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2024年3月12日火曜日

V-22オスプレイの飛行再開は決まったものの、昨年11月の墜落原因は不明のまま....

 V-22オスプレイの飛行再開を許可するも、11月の墜落事故についての詳細は米国防総省は明かさず Breaking Defense 記事より


国防総省当局者は、V-22オスプレイは安全に飛行できると「高い確信」を持っていると述べているが、8人が死亡した日本での墜落事故の原因については口を閉ざしたままだ


約3ヶ月間飛行を停止していたV-22オスプレイが、11月に発生した墜落事故の原因が完全には解明されていないにもかかわらず、国防総省は本日、V-22オスプレイの飛行再開を正式に許可した。


しかし、空軍、海軍、海兵隊は、今日V-22を飛行させることは可能だが、3ヶ月の飛行停止の影響により、オスプレイの本格運用を開始する前に、徐々に増強する必要があり、すべてが正常に戻るまでは数ヶ月を要すると述べている。


V-22の飛行が安全かどうかを決定する権限を持つ重要な軍事機関である海軍航空システム本部は、同機は飛行に復帰しても問題ないと結論づけた。


「私たちは、どの部品がどのように故障したかを理解しています」。ペンタゴンのV-22統合プログラム・オフィスのプログラム・マネージャー、ブライアン・テイラー海兵隊大佐Marine Corps Col. Brian Taylorは、発表前に記者団に語った。


テイラーは、海軍航空隊は空軍と連携して 「事故の徹底的な検証」を行なったと述べた。また、パイロットや整備士の再教育計画や、オスプレイの定常任務の継続を許可する時期については、各航空局がそれぞれ独自の計画を持っていると付け加えた。


11月29日にオスプレイが日本沖に墜落し、8名が死亡した事故を受けて、アメリカは12月6日にV-22全機を着陸させた。オスプレイには、空軍のCV-22、海兵隊のMV-22、海軍のCMV-22Bがある。


電話会談で、テイラーと各軍代表は、オスプレイが再び墜落する確率を下げるために実施されている「緩和策」について曖昧に述べた。


各司令部が特定のメンテナンス方法を採用し、NAVAIRの指示による最新手順に基づいてオスプレイを操縦するパイロットを再教育する予定だという。


2022年8月、『ブレイキング・ディフェンス』は、空軍がCV-22のクラッチに安全上の懸念があるとして、CV-22を地上待機にすると最初に報じた。当時、海兵隊はこれに追随せず、パイロットがこの問題を補うことができると主張し、しばらくの間そうしていた。空軍は数週間後に飛行を再開したが、この問題は再燃し、2023年2月に海軍、空軍、海兵隊のV-22モデルの「一部」で国防総省全体で飛行停止となった。


海兵隊が "ハード・クラッチ・エンゲージメント "と呼ぶ "ギアボックス入力クイル・アセンブリ"の問題が原因であったと公言した2022年と2023年の事故の処理方法と対照的に、今週の当局者の発言の不透明さは際立っている。海兵隊はさらに、これらの問題が何年も前から国防総省に把握されていたことを認めた。軍はこれらの問題の根本的な原因を研究中と言っているが、飛行復帰してから1年以上になっても、決定的な調査結果は未発表のままだ。


空軍のオスプレイの部品が11月に日本上空を飛行中に故障した理由の解明については、国防総省が完全に確信することはないだろうと関係者は語った。テイラー大佐は、回収されるまで1ヶ月間、海が残骸に与えた腐食作用が、調査を困難にしていたと語った。


11月29日の墜落事故の検証を指揮する空軍特殊作戦司令部のトニー・バウエルンファインド中将Lt. Gen. Tony Bauernfeindが、空軍を代表して記者団に語った。中将は、調査は進行中だが、空軍関係者からの情報とNAVAIRが行った分析により、軍はオスプレイを安全に飛行させることができると確信していると述べた。また、海軍と海兵隊の代表も、判明していることは飛行を再開するのに十分であるとの考えを繰り返した。


「海軍は、V-22プログラムの耐空証明機関であるNAVAIRによる分析と、飛行復帰決定時のエンジニアリング分析を信頼している」と海軍航空部隊司令官ダニエル・チーバー中将Vice Adm. Daniel Cheeverは語った。


チーバー中将は、海軍では伝統的に "エア・ボス "と呼ばれる立場だが、C-2Aグレイハウンドの投入追加が可能なため、V-22飛行停止の海軍への影響は最小限であると述べた。


水曜日の夕方、下院監視委員会のジェームズ・コマー James Comer委員長(共和党ケンタッキー州選出)は声明で、国防総省が詳細な情報を提供せずオスプレイの飛行停止措置を解除したことを非難した。


