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2025年10月29日水曜日

MQ-20アベンジャーの機首にレーザー兵器が描かれたレンダリングが今後の展開を示している(TWZ)―すべて順調ではないもののレーザー兵器の実用化は着実に進んでいます。

 

電力供給と冷却の課題を航空機でどう実現するかが注目です

ジェネラル・アトミクスは、新開発の自律戦闘機「ガンビット」シリーズを含む、全ドローンでレーザー兵器搭載の選択肢を模索中だ

ジェネラル・アトミックス カーター・ジョンストン経由

ジェネラル・アトミックスは最近、レーザー指向性エナジー兵器を装備したMQ-20アベンジャー無人機のレンダリング画像を公開した。レーザービームは、機首部の完全回転式ノーズコーン砲塔から照射されている。同社は純粋なコンセプトデザインだと説明するが、これは高度にモジュラー化されたガンビット・ファミリーを含む、同社の無人航空機全体におけるレーザー兵器搭載の広範な研究を反映している。実用化は予想以上に近いかもしれない。

このレーザー装備型アベンジャーの描写は、先週開催された米国陸軍協会(AUSA)年次総会におけるジェネラル・アトミックスのブースで公開された短い動画内で確認された。Naval Newsのカーター・ジョンストンがこの興味深い映像を発見し、本記事冒頭および下記SNS投稿で公開されているスクリーンショットを提供してくれた。レンダリング画像とされているが、実写を部分的に合成した可能性もある。

航空機・地上プラットフォーム・艦艇に搭載されたレーザー指向性エナジー兵器は、攻防両面で多様な標的に対し光速の精度で攻撃を可能にする。十分な電力と冷却能力さえあれば、弾薬庫の容量にほぼ制限がない利点もある。さらにレーザー兵器は無音で、ビームは肉眼では見えないことが多い。これは秘密攻撃を可能にするか、あるいは敵軍に混乱と動揺をもたらす可能性がある。レーザー兵器には電力制限や環境要因による制約もある。

前述の通り、レンダリング画像には新設計の機首部を備えたアベンジャーが描かれている。機首部の本体は横方向に回転し、レーザーを照射する開口部を備えている。さらに機首先端部には「ボール型」センサータレットが配置されているが、通常は電光・赤外線カメラの組み合わせ、レーザー測距儀および/または目標指示装置が装備される。アベンジャーは長年、機首下に同様のセンサーボールを標準装備している姿が確認されてきた。アベンジャーの現時点で最も重要な運用者は米国中央情報局(CIA)とされている。公的には、低可視性(ステルス)特性を一部備えたこれらのドローンは、主に広く実験用テストベッドとして使用されていると見られている。

先週公開されたレーザー装備型アベンジャードローンのレンダリング画像に見られる回転式機首部のクローズアップ。ジェネラル・アトミックス提供(カーター・ジョンストン撮影)

機首下に球状センサータレットを装備した典型的な構成のアベンジャードローン。ジェネラル・アトミックス

「AUSAで来場者が目にしたのは、高エナジーレーザー(HEL)システムを搭載したMQ-20アベンジャーの概念図と短編アニメーションだ。いずれもジェネラル・アトミクスの製品であり、特定の政府プログラムや契約ではなく、コンセプト説明で当社が使用しています」と、詳細を尋ねられたジェネラル・アトミクスの広報C・マーク・ブリンクリーは本誌に語った。「展示は当社が戦闘用レーザーシステムと無人戦闘航空機(UCAV)の両方の研究開発を主導し続けていることを伝える意図だった。これらの製品を組み合わせることで、対UAS(対無人航空システム)やその他の用途を含む、戦闘員向けの様々な新たな機会を提供する方法を探っている」「レンダリングに描かれたアベンジャーとレーザーのビジュアルについては、あまり深読みしない方が良い」と彼は付け加えた。「最終的な形態は様々だ。例えばMQ-9BグレイイーグルSTOLへのポッド式搭載、あるいはガンビットシリーズ戦闘機への統合兵器としてなどだ。要するにジェネラル・アトミックスは、UCAVとレーザーを個別に、また統合システムとして発展させるため、自社資金を投入している。当社はこの取り組みの将来性に引き続き期待している」。

