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2025年12月4日木曜日

F-21は米空軍で飛ぶことがないスーパーF-16戦闘機だ(19fortyfive)

インドでも採用は不透明とはいうものの、実現すれば20年後にお手頃価格の高性能戦闘機として他国にも選択肢になる可能性はありますね


F-21 Fighter for India

インド向けF-21戦闘機。画像クレジット:クリエイティブ・コモンズ。

要点と概要:F-21 は、F-16 ブロック 70 をインド向けに高度なまで改良した機種で、第 5 世代の航空電子工学技術により、第 4 世代の競合機種を性能面で凌駕する設計だ。

搭載兵器:トリプルミサイルランチャーアダプター(TMLAs)を搭載し、10 発の空対空ミサイル(標準的な F-16 より 40% 多い)を運搬できる。

Lockheed Martin F-21

F-21 戦闘機のイメージ。画像:ロッキード・マーティン

契約内容:ロッキード・マーティンは、タタ・グループと「メイク・イン・インド」のパートナーシップを結び、生産ラインをインドに移転し、グローバルサプライチェーンに統合することを約束している。

現実:優れたスペックにもかかわらず、インドの伝統的な非同盟政策と、フランスのダッソー・ラファールに傾いている傾向から、F-21 の採用は不透明だ。

F-21 戦闘機はF-16 の最良のバージョン?

ロッキード・マーティン F-21 は、F-16 ファイティング・ファルコン をベースにした、インド空軍(IAF)向けに特別設計された、先進的な単発多用途戦闘機である。

この機体は、最新のAESAレーダー、新しいコックピットディスプレイ、F-22 および F-35 から派生した技術など、先進的な航空電子機器を搭載している。「メイク・イン・インド」イニシアチブのもと、F-21 は、インド空軍に強化された空対空および空対地能力を提供すると同時に、インドを世界の戦闘機エコシステムに統合することを目的として設計されている。

航空界では、F-16で最良のバリエーションと見なされている。

F-21 ブロック 70 :

F-21 ブロック 70 は、インド空軍の単発戦闘機の要件を満たすように設計されており、提案されている米国とインドの産業パートナーシップは、民間の航空宇宙および防衛製造能力を開発するというインドのイニシアチブを直接支援する。

F-21 生産パートナーシップは、世界最大の防衛請負業者とインドの タタ・アドバンスト・システムズとの間で締結され、タタ・ロッキード・マーティン・エアロストラクチャーズ・リミテッドが設立された。インドの施設は、F-16のグローバルサプライチェーン向けに航空機および部品を製造する。

タタは、「F-21 ブロック 70 は、インド空軍の単発エンジン戦闘機のニーズを満たすのに理想的であり、この比類のない米国とインドの産業パートナーシップは、インドにおける民間航空宇宙および防衛製造能力の開発というインドのイニシアチブを直接支援する」と述べている。

これにより、インドは、世界で最も成功し、実戦で実績のある多用途戦闘機の最新かつ最も先進的なバージョンである F-21 ブロック 70 航空機を生産、運用、輸出することが可能になる。

F-21 は、新たな運用上の要求に応えるため、第 5 世代エイビオニクス、センサー融合、オープンシステムアーキテクチャを統合する。F-21 は、インドの特定の戦術的および戦略的作戦地域に適するように設計されている。

インドでの F-21 生産は、米国における ロッキード・マーティン および F-21 サプライヤーの数千もの雇用を支え、インドに新たな製造業の雇用を創出し、インド産業を世界最大の戦闘機供給エコシステムの中心に位置づけることになる。

F-21/F-16 ブロック 70

F-21 は、原型のF-16 ブロック 70/72 と同様の仕様となる。

- 翼幅:31 フィート/9.45 メートル

- 全長:49.3 インチ/15.09 メートル

- 全高:16.7フィート/5.09メートル

- 最大離陸重量:48,000ポンド/21,772キログラム

- 最大速度:1,500マイル/時(2,414キロ/時)

F-21戦闘機の動力は、ゼネラル・エレクトリック製F110-GE-129アフターバーナー付きターボファンエンジンで通常推力で約18,000ポンド、アフターバーナー作動時に約30,000ポンドの推力を発生する。これはF-16戦闘機の他の先進型でも使用されている同型エンジンである。

最先端の第4世代戦闘機

ユーラシア・タイムズはF-21の設計と性能がF-22ラプターのようなより高度な第5世代戦闘機に近いと報じたが、同機は依然として第4世代++戦闘機に分類される。

それでも、センサーフュージョン、エイビオニクス、高度なパイロットインターフェースなどの機能を備えており、F/A-18E/Fスーパーホーネット含む他の第四世代航空機よりもはるかに先進的だ。