コマー委員長は、「国防総省は、この機体の安全性についての回答を監視委員会とアメリカ国民に出していないにもかかわらず、オスプレイの飛行停止命令を解除しようとしている。「下院監視委員会は、オスプレイの安全性と性能に関する調査の一環として、要求した情報を国防総省から十分に受け取っていない。「墜落を防ぐため導入された説明責任対策、透明性の全般的欠如、メンテナンスや運用維持の優先順位付け方法、国防総省のリスク評価方法など、重大な懸念が残ったままだ」と続けた。「アメリカの納税者を代表して私たちの疑問に対する答えを得るため、また、国を守る米軍兵士を守るため、国防総省のオスプレイ・プログラムを厳しく調査し続ける」と述べている。


海軍と海兵隊は時差飛行を計画

今後、海軍は、パイロットが新しい訓練を受けるために航空機に戻る「飛行復帰」と、パイロットが実際の任務で空母を発着する「任務復帰」を区別するとエアボス、チーバー中将は述べた。「パイロットを艦船に乗せる前に、一定の飛行時間まで訓練し、習熟させる必要がある」。


海兵隊や空軍のパイロットの発言と同様、チーバーはオスプレイのパイロットを再統合するプロセスを「条件次第」と表現し、パイロットの準備が完全に整う前に運用を開始することはないと述べた。


海兵隊のリチャード・ジョイス准将Brig. Gen. Richard Joyce(航空担当)は記者団に、「はっきりさせておくが、技術的な分析や分析の前に、飛行復帰を急ぐことはない」と語った。「そして、それが今日の状況だ」。「地上待機が解除されれば、飛行隊は慎重な訓練計画を開始するだろう。「我々はNAVAIRの安全対策を実施し、パイロットと航空機搭乗員は緊急手順の調整を検討し、最初のフライトの前にシミュレーションでそれらを実行する」。


一般的に、海兵隊は、3段階アプローチの最初の訓練レジメンを完了するのに30日必要と見込むが、同隊の声明によれば、成果は「次回配備の要件に応じ部隊で異なり、2024年晩春まで延びるだろう」という。


ジョイス准将はまた、海兵隊はV-22飛行隊のうち、どの飛行隊を新たな訓練に優先させるかについて、段階的なアプローチを開発したと述べた。リストのトップは配備中の部隊であり、次に現在配備前訓練中の部隊、そして作戦演習に備える部隊が続く。


オスプレイのアメリカ軍への再導入に加え、NAVAIRは日本政府との調整もしなければならなかった。NAVAIRの責任者カール・チェビ中将 Vice Adm. Carl Chebiは今週訪日し、V-22に関する米国防総省の計画について、日本政府関係者や日本駐在の米関係者と話し合っている。記者団に米政府関係者は、12月初旬の飛行停止後の調査を進める中で、日本側には情報を提供し続けてきたと強調した。


空軍の増強計画は3ヶ月を想定

バウエルンファインドによれば、空軍は飛行再開に向け3段階のアプローチをとっている。


バウエルンファインドは、「安全性調査から得られた情報をもとに、NAVAIRのチームメイトが安全プロトコルと管理体制を整え、搭乗員、整備士、機材が飛行再開の準備が整ったことを確認する」と述べた。


第一段階は、地上でのシミュレーター訓練、安全制御とプロトコルの統合、整備記録の見直しで構成され、これらの多くは飛行停止措置解除前に空軍が開始できた。バウエルンファインドは、第2段階はNAVAIRの飛行許可が必要であり、搭乗員と整備士が「基本的な任務遂行能力」を回復する「数カ月間のプログラム」となる、と述べた。徐々に、飛行士は「能力、通貨、熟練度」を拡大し、完全運用を再開する第3段階、最終段階への道を開く。


バウエルンフィールドは、飛行復帰へプロセスは適切な条件が満たされた場合にのみ前進すると強調した。


「3ヶ月間飛んでいなかったので、11月29日に見たような熟練度に戻るには3ヶ月以上かかるだろう、それが私の現在の予想だ」と彼は述べ、環境上の制約やその他の不測の事態など、さまざまな要因がスケジュールを複雑にする可能性があると指摘した。


墜落理由がまだ完全に解明されていない航空機の操縦を警戒する飛行士へのメッセージについて尋ねられたバウエルンフィールドは、データは 「理由を理解しているという確信のレベル」の裏付けには十分であると強調した。


バウエルンフィールドによれば、11月29日の事故について調査が2件並行で進んでいる。ひとつは安全調査委員会(SIB)によるもので、調査結果は国防総省の内部で保管される。もうひとつは事故調査委員会(AIB)であり、AIBはその調査結果を公開する。


バウエルンフィールドは、2つのプロセスがいつ終了するかについて正確なスケジュールは示さなかったが、「近い将来」終了するはずで、AIBの報告書はSIB報告書の後に出るはずと述べた。11月29日の墜落事故の犠牲者の遺族は、報告書の進展状況を把握しているという。