本誌は、ガンビットに統合型レーザー指向性エナジー兵器が装備される可能性について追及した。

「それは現実的な可能性で、多くの人が考えるより早く実現するだろう」とブリンクリーは答えた。「技術成熟度レベル(TRL)などの詳細は言及しないが、当社の高エナジーレーザー技術と先進的なガンビットシリーズ無人戦闘機の融合は、想像可能な未来です」。

ジェネラル・アトミックスは2022年にガンビット・ファミリーを正式発表した。ガンビットの核心要素は共通のコア『シャーシ』だ。これには着陸装置や主要な任務・飛行制御コンピュータシステムが含まれ、多様な『ボディキット』と組み合わせ可能だ。

同社の実験機XQ-67Aドローンは、元々は空軍のかつて極秘だったオフボードセンシングステーション(OBSS)計画向けに開発され、コンセプトの実証に貢献した。XQ-67Aとガンビットの開発成果は、現在ジェネラル・アトミックスが空軍の共同戦闘機(CCA)プログラム第一段階(インクリメント1)で開発中のYFQ-42Aにも反映されている。

上から順に、ジェネラル・アトミックスのアベンジャー無人機、実験機XQ-67A、CCAプロトタイプYFQ-42A。GA-ASI

強調すべきは、ジェネラル・アトミックスが電磁システム部門(GA-EMS)を通じて、高エナジーレーザー指向性エナジー兵器の研究開発を長年行ってきたことだ。先週も、同社の航空システム部門(GA-ASI)がレーザー兵器を装備したドローンのレンダリング画像を公開したがこれが初めてではなかった。またこの分野での関連作業に言及したのも初めてではない。

2010年代後半、ジェネラル・アトミックスはアベンジャー上で高エナジー液体レーザー地域防衛システム(HELLADS)の変種または派生型を試験する計画を公然と議論していた。HELLADS は、米国国防高等研究計画局(DARPA)のプロジェクトであり、飛来する砲弾やロケット弾、迫撃砲弾を撃ち落とす高エナジーレーザー指向性エナジー兵器システムの有効性を実証することに重点を置いていた。HELLADS/アベンジャーの実証実験が実際に実施されたかどうかは不明だ。

レーザー兵器を装備したアベンジャーを描いた、ジェネラル・アトミックス社が以前公開したレンダリング画像。General Atomics

また、米国ミサイル防衛局(MDA)が 2010 年代後半に ロッキード・マーティンを採用し、高高度で長距離飛行が可能な無人機が搭載し、敵の弾道ミサイルが脆弱な打ち上げ段階で撃墜するためのレーザー指向性エナジー兵器の実証を行ったことも注目に値する。2020年までに、MDAはこの構想に触れなくなった。その理由として、重大な技術的障害を挙げている。ロッキード・マーティンは、HELLADSをはじめ、その他の米軍のレーザー兵器プログラムにも関与していた。MDAは2010年代後半、ジェネラル・アトミックスのMQ-9に、特殊なセンサータレットを機首前部に取り付けて試験を行った。これは弾道ミサイルの発見と追跡を目的としたものだ。

MDAの実験用 MQ-9。機首前部にセンサータレットが搭載されている。 MDA

ジェネラル・アトミックスは、海軍連盟の「Sea Air Space 2025」会議で、MQ-9 リーパーシリーズドローンやその他の航空機にも搭載可能な、ポッド型指向性エナジーレーザー兵器の新コンセプトを4月発表した。当時同社は、このポッドが飛来する長距離ワンウェイ攻撃ドローンを撃墜する手段としての潜在価値を強くアピールした

レイセオンノースロップ・グラマン、ボーイング含む米国企業も、長年にわたりレーザー兵器(航空機搭載型を含む)の研究開発を進めてきた。2022年には、ノースロップ・グラマン子会社のスケールド・コンポジッツが製造したステルス機「モデル401 ソーン・オブ・アレス」の1機が、腹部に「サメにレーザービーム」のイラストが描かれたポッドを搭載しているのが確認されていた。このイラストは1997年のマイク・マイヤーズ主演スパイコメディオースティン・パワーズの有名なシーンを引用したものだが、真意は不明だった。

