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2023年7月9日日曜日

極超音速ドローン、さらに有人機がまもなく出現か。新興メーカーハーミーズが技術ブレイクスルーに成功した模様。軍事航空に与える影響は?


防総省で極超音速ドローン構想は長く注目の的だったが、前例のない高温のまま極超音速を持続させることが障壁だった、だが極超音速飛行が持続できるドローン「ハーミーズ・クォーターホース」Hermes Quarterhorseの可能性が報じられるなど、技術突破口が近づいているのかもしれない。クォーターホース開発陣は、同機がマッハ5以上の速度を維持できると主張している。さらに、極超音速ドローンだけでなく、有人飛行でも画期的な極超音速を達成する計画もある。



スパイ機SR-71のマッハ3という速度の記録は、数十年も破られていない。しかし、マッハ5以上の極超音速飛行を可能にする世界初の極超音速機「クォーターホース」を開発し、これに対抗しようとしている革新的な企業がジョージア州アトランタにある。


ハーミーズ・クォーターホースは最近、極超音速を達成するためにターボジェットからラムジェット推進モードへ移行する能力を実証し、大躍進を遂げた。


『ポピュラー・メカニクス』誌掲載の画期的な技術の詳細には、極超音速を達成し、さらにそれを維持する新しいターボジェット・ラムジェット・ハイブリッド・エンジンの開発について書かれている。


記事によれば、ハーミーズは無人ドローン開発に取り組んでいるが、極超音速で人間を輸送できるようになる日が来ると期待している。


極超音速飛行で発生する極度の高熱に耐えられないため、人類は極超音速で移動ができなかったからだ。


極超音速のブレイクスルー

おそらく、画期的な複合材料や冷却技術が登場し、このような技術が「地平線上にある」ようになったのだろう。


音速の5倍で戦略的戦闘拠点に部隊を移動させることができる、ある種の極超音速輸送機がいずれ登場するのだろうか?そのような航空機の可能性は、現時点ではない。


おそらく最初に極超音速ドローンや戦闘機が登場し、将来の軍事利用の先例となるだろう。クォーターホースのような極超音速ドローンが存在すれば、その用途、武器、ネットワーク化能力で、まったく新しい「作戦概念」の領域が生まれることになる。


米国防総省は、極超音速ドローンの飛行を長年追求してきた。


極超音速ドローンの飛行を実現するには、技術革新者と兵器開発者が極超音速飛行の基本的な課題である既知の課題に取り組む必要がある。極超音速発射体はすでに登場しているが、大型ドローンで極超音速を達成し、それを維持するには、技術的飛躍が数点で必要となる。


極超音速ドローン・プラットフォームでこの大躍進を遂げるためには、極超音速飛行の達成で大きな課題となる熱管理や温度力学に対応できる新技術が必要となるかもしれない。


また、極超音速プラットフォームを取り囲む気流が乱流ではなく、滑らかな「層流」のままであるよう保証するため、新たなレベルの空気境界層の空力的課題を固める必要もあるだろう。


抗力を低減し、温度を管理し、気流を誘導することが証明されている、あるいは知られている最適な形状、サイズ、兵器構成の継続的な探求から大きな影響を受ける可能性がある。■


Quarterhorse Hypersonic Drone to Hit Mach 5 - Warrior Maven: Center for Military Modernization


By Kris Osborn, President, Center for Military Modernization


Kris Osborn is the Military Affairs Editor of 19FortyFive and President of Warrior Maven – Center for Military Modernization. Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army—Acquisition, Logistics & Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at national TV networks. He has appeared as a guest military expert on Fox News, MSNBC, The Military Channel, and The History Channel. He also has a Masters Degree in Comparative Literature from Columbia University.


Quarterhorse:

バージニア州で4分の1マイルレースのスプリンター用に飼育された小型の強力馬


2019年4月14日日曜日

開発中と言われる極超音速SR-72は実現すれば無人爆撃機にもなる



The Super Secret SR-72 Spy Plane (That Might Also Be a Stealth Bomber) 

極秘SR-72スパイ機はステルス爆撃機にもなるのか

Could this be the real deal? Will it actually happen? だが実現できるのか
April 8, 2019  Topic: Security  Blog Brand: The Buzz  Tags: SR-72SR-71MilitaryTechnologyWorldStealth