今後、同様の事故が発生した場合、搭乗員が身を守るため必要な情報を提供できるよう、上層部は努力しているという。


「我々は、搭乗員が安全プロトコルを理解できるように、搭乗員と情報共有に熱心に取り組んできた。万が一、このような事態が再び起こっても、大惨事に至らないようなプロトコルで武装している」語った。■


Pentagon clears V-22 Ospreys to fly again, but gives few details about fatal November crash - Breaking Defense

By   JUSTIN KATZ and MICHAEL MARROW

on March 08, 2024 at 7:12 AM





2023年7月28日金曜日

オスプレイ事故の原因としてギアボックスを指摘した米海兵隊調査報告を受け、米三軍で対応が始まっています

 


海兵隊員5名の死亡につながった2022年6月のMV-22オスプレイの墜落事故は「予防不可能」で、原因は同機のギアボックスであったことが、海兵隊調査で判明した。



「調査から、パイロットと搭乗員にミスはなく、整備ミスもなかったとが確認された」。V-22統合計画室の声明によると、「パイロットと乗員は、適用される規則に従い通常の飛行を行なっていたところ、壊滅的な、予防不可能な、予期せぬ機械的故障が発生した」という。


カリフォルニア州グラミスで2022年6月に起きた墜落事故で死亡した海兵隊員5名は、ニコラス・ロサピオ少佐、ジョン・サックス少佐、ネイサン・カールソン少佐、セス・ラスムソン少佐、エヴァン・ストリックランド伍長だった。海兵隊声明によると、同隊幹部は調査結果を遺族に説明したという。


この致命的な事件は、空軍、海軍、海兵隊がオスプレイのギアボックスの問題を発見した昨年夏、各軍全体にわたる他の事件と相まって、一連の飛行停止やその他の評価を引き起こした。昨年夏の問題以来、各軍はオスプレイ飛行を再開している。


海兵隊報道官によれば、「ハード・クラッチ・エンゲージ・イベント」とは、エンジンが駆動するクラッチがローター・システムから外れて突然再係合することで、ドライブトレインに衝撃を与え、損傷を引き起こす可能性があることだという。


本日の声明によれば、「二重の[ハードクラッチ締結]事象とそれに続く単一のエンジン/[インターコネクトドライブシステム]の故障によって引き起こされたドライブトレインの劣化は、制御された飛行から回復不可能な逸脱を引き起こし、2022年6月8日に発生した悲劇的な墜落をもたらした」。


ヘリコプターメーカーのベルと航空宇宙大手のボーイングのチームがV-22オスプレイを製造している。ベル広報担当は報道に対しコメントを拒否し、国防総省に質問を先送りした。オスプレイは米軍で使用されているほか、日本でも使用されている。


PMA-275プログラム・マネージャーであるブライアン・テイラー大佐は、「我々の最新の研究と緩和努力は、(ハード・クラッチ・エンゲージ)現象への我々の理解を著しく深める新しい発見数点をもたらした。「すべてのHCE事象の決定的な根本原因は未特定だが、我々はこの新しい情報を使い、HCE事象の可能性を減らし、搭乗員の安全性を高める解決策を実施している」。


同軍は、2022年6月の大惨事以来、産業界と協力し、新しい「意図しないクラッチ切断とハードクラッチ締結事象を緩和するプロモーターギアボックス入力クイルアセンブリ」を設計し、実戦配備し、MV-22のドライブトレインと飛行制御システムソフトウェアを改善し、すべてのMV-22B機に、衝突に耐えうる、高温耐火飛行データ記録装置を統合したと述べた。


「米海兵隊MV-22B運用各部隊はハードクラッチ締結の危険性と単一エンジン/インターコネクトドライブシステム故障の複合緊急事態を引き起こす可能性についても議論するため、パイロットと搭乗員にこの調査結果を提示する」と声明は付け加えている。


また、3軍はすべて、未公表の「所定の飛行時間のしきい値」の後にインプットクイルアセンブリinput quill assembliesの交換を指示している。■



‘Unpreventable’: Deadly 2022 Osprey caused by malfunction, not crew

By   JUSTIN KATZ

on July 21, 2023 at 2:44 PM


2021年7月29日木曜日

米軍オスプレイの整備を太平洋地区で請け負う日本企業二社に大型契約交付。米軍活動を長年支援してきた日本企業の技術力が評価されている。

 A V-22 Osprey is repaired at Fleet Readiness Center Western Pacific near Naval Air Facility Atsugi, Japan, in this undated photo.

