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2018年7月17日火曜日

ドイツ空軍の惨状:ヨーロッパ最大の経済大国の軍事力がこれでいいのか


昨年あたりからドイツ軍の装備整備状況で芳しくないニュースが目立ちますが、病巣は前からあったのでしょうね。ヨーロッパの理想はいいのですが現実の脅威に対してしっかりとした対応はことばだけで力を入れていなかったのでしょう。政治の責任と言うより、耳に心地の良い話だけで満足し、現実に目をつぶってきた有権者に責任があるのでは。日本にとっても他山の石とすべきケースでは。

Germany's Air Force Is Dying a Slow Death ドイツ空軍はゆっくりと死に向かう

July 7, 2018  Topic: Security  Region: Europe  Blog Brand: The Buzz  Tags: GermanyAir ForcewarMilitaryDonald TrumpAir Force

ランプ大統領がめざす欧州各国に対する防衛負担増要求は失速する可能性がある。
ドイツの最新鋭戦闘機が飛行もままならない中で米軍が欧州から撤退すれば西側安全保障が目的の同盟関係は弱体化が避けられなくなる。
ドイツのスピーゲル誌の報道ではルフトヴァフェ・ドイツ空軍が保有するユーロファイター・タイフーン128機で大部分が飛行できない状態だという。
スピーゲルによれば作戦運用可能なのは10機しかない。ここからドイツがNATO内で防衛責任を果たせるのかとの疑問が生まれている。スピーゲルは「問題は複雑だ」と指摘している。
ユーロファイター全機は主翼上にセンサーを搭載し敵機や攻撃を探知しパイロットに警告することになっている。半年ほど前にセンサーポッド冷却が不十分と発覚した。自機防御の要といえる存在のため、この問題は作戦機材全てに波及し、運用可能機数が減った。
さらに「技術要員による不良ポッド交換には専用スペアパーツで冷却回路を密閉する必要がある。ただし、この対応は現在不可能となっている。メーカーが売却されてしまったためだ」とある。
タイフーンは初飛行が1994年で英国、ドイツ、イタリア、スペインの多国間協力で生まれた。ステルス戦闘機と言うよりは近接戦ドッグファイト戦闘機で上記四か国空軍で供用中だ。他にオーストリアは2020年に退役させるが、サウジアラビア肇湾岸数か国が発注している。
その中でドイツはタイフーンの作戦即応態勢でくるしんでいるとスピーゲルは報じる。「ルフトヴァッフェが把握する作戦可能機に自衛防御が機能しない機体も含まれている。訓練や演習ではこうした機体にダミーを主翼に搭載している。こうした機材はNATO管轄境界線近くでの空中監視活動のような現実ミッションには投入できない」とある。
報道通りならドイツには面倒な事態である。同時に米国にも問題となる。トランプ政権はヨーロッパに今より多い防衛負担を求めて米国頼みをやめさせようとしている。ヨーロッパは自らの手で防衛する必要を認識すべき時なのだ。
たしかに米軍も機材で問題を抱えている。直近ではB-1爆撃機が飛行停止となった。だがパイロットが酸素不足になるというF-22のような問題があっても別の機材多数が任務を引き継いでくれる。これに対しタイフーンはドイツ空軍力の中心だ。
ドイツはヨーロッパ経済の中心だが、長く続く軍事上の伝統の弱体化は明らかだ。もしドイツ空軍力が頼りにならないとしたらヨーロッパでだれが仕事をするのか。英国はフランスとともにヨーロッパの軍事強国だがブレグジットのため今後はヨーロッパ防衛への参画の度合いが減るはずだ。
ドイツはヨーロッパの要でありヨーロッパはロシアを抑え込む役目がある。米国にはヨーロッパ防衛から手を引くのは困難であり、たとえヨーロッパが自前の空軍力を維持できなくなってもそれは同じだ。空軍が飛ばないとヨーロッパは脅威に対応できず権益を守れなくなる。■
Michael Peck is a contributing writer for the National Interest. He can be found onTwitter and Facebook .

