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2019年11月30日土曜日

防衛省がイージス・アショア用レーダーをロッキードに発注

Japan Awards Contract to Lockheed Martin for 2 Solid State Radars for Aegis Ashore Batteries
Credit: Lockheed MartinADVERTISEMENT

コメント 設置予定地への説明の不手際から不信感を持たれているイージス・アショアですが弾道ミサイル、巡航ミサイル防衛の整備のためにも「迷惑施設」ではないとの認識を現地の皆さんには持ってもらいたいものです。とはいえ、MDの整備を快く思わない外国勢力に同調する国内勢力も反対運動を展開してくるはずなので防衛省の力が試されますね。

Japan Awards Contract to Lockheed Martin for 2 Solid State Radars for Aegis Ashore Batteries

Japan’s defense ministry has awarded a contract for the delivery of two SSR antenna sets for two planned land-based Aegis Ashore ballistic missile defense systems.
防衛省がイージス・アショア基地2か所用のSSRアンテナを発注。

November 27, 2019
衛省はロッキード・マーティンに半導体レーダー(SSR)2基の製造納入を発注した。陸上配備のイージス・アショア施設用で現地設置は2020年代中頃になると同社は11月20日発表。
SSRは米政府制式名称AN/SPY-7(V)1でイージス・アショアシステムの一部となり、「高性能弾道ミサイルを探知、追尾、交戦」する「頼りになる装備」が日本に生まれるとし、従来のSPY-1の数倍の探知距離と感度で、標的多数に同時対応可能な実証ずみ装備と同社は説明。
日本はレイセオンのSPY-6レーダーと比較の上、SSRを2018年7月に採択した。SSRのライフサイクルコストの低さに加え総合的に性能が高いことが決め手となったと防衛省は説明していたが、別の理由があったのではないか。
日本がSSR採択に動いたのはSPY-6の輸出が2024年から2025年になりそうで、SSRのほうが早く入手できるというのも一つの理由だろう。
日本はイージス・アショア2箇所を2023年までに稼働開始したいとしており、今年7月30日の防衛省広報資料では契約調印から稼働開始まで6年間としていた。つまり現状では2024年から2025年に先送りとなる。
SSRの基礎技術はロッキード・マーティンが開発中の長距離識別レーダー(LRDR)と共通で、これは米本土を弾道ミサイル脅威から守る構想の地上配備中間段階ミサイル防衛(GMD)での使用を想定している。
イージス・アショアはSM-3ブロックIIA・ブロックIB迎撃ミサイルの他、SM-6対ミサイル迎撃弾も運用可能だ。設置箇所は秋田、山口の両県となる。
日本のイージス・アショアは海上自衛隊の艦船用現行装備と完全互換性を有するとロッキードは説明している。「脅威環境の進展と対応し、イージス・アショアジャパンは共通ソースライブラリ(CSL)で他のイージス装備と共通のソフトウェア・アップデートを続けていく」という。日本の最新型駆逐艦はイージスベイスラインJ7戦闘システムを搭載しており、これは米海軍のベイスライン9/BMD5.1仕様のイージス戦闘システムと同等の内容だ。
ロッキード・マーティンから今回の契約金額の説明、納入日程の説明がない。SSRシステムの調達、設置コストは23億ドル程度で、30年にわたる保守管理は41.8億ドル程度と防衛省は伝えている。■

2019年1月30日水曜日

速報 日本向けイージス・アショアの販売が承認された





米国防安全保障協力庁が1月29日付で以下発表しましたので早速お伝えします。

https://www.dsca.mil/major-arms-sales/japan-aegis-weapon-system

海外軍事装備販売制度を利用する日本向け装備売却を国務省が以下の通り承認した。
  1. AEGIS ウェポンシステム (AIS) 2セット
  2. 多任務信号処理装置(MMSP) 2セット
  3. 指揮統制処理装置(C2P)更新 2セット
総額21.5億ドルで、日本政府の要望により審査していたもの。

上記金額には海軍仕様無線航法装置、敵味方識別装置(IFF)2セット、グローバル指揮統制装備海上仕様(GCCS-M) 2セット、慣性航法装置2セットを含む。

米国政府は契約企業とともに垂直発射装置6組のモジュール筐体、通信装置その他関連予備部品の導入で技術、工学、補給支援、設営支援、訓練、建設工事、非公開資料、ソフトウェアを提供する。この総額を21.5億ドルとする。

とあり、イージス・アショアと直接言及していませんが、垂直発射施設の構築があるのでイージス・アショアであることは明らかです。

なお、主契約企業はLockheed Martin Rotary and Mission Systemsがイージス戦闘システムと多任務信号処理装置(コンピュータですね)、General Dynamicsが指揮統制装置更新分となっています。