V-22オスプレイが艦隊即応体制維持センター西太平洋(厚木海軍航空基地近く)で修理を受けている。(U.S. Navy)

 

 

軍は日本企業二社にV-22オスプレイティルトローター機整備の契約を交付し、広く太平洋を対象に契約規模は各社225百万ドルとなっている。

 

契約を獲得したのは日本飛行機株式会社株式会社SUBARUで、両社が整備業務で競合することで「米国政府に最高の価値を実現する」と艦隊ロジスティクスセンター・ヨコスカが報道資料を発表している。整備作業には大修理、分解修理あるいは機内システムの再作成が含まれる。

 

横須賀のロジスティクスセンターは艦隊即応体制維持センター西太平洋と連携し、第七艦隊作戦地域内の西太平洋全域さらに場合により中東の米艦艇や地上基地が運用する機材を対象とする。

 

契約は5か年有効で条件がそろえば一年延長が可能で、六カ月延長も一回に限り可能だ。想定する延長がすべて実現すると契約は最長で2030年12月31日までとなる。

 

両社ともオスプレイ整備含む米軍相手の実績があると艦隊ロジスティクスセンターヨコスカの指揮官エドワード・ピジョン大佐は報道発表で述べている。

 

日本飛行機は米政府向けに1950年代初期から業務を提供しており、2019年6月に艦隊即応センター西太平洋(厚木海軍航空基地内)とF/A-18スーパーホーネット戦闘機、H-1ヴェノム/ヴァイパー、MH-60Rシーホークヘリコプターの整備追加契約を締結した。同社はこの契約で今後7年間で52百万ドル相当の業務を提供する。

 

報道資料によれば日本飛行機は14千機超の米海軍海兵隊機材の整備をしている。日本飛行機の大和工場は厚木航空基地に隣接する。

 

SUBARUは木更津施設で米軍機の修理を行うとセンター報道官アンドリュー・グレイジがStars and Stripesに伝えている。

 

「実績ある日本飛行機、SUBARU両社はV-22の整備支援の継続で重要な存在だ」とピジョン大佐が報道資料で述べている。■

 

この記事は以下を再構成し人力翻訳でお送りしています。市況価格より2-3割安い翻訳をご入用の方はaviationbusiness2021@gmailまでご連絡ください。

Japanese firms sign $225 million deals to maintain Ospreys for Navy, Marine Corps

BY ALEX WILSON• STARS AND STRIPES • JULY 28, 2021


2019年8月5日月曜日

陸自V-22オスプレイはノースカロライナ州で海兵隊から一年間にわたる訓練中

Here’s why you might see Japanese Ospreys over North Carolina in the next year

By: Shawn Snow    16 hours ago

米海兵隊MV-22Bと軸上自衛隊V-22オスプレイが空中機動訓練を海兵隊ニューリバー航空基地(ノースカロライナ州)上空で実施している。7月9日撮影。 (Lance Cpl. Elias E. Pimentel III/Marine Corps

ースカロライナ上空で日本所属のティルトローターV-22オスプレイが飛ぶ姿を見たとしても驚いてはならない。
今年5月に海兵隊が陸上自衛隊向けにV-22オスプレイの教程を期間1年間で開始した。
.ノースカロライナ州にあるニューリバー航空基地での訓練で20名から50名の日本人学生が来訪し2020年5月に終了すると海兵第2航空団広報係のマイケル・カーティス大尉が明らかにした。
日本側は新造のV-22ブロックCを訓練用に持ち込んでいる。「C」型は気象レーダー改良型やコックピットディスプレイを更新している他改修を受けている。
カーティス大尉によれば日本向けブロックC機材は「日本専用の通信装備はじめ独自仕様になっている」という。
2015年5月に国務省から発表があり、ブロックC仕様V-22合計17機を30億ドルでの売却が承認されていた。
日米同盟は太平洋で中国の台頭に対抗する上で鍵となる。海兵隊と陸上自衛隊の協力関係は数年前に遡る。2018年4月に海兵隊第31遠征部隊は日本で第二次大戦後初めて編成された揚陸展開旅団の誕生に手を貸した。
V-22オスプレイを日本と米海兵隊が運用することで長距離をものともせず部隊展開が可能となり人道救難任務でも能力が向上することになる。
カーティス大尉は日本側のV-22機付長やパイロットが初期訓練を204海兵中型ティルトローター教育飛行隊(VMMT-204)で2016年から受けていると述べた。同隊はニューリバー航空基地に本拠を置く。

一年に渡る教育でカーティス大尉は「日本側パイロット、機付長は基本再訓練過程を受講後に中等個人訓練を受ける」と述べた。「教育は実施中でVMMT-204は海兵隊オスプレイ訓練部隊として世界唯一の存在と付け加えた。■