従来ロシア製の兵器に依存してきたインド空軍にとって大きな一歩となるだろう。F-21を使用するには、互換性のある米国製の兵器やセンサーを統合し、供給システムを変更し、部隊を再訓練する必要があるからだ。

ロッキード・マーティンは、この新型機が10発のミサイル(2発の AIM-9x サイドワインダー、8 発の中距離レーダー誘導 AMRAAM ミサイル)を搭載する様子をビデオで公開した。また、同機は空中給油プローブと、スナイプ電気光学照準ポッドも搭載している。

F-21は、先進的な APG-83 アクティブ電子走査アレイ (AESA) レーダーを搭載し、その探知範囲は従来の機械式走査アレイレーダーのほぼ 2 倍で、より多くの目標をより高い精度で追跡、攻撃することができる。

F-21がF-16に勝る点:

F-2はF-16に対し複数の優位性を持つ。主なものは以下の通りだ:

- 12,000飛行時間(F-16ブロック70と同等)

-  空対空兵器搭載量40%増(TMLAs)

- -航続距離と滞空時間の延長

- プローブ/ドローグ式空中給油

- APG-83 AESAレーダーを搭載した最新センサーとミッションエイビオニクス

インドはパキスタンや中国を敵国としながらも、非同盟を堅持し真の同盟国を持たない。ロシアとは緊密な関係を維持し、米国の制裁回避を支援してきたが、これはロシアとの同盟というより自国の利益優先の傾向が強い。

しかしインド政府が提案したF-21生産計画については進展がなく、近い将来も実現する見込みもない。インドはラファールを選択する方向に傾いている兆候が見られる。■


執筆者:スティーブ・バレステリエリ

スティーブ・バレステリエリは1945年国家安全保障コラムニストである。負傷により早期退役を余儀なくされるまで、米特殊部隊の下士官および准尉を務めた。1945年への寄稿に加え、PatsFans.comでNFLをカバーしており、その記事はマサチューセッツ州のミルベリー・サットン・クロニクル紙およびグラフトン・ニュース紙に定期的に掲載されていた。


F-21: The Super F-16 Fighter the Air Force Won’t Fly

By

Steve Balestrieri

Published

https://www.19fortyfive.com/2025/12/f-21-the-super-f-16-fighter-the-air-force-wont-fly/




2018年9月22日土曜日

☆F-16生産はインドにも移転するロッキード・マーティンのねらいは400機超の製造販売



America's F-16 Fighter: Made in India?Well, at least some of it. F-16戦闘機はインド製になるのか。一部はそうなる。

September 18, 2018  
ランプ大統領は製造業を米国内に呼び戻したいとする。
だがそこには米国の精鋭戦闘機の一型式F-16ブロック70は含まれない。ファイティングファルコンでも最先端の性能を有する機種でインドでの製造が実現しそうだ。ロッキード・マーティンはインドのタタ・アドバンストシステムズと提携し、ハイデラバードでの製造を狙う。
技術的にはこうなっても米国内雇用に影響はない。というのはF-16主翼は現在イスラエルでイスラエル航空宇宙工業が製造しているからだ。他方で他国に委託中の製造を米国内に呼びもどしたいトランプにとってとても勝利とは言い難い。
「タタ・アドバンストシステムズ(TASL)が今後は主翼製造を受け持つ」とロッキード・マーティンは発表。「戦略的見地でのビジネス方針でありインドとの提携関係の意義を反映しながら当社がタタにどれだけ信頼しているかの現れだ」
今回の動きがインド空軍にF-16導入を迫るためとの観測に対しロッキード・マーティンは「現地でのF-16主翼部分の製造はインド政府が同国空軍用にF-16を採用することを求めることと無関係」と弁明している。
同社広報はNational Interestに「タタが製造能力を実証し正式ににロッキード認証サプライヤーとなるのにおよそ二年を要する。主翼生産はこの後始まるので2020年末から2021年早々に開始となる」と述べてくれた。
.F-16ブロック70およびエンジンをジェネレラルエレクトリックからプラット&ホイットニーに乾燥したブロック72ではほかにも変更点がある。ロッキード・マーティンは機体組み立てをテキサス州フォートワースからサウスカロライナ州グリーンヴィルへ変更の途中だ。
「ブロック70及びブロック72共に高性能エイビオニクス、APG-83アクティブ電子スキャンアレイ(AESA)方式のレーダー、コックピット周りの近代化改修、高性能兵装の運用、一体型燃料タンク、自動地上衝突回避システム、高性能エンジン、12千時間まで延長した業界随一の機体寿命が特徴だ。
F-16ブロック70は今年6月に初めてバーレーン向けが成約し、16機を11億ドルで販売する。その後スロヴァキアが14機発注し、スウェーでのSaabグリペンを打ち破った。
「当社はF-16ブロック70をブルガリア空軍向けに提案中で、さらにその他数カ国とも新造F-16やF-16V(ヴァイパー)改修を売り込み中だ」(ロッキード・マーティン広報)「F-16ではさらに400機超の生産を見込み、内インド空軍にはF-16ブロック70の採用を期待している」
ロッキード・マーティン、米国共に朗報はかつてはロシア製装備を一貫して導入してきたブルガリアやインドが米国製航空機材を採用してMiG各機の後継機種にしようとしていることであり、インド経済にも好影響を生みそうだ。
F-16以外にも外国製部品素材を採用する機体があるが、Tealグループの航空産業アナリストであるリチャード・アブラフィアはボーイングF-15でも海外製部品多数を使っており、イスラエル製ラダーや各種扉、日本や韓国製部品で組み立てた機材が各国に使われていると指摘。
米国航空機メーカーが海外販売を進めるためには自由貿易体制が必要でトランプ大統領の路線と真っ向から衝突する。「各航空宇宙産業企業各社で共通するのは市場の規模拡大とともにグローバル化の産業として生き抜くことであり、自国中心の視点しかない政権が航空宇宙字ビジネスの本質を理解していないことを明らかにしていくことだ」とアブラフィアは述べてくれた。■
Michael Peck is a contributing writer for the National Interest. He can be found on Twitter andFacebook .