また、少なくとも過去において、米空軍は指向性エナジー兵器を、次世代航空優勢(NGAD)構想の重要な要素と位置付けていたことも指摘しておく価値がある。指向性エナジーは、幅広い取り組みを網羅するNGADにおいて見過ごされがちな側面であり、その中には、より注目度の高いF-47第六世代戦闘機CCAドローンプログラムも含まれている。

一般的に、過去数十年の技術開発により、特に固体レーザーは実用的な兵器となった。各種部品の小型化も、実用化に貢献している。米軍をはじめ、中国人民解放軍(PLA)など、世界中の軍が、さまざまなレベルのレーザー指向性エナジー兵器、特に地上ベースおよび艦載型の兵器の実戦配備に向け着実に取り組んでいる。

しかし、米軍は、特に航空分野において、指向性エナジー兵器を運用する上で直面し続けている技術的な課題を率直に語っている。2024年3月、米空軍はAC-130Jゴーストライダー砲撃機へのレーザー指向性エナジー兵器搭載飛行試験計画を中止した。わずか2か月後には、同軍が自己防衛用高エナジーレーザー実証機(SHiELD)計画が戦闘機でのシステム試験という目標を達成できず終了したこと、及び同計画の継続予定がないことを確認した

ジェネラル・アトミックスは、最近公開されたレーザー装備型アベンジャーのレンダリング画像について「現時点ではコンセプトに過ぎない」と説明しているが、同社が進めてきた実作業を反映しており、広範な世界的潮流を浮き彫りにしている。同社は明らかに、ガンビットシリーズ含むレーザー搭載ドローンの実用化が目前に迫っているとの見解を示している。■

ジョセフ・トレヴィシック

副編集長

ジョセフは2017年初頭より『The War Zone』チームの一員である。それ以前は『War Is Boring』の副編集長を務め、『Small Arms Review』『Small Arms Defense Journal』『ロイター』『We Are the Mighty』『Task & Purpose』など他媒体にも寄稿している。


MQ-20 Avenger Depicted With Laser Weapon In Its Nose A Sign Of What’s To Come

General Atomics is exploring laser armament options for drones across its portfolio, including its new Gambit family of autonomous combat aircraft.

Joseph Trevithick

Published Oct 22, 2025 1:29 PM EDT

https://www.twz.com/air/mq-20-avenger-depicted-with-laser-weapon-in-its-nose-a-sign-of-whats-to-come


2025年10月17日金曜日

ジェネラル・アトミックス=ハンファが韓国でグレイイーグル無人機を生産へ(Breaking Defense)

 

ジェネラル・アトミックス=ハンファが韓国でグレイイーグル無人機を生産へ(Breaking Defense)

両社は共同開発・生産するグレイイーグルの初飛行を2027年に予定している

GA-ASIのモハーベUAS STOL実証機は、2023年8月1日にカリフォーニア州エルミラージュ近郊の未舗装滑走路で離着陸複数回に成功した

AUSA 2025 — ジェネラル・アトミックスと韓国のハンファ航空宇宙は、グレイ・イーグル無人機の短距離離着陸(STOL)型を共同開発・生産する契約を締結した。最終目標は韓国に同機の生産施設を設立することだ。

本日、米国陸軍協会(AUSA)会議の展示会場で調印された本契約に基づき、両社は量産モデルに準ずるドローンを製造する。初飛行は2027年、納入は2028年を予定している。作業は直ちに開始され、契約時点で顧客は発表されていないものの、両社はグレイイーグルSTOL型を米国防総省と韓国国防省に販売する意向であると、共同プレスリリースで表明している。

両社はグレイイーグルの製造・最終組立のため韓国に生産施設を設立する。ミッションシステムの最終統合はジェネラル・アトミックスが引き続き担当する。初号機については両社が生産工程を分担し、ジェネラル・アトミックスはカリフォーニアで、ハンファは韓国国内の施設で作業を行うと、ジェネラル・アトミックスの広報担当者C・マーク・ブリンクリーは本誌に語った。「当社は複数の潜在顧客と協議中であり、生産ラインの立ち上げと最初の量産機代表機の製造と並行して新規受注が入ると見込んでいる」。