2016年10月16日日曜日

★★UH-X以外にAH-1Z、新型ティルトローター...と日本に期待するベル・ヘリコプター



JAPAN AEROSPACE: Bell, Fuji engineers busy with UH-X specifications
13 OCTOBER, 2016
BY: GREG WALDRON
TOKYO
ベル・ヘリコプターは富士重工業と共同で防衛省が調達するUH-Xヘリコプター150機の生産前準備に取り掛かっている。富士重工の技術陣はベル本社(テキサス州フォートワース)で作業を進めている。
ベルの日本代表リチャード・ソーンリーによれば動力伝達系での性能が向上するとしているが、日本側は改修内容を一切明らかにしていない。
機体は富士重が現地生産し、1号機は2022年納入予定。ベル412EPIを原型とする同機の生産納入は陸上自衛隊で供用中のUH-1Jの退役日程に依存する。
富士重工の生産で経済規模を確保するため民生版の412EPIも日本国内で販売する。両型式合わせ生産は20年以上継続するとソーンリーは見る。
2015年にベルはエアバスヘリコプターの新設計案を破りUH-X選定を勝ち取っている。
同社の軍用ヘリコプター事業開発担当副社長キース・フレイルは日本が求めるAH-X攻撃ヘリ調達(60から70機規模)にも注目中と明らかにした。
「当社のAH-1Zヴァイパーは日本の要求にぴったりです」とし、「海兵隊仕様ですので、長大な沿海地形を有する日本に最適です」と述べた。
ベルは新型ティルトローター機V-280ヴァラー及び最近発表したばかりの無人機V-247で日本関係者と非公式協議をしている。
ソーンリーは日本は初のV-22海外採用国で17機を米海兵隊をモデルに新設した部隊に配備するとし「この国はティルトローター運用にぴったりです」と述べた。■


2016年5月12日木曜日

★オスプレイの英海軍売り込みを図るベル=ボーイング

なるほど米軍向け生産がこれ以上伸びる要素がないので海外販路に期待するわけですか。真っ先に手を挙げた陸上自衛隊はいいお客さんなのですね。今後さらに購入機数を増やしてほしいとの声がでてくるのでしょうね。



Tiltrotor Touters Hope First Sea Lord Is Easy Prey

By RICHARD WHITTLE on May 09, 2016 at 4:01 AM

V-22_Graphic_Optimizing-Carrier-Onboard-Delivery_150304-R00_no type - Bell Helicopter artist conception 
CMV-22オスプレイCOD機の想像図 ベル=ボーイング
米軍各部隊からのV-22オスプレイ発注が今後は減ることから同機製造元は海外販売に活路を見つけようと海軍連盟主催の海空宇宙展(5月16日-18日、メリーランド州ナショナルハーバー)で各国の軍関係者に働きかけようとしている。その中で英海軍で第一海軍卿に就任したばかりのサー・フィリップ・ジョーンズ大将に照準を合わせる
  1. V-22の生産を平等に分担するベルヘリコプターとボーイングはV-22胴体部分を展示会に持ち込む。当然サーフィリップに見てもらい、英海軍にはCMV-22B(米海軍が空母輸送機として採用決定)が必要と訴える構えだ。
  2. 米海軍は151.3百万ドルで購入予定のオスプレイ44機の技術変更契約を3月末日にベル=ボーイングに交付した。老朽化してきたC-2Aグレイハウンドに代わりCOD任務に投入するCMV-22Bは貨物または人員を6,000 lbs. まで搭載し、空中給油なしで1,150カイリ飛行し空母打撃群の太平洋運用を支援する。このため燃料タンクは海兵隊向けMV-22Bや空軍のCV-22Bより大型化する必要がある。またCODミッションでは民間空港の利用や民間空域の移動も想定し、海軍は高周波水平線越え無線交信機能も必要と考えている。また機内通報装置も機内の搭乗者用に必要だ。
  3. 海軍がV-22を採用する大きな理由がF-35共用打撃戦闘機のエンジン輸送だ。もう一つが海兵隊がテスト中のV-22を空中給油に使う構想。海兵隊はF-35Bへ空中給油を想定しており、英海軍はF-35Bを138機調達する予定でもあり、COD機体も新型クイーンエリザベス級空母二隻の運用に合わせ必要となるはずだ。
HMS Queen Elizabeth CGI image
  1. 「V-22の英国導入はかねてから検討されており、とくに空母建造と関連しています」とニック・チャイルズ(ロンドン国際戦略研究所で主任海軍専門家)は述べる。「V-22は空母輸送機能あるいは英国式の呼び方では戦域内輸送機能により英海軍の空母打撃部隊の戦力を大幅に引き上げ、回転翼機に代わる存在です。さらに空中給油任務に投入すれば英空母搭載のF-35Bの飛行距離を大幅に伸ばすことができます」
  2. 二隻建造する空母のうち一隻は英海兵隊のコマンド第三旅団も搭載し揚陸作戦を実施する。米海兵隊幹部は英国がV-22導入に踏み切れば生産増となり、海兵隊の運用コストが下がる効果とともに施設を共同利用できると期待する。そのため海兵隊所属のオスプレイをHMSクイーンエリザベスで運用できないか検討中だ。同空母は2018年に米東海岸沖で海上公試を行う。実現すればMV-22Bはクイーンエリザベスから運用して揚陸演習に投入する。また海兵隊のF-35Bも同艦に搭載し、英国向けF-35Bの導入に先駆け乗員の同機取り扱い習熟に役立てる。同時にMV-22Bで艦から陸上への輸送任務も演習中に行う案もあり検討中だ。
  3. だが費用が英国には問題だ。「海軍内部でV-22導入支持の声は大きい」とチャイルズは指摘する。「ただし、値段が高いとの懸念があるのも事実で、予算は相変わらず厳しく、V-22を導入すればただでさえ空母建造が予算を食いつぶしているとの声が高い中でさらに批判を呼ぶ。解決策はV-22の役割をもっと広くとらえ、特殊部隊など各種用途にも使える機材として各軍で使えると正当化するのでしょう」■


