのフーシ派の標的を攻撃していた。

 トルーマンCSG(空母打撃群)は、事件発生までの数時間で、2発の対艦巡航ミサイル(ASCM)と2台の一方向攻撃型無人航空機(OWA UAV)の撃墜に成功し、空中で他のOWA UAVの報告もあった。「残骸は見つかっておらず、紅海の海底にある可能性が高い。乗員は2人とも無事回収され、USSハリー・S・トルーマンに戻った。  最初の報告によると、乗組員の一人は軽傷。 両名とも診察を受けた後復帰した。

 本日未明、大西洋海軍航空部隊(AIRLANT)は、2人乗りのスーパーホーネットが友軍誤射の発生時に「給油任務を行っていた」と別途伝えてきた。本誌は同機の任務が具体的にどのようなものであったのか、明確な説明を求めていた。 同機が "防空支援 "を行っていたのか、それとも主に当時防空支援を行っていた機を支援するためのタンカーだったのかは不明である。本誌が先に指摘したように、F/A-18Fは定期的に空母航空団で空中給油支援を行っている。


4つの480ガロン燃料タンクとセンターラインのホース&ドローグ給油ポッドを搭載した空中給油タンカーのF/A-18Fのストック写真。 USN


 また、艦上での回収作業中に別の海軍機が発砲され、危うく撃墜されそうになったという噂もあるが、本誌は今のところ確認できていない。

 今夜のコメントで、米政府関係者は、友軍誤射事件をめぐる「事実と状況を明らかにする調査が進行中である」と強調した。昨年、防空・ミサイル防衛システムやその他のシステムを大幅にアップグレードして艦隊に復帰した、最新鋭タイコンデロガ級巡洋艦であるUSSゲティスバーグの乗組員が、なぜ誤ってF/A-18Fを撃墜したのかについては、多くの疑問が残る。復旧作業中に起きたとみられるだけに、なおさら不可解である。

 ともあれ、現在わかっている詳細は、紅海とその周辺で米軍が直面している現在の作戦環境の複雑さを強調している。本誌が先に書いたように「紅海は幾重もの脅威が存在する非常に脅威の高い環境であり、その中には探知や分類が非常に困難なものもある。フーシ派は、アメリカの軍艦や商船を、様々な無人偵察機、巡航ミサイル、対艦弾道ミサイル、無人水上艦艇で、しばしば同時に、積極的に狙っている。重大な決断を下すのに必要な時間が秒単位となることがある」。

 何はともあれ、墜落したF/A-18Fに搭乗していた両飛行士が重傷やそれ以上の怪我を負わなかったことは幸いである。■


F/A-18F Was Shot Down By Friendly Fire As Jets Were About To Land On The Carrier

The friendly fire incident also came amid a sustained Houthi drone and missile attack targeting the Harry S. Truman Carrier Strike Group.

Joseph Trevithick, Howard Altman, Tyler Rogoway

https://www.twz.com/air/f-a-18f-was-downed-by-friendly-fire-as-jets-were-about-to-land-on-the-carrier


2024年10月26日土曜日

米海軍はF/A-18スーパーホーネットの航続距離拡大に向け新たな方法を模索中(The War Zone)

 




海軍は数年前にスーパーホーネットのコンフォーマル燃料タンクの作業を中止したが、現在では航続距離の延長がさらに重要になっている


米海軍は、F/A-18E/Fスーパーホーネット戦闘機とEA-18Gグラウラー電子戦機の無給油飛行距離を伸ばす新しいアイデアを求めている。技術的な問題などを理由に、米海軍は4年前にスーパーホーネットに搭載する航続距離延長用コンフォーマル燃料タンク(CFT)の計画を中止している。また、海軍のMQ-25スティングレイ空中給油無人機プログラムも、大幅な遅延とコスト増に見舞われている。


海軍航空システム司令部(NAVAIR)は本日、スーパーホーネットおよびグラウラーの航続距離延長に関する「革新的なコンセプト」の情報を求める契約通知を発表した。


上から下に向かって、F/A-18E、F/A-18F、EA-18G。 ボーイング


 「このRFI(情報提供依頼)の目的は、そのようなコンセプトの存在、プラットフォームの航続距離を拡大する潜在的な能力、コンセプトを海軍のTACAIR(戦術航空機)に統合する方法、および信頼性と空母での飛行運用への適合性に関するあらゆる考慮事項について、初期の洞察を提供することです」と通知には記載されている。「回答者には、航続距離を拡大する能力を提供する可能性のある、複数の工学分野にわたるコンセプトを提出する幅広い自由度が提供されることを意図しています。

 「これらの概念が対象とする可能性のある分野の例として、揚力を増大させる方法、抗力を低減させる方法、利用可能な燃料を増やす方法、甲板上の燃料消費量を減らす方法、エンジン性能を高める方法、および/またはサブシステムの統合、および/またはアーキテクチャ、および/または先進飛行制御の調整などが挙げられますが、これらに限定されるものではありません」と、通知にはさらに記載されている。

