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2017年5月23日火曜日

ヴィエトナムがF-5再生を実施?


観測記事に過ぎないのですが、機数確保だけが目的ならあり得る話です。ただし、高温多湿の環境に何十年も放置されていた機材をつなぎ合わせても完成は少数機にしかならず、実効性の弱い発想ではないでしょうか。ハノイの空軍博物館にはF-5も展示されていましたね。


Is Vietnam Really Planning on Bringing Back 50-Year-Old American Fighter Planes? ヴィエトナムは真剣に50年前の米製戦闘機の再整備を検討しているのか


The National InterestMichael Peck May 21, 2017


ヴィエトナムは南ヴィエトナムから捕獲した機齢50年の米製F-5を本当に再生しようとしているのか。それともロシア製機材の購入に向かわせるためのロシアの策略なのか。ハノイが西側機材導入に前向きとの観測がある。
  1. 問題の機材は1975年に北ヴィエトナムが南を制圧した際に捕獲したF-5だ。北はこの他に大量の米製戦車、火砲、銃砲(M-16が百万丁あった)も入手し、1970年代中頃のヴィエトナム軍は世界有数の重装備となった。そこにF-5Aフリーダムファイター87機、F-5EタイガーII27機があった。ノースロップ製の軽量戦闘機は低価格で米国が冷戦時に第三世界に輸出を進めていた。
  2. ヴィエトナムは機体評価用にF-5を数機ソ連圏に送り、ソ連パイロットはタイガーIIの性能に感銘を受けたといわれる。一方で残りの機材は1978年のカンボジア侵攻時にハノイが利用した。ヴィエトナム空軍の主力はもちろんソ連製機材だが、パイロットはF-5を好んだといわれる。特にコックピットと機体取り回しが楽というのが理由だった。しかし、交換部品不足から機材を使いまわし使用可能なF-5Eは減った。
  3. ながらくヴィエトナムのF-5は全機飛行できない状態と思われていたが今週になりロシアのスプートニクニュースが「タイガー戦闘機の復活がヴィエトナム航空界にどんな意味を持つのか」との記事を配信し、「ヴィエトナムのメディア」筋がF-5の再稼働を検討中だと記事で伝えた。
  4. 西側アナリスト陣にとってこの記事は驚きだ。「F-5は全機修理不可能だと思っていました」と東南アジア安全保障を専門とするザカリー・アブザ(米国家戦争大学校)は述べている。「先月もヴィエトナム訪問しましたがだれもこの可能性を話ていません」
  5. 一番興味をひかれる点はスプートニク記事は単なる報道でなく、ロシア軍専門家筋の分析を伝えていることだ。ロシアのマカール・アクセネンコはイスラエル企業が機材再整備を行うのと見ている。タイのF-5で実績があるためだ。ヴィエトナムの場合は「短期間で安価に戦力予備機材を確保する」狙いがあるという。
  6. ただし記事では再整備したF-5はあくまでも緊急手段であり、ヴィエトナムは新機材が必要と指摘する。同国はロシアSu-27、Su-30を約40機運用しているが隣接する中国と比較すればいかにも小規模だ。
  7. アブザは「ヴィエトナムは練習機、戦闘機を導入する意向を公表している」とし、「価格、性能、信頼性や親和性からスホイの追加導入が一番よいはずですが、かなり時間をかけて検討中なのでモスクワもいらいらしはじめているはずです」と述べる。
  8. 確かにここ数年間でヴィエトナムが欧米軍用機の導入に前向きになっているとの記事が数回にわたり出ている。2016年5月にバラク・オバマ大統領がヴィエトナム向け武器禁輸の解除を発表した。
  9. 「ヴィエトナムは最大のロシア製武器購入国に入り、最近こそ規模が伸びていませんが、モスクワとしては路線変更は歓迎できないのは間違いないでしょう」
Michael Peck is a contributing writer for the National Interest. He can be found on Twitter and Facebook.
Image: F-5E Tiger II. Wikimedia Commons/Creative Commons/Peng Chen

2016年6月27日月曜日

★★ヴィエトナムが海自P-3C余剰機材の導入に前向きになっています



さすがヴィエトナムの目の付け所は鋭いですね。フィリピン向け練習機の案件ではリース方式にしましたが、今回ヴィエトナム案件が成立したらどう処理するのでしょうか。 それはさておき、日本が国境線から利益線に世界観を拡大するのはよいことでしょう。もちろん、それを歓迎しない勢力もあるわけで、とりわけ国内では次回参院選挙で政党の世界観・安全保障観が問われていると思います。



Nikkei Asian ReviewVietnam eyes secondhand Japanese defense gear

June 26, 2016 1:00 pm JSATSUSHI TOMIYAMA, Nikkei staff writer

HANOI--米国が武器禁輸措置を解除してヴィエトナムが国防力増強に取り組んでいる。
  1. 中国を意識し海上哨戒能力の向上を狙う同国だが問題は米国製装備の高価格だ。代替策でヴィエトナムは安価な使用済み機材を海上自衛隊から導入したいようだ。
  2. ロイター報道によれば同国はロッキード・マーティンに使用済み米海軍P-3オライオン4機ないし6機の価格および納期を照会する予定だ。P-3の新品価格は最低でも80百万ドルでヴィエトナムは一機しか調達できない。
  3. 対潜能力整備は同国の目標で、武器禁輸措置解除により米製装備の調達に向かうと見られたが、ここにきて日本が浮上しており、日本側関係者によればヴィエトナム海軍から非公式に海自の退役済みP-3C対潜哨戒機購入の打診が今年春にあったという。
  4. ヴィエトナムの悩みの種は中国潜水艦部隊だ。中国の約70隻に対しヴィエトナムもキロ級潜水艦をロシアから6隻購入たがそれだけでは対抗しきれない。そこで対潜哨戒航空機材の整備をめざす。
  5. ただし日本への期待は価格だけではない。まず日本には十分な機数のP-3Cがある。海自が新型P-1の導入し機種更新中のためだ。またヴィエトナムは訓練も期待している。P-3C乗員は音紋から潜水艦を識別する必要があり、海自は同機運用で世界トップクラスと言われ、ヴィエトナムは日本から学ぶのが近道と考えているようだ。また日本とは政治経済上のつながりも強い。
  6. さらに海自との共同演習で自国部隊の技量を磨く期待もヴィエトナムにあるようだ。日本のP-3Cはダナンまで飛んでおり、今年も共同で捜索救難演習を実施する。ヴィエトナムはP-3C運用の事前訓練の機会にしたいようだ。
  7. ヴィエトナム国防相ゴー・スアン・リックは6月のシャングリラ対話を欠席し、次官を代理で送り中国を配慮した可能性がある。今のところヴィエトナム政府は中国を挑発することを避けようと、軍事力示威やあからさまに米側に寄り添うところは見せていない。■