ジェネラル・アトミックスは2021年にグレイイーグルの短距離離着陸(STOL)型を発表し、以来「モハーベ」と呼ばれる試験機を複数の実証飛行で運用してきた。ある飛行では、韓国沿岸沖を航行中の韓国海軍強襲揚陸艦「ROKSドクト」からモハーベを運用した。

「韓国と米国でのGE[グレイイーグル]STOL共同生産は雇用を創出し、ハンファが関連分野の人材を確保する助けとなる。同時に国内(韓国)の無人航空機産業エコシステムを育成する」とハンファ航空宇宙のJae-il Son社長兼CEOは報道発表で述べた。「ハンファは、戦闘機エンジンからレーダー、航空電子機器に至るまで、設計から生産、保守までを一貫して遂行できる総合的な無人航空機システム企業になる準備が整った」と述べた。

両社は「このプロジェクトに投資し、韓国で開発および生産能力を構築することに全力を尽くす」と、GA-ASI のデイブ・アレクサンダー社長は述べた。■

General Atomics, Hanwha to produce Gray Eagle drone in South Korea

The companies intend for their jointly developed and produced version of the Gray Eagle to first fly in 2027.

By Valerie Insinna on October 14, 2025 11:00 am

https://breakingdefense.com/2025/10/general-atomics-hanwha-to-produce-gray-eagle-drone-in-south-korea/


2024年4月24日水曜日

ミニガンで武装したMojaveドローンが毎分6000発でターゲットを撃破、軽武装ヘリコプターの代替策として売り込みを図るジェネラルアトミクス

 プレデターからはじまった無人機の系譜がついにミニガンを発射するまでに至りました。対地攻撃をガンで行えるということは遠隔操作のスピードや精度が従来より画期的に向上しているからなのでしょうが、同時にアフガニスタン戦役のような航空優勢がいつも確保されている前提での作戦でなければこうした構想は使えないのではないかとの懸念もあります。The War Zone記事からのご紹介です。


General Atomics' Mojave short takeoff and landing drone armed with a pair of Minigun pods recently conducted a first-of-its-kind live-fire demonstration.

GA-ASI



このクラスのドローンでMinigunポッドが実弾発射されたのは今回が初で、

すでにこの能力を拡大する計画が進行中


ェネラルアトミクスGeneral AtomicsのモハーヴェがディロンエアロDillon AeroのDAP-6 Minigunポッドで武装し今月初めに行われた世界初の実射デモンストレーションで、複数の静止標的をズタズタにした。同社はこの新しい攻撃能力をさらに高める計画を持っている。また、米陸軍が直近の武装偵察ヘリコプター計画を中止したのを受け、モハーヴェと同社のMQ-1Cグレイ・イーグルのハイブリッドを、新たな武装偵察プラットフォームとして米陸軍に売り込もうとしている。

ジェネラル・アエロノーティカル・システムズ社(GA-ASI)が本日発表したプレスリリースとビデオによると、DAP-6を搭載したモハーヴェは4月13日複数の地上目標と交戦した。ビデオのある場面では、シボレーのピックアップトラックが爆発している。ミニガンが発射する7.62x51mm弾は爆発しないが、トラックには爆発物が仕掛けられていたか、あるいは内部の燃料に引火した可能性がある。

 全7行程で合計10,000発の7.62x51mm弾が発射され、1回あたり平均約1,428発が発射された。GA-ASIは、アリゾナ州にある陸軍のユマ実験場で、自社資金で実射デモを実施した。

A Dillon Aero DAP-6 gun pod on display. <em>Joseph Trevithick</em>

A Dillon Aero DAP-6 gun pod on display. Joseph Trevithick


ディロンによればDAP-6ポッドに搭載されたミニガンの発射速度は毎分3,000発。デモでモハーベが搭載していた2つのポッドを合わせた発射速度は毎分6,000発だった。DAP-6の最大弾倉容量も3,000発で、総発射時間は60秒。ポッドには少ない弾薬を装填して、全体の重量を減らすことができる。空の状態でのDAP-6の重量は162ポンド(73.5キログラム)だが、満載すると約350ポンド(158.8キログラム)になる。