2018年8月30日木曜日

★最強のF-16ブロック70は貧者のF-35になるのか---どこがすごいのか





F-22 'DNA': Why Lockheed Martin's New F-16 Block 70 Could Be Truly Deadly F-22のDNA:ロッキード・マーティンF-16ブロック70が強力な威力を誇る理由

August 27, 2018  by Dave Majumdar


ッキード・マーティンが11.2億ドルの大型契約を米政府から受注した。F-16ブロック70仕様ファイティング・ファルコン16機をバーレーン向けに製造する。
バーレーン王立空軍が史上最強版F-16で初の運用部隊となる。
これまでF-16はフォートワースで製造されてきたが今回の新型「ヴァイパー」はサウスカロライナ州グリーンヴィル生産となる。
ロッキード・マーティンではF-35共用打撃戦闘機で生産が佳境に入り、ファイティング・ファルコン生産は下火になったため、F-16生産ラインを小型工場に移転し少数生産に対応することとした。とはいえ移転はF-16が新局面に入ったことを意味し今後も売上が期待できる。
ロッキード・マーティンはサウスカロライナ工場に大規模投資し150名ないし200名の新規雇用を作れると見ている。
同社はF-16生産により米国内の同社技術陣、調達部門、営業顧客支援部門数百名分にあわせて米国内供給企業数千名分の雇用が確保できると見ている。全米42州450社でF-16のサプライチェーンを形成している。
ロッキード・マーティンがF-16販売に強気なのには理由がある。ブロック70はどの点から見ても強力な機材でF-35技術も流用しているからだ。F-16と比べればF-35のほうが高性能で威力も高いが、JSFを求める国あるいは購入を許される国はそれほど多くない。そのためこうした米側同盟国多数にはF-16ブロック70が最強の戦闘機になる可能性があるからだ。
F-16ブロック70の根本はノースロップ・グラマン製APG-83アクテイブ電子スキャンアレイレーダーだ。F-22ラプターおよびF-35から流用して20もの標的を同時探知可能の同レーダーは解像度1フィートで地上目標の合成開口レーダー地図を160カイリ先から作成してくれる。同機は新型高性能電子戦装備も搭載する。
ブロック70ではコックピットにも大幅に手を入れており、中央台座型ディスプレイCenter Pedestal Display (CPD)で6”x 8”画面に高精度戦術画像を写し、パイロットはブロック70搭載の新型センサー類の性能をフルに引き出すことができる。
コックピットでは共用ヘルメット搭載型指示システムII(JHMCS II) 対応のディスプレイもあり、パイロットはレイセオンAIM-9Xサイドワインダーミサイルの性能をフルに発揮できる。さらに新型自動地上衝突回避装置で墜落を回避できる。
.F-16Vの機体は12千飛行時間までの耐久性を確保しており、機体一体型燃料タンクを左右に備える。
ロッキード・マーティンはブロック70のエンジンは新型になったと述べているが型式を明かしていない。一番可能性が高いのがジェネラル・エレクトリックF110-GE-132で定格32,500 lbf (144 kN)のアフターバーナー付きエンジンだ。
F-16Vは各種兵装の搭載も可能だとロッキード・マーティンは宣伝している。
「当社はF-16への兵装搭載で36年の経験を有しております」とロッキードは述べている。「我が社をおいてこれだけの実績を有する機関は存在しません。米空軍および海外軍事販売制度を通じF-16を導入した各国とともにロッキード・マーティンは180種類超の兵装の搭載で認証を受けており、兵装統合面の知見によりF-16は最強の多用途戦闘機になったといえます」
F-16は今後数十年にわたり供用される。現時点で世界25カ国の空軍でF-16が3,000機活躍中。今後はブロック70改修が進むはずだ。F-16の将来は依然として明るい。■