 NAVAIRのウェブサイトでは、F/A-18E/Fの最大戦闘航続距離は1,275海里(2,346キロメートル)とされているが、これはAIM-9サイドワインダー空対空ミサイルを2発搭載した場合だ。スーパーホーネットの製造元ボーイングは、過去に、AIM-9X サイドワインダー2発、AIM 120 Advanced Medium Range Air-to-Air Missiles(AMRAAM)、2,000ポンド級精密誘導爆弾2発、480ガロンのドロップタンクを中央線上に搭載した場合、航続距離は約1,188海里(2,200キロメートル)と述べている。

 EA-18Gが、AN/ALQ-99妨害ポッド3基、AIM-120ミサイル2基、レーダー妨害AGM-88シリーズミサイル2基、480ガロン(約1,724リットル)の空中投下タンク2基を搭載した場合の戦闘行動半径はNAVAIRの発表によると、850海里(1,574キロメートル)以上だ。

AN/ALQ-99ポッド3基とドロップタンク2基、さらに右翼下に空中戦闘操縦装置(ACMI)ポッドを搭載したEA-18G。米海軍


すでに述べたように、ボーイングはF/A-18E/F用のCFTを開発し、従来のドラッグ式ドロップタンクを使用した場合よりも航続距離と性能を向上させている。2つのコンフォーマルタンクは、スーパーホーネットの背骨の両側に、ジェット機の中央「バレル」セクションの上に取り付けられるように設計されており、合計で515ガロンの燃料を貯蔵でる。同社は以前、このタンクにより、AIM-9Xを2発、AIM-120を2発、2,000ポンドの精密誘導爆弾を2発、そして中央のドロップタンクを搭載したスーパーホーネットの航続距離を1,428海里(約2,645キロ)にまで伸ばすことができると発表していた。CFTは、従来は投下タンクが占めていたステーションを他の備品のために空けることも可能にした。


ボーイング


 海軍は当初、CFTを他の改良とともに、新型のブロックIIIスーパーホーネットと、その規格に引き上げられた旧式ジェット機に搭載する計画を立てていた。このアップグレード作業は現在も進行中である。また、将来的にはEA-18GにもCFTを追加する可能性もあった。


試験的にコンフォーマル燃料タンク(CFT)を搭載した海軍のF/A-18F。米海軍



しかし、2021年1月、海軍は、空母運用に関連する技術的な課題が依然としてほとんど説明されていないことを理由に、スーパーホーネットのCFT作業を中止した。 コストの増加と遅延も要因だった。

 海軍がCFTを再検討する可能性は確かにある。少なくとも、新規生産されるブロックIII型スーパーホーネットには、ボーイングがすでに設計したものの装備がすべて残されている。新しい低抵抗ドロップタンクも選択肢のひとつとなるかもしれない。

 NAVAIRがF/A-18E/FおよびEA-18Gの航続距離を伸ばすための別の可能性として「エンジン性能の向上」に言及していることは、ジェットエンジンの再装備に関する以前の議論を思い出させる。スーパーホーネットやグラウラーが搭載するジェネラル・エレクトリック社製F414エンジンの強化型エンジン(EPE)構成が過去に提案されていた。 F414-EPEは推力を20パーセント増加(航続距離の増加につながる)させ、燃料消費率を1パーセント削減できると予測されていた。


以前提案されたF414-EPEエンジンの仕様。ジェネラル・エレクトリック


 サブシステムの配置など、ジェット機の物理的構造のその他の変更がどれほど費用対効果に優れ、実現可能であるかについては不明だ。海軍の既存のスーパーホーネットは、近年、費用と時間を要する寿命延長およびアップグレードプログラムをすでに実施している。ボーイング社が2027年に完全に閉鎖する予定のラインで同機を製造している。

 同時に、渦発生装置や抗力低減技術などのより控えめな変更による個々の効率の比較的小さな向上と、改良されたコンピューター制御の飛行システム、そして新戦術、技術、手順を組み合わせることで、燃費と航続距離を向上させることができる。

 明らかなのは、海軍は依然として、F/A-18E/FおよびEA-18Gの航続距離を延長する航空機搭載方法を模索することに大きな関心を抱いているということだ。これは、拡大する防空および対艦脅威の生態系の中で、空母搭載機や空母攻撃グループの艦船に大きな課題をもたらしている。 中国がますます増強している空対空、地対空、対艦ミサイル、およびその他の接近阻止・領域拒否能力は、米軍の大きな懸念事項である。この現実が、空母が脆弱性を低減するために航空機を発進させなければならない場所と、それらの航空機が作戦行動を行うことが期待される場所との距離をさらに延ばすことにつながるだけだ。