 GA-ASIのマーケティング&戦略コミュニケーション・シニア・ディレクター、C.マーク・ブリンクリーは、本誌に語った。「銃を使用するためには、ハードウェアとソフトウェアのアップグレードが必要であり、翼の定位置から銃を発射して正確にターゲットを照準するために、地上でのさまざまな試射が行われました。照準ターゲットは、高さ約4フィート、幅約8フィートのビルボードサイズの壁で、遠くに設置されました。

 「パイロット・チームが各銃から発射された弾丸の個々の着弾点を理解すると、デモを飛行させ、空中から標的を攻撃することができました」とブリンクリーは続けた。「将来的には、航空機のセンサーボールに連動する回転銃のシステムを構想しています」。

 様々な角度で回転するガン・ポッドというアイデアは新しいものではない。ソ連は冷戦時代、このようなポッド銃システムを数多く設計し、実戦配備していた。

 「とはいえ、初期テストとしては大成功だったと考えています。機体は問題なく兵器を搭載し、発射しました。振動や反動にも問題はありあませんでした。開発を続けるにつれて、精度と有効性が向上してしょう」。

A graphic with details about Mojave's six underwing hardpoints. It is depicted carrying 16 Hellfire missiles, a loadout option that GA-ASI regularly highlights in discussions about this drone. <em>GA-ASI</em>

A graphic with details about Mojave's six underwing hardpoints. It is depicted carrying 16 Hellfire missiles, a loadout option that GA-ASI regularly highlights in discussions about this drone. GA-ASI


本誌は、GA-ASIが2022年に翼の下にDAP-6ポッドを搭載したモハーヴェの写真を初公開したときに、このようなドローンに銃ベースの武器システムを統合することの難しさを強調した。当時、本誌はこう書いていた:「そもそも、ガンポッドで武装した機体をオペレーターがどのように遠隔操作するのかは、すぐにはわからない。特に7.62x51mm砲システムで地上の標的を空爆するには、地面の近くでのダイナミックな操縦と、GA-ASIの他の製品ラインのマンインザループ無人プラットフォームとは異なるレベルの状況認識が必要となる。これが、精密誘導弾に注力する主な理由である。精密誘導弾は採用の基本概念が大きく異なり、通常は中高度で使用される」。

 DAP-6ガンポッドは、モハーヴェが搭載する可能性のある武器の一部にすぎない。2021年に初公開され、同年に初飛行したモハーヴェは、主翼下に3つのハードポイントを備えている。また、過去にはAGM-114ヘルファイアやAGM-179統合空対地ミサイル(JAGM)を搭載した姿も公開されている。GA-ASIはこの無搭乗機がヘルファイア最大16発のを搭載できると宣伝してきた。

 GA-ASIのブリンクリーは、2022年に本誌に語っていた。「レーザー誘導弾が好ましい攻撃オプションですが、アームド・オーバーウォッチタイプの任務を含む、将来のUAS(無人航空機システム)任務のためのガンポッドのアイデアを排除すべきだということにはなりません」。

 その時、ブリンクリーはまた、モハーヴェの武装がガンポッドであったことは熱望的であったことを示し、GA-ASIは、その設計が将来提供することができるものについての "議論を鼓舞する"ために、その翼の下にDAP-6を持つ無人機の写真を共有したと述べた。

 巻き添え被害のリスクを低減するために設計された高度な小型化精密誘導爆弾やミサイルと比較しても、銃は小さな標的やその集団に集中砲火するという点で利点がある。銃で武装したモハーヴェは、精密誘導弾を使用した場合よりも、パスからパスへと、あるターゲット・エリアから別のターゲット・エリアへと、より迅速に焦点を移すことができる。 これらはすべて、密集市街地での近接航空支援や、友軍や罪のない傍観者が敵の陣地に危険なほど接近しているような状況で特に威力を発揮する可能性がある。銃はまた、より広い範囲の標的を攻撃し、制圧射撃を提供する方法を提供する。