2015年8月16日日曜日

★★米海軍>スーパーホーネットの機体寿命を考慮した運用を迫られる



これはもったいない。せっかくのスーパーホーネットをタンカーとして使う分だけ機体に負荷がかかっているという話ですね。しかし、もともとは空母運用機材をF-18系に一本化した段階でこうなることはわかっていたはずですが。UCLASSやV-22がタンカーに使えるのか不明ですが、当面はこの状態がつづくのでしょうね。

Navy Getting ‘Smarter’ About Tanking Mission As Super Hornets Approach 6,000 Hours

By: Megan Eckstein
August 12, 2015 4:59 PM

An F/A-18F refueling an F/A-18E over the Bay of Bengal, 2007. US Navy photo courtesy Wikipedia.
F/A-18FからF/A-18Eへの空中給油、2007年、ベンガル湾上空。. US Navy photo courtesy Wikipedia.

ボーイングF/A-18E/Fスーパーホーネットの機体寿命が空母運用で予想より早く消費されていると判明し、米海軍は同機を使った宮中給油ミッションを今後どう展開するか検討を迫られている。

  1. スーパーホーネットが空中給油ミッションを行う頻度が高まり、旧型ホーネットが減少する中で、機体耐用年数延長作業(SLEP)の順番待ちになる機体が増えており、スーパーホーネットで6,000時間という寿命限界に予想以上に早く到達する機体が出現しつつある。
  2. 海軍航空部隊司令官マイク・シューメーカー中将 Vice Adm. Mike Shoemaker が戦略国際研究センターと米海軍協会共催の行事で現状を紹介している。
  3. 「スーパーホーネットを旧式ホーネットと比較すると、スーパーホーネットの飛行回数が増えている中で空中給油ミッションを実施していることがわかる」
  4. 中将によれば海軍は以前はスーパーホーネットに最大5つの燃料タンクを搭載して発艦させていたので、相当の負担が機体にかかっており、耐用年数を減らしていたという。現在は「必要でない限りはタンク5つの搭載はしておらず、機体への負担を減らしている」という。
  5. 海軍もV-22導入を目指しているが、あくまでもその用途はC-2グレイハウンド艦載輸送機(COD)の代替である。海軍仕様のV-22はCODミッションに特化するものの、大型燃料タンクを搭載し航続距離が延長される。シューメーカー中将は同機の運用で柔軟性を期待し、海軍は追加任務を同機に期待しているという。
  6. 一方で海兵隊はオスプレイの多用途化を目指しており、空中給油装置、センサー統合パッケージ、デジタル相互通信パッケージ(搭乗者用)他を追加しようとしている。海兵隊航空副司令官ジョン・デイヴィス少将 Lt. Gen. Jon Davis が同じ席上で発言した。少将は海兵隊用機体から海軍にも参考になる点があるとはいえ、海軍用オスプレイはCODに特化した機体になると発言。
  7. V-22ないしUCLASSが空中給油ミッションを実施できるまではスーパーホーネットが唯一の給油機となり、シューメーカー中将は給油ミッションを行うからといって特別の保守点検項目がSLEP作業に追加されることはないとしつつ、寿命時間上限にそれだけ早く到達すると認めた。
  8. 来年にも6,000時間に達する機体が出るが、海軍とボーイングは共同で機体寿命評価を行い、SLEPに反映させる。ボーイングは各機の整備状況の変化を、また海軍は作戦運用を犠牲にしない整備方法をそれぞれ検討する。シューメーカー中将は旧型ホーネットのSLEPで直面した問題から今回はもっとうまく実施できるだろうと抱負を語った。
  9. 「前回の教訓からボーイングは最初から効果のある作業を行い、スーパーホーネット全機が恩恵を受けることを期待したい。ただし作業中は機体在庫の四分の一程度は使用できなくなるだろう」旧型ホーネットを使い作戦可能機体数を維持しているが、旧型機の稼働を終了させていくことで現状の機材の即応率が影響を受け、その分だけスーパーホーネットの飛行時間が増えて早く寿命を消化してしまう。スーパーホーネットのSLEPは早ければ2017年に開始する意向なので旧型機の稼働状況が大きく左右してくる。■