 すでに、海軍における航空関連の重要な開発、特に多目的スタンダードミサイル6(SM-6)の空対空発射派生型であるAIM-174Bの開発と、現在少なくとも限定的なレベルで実戦配備されていることにつながっていることが確認されている。F/A-18E/Fは、大型で重量があり、空気抵抗の大きいAIM-174Bを運用できる唯一のプラットフォームであり、特に従来のドロップタンクの代替品として、新しい航続距離延長オプションの価値を強調している。また、スーパーホーネットは海軍の極超音速空対艦巡航ミサイル(HALO)の初期の打ち上げプラットフォームとなる予定だ。このミサイルも比較的大型になると予想されている。搭載重量が増えると燃料消費が増え、母艦に帰還させる余裕が少なくなることを意味する。


 また、燃料容量を削減した改良型センターライン・ドロップタンクに新しい赤外線捜索追跡(IRST)センサーを導入するという海軍の取り組みもある。IRSTは、米軍の戦術ジェット機群にとってますます重要な能力となっている。

 海軍はEA-18G用の次世代電子戦ポッドの新シリーズの配備を進めているところだ。GAOは過去に、レイセオンのALQ-249(V)1次世代ジャマー中間バンド(NGJ-MB)ポッドは既存のAN/ALQ-99よりも抵抗が大きく、その結果航続距離が短くなると報告していた。重量と抵抗の問題も、レイセオンによるNGJ-MB派生案ではなく、L3ハリスとノースロップ・グラマンによるNGJ-ローバンド(NGJ-LB)ポッドの全く別の設計案を採用するという海軍の決定に影響を与えた可能性がある。


 空母航空団の行動範囲を拡大するにあたり、また、空母搭載戦術ジェット機の航続距離を伸ばすため、ボーイングの無人給油機 MQ-25 スティングレイの整備も引き続き追求している。MQ-25の主な要件には、空母から最大500海里(926キロメートル)離れた地点で、少なくとも14,000ポンド(最大16,000ポンドまで可能)の燃料を空中給油する能力が含まれている。MQ-25は、二次的な情報・監視・偵察(ISR)能力も備え、将来的には、離れた場所からの攻撃など、他の任務も担う可能性がある。

 ただし一連の遅延により、MQ-25が運用を開始する時期は、少なくとも2026年まで後ろ倒しになる見通しだ。MQ-25プログラムのコスト増も引き続き大きな懸念事項となっている。2023年8月時点で、議会監視機関である政府説明責任局(GAO)は、76機の無人機購入計画を含め、スティングレイ・プログラムの総費用は150億ドル近くに上ると推定している。また、さまざまな基地での関連建設工事も含めた過去のGAOの推定では、プログラムの予想費用は165億ドル前後となっている。

 ボーイングは2024年第3四半期に、MQ-25を含む防衛ポートフォリオのさまざまなプログラム全体で20億ドルの損失を計上したと発表した。これは、第3四半期の同社全体の62億ドル近い損失の一部であり、今年すでに報告されている数十億ドルの財務損失に追加される。

 前述の脅威の生態系は、燃料消費量が多い米国の戦術ジェット機が、進化する戦場で従来の空中給油支援へのアクセスが制限される課題に対処しなければならないことを意味します。この支援能力は、運用上の要求によってすでに逼迫することが予想されている。これにより、C-130をベースとしたタイプなど、より小型の空中給油機、有人または無人機が再び注目されるようになった。

 海軍の空母航空団は、より広範な意味で重要な転換期にある。海軍は今後数年のうちに、空母艦隊に新たな第6世代有人ステルス戦闘機F/A-XXと、CCA(Collaborative Combat Aircraft)と呼ばれる忠実なウィングマンタイプの無人機を追加する計画だ。海軍は長年にわたり、将来的に空母航空団の60%を無人機で構成するという目標を掲げてきた。無人機は通常、有人の戦術ジェット機より航続距離が長く、無人機の割合を増やすことで、空母航空団の活動範囲を数百マイルに拡大することも可能になる。

 同時に、スーパーホーネットとグラウラーは、当面の間、海軍の空母航空団の主力機であり続けると予想されている。そのため、航続距離を伸ばし運用上の柔軟性を拡大し、脆弱性を低減する方法を見つけることは、依然として大きな関心事である。■



New Ways To Stretch F/A-18 Super Hornet’s Range Sought By Navy

The Navy halted work on conformal fuel tanks for its Super Hornets years ago, but now adding more range is becoming even more important.

Joseph Trevithick

Posted on Oct 23, 2024 3:04 PM EDT

https://www.twz.com/air/new-ways-to-stretch-f-a-18-super-hornets-range-sought-by-navy


2024年9月12日木曜日

空対空ミサイルを前例のない本数搭載したF/A-18スーパーホーネット現る―中国、ロシアの重武装長距離ミサイル搭載機への対抗か。AIM-174(SM-6派生型)の搭載に注目。(The War Zone)

 A series of photos have emerged showing a U.S. Navy F/A-18F Super Hornet with a remarkable and hitherto unseen air-to-air load-out, including four of the very long-range AIM-174B air-to-air missiles.  

