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2016年5月11日水曜日

北朝鮮のSLBM開発が着々と進行していることは要注意


相次いでミサイル発射実験を行った北朝鮮ですが、いずれも発射直後に爆発したり、弾道飛翔に失敗したりと西側では技術の遅れと冷笑する向きがあるようですが、本当にそうなのでしょうか。北朝鮮の技術が未熟であってほしいという希望的観測が評価をゆがめている気がします。


North Korea Completes Work at Sub Shipyard, Report Says

Agence France-Presse 10:55 a.m. EDT May 4, 2016

SKOREA-NKOREA-MILITARY-NUCLEAR-MISSILE(Photo: Jung Yeon-Je/AFP/Getty Images)
SEOUL, South Korea —衛星画像から北朝鮮が新型弾道ミサイル潜水艦建造用の造船所の改修を終えていると判明したと米シンクタンクが5月4日発表した。
  1. 発表したジョンズ・ホプキンス大の米韓研究所によれば2020年まで完成する艦はないとみられるが、北朝鮮のSLBM建造は明らかに進展している。
  2. 実用に耐えるSLBMを配備すれば北朝鮮の核攻撃能力は新段階に入り、遠隔地に潜水艦を展開すれば本国が核攻撃を受けても報復能力が手に入る。
  3. 北朝鮮は先月試験艦ゴラエ(鯨)級潜水艦の一隻でSLBMを日本海で行い、ミサイル一発が19マイル飛翔している。
  4. 韓国はこの発射は飛翔中に爆発しており失敗とみなしているが、米韓研究所は成功と見る。
  5. 「潜水艦発射装置とミサイル点火、初期誘導機能に的を絞ったテストではないか」としており、今年中に数回の限定的発射テストを経て「全域」飛翔テストに移るとみている。
  6. 4月28日撮影の衛星画像では北朝鮮の進歩南造船所で発射試験を終えた該当潜水艦が整備作業に入っているのが確認できる。
  7. 潜水艦建造建屋の外部が完成しており、建造後に潜水艦を移動する滑り台もほぼ完成と同研究所は指摘する。
  8. 「すべて完成すればゴラエ級を上回る潜水艦建造が可能となり、新型SLBMが登場してくるかもしれません」
  9. 韓国は北のSLBM開発に懸念しており、韓民求国防相は自国の対応があまりにも遅いと不満を述べている。
  10. 「北朝鮮SLBMの脅威への対策を講じるのは待ったなしだと思う」と国防相は議会委員会で発言している。■

2016年4月30日土曜日

北朝鮮の最新SLBMから変更点を読み解く




North Korea announces third SLBM launch

Richard D Fisher Jr, Washington DC - IHS Jane's Defence Weekly
29 April 2016
2015年5月8日(左)と4月23日(右)の比較では固体燃料エンジンと液体燃料エンジンの相違に由来する噴煙の違いが明白だ。Source: KCNA
北朝鮮が4月24日に公表した写真では二番目の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)は固形燃料方式でガス圧縮発射技術を使っていることをうかがわせる。これとは別に北極星1号ミサイルが液体燃料方式であると判明している。
朝鮮中央通信(KNCA)は4月24日に今回のSLBM実験は「高出力固体燃料方式エンジン」で「朝鮮方式による水中発射システムの信頼性を確認強化し主体思想による水中攻撃作戦の技術要求をすべて満たした」と報じていた。
国防総省はSLBMの発射は4月23日に行われたと確認しているが、韓国聯合通信は韓国統合参謀本部が北朝鮮ミサイルは30キロ飛翔したと述べたと報道していた。またミサイルを発射したのは排水量2千トンのSinpo級潜水艦だったと見られるとも伝えている。
画像から2015年5月8日の北極星1号SLBMは液体燃料エンジンであったと推測された。噴煙が広がっておらず透明度が高いためだ。北極星1号を米国はKN-11の名称で識別し、ソ連のR-27ジブ(SS-N-6サーブ)液体燃料式SLBMが原型と見られている。
An image showing the SLBM emerging from its cold-launch tube. The launch may have taken place on a stationary platform rather as the walls of the submarine's fin cannot be seen. (Rodong Sinmun)圧縮ガス発射管からSLBMが飛び出す瞬間をとらえた画像から発射は水中固定発射台から行われたのがわかる。潜水艦の潜航舵が見えないため。(Rodong Sinmun)

