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2024年12月24日火曜日

ハーミウスの超音速機クォーターホースMk1が地上試験を完了し、初飛行に向かう。目標はSR-71の記録を破ること―設立5年の企業がここまでの成果を見せていることは驚きとしかいいようがありません。

 


Quarterhorse Mk 1 at Edwards AFB c Hermeus

Source: Hermeus


超音速機の新興企業Hermeusは、Quarterhorse Mk 1の地上試験を完了し、亜音速ジェット機の飛行試験キャンペーンを開始する準備を進めている。

 アトランタに本社を置く同社は12月17日、カリフォーニア州のエドワーズ空軍基地で3週間にわたって行われたクォーターホースMk 1の地上試験を完了したと発表した。

 11月に同社のLinkedInのページに投稿されたビデオでは、覆われたMk 1ジェット機が暗闇の中、平台のローリーの荷台に載せられてエドワーズに運ばれていく様子が映っていた。


出典ハーミウス 社

ハーミウスは、カリフォーニア州エドワーズ空軍基地で3週間の地上試験キャンペーンを完了し、現在は飛行試験に移行している。

 地上試験は、米空軍のテストパイロット学校がある同空軍基地内の乾燥した湖底を使用し、フルアフターバーナー下での130kt(240km/h)のタクシー試験で頂点に達した。ハーミウスによれば、エドワーズでのクォーターホースMk 1の地上試験は、空力モデルの仮定を検証し、航空機の方向制御を評価し、制御面の性能を評価するために使用された。

「Mk 1の高速空力設計は、低アスペクト比の翼、高翼面荷重、低推力重量比など、ユニークな課題をもたらしている」。

Hermeus Quarterhorse Mk 1 at Jacksonville flight test facility c Hermeus

ハーミウス

ハーミーズの Chimera推進システムは、Pratt & Whitney F100戦闘機エンジンと統合されたラムジェットにより将来の極超音速飛行の動力源となる。

 無人航空機の遠隔不ライドデッキも高速タクシー試験で評価され、電磁干渉や人間の操縦ステーションを最適化する能力が評価された。

 ハーミウスは今年初め、同社の施設で地上試験を終えていた。 テストキャンペーンは離陸と着陸を中心に行われ、持続飛行の期間も含まれるという。

 ハーミウスの主な焦点は、飛行中の制御面の有効性の評価、高迎角での性能とハンドリングの評価、高翼面荷重下での操縦性のテスト、飛行ソフトウェア内の制御ゲインとフィルターの検証などである。

 ハーミウスは、極超音速技術の成熟と飛行体の開発を支援するために空軍から資金援助を受けている。それを達成するため、同社はより高性能な航空機を設計・製造するという急速反復戦略を採用している。

 「クォーターホースMk 1で、私たちはわずか204日で完全新設計の航空機を設計・製造する能力を証明しました。「このテストキャンペーンを通じて、我々のチームがいかに迅速かつ厳格に航空機の飛行を検証できるかを実証しています」。

 スカイラー・シュフォード社長によれば、同社の目標は年に1機の新型機を開発することに変わりはなく、現在の焦点はクォーターホース・ラインだという。

 遠隔操縦のMk 1は、クォーターホースファミリーの最初の飛行可能な機体であり、地上ベースのクォーターホースMk 0試験機に続いて2機目である。

フロリダ州ジャクソンビルにあるハーミウスの高エンタルピー空気呼吸試験施設は、プラット&ホイットニーF100ターボファンや同社独自の極超音速エンジンChimeraを含む、さまざまなエンジンや推進サブシステムの試験に使用される。

 ハーミウスは、亜音速のMk 1を、近々発表されるクォーターホースMk 3でマッハ5の極超音速の壁を破る最終目標に向けた足がかりとして使用する。 超音速対応のクォーターホースMk 2が橋渡しの役割を果たす。

 スタートアップの同社の目標は、ロッキードSR-71ブラックバードが約50年前に樹立した対気速度記録を更新することで、Mk 3を世界最速の航空機にするという目標を掲げている。スミソニアン航空宇宙博物館によると、1976年に双発ブラックバードの1機が到達した速度は時速1,905kt(3,529km)、つまりM3.3であった。

 プラット&ホイットニー社製F100ターボファンを搭載し、可変エアインテークを備えたデルタ翼を備え、ロッキード・マーチン社製F16戦闘機とほぼ同じ大きさの超音速クォーターホースMk2型の設計作業がすでに進行中である。

 同社はまた、超音速機Mk 2と極超音速機Mk 3のクォーターホースに搭載される独自のプレクーラーシステムも実験している。ハーミウスは具体的な詳細を明らかにしていないが、この技術は極超音速飛行を実現するために不可欠なものとなる。■


Ryan Finnerty

Ryan Finnerty is the Americas defence reporter for FlightGlobal.com and Flight International magazine, covering military aviation and the defence industry. He is a former United States Army officer and previously reported for America’s National Public Radio system in New York and Hawaii covering energy, economics and military affairs.