POINT_MUGU_SKIES




AIM-174B超長距離空対空ミサイル4発がその他ポッドやミサイルとスーパーホーネットに搭載されたのは今回が初めて



海軍のF/A-18Fスーパーホーネットが、超長距離AIM-174B空対空ミサイル4発を含む、これまでにない空対空兵器を搭載している写真が複数公開された。

 同戦闘機には、中距離のAIM-120 AMRAAMが3発、短距離のAIM-9X Sidewinderが2発搭載されており、さらに赤外線捜索追尾システム(IRST)とATFLIR照準ポッドも装備されている。 

 これらを総合すると、この写真に示されている空対空能力は、これまでに類を見ないものです。

 この写真のオリジナルソースはInstagramのpoint_mugu_skiesで、ご好意により画像を共有させてもらった。


point_mugu_skies


 機体は、独特の光沢のある黒色でレトロな配色が特徴的な、第9航空試験評価飛行隊(VX-9)「ヴァンパイアーズ」のF/A-18Fだ。同隊はカリフォーニア州チャイナレイク海軍航空基地(NAWS)に所在している。


VX-9 F/A-18F「ヴァンディ1」の武装していない状態の別角度からの写真。Fred Villela Photography


 混合搭載された兵器は、青いマーキングバンドが示しているように、すべて不活性弾と思われる。AIM-174には、技術的には「キャプティブ」なCATM-174Bであり、発射できないことを示すマーキングが見える。


point_mugu_skies


 主翼下に搭載された大型ミサイル4発は、多目的で長距離の水上発射型SM-6ミサイルの空対空発射型である海軍のAIM-174Bの訓練用バージョンだ。このミサイルの存在は今夏に初めて公式に確認されたが、すでに何らかの形で実戦配備されていると言われる。

 本誌は、この兵器の登場を陰から密かに追ってきた。前回の記事では、この兵器が、空対空戦闘の分野における対中戦略という海軍のマスタープランにどのように適合するのかについて詳しく探った。


スーパーホーネットの主翼下に搭載された不活性のXIM-174B超長距離空対空ミサイル。aeros808


 スーパーホーネットの翼端ステーションに搭載されたミサイルは、赤外線誘導のAIM-9Xサイドワインダーの派生型であり、これは現在、アップグレードされたブロックII型として生産されている、米国の戦闘機の標準的な短距離空対空ミサイル兵器だ。

 一方、右側の機体下部の「ショルダー」ステーションと各翼下のステーションには、AIM-120 アドバンスト・ミディアム・レンジ・エア・トゥ・エア・ミサイル(AMRAAM)のバージョンが搭載されている。これは、レーダー誘導式の中距離兵器で、広く使用され、戦闘でも実証されている。これらのミサイルには、通常の稼働中のAMRAAMに見られる中間部のフィンがないが、固定型のミサイルには必ずしもフィンが取り付けられているわけではない。


演習中に、AIM-120 AMRAAM の不活性訓練用バージョンを移動させる航空兵。 アメリカ空軍


 AIM-174Bは米海軍にとって非常に重要なプログラムであり、特に、中国の戦闘機が自国の最新空対空ミサイルによってアメリカの戦闘機の射程距離を上回り始めているという事実を真正面から捉えている。ロシアも、欧米の同等の兵器をはるかに凌駕する潜在能力を持つ空対空兵器の開発に余念がない。

 また、スーパーホーネットが赤外線捜索追跡システム(IRST)を中央線上に搭載していることも注目すべき点だ。完全なIRSTシステムは、FPU-13ドロップタンクにIRST21(AN/ASG-34とも呼ばれる)を前方部分に搭載した構成となっている。海軍のIRSTは開発中に問題を抱えていたが、最新の計画では改良型ブロックIIが2024年第4四半期(今月終了)に初期運用能力に達する。

 最後に、左側の機体下部の「ショルダー」ステーションには、AN/ASQ-228 先進ターゲット前方監視赤外線(ATFLIR)照準ポッドが搭載されている。


中東での戦闘パトロール中の稼働中のF/A-18Fには、IRSTセンターラインポッド、ATFLIRポッド、実弾AMRAAMおよびAIM-9Xミサイルが搭載されている。 米空軍


 IRSTは、特にステルス機の発見において、空対空戦闘の分野でますます重要なツールとなってきた。ATFLIRも、遠方の空中標的を視覚化して敵味方識別(IFF)を行うなど、空中戦闘の役割を担う。

 AIM-174Bミサイル4発、AMRAAMミサイル3発、AIM-9Xミサイル2発、そして標的およびIRSTポッドは、運用上のロジスティクスに影響を与えるものの、いずれの観点からみても非常に優れた装備だ。

 20mm弾薬のドラム缶1本を含めると、その搭載量は16,000ポンドをはるかに超え、これはスーパーホーネットでも非常に重く、多くの抵抗を引き起こす。つまり、空中給油機の支援がなければ、滞空時間は限られてしまうが、艦隊防衛のようなミッションでは、これは非常に理にかなっている。

 さらに、AIM-174の能力を予測し、早期警戒管制機、電子監視、電子戦、空中給油機、その他の貴重なプラットフォームを長距離にわたって排除することも可能である。この兵器と、将来の戦闘への影響について、特に中国の接近拒否戦略を打ち破るという観点から、インターネット上で綿密な分析が繰り返し引用されてきた。