Image: German Eurofighter. Wikimedia Commons

2018年2月26日月曜日

F-15近代化の方向を示すカタール向け新造機から航空自衛隊にも新しい可能性が見えてきた

これは期待できるニュースです。カタール向け新造機に盛り込む新技術で旧型機の若返りが出来ればこんなにコストパフォーマンスがいい話はありません。ひょっとしたらF-15も70年間飛び続ける機体になりそうです。ただし航空自衛隊の場合は改修してこなかった機材が半分あり、こうした追加回収できる対象が最初から限られてきますので、機数が不足します。であれば、まだ生産ラインが残っているうちに発注してはいかがでしょう。ボーイングは商売がうまいですね。F-15ラインのある旧マクダネル工場の地元も一安心でしょう。ミサイルトラックを作る、という構想もひょっとしたら実現しそうです。

 

New wings on Qatar F-15s pave upgrade path for USAF カタール向けF-15の新型主翼はUSAF機材改修能方向を示す


23 FEBRUARY, 2018
SOURCE: FLIGHTGLOBAL.COM
BY: STEPHEN TRIMBLE
ORLANDO

タール発注のF-15高性能イーグルで主翼が改修され同じ改修内容が米空軍F-15Cや各国空軍で供用中の機体でも耐用年数延長に使えるとボーイングが発表した。
カタール政府はボーイングに62億ドル契約でF-15QA(カタール向け高性能版)36機を昨年12月に発注し、これでセントルイスにあるボーイング生産施設には2022年までの生産が確保された。
F-15QAには新型コックピットシステムで大型画面等これまで同社が発表した内容を盛り込んでいるとボーイングでF-15事業を担当するスティーブ・パーカー Steve Parker 副社長が述べている。
FlightGlobalの2月22日インタビューでパーカーはF-15QAの主翼が再設計され内部構造が強化されながら空力特性には影響は出ないと答えた。再設計はボーイングが最近実用化した新製造技術で可能となったという。
F-15QAが開発段階に入るとボーイングには既存F-15Cでも主翼交換の需要が期待できる。ただUSAFが同機をあと二十年程度供用すると決めた場合だ。
これまで二十年以上にわたりUSAFはF-15Cの一部を2030年代末まで稼働させる選択肢を検討してきた。その場合の縦通材交換は一機100万ドルで済むとパーカーは述べている。空軍はF-15Cをさらに延長して供用する案も検討しており、その場合は主翼交換が必要となるという。
その上の供用期間延長は今のところ「必要とされていないが、可能性はある」とパーカーは語る。「空軍には選択肢を提供したい」
その他の顧客には日本の航空自衛隊があり、やはりF-15の構造改修で退役予定を先送りしたいと考えているとパーカーは指摘している。
ボーイングは2月22日-23日開催された航空戦シンポジウム会場に仮想現実展示で導入後45年が経過したF-15で可能な改修内容を示した。そこでは「一体型技術ポッド」のコンセプトを展示し、一体型タンクの代わりにポッドとし、ここに例えば側面監視合成開口レーダーを入れる。また「アンバー」射出ラックの搭載でミサイルが22発まで搭載できる様子も見せていた。
こうした改修でF-15の再活性化が期待でき、新型ミッションコンピュータ、電子スキャン式レーダー、新型電子戦装備、フライバイワイヤ機体制御、新規兵装ステーションやエンジンもより強力なGEエイビエーションのF110-GE-129換装が考えられるという。
カタールは36機発注したが米議会は72機までを承認しているのでボーイングは追加発注も期待する。このほかにドイツの要請で機密内容の説明開示も行っており、ドイツはパナヴィア製トーネイドの後継機候補として考えているとパーカーは言う。

「イーグルを大変身させます。イーグルはまだ終わっていませんよ。明るい未来がやってきます」(パーカー)■

2018年1月13日土曜日

★ドイツ空軍トーネード後継機巡る意見対立を考える

ドイツがめざすトーネード後継機については前もお伝えしていますが、今回は任務から考えてみようというIISSの提案です。自由落下式の核爆弾運用など自殺行為にしか思えないのですが、NATOとしては自らの主張として米核戦力の一部であってもその存在そのものに意味があるのでしょうね。そして文末にあるように今や独仏でさえ戦闘機を共同開発する時代になっているのですね。

Dogfight over Berlin: Germany’s Tornado replacement aspirations

ベルリン空中戦:ドイツのトーネード後継機候補を巡る意見対立

Germany’s selection of a future combat aircraft for the air force may not be a binary choice.


ドイツの選択は二者択一にならないかも


German Tornado jet. Cedit: CARSTEN REHDER/AFP/Getty Images
By Douglas Barrie, Senior Fellow for Military Aerospace
Date: 21 December 2017