 MQ-1Cから派生したモハーヴェは、半整備された着陸帯や限られた後方支援しかない遠隔地や過酷な場所からの作戦に適するように設計されている。

 GA-ASIは現在、最大1,000ポンドの貨物を搭載できる翼下ポッドを使用して、モハーヴェを小型の物流プラットフォームとして使用するアイデアも模索している。同社のポートフォリオにある他のドローンも、こうしたポッドを搭載できる可能性がある。米軍では、紛争環境における将来の作戦を支援するため多様な分散型ロジスティクス・チェーンが不可欠になると見ている。

 一般的な性能としては、モハーヴェは陸上でも海上でも印象的な短距離離着陸(STOL)能力を発揮する。英国海軍の空母HMSプリンス・オブ・ウェールズの甲板から離着陸する一連の実験的な飛行テストを昨年行い、海上デビューを飾っている。

 GA-ASIのデビッド・アレクサンダー社長は、本日のプレスリリースの中で、「当社のモハーヴェがこの実戦デモを行ったのは、同機の多用途性を強調するものだ。モハーヴェは、脅威環境と脆弱性を緩和し、人命を守りながら、センサー、シューター、サスティナーとして機能する能力を持っている」。

 これらを念頭に置いて、GA-ASIは現在、グレイ・イーグルSTOLと呼ばれるモハーヴェとMQ-1Cの要素を融合させたハイブリッドドローンの設計に取り組んでいる。同社はまた、モハーヴェの経験を生かしたMQ-9リーパーファミリー用のSTOLキットも提案している。

 同社はコンセプト段階のグレイ・イーグルSTOLを、武装偵察機や監視プラットフォームとして米陸軍に売り込もうとしえちる。2月、陸軍は新型武装偵察ヘリコプターFARA(Future Attack Reconnaissance Aircraft)プログラムを中止すると発表した。

 GA-ASIのアレクサンダーは、FARAプログラムのキャンセルに伴うつなぎとしてグレイイーグルSTOLを売り込むことについて、最近のインタビューでBreaking Defenseに語った。

A US Army MQ-1C Gray Eagle. The proposed Gray Eagle STOL design would blend elements of Mojave with this drone. Mojave is itself an MQ-1C derivative. <em>US Army</em>

A US Army MQ-1C Gray Eagle. The proposed Gray Eagle STOL design would blend elements of Mojave with this drone. Mojave is itself an MQ-1C derivative. US Army


 「モハーヴェ実証機は、グレイ・イーグルの技術的延長であり、遠征用の短距離離着陸(STOL)能力を備えている。グレイ・イーグルSTOLは、陸軍に、これまでの無搭乗システムとは異なる新たな攻撃偵察能力を提供できます」と、GA-ASIのブリンクリーも本誌に語っている。 「我々はすでに、未舗装道路からの運用能力、海上の船からの離着陸能力、そして今度は機銃掃射による目標攻撃能力をモハーヴェで実証しています」。

 ここで注目すべきは、米陸軍の精鋭部隊である第160特殊作戦航空連隊も、AH/MH-6リトルバード・ヘリコプターの少なくとも一部の代替機としてFARAに注目していたことだ。AH-6は通常、2対のミニガンと他の武器で武装している。

 同時に、MQ-1Cのような非ステルス性の中高度武装ドローンの生存性、ひいては有用性については、特に統合防空網やその他の脅威に満ちた高級戦闘空間では大きな懸念がある。銃を効果的に使用するために低空飛行するのはリスクをもたらす。GA-ASIは旧式ドローンの脆弱性を軽減するために、消耗品の対抗措置や警告センサーを搭載したポッドなどの新機能を開発してきた。同社はまた、グレイ・イーグルの将来的な継続性を確保するための他の方法について陸軍と緊密に連携している。