 また、近い将来、この写真に写っているAIM-120が、現在開発中のAIM-260統合先進戦術ミサイル(JATM)となる可能性があることも注目に値する。AIM-260は、さらに射程距離が長く、より高度な機能を備えている。それでも、レイセオンによると、最新型のAIM-120はJATMの射程範囲に近づきつつあるという。 

 いずれにしても、近い将来、スーパーホーネットがAIM-260を搭載する最初の機体となる可能性があるため、AIM-260を混在させるオプションは、空対空兵器の搭載能力をさらに強力なものにするだろう。

 重武装のF/A-18Fが撮影時に何をしていたのかについては、来週から開始予定の次回のグレイ・フラッグ演習への参加準備を行っていたという説明が最も可能性が高いと思われる。過去にも説明したように、これはテストおよび評価演習シリーズであり、VX-9がポイント・マグーで活動している理由を説明できる。ただし、同部隊は広大な施設で他の目的でも活動している。

 さらに、これまでの演習では、敵軍が味方航空機を発見、追跡、標的とする能力に挑戦する目的で、さまざまな先進的な能力に重点的に取り組んできた。AIM-174B(およびその他の空対空能力)のテストは、この文脈において、またIRSTにおいても、非常に理にかなったものであるといえる。

 何よりも、VX-9がこのような目覚ましい多様な空対空ペイロードを搭載しているというイメージは、いわゆる「大国競争」での空中戦で優位に立つため急ピッチで進められている取り組みのもう一つの兆候であり、特に太平洋に広がる中国の領域拒否戦略を考慮すると、その傾向が顕著である。■


F/A-18 Super Hornet Appears With Unprecedented Heavy Air-To-Air Missile Load

This is the first time we have seen four AIM-174B very long-range air-to-air missiles on a Super Hornet, along with pods and other missiles.

THOMAS NEWDICK, TYLER ROGOWAY

POSTED ON SEP 11, 2024 2:43 PM EDT

https://www.twz.com/air/f-a-18-super-hornet-appears-with-unprecedented-heavy-air-to-air-missile-load



2024年3月22日金曜日

米海軍向けスーパーホーネット最終調達が機体価格上昇で難航している---議会と海軍で異なる思惑が背景にある。ボーイングの防衛部門業績不調も一因だ

 予算が厳しい中でF-35Cに集中したい米海軍に対し、議会はF-18の追加調達という修正を課し、生産ラインの温存を図りました。そのボーイングが国防部門の実績不調もあり、機体価格を釣り上げてきたため当初の想定どおりに調達が実現しにくくなっているというストーリーをUSNI NEWS記事から御覧ください。

Sailors assigned to the “Ragin’ Bulls” of Strike Fighter Squadron (VFA) 37 prepare a Super Hornet for flight aboard USS Gearld R. Ford on Nov. 18, 2023. US Navy Photo


米海軍の最終スーパーホーネット契約、機体単価上昇で頓挫


海軍のスーパーホーネット最終ロットをめぐる交渉が、機体価格高騰のために停滞していることがUSNIニュースの取材でわかった。


海軍がボーイングから最後の20機のF/A-18 E/Fスーパーホーネットを購入する契約が行き詰まっている。

 海軍は、ボーイングと議会が追加したスーパーホーネット20機の契約交渉を続けている。海軍航空システム司令部のF/A-18およびEA-18Gオフィスのプログラム・マネージャー、マイケル・バークス少佐は、USNIニュースに「進行中の契約交渉について議論することはできない」と述べた。

 以前の会計年度では、議会は約11億5000万ドルを計上・承認しており、海軍の1機あたり5570万ドルという見積もりと合わせると、20機のスーパーホーネットを購入できることになる。

 「我々は、戦闘機の即応性を確保しつつ、米海軍の顧客を支援することに全力を尽くしている」。ボーイング広報は、USNI Newsに電子メールでこう語った。

 しかし、ボーイングの見積もりはより高額になっており、F-35Cの価格に近づいている、とUSNI Newsは理解している。ロッキード・マーチンとの最新のロット15から17までの契約では、F-35Cのコストは約1億210万ドルであると、今年初めにBreaking Defenseが報じている。

 数年前、海軍はスーパーホーネットの生産ラインを早期に終了させ、その資金を次世代航空支配プログラムの開発やその他の航空ニーズに回すことを求めた。しかし議会は、F-35ライトニングII統合打撃戦闘機プログラムに関するこれまでの問題を懸念し、2022会計年度と2023会計年度で連続してスーパーホーネットを追加した。

 「契約は20機分だった。契約の最終決定に時間がかかったため、20機にはならないだろう」。と、下院軍事委員会の副委員長で戦術空陸軍小委員会委員長のロブ・ウィットマン下院議員(共、ヴァージニア州選出)は今月初め、米海軍協会の国防フォーラム・ワシントンで語った。