2015年7月29日水曜日

★V-22オスプレイのグローバル運用で体制づくりが急務、用途追加の開発状況



オスプレイが実は世界各国も採用する想定ではなかったというのがひとつの驚きですが、日本の採用決定がグローバル化にはずみをつけているようですね。また空中給油やF-35Bジェットエンジン運搬など新しい役割も開発が進んでいるようです。調布の事故で便乗してオスプレイ反対を主張する向きがありましたが現実世界は着々と進んでいるんですね。

The Next Phase for the V-22 Osprey: Build Global Support Like C-17

By ROBBIN LAIRD on July 27, 2015 at 2:19 PM
V-22オスプレイは9月で実用化8年目を迎える。オスプレイの投入により強襲作戦は兵力の投入・撤収・交戦で新しい時代に入った。
  1. そして同機の展開は新しい段階に入る。オスプレイを同盟国は購入するだろうか、その場合に世界規模で機体支援が十分に実施できるだろうか。同盟国も加え海兵隊、空軍、そしてまもなく米海軍も飛ばす同機の効果を増進することは可能だろうか。
  2. 日本、イスラエル以外の同盟国数ヶ国が同期調達に前向きであるが、課題の解決も必要となる。もともと同機は世界各国の運用は想定しておらず、部品供給など世界規模の調達も想定外で、世界規模での高度の支援も考えていなかった。
  3. 大胆に言わせてもらえれば、現時点の機体サポート体制は需要の高まりに対応できない。オスプレイ整備にあたる方面への取材では補給支援面の不足が第一線で痛感されているとわかったし、運用面で不確かな点があることもわかった。各国の潜在需要が国防総省の計画時の予想をはるかに上回っているためだ。
  4. 「V-22部隊の任務、運用地点が前例のない形で拡大している一方、海外のオスプレイ取得が増えつつある中、世界規模のサプライチェーンを発展させ革命的な軍事技術に歩調を合わせなければならない」とジョージ・トラウトマン少将(退役)retired Lt. Gen. George Trautman前海兵隊航空副司令官は言う。
  5. 世界規模での調達システムは構築可能だ。ボーイングはC-17で実績がある。同機の部品は共通化され、世界各地の同社拠点が支援している。これにより同盟各国は同機を調達しつつ、米空軍と完全に共通化して運用できる。
  6. 同様にオスプレイでも世界各地での運用に新方式を採用する必要があるが、これが実現しないと大きな失敗になり、戦略空輸能力への影響は必至だ。
  7. そこで日本へのオスプレイ売却がグローバル化の大きなきっかけになると期待される。日本でのオスプレイ運用は高ストレス環境下となる。米軍のCV-22、MV-22と並んで日本のV-22は共通の補給体制から通常より相当高い頻度で補充支援を受けるだろう。
  8. 補給頻度の需要が変動し、かつ米軍オスプレイは域内各地で運用するため、部品在庫は地域全体で想定しておくことが合理的かつオスプレイのグローバル展開で大きな一歩となる。
  9. 需要はオスプレイが追加能力を得れば更に高まる。ひとつにはF-35Bの海上支援任務がある。USSワスプでの海上公試が5月にあったが、オスプレイはF-35B用エンジンを艦上輸送する能力を実証した。F-35Bを運用する同盟各国もオスプレイによる支援に期待するはずだ。
  10. この能力開発は軍から正式に要求があったものではない。業界が自主財源で利用可能性を実現させたものだ。「プラット&ホイットニーがV-22を利用する可能性に着目したわけです」と同社は説明する。
  11. 海兵隊はプラットのコネチカット工場へオスプレイを飛ばし、P&W技術陣がオスプレイの正確な寸法を測り、乗員と運搬方法を検討した。機体のドアからエンジンモジュールを積み込み・積み降ろす方法の確立が鍵だった。
  12. ショーン・スタックリー Sean Stackley 海軍次官補(研究開発・調達)がエンジン補給方法で解決策を求めていた。業界は8ヶ月で方法を考案し、次に海兵隊がJSF開発室と共同でラピッドプロトタイプ方式で作成した。
  13. オスプレイは多用途任務機になる可能性があり、空中給油もそのひとつだ。海兵隊はオスプレイに給油機任務を与え、F-35Bやハリヤーの支援を行わせようとしている。海兵隊は揚陸強襲艦での運用を想定。
  14. 空中給油任務は大型空母でも投入の可能性がある。ベル=ボーイングはすでにその準備を始めている。.ボーイングのオスプレイ生産施設(フィラデルフィア)を訪問すると空中給油能力の実現方法の説明があった。ボーイングは3D仮想現実シミュレーションで機内の給油システムの開発を行っている。
  15. つまり要求性能から初期設計と詳細設計ができることを意味する。実験設備を続けて使うことで「工程内」で試作装置の評価が完結して、これまでのように何年もかけずに数ヶ月で正しく機能する装備が実現するわけだ。
  16. V-22を運用する米軍各部隊および同盟国が同機を世界各地で維持することがオスプレイのグローバル運用の次の段階につながる点で重要だ。■