 「グレイ・イーグルSTOLは、各種サイズと能力を持つ空中発射エフェクトを配備し、精密誘導弾を使用し、地上補給のためのコンテスト・ロジスティクスを実施することができます。「グレイ・イーグルは、すでに20万回以上の打ち上げと回収を無事故で行っています。自動離着陸ソフトウェアは、機体操作に必要な地上要員を削減し、世界中のどこからでも衛星経由で制御できます。グレイ・イーグルSTOLは、近代化されたエイビオニクス、データリンク、ラップトップ・コントロール・システムを含む同様のシステムを、新型グレイ・イーグル25Mと共有します」。

 一つ確かなのはガンポッドでの地上目標との交戦能力を示したモハーベとグレイ・イーグルが進化をしていくことだ。■


Minigun-Armed Mojave Drone Now Blasting Targets At 6,000 Rounds Per Minute

BYJOSEPH TREVITHICK|PUBLISHED APR 23, 2024 1:57 PM EDT

AIRNEWS & FEATURES


2019年7月21日日曜日

緊急 イラン情勢ではイスラエルの動向に注意すべきだ:開戦は不可避なのか

For Israelis, War With Iran Looms; Iran Denies Drone Downed

イラン開戦が近づいたと見るイスラエル、イランは撃墜された無人機は自国所属機ではないと否定

The Iranian seizure of a British tanker in the Persian Gulf sends a new jolt of tension through the Middle East as complications arise on multiple fronts. イランが英国タンカーをペルシア湾で拿捕したことで中東にあらたな緊張が走り多方面で状況が複雑化