4月24日の公式発表に合わせて公表された画像では北極星の名前が書かれた類似ミサイルが水中発射される様子が移っているが、ミサイルに番号がついているか判明しない。ただしこのミサイルの噴煙はもっと広がって透明度が下がっており、固形燃料ロケットの特徴と符合する。またミサイルに飛行制御用の噴射弁が4つあることもわかる。
3月23日には直径1.25メートルの固体燃料ロケットエンジンを製作可能と発表している。北朝鮮がイランから固体燃料ロケット技術を導入した可能性はある。イランには二段式固体燃料ミサイル「セジリ」があり、直径が1.25メートルで飛行制御用の噴射弁がついている。■


2015年5月11日月曜日

北朝鮮の潜水艦発射ミサイル実験は本物か



週末に気になるニュースが入ってきました。北朝鮮が言っているような弾道ミサイルの水中発射の事実は確認されていませんが、本当なら大変なことです。ひきつづき注視していく必要がありますね。国連制裁や日本独自の制裁など関係ないのですね。

N. Korea Test-fires Submarine-launched Ballistic Missile

Agence France-Presse12:45 p.m. EDT May 10, 2015

NKOREA-MILITARY-MISSILE-TEST(Photo: AFP)
SEOUL, South Korea — 北朝鮮が5月9日、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)実験に成功したと発表した。生存性の高い核第二撃能力につながる技術である。
  1. 最高指導者の金正恩 Kim Jong-Unが試射を自ら査察し、「世界級の戦略兵器」だと新開発ミサイルを評したと国営通信社朝鮮通信KCNAが伝えている。
  2. ただし今回のSLBMテストは確認されていない。SLBM試射は北朝鮮に弾道ミサイル技術の使用を禁じた国連制裁に違反する。
  3. SLBM技術を実用化した場合は北朝鮮の核脅威は新段階に移り、朝鮮半島から遠隔地への攻撃能力や、核攻撃を受けた際の報復力となる。
  4. 今年早々の衛星画像によれば北朝鮮潜水艦の司令塔に二発の垂直発射管が米分析で確認されている。弾道ミサイルあるいは巡航ミサイル運用の想定だ。
  5. 北朝鮮の潜水艦部隊で一部の艦に水中発射型ミサイルを搭載する試験を行っていると以前から見られていた。
  6. 韓国国防省は昨年9月に情報分析結果から北朝鮮が潜水艦用垂直発射管を開発中と発表があり、ゴルフ級潜水艦(排水量3,000トン)を改装し中距離弾道ミサイルの運用をねらっているとしていた。
  7. ジョンズ・ホプキンズ大の米韓研究所も同様の分析結果が出したがSLBM技術には非常に高額な予算が必要で、開発に「数ヶ年」が必要としていた。
  8. 「北朝鮮が言うとおりなら、予測よりはるかに早く実現したことになる」と国際危機研究所International Crisis Group (ソウル)の朝鮮専門家ダン・ピンクストンDan Pinkstonは言う。「SLBM能力が整備されると北朝鮮の報復能力の信頼度が高まりますが、海外情報分析を待ちたいと思います」.
  9. 上記朝鮮通信によれば潜水艦は発射深度から発射命令を待ってミサイル発射をしたという。ミサイルは空中に飛んだと通信社は伝える。
  10. 報道ではミサイルの大きさ、射程距離を伝えないばかりか、発射地点、発射時間も不明だ。
  11. ミサイル側面の赤字は"bukgeungsong"と書いてあるようで「北星」あるいは「北極星」(ポラリス)の意味だ。
  12. ただし北朝鮮は軍事関連画像を改ざんすることがあり、今回の配信写真も真偽を直ちに確認できない。
  13. 今回のテストは2012年の人工衛星打ち上げと同等の「おおいなる成功」だと金正恩が述べている。衛星打ち上げは弾道ミサイルテストの偽装だと国際社会から非難され、国連による制裁強化につながった。
  14. 北朝鮮が弾道ミサイル開発を進めているのは疑いはないが、どこまで開発が進んでいるかで専門家の意見は二分化されている。
  15. 再突入技術の実験は行っていないが大陸間弾道弾で必要となる技術だ。核弾頭の小型化技術でも意見がわかれている。■