フトヴァッフェ上層部とドイツ国防省の間でトーネード後継機にヨーロッパ産米国産いずれの機材を導入すべきかで意見が分かれている。空軍側はF-35を、国防省はタイフーンをそれぞれ推す。ただし議論の出発点がまちがっている。
機種より任務で考えた方が選定の透明度が高まる。ルフトヴァッフェでトーネードは核・非核両用のペイロードを搭載する。核任務はNATOの重要な機能でトーネードはB61核爆弾を搭載する。ドイツがこの任務を続けるのであればトーネード後継機にも同機能が必要となる。
ルフトヴァッフェで運用中のユーロファイター・タイフーンは核兵器運用配線がない。この事は開発当初から認識されていたが実装されなかった。タイフーンに核爆弾投下能力を付与するのは可能だがコストがかかる。ヨーロッパ産業界は3億から5億ユーロと見ている。また米側が同機の構造・システムに細かくアクセスを求めてくる可能性もある。さらに関係者は型式証明が長くて7年かかると見る。仮に型式証明がスムーズに行ってもルフトヴァッフェ工程表ではトーネード後継機導入開始を2025年と見ており、2030年までに完全に交代させる想定なのだ。
ドイツ空軍のトーネードが核・非核両用になっていることがNATOの核抑止力の一部であり、その効力を有効にするためには十分な信頼性が必要だ。運用が自由落下式核爆弾なら戦闘航空機や高性能地対空ミサイルが候補になる。長距離スタンドオフ兵器は想定外で、低視認性戦闘機材なら目標地へ接近すしやすくなる。
ただし考え方を変えればトーネードの核・非核任務を少数のF-35とそれよりは多いタイフーンに分担させれば、空軍と国防省の対立は解消できる。前者に核運搬任務でB61-12爆弾を搭載し、通常攻撃にも低視認性を利用してあたらせる。一方でトーネードが行っている対地攻撃はタイフーンに任せる。
にもかかわらずルフトヴァッフェはトーネード後継機探し以外に、タイフーン後継機も長期的に模索することになる。次世代戦闘航空システム(FCAS)の検討作業で当初は新型戦闘航空機材の導入を2035年開始と見て対地攻撃能力を重視していたのはトーネード後継機を意識したためだ。だが考えたかが2017年に変化しF-35が支持を集めるようになった。ドイツの長期的戦闘航空機材の要求内容ではタイフーン後継機に空対空戦闘能力の実現が求められている。就役開始は2045年に先送りされている。
FCAS検討はフランスと共同作業で、就役開始時期はフランスの求めるラファール後継機の供用開始時期にあわせているが、F-35の導入コストと新型戦闘機の調達のコストで格差が拡大する傾向にある。■



This analysis originally featured on the Military Balance+, the new IISS online database that enables users in government, the armed forces and the private sector, as well as academia and the media, to make faster and better-informed decisions. The Military Balance+ allows users to customise, view, compare and download data instantly, anywhere, anytime

2017年11月9日木曜日

ドイツ空軍がF-35採用に向かう可能性濃厚へ


トーネード後継機ですから戦闘攻撃能力を重視するとしてもライトニングの機内搭載だけでは攻撃力が減りますが、やはりステルス性能を重視しているのでしょうか。F-35受注数が増えて単価が本当に下がれば各国にも朗報なのですが。生産はイタリアで行うのでしょうか。まだ正式採用ではないですが採用は決まった感じですね。ドイツ空軍のトーネードは90機ほどですからそのままなら大量発注にならないのですが。


Germany declares preference for F-35 to replace Tornado

ドイツがトーネード後継機にF-35を有力候補にあげている

トーネード後継機導入までリードタイムが短いためドイツ空軍はロッキード・マーティンF-35を有力候補にあげている。 Source: Lockheed Martin

 Gareth Jennings - IHS Jane's Defence Weekly
08 November 2017
  • ドイツ空軍は現行パナヴィア・トーネードの更新が2025年から20230年に近づく中でロッキード・マーティンF-35ライトニングII共用打撃戦闘機が「望ましい選択肢」と見ていると上層部が11月8日明らかにした。
  • チャタムハウスルールで発言した幹部はF-35はルフトヴァッフェの要求内容をほとんど満足しておりそれ以外の効果ももたらすと述べた。
  • 「トーネード後継機は第五世代機で探知されにくくする必要がある。遠距離で目標捕捉しながら迅速に照準を合わす能力も必要だ。
  • 「ドイツ国防省は数機種検討中だがF-35もそのひとつで現時点で購入可能な機体が条件で採用国が他にあること、実際に供用中であることも条件にしながら要求性能を実現するかを最重要視している」
  • ドイツはエアバスディフェンスアンドスペース(DS)とトーネード後継機を次世代戦闘航空機システム(FCAS)として検討してきたが、トーネード退役時期の2030年は動かせず、ルフトヴァッフェは既存機種採用に切り替えた。
  • 同上関係者は「時間の成約から後継機種は2025年ごろから導入しないとトーネード退役完了の2030年に間にあわない。移行期間は5年と想定している。これはあと7年先で、それまでに新型機の開発・導入が業界で可能とは思えない。ユーロファイター事例では一号機の実戦配備まで25年かかっている」と説明した。■

2016年8月7日日曜日

歴史に残る機体⑧ メッサーシュミットBf 110「駆逐機」はコンセプト陳腐化の体現


Nazi Germany's Failed Menace in the Air: The Bf 110 'Destroyer'