on July 19, 2019 at 2:53 PM
Iran patrol boats in Persian Gulf Credit: Iran MoD.
週金曜日にペルシア湾で新たな危機状況が発生した。イラン革命防衛隊が英国船籍の原油タンカーを拿捕したと発表し、同船はイラン領ケシム島に移動させられたようだ。米海軍USSボクサーがホルムズ海峡で同艦に接近しすぎた無人機を撃墜した事件に次ぎ衝撃が走った。
近隣のイスラエルでは国政選挙が近づき、制裁解除を目指しイランが協議再開の圧力をかける中、新事態の発生で開戦が近づいたと見る向きがある。
「核ミサイルが落下しないとイランの脅威に目覚めない国がヨーロッパにある」とイスラエル首相ベンジャミン・ネタニヤフが7月16日発言した。
この痛烈な発言はイスラエル国内で米国がイラン制裁を緩和するとの危惧の広がりを反映し、欧州各国がイラン政治指導部の発言を真に受けて核合意を維持するのではとの懸念も背景にある。「あの国は甘言による欺瞞工作の達人だ」とイラン問題のイスラエル人専門家が語る。
「イランは核兵器用の濃縮ウラニウム確保へ加速している。核兵器能力の実現に向けた作業はしていないと大嘘をついていた」とヨッシ・クパワッサー准将(退役)がBreaking Defense に語っている。准将はイスラエル国防軍(IDF)の情報部門で研究部長のほかイスラエル戦略省の局長も務めた。
単独インタビューでクパワッサーはイランには核兵器開発を中止する意向はないと述べ、核合意は兵器級濃縮ウラニウムの確保を一年遅らせる目的があったと指摘し、「現時点で8ヶ月先に近づいており、更に短縮の可能性がある」と述べた。
またテヘラン政府には明確な戦略構想があり核軍備の整備に走っているとも指摘。「戦略を進めながらあらゆる手段で偽装していくだろう」
イスラエル政府がイラン制裁解除に向けた協議を警戒し不満に感じているのはあきらかでネタニヤフはEUに即座に対イラン行動に出るよう求めている。首相は自身のソーシャルメディアアカウントで第二次大戦前夜に英国がナチ・ドイツ宥和に失敗した事例を想起させている。
「イランの核合意違反への欧州連合の対応は1930年代の欧州各国を思い起こさせる」とネタニヤフは解説。「当時は危険が近づく中で見えない、聞こえないふりをしたものがいた」「イランの核ミサイルが実際に着地するまで目が覚めないものがヨーロッパにいるようだ。もちろんそうなってからでは遅い。いずれにせよ必要な対策をすべて実施しイランの核兵器入手を阻止する」
今月始め、イランから3.67%濃縮ウラニウムの300キログラム貯蔵制限を超え、4.5%純度までの濃縮作業を開始したとの発表があった。
核問題専門家はイランの濃縮作業継続で一年間を想定した期間が短縮され90%まで濃縮のウラニウムが生成され核兵器の実現につながると懸念する向きがある。
イランの動きは「非遵守の顕著なしるし」とは受け止められないとEU外交政策のまとめ役フェデリカ・モゲリーニは記者会見で述べた。EU各国外相が核合意維持のため協議で集まった際のことだ。
イラン外相モハマッド・ジャヴァド・ザリフは米国公式訪問中に米国による一方的政策は世界が拒否しているとし、米国に「国際社会への復帰」を求めた。
ザリフ外相は先週月曜日、イランは米国との戦争は望んでいないと述べ、トランプ大統領がイランへの厳しい制裁を解除すれば交渉に道が開けるとした。
これに対しイスラエルではイランの発言を深く憂慮して受け止めている。
エイモス・ジラッド退役少将はBreaking Defenseに「米国による制裁が理由で核爆弾作成が遅れているのであり、イランはこのまま続けて核爆弾を入手するだろう」と述べた。
ジラッドは国防省で政策・政治軍事問題部長を務めIDFで30年の経歴を有する軍事情報研究部門の長でもあった。
イスラエルはイラン核武装化は受入れられないと繰返し表明している。
イスラエル空軍が長距離ミッションの訓練を開始したとの外交筋情報がある。またIDFは高性能レーダーをガザの国境地帯に配備し、無人機攻撃に対応している。このレーダーはELTAのELM-2084多ミッションレーダー(MMR)だ。これはセンサーの各種情報を主要MMRに融合させ、アクティブ、パッシブをあわせた空中状況全体図(ASP)を作成する。イスラエル専門家から米軍とイラン軍の直接対決の場合、イランは武装無人機を数波にわたり投入するだろうとBreaking Defense に語った。
イスラエル専門家はイランの無人機は各国の安価なコピー版に見えるとしつつ作戦能力は向上しているとした。.
シャウル・シャイ大佐(退役)は南方司令部で対テロ部門や情報部門を歴任し、民間人として国家安全保障協議会(NSC)の次長も務めた。現在は国際対テロ研究所(ICT)の主任研究員としてイランは無人機の国産化に成功し偵察用ならびに武装無人機を保有していると解説。「ペルシア湾で戦火があがれば、イランが武装UASで米軍目標を攻撃するのは疑う余地がない」と話す。また「自殺攻撃用」無人機にクラスター弾頭をつけ多大な損傷を与えるという。
ただしイスラエルは無人機対策を開発している。なかでも高性能なのがラファエルの「ドローンドーム」で高性能レーダーでUASを探知しレーザーで撃破する装備だ。
イランは7月19日に強襲揚陸艦USSボクサーが撃墜したのは同国の無人機ではないと証明する画像を公開するとし、トランプ大統領の主張を否定した。同艦は同地域派遣部隊の一環とし第11海兵遠征部隊の2千名を収容している。
イランを取り巻く情勢には不確実な物が多いが、同国はアラブ首長国船籍のタンカー、リアを拿捕したと認めている。革命防衛隊は7月18日に同船は密輸に関与の疑いがあると述べた。英海兵隊がイランの超大型タンカーを7月4日にジブラルタル近郊で拿捕している。英政府はジブラルタル警察の命令にもとづき実行したと発表した。■

Paul McLeary contributed from Washington

コメント 中東、湾岸地区となると急にご関心の程度が低くなる方が日本には多いようですが、ホルムズ海峡は日本の「利益線」です。国境線でしかものを見られない向きには理解できないのかもしれません。今回の選挙戦中に最悪の事態が発生しなかったことが良かったのか悪かったかわかりませんが、選挙後の政局でこの地域の問題がのしかかるのは必至でしょう。イランとの友好もいいのですが、核武装したイランは絶対受け入れられません。ましてやイスラエル撲滅を公言するイランがイスラエルの生存に立ちふさがっている事態を正視すべきです。湾岸での有事は米イランの対決よりもイスラエルの先制攻撃で始まる可能性もありますね。ヨーロッパは結局何もできないまま指を加えているしかできないでしょう。