ッハ5で飛行可能な極超音速兵器が世界の国防産業界のはやり文句になっている。中国、ロシア、米国の各国が開発に注力しており、軍備装備の開発を巡るレースに火を注ぐ効果を生んでいる。
長距離弾道ミサイルでは発射後短時間で極超音速に達するが、かわりに飛翔軌跡が予測可能なため事前に探知され相手側に軍事上政治上で対応策を打つ時間が生まれる。さらに弾道ミサイルの迎撃能力を備えた装備品が増えてきた。
だが2013年にロッキード役員のロバート・ワイスがAviation Weekに極超音速機を開発中と話し波紋を呼んだ。しかも伝説のSR-71ブラックバード・スパイ機を想起させるSR-72の名称に触れたのだ。
ブラックバード並の巡航速度を長時間持続できる有人機はない。SR-71はミサイルが届かないまま北朝鮮や中東で写真偵察を行ってきた。だが最新の地対空ミサイルの前にマッハ3でも生き残りが難しくなっている。だが極超音速機なら再度ミサイルを出し抜くことが可能となる
SR-72はロッキードの説明ではマッハ6の飛行が可能という。ロケット推進方式のX-15テスト機はマッハ6.7まで達したが、B-52母機から切り離され飛翔していた。SR-72は低速での離着陸をめざす。
ワイスは「...技術は成熟しておりDARPAや軍とこの性能を実働部隊に一日も早く提供しようと懸命になっている。大日程や詳細はお話できない。全て機微情報だ....大まかなお話はできるが細かい部分には触れられない」と述べた。
ロッキードはエアロジェット・ロケットダインと複合サイクルエンジンで突破口を開いたと言われ、タービンとスクラムジェットを使い分ける。極超音速飛行時はスクラムジェットを使う。ターボファン、スクラムジェットが空気取り入れ口、排出口を共用する。
ワイスは任意で有人操縦可能な全長60フィート(ジェット戦闘機並の大きさ)単発テスト機の製造に「わずか」10億ドルの予算をつけてもらいたいとの希望を示した。ここから双発で全長100フィート超のSR-72を開発するとしていた。
ワイス発言から6年が経過したが、ロッキードは本来なら一般に紹介できないはず秘密開発案件の割には異常なほど関心を集めようとしている。その一環でSR-72開発用の試験機は完成ずみとも聞こえる発言が出ている。
その例として2018年の科学技術学会で同社副社長ジャック・オバニオンが「(三次元設計技術の)デジタル化がなければ製造は不可能だったろう。五年前の技術では実現できなかった」と述べたが、執行副社長オーランド・カバルホはFlight Globalに「(SR-72は)未完成と断言しておく」としオバニオン発言は「違う文脈から」の引用だというのだ。
ロッキードの極超音速機の大々的宣伝で実機が存在するのかしないのかあえて不明にしているのは追加予算獲得が狙いなのは明らかだ。同社が共同開発に当たる相手の国防高等研究局(DARPA)は画期的技術の開発に特化し空軍の要望に答えるよりも時代の先どりをしすぎる傾向がある事で知られる。
米空軍も極超音速機の運用は長期課題としながら、近い将来に必要となるのはF-35ステルス戦闘機多数(これもロッキード製品だ」と今後登場するB-21レイダーレイダーステルス爆撃機だ。空軍としても希望機材全ての調達はできないと自覚している。その中で非常に高額で先端技術の塊ともいえる構想に予算を確保するのは容易ではない。
ブラックバードの呼称SRは戦略偵察の略で防空体制の整備された空域に進入し地上の状況を迅速に撮影するのが役目だった。だがSR-72の名称には誤解を与える余地が多々ある。
極超音速SR-72が無人航空機UAVとなるのはほぼ確実だ。言い換えれば通常は「Q」の制式名称がつく無人機だ。どこまで人間の介在が必要となるのか、事前プログラミングによる飛行制御と自律飛行の組み合わせなど興味深い点は多い。
さらにSR-72には情報収集監視偵察(ISR)任務以外に事前探知されずに目標を攻撃する能力もつくはずだ。いいかえれば爆撃機だ。時速4千マイルで飛行すれば極超音速爆撃機が米大陸内の基地を離陸すれば太平洋や大西洋の彼方の目標に90分で到達できる。極超音速ミサイルとちがい、基地に戻り次の再搭載し任務投入できる。
ワイスは当初からSR-72に「攻撃能力も念頭にある」と発言していた。SR-72は迅速汎地球攻撃構想から生まれロケット推進式のファルコンHTV-3極厚音速テスト機が開発の原点とされる。
だが極超音速爆撃機兼スパイ機に費用対効果があるのか議論が分かれる。まずステルス性能の欠如は確実で、そもそもこれだけの速度で飛行すれば熱発生は各種センサーに明示され、レーダー波吸収剤も空気摩擦で消失する。敵勢力にも同機の飛来は判明するはずだが、対応時間が限られる。
現時点の防空ミサイルの性能は超えているとはいえSR-72の存在で地対空ミサイルの性能向上にはずみがつき極超音速機対応も生まれるだろう。SR-72爆撃機ではこれだけの高速度で運用可能な新型兵装の開発も必要で高額な予算投入につくだろう。
ブラックバードが引退しても後継機が登場しなかったのはスパイ衛星の性能向上でそのISR機能が微妙になったこと以外に低速ながらステルスの長距離無人機としてRQ-170が登場した事が大きい。ブラックバードは高度防御体制の空域に進入できるが、ステルス無人機ならスピードは遅くても同じ機能を確実にこなし、対象地点上空の滞空時間も長く、リアルタイムで映像を数時間送れる。ペンタゴンが長時間飛行可能な超ステルス機RQ-180の開発をノースロップ・グラマンに発注したのは同機でSR-72の機能を実質的に果たせると考えていることを思わせる。
SR-72推進派には「スピードがステルスの新しい定義だ」との声があり、今後登場するネットワーク化センサー装備でステルス機の生存は不可能となるとの予想がある。機体防御策がふたたび速度になるというのだ。ペンタゴンがあらゆる形の極超音速兵器に関心を寄せていることからロッキードの極超音速UAVに追加予讃措置が付く可能性もある。しかし、ステルスを中心に捉える空軍の価値観からすれば困った状況になりそうだ。■
Sébastien Roblin holds a master’s degree in conflict resolution from Georgetown University and served as a university instructor for the Peace Corps in China. He has also worked in education, editing, and refugee resettlement in France and the United States. He currently writes on security and military history for War Is Boring.

Image: Lockheed Martin.