国内ではすでに反対運動に火をつけようという動きが見られますので、政府には十分な説明の上、住民理解を得て事業を迅速に進めていただきたいと思います。


2018年11月29日木曜日

イージスアショアが日本に必要な理由

China Has Built ‘Great Wall of SAMs’ In Pacific: US Adm. Davidson 中国は太平洋に「SAMの長城」を構築した、とディヴィッドソン提督が発言

From militarized atolls in the South China Sea to a growing Chinese navy looking increasingly aggressive, the head of the Indo-Pacom command lays out his needs and concerns.南シナ海の軍事化、中国海軍の行動が一層無鉄砲さを増していることを念頭にインド太平洋方面司令官が警鐘を鳴らし行動を求めている


By PAUL MCLEARYon November 17, 2018

CSIS image
南シナ海フィアリークロス礁に中国が構築した航空施設 (CSIS image)
シナ海のサンゴ礁や環礁を強固な人工島拠点に変えた中国は対空、対艦ミサイルを持ち込み、「わずか三年前は砂しかなかった地点をSAMの長城に変えてしまった」と太平洋での米司令官が発言。
重要な通商航路で軍事化が進むことは米国のみならずアジア諸国の懸念事項だ。だが中国がますます米艦船に攻撃的になっているが米国や同盟国は国際水域と認識している。9月には両国艦船が衝突寸前の事態になった。いつの日か深刻な事故が発生すれば一気に戦闘にエスカレートする恐れがあると言われる。開戦となれば人工島上の基地は米艦船航空機への防衛網となり中国がめざすA2ADといわれる接近阻止領域拒否の手段となる。
中国で海軍艦艇の建造が続き、沿岸警備力が整備されつつある中で、隻数だけ見れば中国海軍は米海軍を凌ぐ存在になっている。ただし中国艦船の大部分は小型、短距離運用の沿岸用艦船だ。今回インド太平洋軍(INDOPACOM)司令官フィリップ・デイヴィッドソン海軍大将が恒例のハリファックス安全保障会議に登壇したため記者は対応案を聞いてみた。
「海軍の規模拡大が必要です」と大将は海軍上層部が現在の286隻を355隻体制に引き上げるべきと発言していることに触れた。中国海軍が拡大する中で「量的拡大は今後も課題」と記者に答えた。
フィル・デイヴィドソン大将
イージス・アショア導入を急ぐ理由とは
太平洋で中国に対応する艦船部隊の負担を軽減する方法の一つが弾道ミサイル防衛任務を現在のイージス巡洋艦・駆逐艦からイージスアショアに任せると提督は述べた。これは海軍作戦部長ジョン・リチャードソン大将や前任のジョナサン・グリナート大将の主張と同じだ。
また中国による地上配備ミサイルの拡充が今回トランプ政権が1987年INF条約から脱した理由となり、米国も同様のミサイル開発を可能にする狙いがある。
デイヴィッドソンは「海軍に行動の自由を復活させたい」とし弾道ミサイル防衛を陸上に移すことがその方法なのだという。そうなるとイージス巡洋艦・駆逐艦は垂直発射管にSM-3対弾道弾迎撃ミサイルのかわりに別のミサイルを搭載できる。たとえばトマホーク巡航ミサイル、LRASM対艦ミサイルで、防衛対象の都市の前後に展開するかわりに太平洋を自由に航行できる。
イージスシステムはもともと水上艦隊をソ連の大規模攻撃から防御する目的で作られた。中国の軍事力が台頭したことで再びこの脅威が復活し、海軍はイージス艦を当初の狙いにあてることとなった。「イージスシステムは海上での対艦弾道ミサイルに対応するなど高性能が期待できます。将来も水上展開する部隊の防御に必要な装備です」(デイヴィドソン提督)
日本はイージス・アショアを二地点に導入すると決めたが、「基本的に日本用のミサイル防衛装備である」とディヴィッドソンは説明。
Navy photo.
今年はじめに日本は20億ドルで地上配備イージス・アショアレーダーミサイル追尾拠点の構築をロッキード・マーティンに求めている。海上自衛隊は同様の能力を水上艦で運用中だ。ルーマニア、ポーランドで同装備が整備されている。
ただしイージス・アショアの稼働開始は2025年以降となる。イージス・アショアは水上艦とリンクされ北朝鮮ミサイル対応策の効果が向上する。
中国は航空母艦、潜水艦初め海軍艦艇を急速に建造しており、ついに昨年に世界最大の海軍国になったがデイヴィッドソン大将はロシアの太平洋地区での動きも注視している。
「ロシア軍事活動は大部分が世界の別の地域で展開されているが太平洋でも動きを強めており、外交活動の妨害を目指している」と述べ、最新弾道ミサイル潜水艦三隻を太平洋に配備していることを取り上げた。

太平洋のロシア軍事力の規模は比較的小さく、ロシアは太平洋で米国あるいは中国に対して海洋支配を巡り挑戦する構想は今のところない。■