 交渉の行き詰まりは、ボーイングの防衛事業が苦戦を強いられていることに起因する。10月のロイター報道によると、防衛部門の2023年の損失は、2014年から2021年までのいずれも上回っている。

 今週のUSNIニュースとのインタビューで、ウィットマンは、海軍とボーイングは技術データパッケージをめぐる交渉で前進したが、航空機の高コストが依然として問題であると述べた。

 「インフレ圧力があったことは知っている。国防総省全体がそうだった。そのため、最終的な購入契約では20機未満という数字になる」とウィットマンはUSNIニュースに語った。

 「交渉が長引けば長引くほど、問題が大きくなる」と彼は交渉について語った。

 目標は、2022年度に12機、2023年度に8機、合計20機のスーパーホーネットを2025年に納入することだったが、現在も契約交渉が続いているため、ウィットマンはそれが達成できない可能性が高いと述べた。

 数年前、海軍関係者は、スーパーホーネットの存続可能性と、2050年代までの将来の脅威に対して、老朽化した同機が耐えられるかどうかを疑問視した。

 第4世代のスーパーホーネットは、70年代のマクドネル・ダグラスF/A-18ホーネットの設計をベースにしている。海軍が2021年度以降にスーパーホーネットのラインを終了させようとしたとき、議員たちは新技術を追求するため同機の生産ラインを終了させることを懸念した。

 もし海軍がスーパーホーネットの代わりにF-35Cを購入したい場合、海軍は議会に資金の再計画を要請する必要がある、とウィットマンは言う。当時はF-35Cの製造が十分に進まなかったため、議員たちはスーパーホーネットを追加したが、ウィットマン議員は状況が変わった可能性を認めた。■


Navy’s Last Super Hornet Contract Stalled Due to Rising Air Frame Costs - USNI News

MALLORY SHELBOURNE

DECEMBER 19, 2023 2:34 PM - UPDATED: DECEMBER 21, 2023 12:38 AM


2023年2月28日火曜日

ボーイングはF/A-18生産を2025年に終了の見込み。ただし、次の手は打ってある模様。

 


Boeing To End F/A-18 Super Hornet Production In Two Years

USN


ボーイングは、海外販売があればスーパーホーネットの生産は2年延長可能というが....




ーイングは、新型F/A-18E/Fスーパーホーネットの生産は2025年に終了する見込みだとしている。しかし、2年後にも不特定の「国際顧客」向けにスーパーホーネットを製造する可能性を残している。これはインド海軍との契約の可能性を指している可能性が非常に高い。いずれにせよ、同社は10年以内に新しいF/A-18E/Fの製造を停止する見込みだ。


 同社は本日発表したプレスリリースで、セントルイス施設内にあるF/A-18E/Fの生産ラインを閉鎖するスケジュールを発表した。現状では、スーパーホーネットの注文残は米海軍向けのみである。これらの機体は、電子戦派生機であるEA-18Gグローラーと同様に、現在米海軍とオーストラリア空軍にのみ就役している。


 クウェートもF/A-18E/Fを運用することが決まっているが、同国での就役時期はまだ明らかにならない。米国の有償海外軍事援助(FMS)のプロセスの一環として、ボーイングは2021年にクウェート受注分として機体を米国海軍に引き渡した。しかし、クウェート空軍への最終的な移転は、将来の本拠地であるアハメド・アル・ジャベール空軍基地の拡張作業の遅れにより、一部は保留されている。


 ボーイングが2025年に製造が終了した場合、何機のスーパーホーネットを製造することになるかは、すぐには明らかにならない。ボーイングのプレスリリースによると、1983年以来、スーパーホーネットとグラウラー、旧式のF/A-18A/B/C/Dホーネットを世界中の顧客に2000機以上納入しているが、その内訳は明らかにされていない。1995年に初飛行したスーパーホーネットは、初代ホーネットの派生機で、前任機から大幅に大型化されている。


超大型空母USSニミッツの甲板には、米海軍のF/A-18Eが並ぶ。背景に発艦するF/A-18Fが見える。USN


 海軍に関し、Defense Newsが2025年までに、「予算文書では30年間で合計698機のスーパーホーネットを購入することになる」と報じていた。しかし、2023年度予算案によると、2022年3月時点で、単座のF/A-18Eを310機、2座のF/A-18Fを246機、EA-18Gを161機保有しているとある。Defense News記事にある海軍のジェット機の総数には、長年にわたる事故による消耗に加えて、技術的には購入したものの、クウェートなど他国向けグラウラーやスーパーホーネットが含まれている可能性がある。


 RAAFは現在、24機のF/A-18Fと12機のEA-18Gを保有している。クウェート空軍向けに待機しているのは、F/A-18Eが22機、F/A-18Fが6機である。


 ボーイングのプレスリリースでは、「スーパーホーネットが海外顧客に選ばれれば、生産は2027年まで延長される可能性がある」とある。現時点では、スーパーホーネットの購入を検討していると知られている潜在顧客はインドだけだ。