2015年5月6日水曜日

★オスプレイ>日本向け売却案の概要、17機で総額30億ドル



Pentagon Notifies Congress of Potential $3 Billion V-22 Osprey Sale to Japan

By: Sam LaGrone
May 5, 2015 5:33 PM
Japanese ship Shimokita operates U.S Marine V-22 Osprey aircraft near San Diego Calif. in 2013. US Navy Photo
サンディエゴ沖合で米海兵隊V-22を運用する海上自衛隊輸送艦しもきた、2013年 US Navy Photo

米議会へ日本向けV-22(ベル=ボーイング製)ティルトローター17機の販売(支援装備含み総額30億ドル)を5月5日に通知したと国防安全保障協力庁(DSCA)から発表が出た。

  1. DSCA(ディスカ)声明文では自衛隊地上部隊の活動範囲が広がり、米軍との共同作戦が一層強まると解説している。
  2. 「日本は輸送能力を強化して防衛、特殊作戦の用途への対応向上を目指している。今回提示のV-22BブロックCオスプレイ機の売却で陸上自衛隊の災害人道救援活動および揚陸作戦能力が大幅に強化される」(声明文)
  3. 「今回の売却で同盟国日本にも相応の負担を求めるとともに米軍との相互運用能力が高まる。日本にとって同機の部隊編入は容易に実施可能」(同上)
  4. 売却案には暗視ゴーグル、レーダー各種、予備部品、訓練機材が一式に含まれる。
  5. 日本がオスプレイ調達の検討に入ったのは2013年のことで中期防衛計画の改定で米海兵隊をモデルとした揚陸強襲能力の拡充を求める一環とFlight Globalが1月に報じていた。.
  6. 日本が二隻建造するいずも級ヘリコプター空母の一号艦が就役した。V-22の母艦としては理想的だ。米海兵隊はひゅうが級DDHで2013年にV-22運用試験を行っている。
  7. 有償軍事援助では国内向け調達と異なる手続きが必要となる。.米議会が売却案を承認し、日本側が販売条件を受け入れてはじめて企業側が最終的な販売条件を認め納期を決定する、というのが国務省による説明だ。
  8. ベル=ボーイング関係者はUSNI Newsの照会に対してコメントを出していない。■


2014年2月14日金曜日

空母輸送機CODの次期機種選択に動く米海軍


Decision on New Carrier Supply Plane ‘About a Year Away’

By: USNI News Editor
Published: February 12, 2014 4:45 PM
Updated: February 12, 2014 4:45 PM
A C-2A Greyhound, takes off from the flight deck of the aircraft carrier USS Theodore Roosevelt (CVN-71). US Navy Photo


米海軍は空母部隊向けの補給貨物機の後継機種選定を「およそ一年後」に控えていることが海軍航空部門トップの発言でわかった。2月11日サンディエゴでのWest 2014のパネルディスカッション席上で。
  1. 現状ではC-2Aグレイハウンドが空母艦上輸送carrier onboard delivery (COD) に1960年代末から投入されており、現在運航中の機体は1980年代に調達されたもの。
  2. 「データの吟味中で、選択肢の検討を慎重に行っている」とデイビッド・バス中将(海軍航空部隊総監)Vice Adm. David Buss, commander Naval Air Forces,が発言した。
  3. 選択肢とはノースロップ・グラマンC-2の性能改修版の導入か、V-22ティルトローター機だという。
  4. C-2の長所は海軍が早期警戒機として使用中のE-2ホークアイとの共用性であり、V-22の場合では海兵隊のオスプレイとの共用性だ。オスプレイはすでに海軍艦艇向けに使用中。
  5. そこで海軍はV-22を空母補給用に投入した場合の妥当性を検討中だ。
  6. 「選択肢はまだあるが、決定まで一年ほどの段階です」.
  7. 次期CODで求められるのはF-135エンジン(F-35C用)を空母へ搬送できる能力だ。バス中将はこの点を真剣に検討しているという。「F-135の高出力部分は怪物といってよい大きさです。この部分をどうやって輸送するかを技術的にいろいろ検討しています」■

コメント:ここでもF-35が意外なストレスを与えていますね。