Dave Majumdar is the defense editor of The National Interest. You can follow him on Twitter @DaveMajumdar.

2018年1月26日金曜日

★F-16はまだまだ需要あり、生産ライン閉鎖は先送り

Lockheed keeps F-16 production line going with Bahrain deal

バーレイン向け販売成約でF-16生産ラインの維持が決まった


An F-16 Fighting Falcon prepares to receive fuel from a KC-135 Stratotanker over Afghanistan Nov. 19. (Staff Sgt. Sean Martin/Air Force)

By: Chirine Mouchantaf    
ーレインが中東で初めてロッキードF-16ブロック70機材を運用する。これでファルコン生産ラインは勢いがついた。
昨年、マイク・ペンス副大統領から同国向けF-16合計16機23億ドル販売がまとまったと発表があり「米国内雇用と安全保障双方で大きな貢献」としていた。「バーレイン王国と米国政府はF-16ブロック70販売で合意ができた」とロッキード・マーティンエアロノーティクスの国際営業開発担当副社長リック・グローシュRick Groeschが述べていた。
ファイティングファルコン最新型のF-16ブロック70は以前のブロック50/52に比べAN-APG-83アクティブ電子スキャンアレイレーダーの搭載が目新しい。エイビオニクス構成や機体構造も改修され機体寿命は50%伸びた。
機体販売総数は19機原案から節約で16機になったが、今回の販売で「F-16生産ライン縮小を回避できる」と軍事筋が見ている。
同筋によればバーレイン向け販売で「ロッキードの生産ラインはあと3年から5年維持できる」「ウィンウィンになる。バーレインはF-16が必要だし、F-16にはバーレインが必要だ」
グローシュは今後のF-16拡販の可能性について「中欧、地中海、東南アジア、南アジア全部で200機の可能性があると見ている」と述べている。
昨年6月にロッキードとTata Advanced Systems Limited (TASL) がF-16ブロック70のインド国内生産をで合意した。これもF-16生産ラインの維持すにつながる。
バーレインが中東初のF-16運用国となる。バーレイン軍関係者は今回の決定でユーロファイター・タイフーン調達は断念すると明らかにした。タイフーンが有力と見られていた。「王立バーレイン空軍はタイフーンを運用しない。新型F-16が16機新規調達され、ブロック40のF-16も20機をV型に改装するので空軍は機種はこれ以上不要だ」
サウジアラビア、オマーン、クウェートがエアバスBAEシステムズレオナルドの共同事業体によるユーロファイター・タイフーンを運用中だ。
ユーロファイター広報は受注状況からタイフーンは2024年までに納入を完了すると述べている。「当社は引き続き世界各地で新規受注を目指しタイフーンの販売数はまだ伸びるとみています」
軍事専門家ナジ・マレーブNaji Malaebは他の湾岸諸国に比べバーレインの軍事支出が少ない点を指摘する。ただし今回の購入で「バーレインもイランの地域内介入に対応する各国に加わる姿勢を示した」と評している。
ストックホルム国際平和研究所は昨年2月発表の研究報告でアラブ諸国並びにバーレイン除く湾岸諸国の軍事装備輸入が2007年から2016年にかけ一貫して伸びたと指摘。イランとの関係がぎくしゃくするバーレインだけ輸入額が119パーセント減っていた。

「バーレインが16機のファルコン戦闘機を発注したのは空軍力増強に賭ける同国の狙いの一環だ」とマレーブは指摘している。■
まだまだF-16はじめ第四世代戦闘機は使い勝手の良い、よい買い物になるのですね。