Hermeus completes ground testing ahead of Quarterhorse Mk 1 first flight

By Ryan Finnerty18 December 2024



https://www.flightglobal.com/fixed-wing/hermeus-completes-ground-testing-ahead-of-quarterhorse-mk-1-first-flight/161152.article


2021年8月9日月曜日

新興企業ハーミウスに大胆な資金投入で極超音速機の新技術実現をねらう米空軍の姿勢に注目。大人のお金の使い方だろう。

A concept image of the Hermeus Quarterhorse hypersonic aircraft.

ハーミウスのクォーターホース極超音速機の想像図. HERMEUS

 

  • 今回はターミナル1 ターミナル2共通記事です

空軍はベンチャーキャピタルファンド数社と60百万ドルをジョージアの新興企業に投じ、極超音速旅客機の軍用版の実現を狙う。

 

空軍はハーミウス Hermeus に7月30日に60百万ドルの契約を交付した。空軍で民生技術の軍事利用を実現すべく設立したAFWERXが仲介する事業としては最大規模になった。

 

空軍の研究開発トップ、ヘザー・プリングル少将は「極超音速機の推進システムには画期的な意義があり、前世紀に自動車がもたらしたように移動形態が大きく変わる」と述べた。

 

ハーミウスが製造するのは再利用可能な極超音速機で、従来の極超音速試験機はすべて使い捨てだったため大きく異なる機体となる。

 

空軍との契約によりハーミウスは技術開発を加速化しマッハ5飛行可能な旅客型の実現をめざす。完成すればニューヨーク=ロンドン間を90分で移動可能となる。

 

「当社の技術開発に資金を投じることで空軍が実用に耐える装備の実現を目指していることは明らか」と同社CEOにして設立者AJ・ピプリカが発言している。

 

今回の戦略的な資金投入合意によりハーミウスが軍とのつながりがさらに深まった。同社へは昨年1.5百万ドル相当の契約が空軍から交付されており、政府高官を世界各地に運ぶ研究がはじまっている。

 

ハーミウスは2018年に元ジェネレーション・オービットの技術者4名が設立し、まず無人実証機クォータホースの完成をめざしている。

 

今回の空軍からの契約金で同社はクォーターホースの試験飛行を18カ月後に実現できる見通しがついた。契約で同社はテスト要員を20201年中に50名にまで増やすことになっており、テスト日程を約1年短縮させる。

 

「人員投入を増やし加速化させつつ垂直統合も進めていく」とピプリカは語り、「これで内製化が進み、日程管理、コスト管理等を強化できる。全体ロードマップを大きく加速できる」としている。

 

今回の空軍契約の交付でハーミウスに今後3年間の戦略的目標が定まり、そのひとつにクォーターホース3機を完成させテスト飛行を開始することがある。テスト飛行には目標がふたつある。マッハ5飛行および機体を繰り返し飛行させることだ。

 

同社設立者でCOOのスカイラー・シュフォードは「機体を完成させエンジン技術のテストを全飛行域で行うのが目標だ」とする。

 

クォーターホースにはジェネラルエレクトリックJ85エンジン一基を搭載する。これはT-38練習機と同じエンジンでさらに高速域用のエンジンをハーミウスが開発中だ。

 

「エンジンと機体の一体化が社内でできることでシステム統合が迅速に進められる」と同社の内情に詳しい筋が開設する。

 

クォーターホースは「今後登場する機体へのつなぎの役目」とシュフォードは述べており、同社は「より大型の旅客機」の実現をめざしている。■

 

この記事は以下を再構成し人力翻訳でお送りしています。

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US Air Force, Venture Firms Make $60 Million Bet on Hypersonic Aircraft Startup

BY MARCUS WEISGERBER

GLOBAL BUSINESS EDITOR

AUGUST 5, 2021

 

参考:ハーミウスのウェブサイトhttps://www.hermeus.com/