 F/A-18E/Fは、インド海軍が26機の新型空母艦載戦闘機を契約するために、フランスのダッソー・ラファールMと競合している。また、スーパーホーネットは、長らく難航していたインド空軍の戦闘機入札のオプションに提案されており、数十機の戦闘機の納入につながる可能性がある。インド空軍は近年、表向きは暫定的な解決策として、ダッソー・ラファール陸上型を導入している。その結果、ラファールMがインド海軍契約で最有力候補になったという未確認の噂がある。


 もちろん、今後2年の間に別の外国顧客が現れる可能性もある。同時に、ボーイングは2019年にThe War Zoneに対し、スーパーホーネットの購入候補国として積極的に働きかけているのは、カナダ、フィンランド、ドイツ、インド、ポーランド、スイスと述べていた。インドの将来の戦闘機計画は依然不透明だが、ここに挙げた他の国々はすべて、その後、ロッキード・マーティンF-35A統合打撃戦闘機を購入すると決定した。


 F-35A以外にも、米国で生産されている戦闘機では、ボーイングのF-15ファミリー、ロッキード・マーチンのF-16バイパーのブロック70/72がスーパーホーネットと激しい競争を繰り広げている。また、フランスのラファールや欧州のユーロファイター・タイフーンなど、海外との競争もある。ロシアも戦闘機の主要生産国であることに変わりはないが、ウクライナ戦争で厳しい国際制裁を受けている。中国も戦闘機輸出の機会をうかがっている。


サウジアラビアで行われた「Spears of Victory 2023」演習で、現在の国際戦闘機事情を一枚の写真に映し出した興味深い映像がある。写っているのは、各国のF-16とユーロファイター・タイフーン、そして先頭のサウジのF-15イーグル、上から2番目は同国の老朽化した旋回翼戦闘機パナビア・トーネード。下から2番目にパキスタンの中国製2人乗り戦闘機JF-17Bが見える Government of Saudi Arabia



 ボーイングの計画は、アメリカの国会議員の介入で変わる可能性もある。米海軍のF/A-18E/Fの過去2回の発注では、議員たちが動いた。海軍は、過去10年間に何度も新型スーパーホーネット購入を止めようとして失敗しており、ちょうど前回の予算サイクルでもそうだった。


 しかし、これらの要因を考慮すれば、ボーイングがF/A-18E/Fの生産を終了し、次のステップに進むことを検討しているのは必ずしも驚くべきことではない。今日のプレスリリースで、同社はすでにセントルイス工場の資源を再編成させ、スーパーホーネット製造を中止した後も同工場での作業を拡大するとある。


 「ボーイング・セントルイスは、世界初の全デジタル訓練機「T-7Aレッドホーク」と世界初の空母配備型自律給油機「MQ-25スティングレイ」の生産を拡大し、新型F-15EXイーグルIIと777X翼部品の継続生産も行います」と、プレスリリースは伝えている。


 この生産終了の決定により、ボーイングは「次世代の高度な有人・無人航空機の開発」を強化することができ、セントルイスに3つの新しい最先端施設を建設する予定と続けている。「新施設は、アリゾナ州の新しい先進複合材製造センター、ミッドアメリカ・セントルイス空港の新しいMQ-25製造施設と同様に、10億ドル以上の投資となります」。


 「防衛製品とサービスの需要に応えるため、ボーイングはセントルイス拠点で今後5年間、前年比の雇用を続ける予定です」とリリースは付け加えている。「昨年はがこの地域で900人以上を採用しました」。


 ボーイングのセントルイス工場とスーパーホーネットの関係は、生産ライン閉鎖で完全に終わるわけでもない。海軍は、既存のスーパーホーネット数百機を大規模なオーバーホールとアップグレードプログラムで寿命を延ばし、先進のブロックIII規格に引き上げると決定している。EA-18GのBlock IIアップグレードプログラムも進行中だ。

 これは、ボーイングがこれまで公にしたものに過ぎない。他にも、ボーイングが参加する可能性のある主要な軍事計画が控えている。例えば米海軍は、次世代航空優勢(NGAD)プログラムとして、将来の第6世代有人戦闘機の取得を計画しており、これは空軍の同名のプログラムとは別だ。ボーイングは間違いなく、その取り組みの一翼を担うことに関心を持っている。


 海軍と空軍は、無搭乗戦闘機(UCAV)を含む無搭乗機を大幅に拡大する検討をしている。ボーイングは、先進的な無人戦闘機に関して豊富かつ先駆けの実績があるものの、最近まで大きな成果を上げることはできていなかった。しかし、MQ-25計画で、海軍無人機の未来への基礎が築かれつつある。ボーイングが中心的な役割を果たす可能性が非常に高く、すでにかなりの程度、中心的な役割を担っている。


 また、ボーイングオーストラリア法人では、先進的なステルス無人機「MQ-28 Ghost Bat」の開発を進めている。同機はもともとRAA向けに開発されたもので、有人機との共同運用として採用されることを期待しています。米空軍も現在、テスト作業を支援するため少なくとも1機を取得している。


An MQ-28 Ghost Bat. Boeing Australia


 英国海軍の開発責任者ジェームズ・パーキン少将Rear Admiral James Parkinは、今週ロンドンで開催された国際軍用ヘリコプター会議で、MQ-28の空母搭載型バリエーションまたは派生型の大型プレゼンテーションの構想図を示した。ボーイングは、これが会社の公式レンダリングであるとThe War Zoneに確認したが、追加情報の提供はなかった。

「将来にむけた戦闘機の実現は当社のDNAである」とスティーブ・ノードランドSteve Nordlundボーイング航空優勢部門副社長は、今日の声明で述べている。「次世代の能力を開発するために投資するとき、私たちはF/A-18を40年近くにわたってアメリカ海軍と世界中の空軍の主力にしたのと同じ革新と専門知識を適用します」。

 全体として、ボーイングは、スーパーホーネットの生産ラインが数年以内に終了すると明確に予想しているようで、次に備え今から準備しているのだ。■


Boeing To End F/A-18 Super Hornet Production In Two Years | The Drive


BYJOSEPH TREVITHICK, OLIVER PARKEN|PUBLISHED FEB 23, 2023 9:40 PM

THE WAR ZONE


2020年10月8日木曜日

F/A-18スーパーホーネットのインド海軍採用を狙うボーイング

 

Boeing



一昔前のインドといえばロシア製装備ばかりで部隊編成し、アメリカの入る余地など全くなかったことを思えば隔世の感がありますね。今回はスーパーホーネットの売り込みに余念がないボーイングの話題です。その延長にはインドの進める空母整備に米海軍が協力する背景もありそうですね。売り込みに成功すればイーグルに続きホーネットの生産ラインも維持できるのでしょうか


ーイングF/A-18ブロックIII仕様のインド海軍での採用を狙っていると発表した。同機は今日供用中の機材の中で高性能かつ実戦で実証ずみの多任務第一線戦闘機として大威力を発揮する。特にブロックIIIは航空優勢確保、昼間夜間攻撃任務を精密誘導兵器を使い実施し、援護戦闘機任務、近接攻撃支援、敵防空網制圧、対艦攻撃、偵察任務、前方航空統制や僚機への空中給油までこなす。

 

現在稼働中のF/A-18ホーネット、スーパーホーネットは合わせて700機超だが、ブロックIIIは米海軍向けに製造中だ。インドも自国海軍向けに同型への関心を示している。

 

「インド海軍向け多任務空母搭載戦闘機事業での情報提供要求(RFI)に当社は対応した」とボーイング・ディフェンス・インディア(BDI)が述べている。「米海軍の第一線戦闘機F/A-18 ブロックIII仕様のスーパーホーネットをインド海軍にも供給したい。実現すればインド海軍に最新の戦闘能力が実現しながら、インド海軍と米海軍の協力関係も進む」

 

上記発表文はBDIがインド海軍向けに発出したものだ。F/A-18E/Fは大量装備を搭載し高ストレス環境の作戦運用でも最小限の支援で十分な設計の艦載戦闘機で、BDIは同機の飛行時間当たり費用の低さ、稼働率の高さをアピールする。さらにスーパーホーネットは「インドによるインドのための」事業でインド国内サプライチェーンを重視しつつ現地産業との協同体制を進め現地での運用を続けられるとする。

 

 

 

さて、スーパーホーネットは最新鋭機材ではないものの、インド海軍が採用すればどんな戦力になるだろうか。

 

スーパーホーネットの搭載兵装にはまずAIM-9サイドワインダー、AIM-7スパロー、AIM-120 AMRAAMの空対空ミサイルがある。次に誘導空対地兵器にハープーン、SLAM/SLAM-ER、GBU-10、GBU-51、HARM、マーヴェリックがある。さらに自由落下型爆弾としてMk-76、BDU-48、Mk-82LD、Mk-82HD、 Mk-84がある。またジェネラルダイナミクス製M61A2 20mm準ガトリング砲を搭載し、一分間に4千発から6千発を発射できる。  

 

ボーイングがF/A-18スーパーホーネットのインド売り込みをはかる背景に米海軍の同機調達が終わりそうなことがある。2021年度まで78機を40億ドルで製造する契約をボーイングは公布されたが、来年の20機が最後の発注分になりそうなのだ。

 

米海軍はスーパーホーネット後継機の開発をすでに開始しており、8月にはスーパーホーネット生産を取りやめ、代わりに次世代艦載戦闘機開発を早めると発表していた。■

 

この記事は以下を再構成したものです。

 

Boeing F/A-18 Block III Super Hornets Could Be Headed to India

October 6, 2020  Topic: Security  Region: Asia  Blog Brand: The Buzz  Tags: IndiaIndian NavyF/A-18 Super HornetMilitaryPakistanChina

by Peter Suciu

 

Peter Suciu is a Michigan-based writer who has contributed to more than four dozen magazines, newspapers and websites. He is the author of several books on military headgear including A Gallery of Military Headdress, which is available on Amazon.com.

Image: Reuters.