A smart design that quickly went out of date.
Messerschmitt Bf 110G. Wikimedia Commons/Public domain

July 29, 2016

1930年代中頃のナチ・ドイツには一つ問題があった。双発中型爆撃機ハインケルHe-111などの行動半径が1,500マイルほどであるのに対し、単発戦闘機のメッサーシュミットBf-109は400マイルの行動半径しかなかった。(大戦中に燃料増槽を付ける) 1939年以前の航空力信奉者は「爆撃機は必ず敵防空網を突破できる」と信じていたが、ドイツは爆撃機にま離陸から帰投まで護衛の必要を感じていた。

  1. 解決策がメッセーシュミットBf-110、双発戦闘機で外観は小型爆撃機そのものだった。航続距離1,500マイルを初期型で実現し、単発戦闘機より重装備で機関砲4門、機関銃4丁までを搭載し前方を射撃したほか、後部機銃一丁で背後の敵機を排除する構想だった。当時としては画期的な時速350マイルを実現したBf-110は第二次大戦初期の戦闘機の大部分より高速だった。
  2. だが戦闘機の設計ではすべてが代償なしに手に入るわけではない。燃料をそれだけ搭載するため機体は大型化し大重量となった。大型で重い機体にはエンジン二基とプロペラ二組が必要となるのでこれも重量増になった。その結果、Bf 110の重量は4トンとBf 109の二倍以上になった。
  3. この大型戦闘機は駆逐機と呼ばれ、ドイツが重視した重戦闘機の象徴となった。搭乗員はドイツ空軍でエリート扱いで1確かに939年まではその地位にふさわしかった。相手が時速230マイルのポーランド複葉機や護衛なしの英軍爆撃機だったためだ。
  4. そこにバトルオブブリテンが始まる。1940年夏までドイツ空軍は地上部隊支援がほとんどでポーランド、フランスで防備の薄い敵相手にBf 109の援護範囲で十分だった。戦略爆撃任務として英国内陸部へフランスやノルウェーから発進した。Bf 109は強力な単発戦闘機だが飛行範囲があまりにも短く、ロンドン上空で10分しか使えず基地帰還する必要があったので爆撃機は英空軍の戦闘機の餌食となった。
  5. 長距離護衛戦闘機の必要を実感したルフトヴァッフェは虎の子Bf 110 部隊を投入した。低速のポーランド複葉機相手には十分でもRAFのハリケーンやスピットファイヤ相手では優秀なBf 109でも互角だったのでBf 110には状況が全く別だった。Bf 110の航続距離と武装の代償が今回は高くつき機敏な操縦性はなく、加速も劣っていた。本来護衛するはずのハインケルやスツーカの代わりに自機の防御が精いっぱいとなり、Bf 110各機は旋回飛行でお互いの後部を守り、RAF戦闘機の攻撃を排除する空のメリーゴーラウンドを出現させた。
  6. バトルオブブリテン開始時に237機のBf 110があったが223機を喪失している。命を落としたパイロットの一人はナチ最高幹部で空軍長官のヘルマン・ゲーリングの甥ハンス・ヨハイム・ゲーリングだった。
  7. だがこれでBf 110の物語は終わりではない。北アフリカ、ロシアの各戦線では有用な対地攻撃機になった。(英国も重戦闘機ブリストル・ボーファイターを同様に使用している) 新型レーダー搭載でBf 110は夜間戦闘機に活路を見出す。護衛戦闘機なしのRAFランカスター爆撃機をドイツ上空で撃墜した。機関銃を追加し、無誘導ロケット弾も積んだBf 110はこれも護衛なしの米軍B-17やB-24をドイツ上空で1943年に撃墜しているが、制空戦闘機としてBf 110の価値はなくなっていた。
  8. これが実感させれたのは1944年で米P-51マスタングが時速450マイルで1,600マイルを飛び高度の機体操縦性を発揮したためだ。マスタングやサンダーボルトが相手ではBf 110は再び一方的に狩られる側になった。
  9. マスタングの登場は重戦闘機の破たんにもつながった。マスタングは英国製エンジンを積み速度、操縦性、航続距離すべて満たす戦闘機になった。Bf 110の重装備はなかったがそれでどうだったのか。マスタングがBf 110に空中戦で優位な立場に回っても逆は難しかった。
  10. 重戦闘機構想は今日でも見られるが、かなり薄まっている。F-15が「重量級」でF-16が「軽量」戦闘機というのは高性能だが高価格戦闘機と安価だが性能で妥協した軽戦闘機の比較となる。
  11. 航空機工学と搭載武装の変化により第二次大戦型の重戦闘機は不要になった。当時の戦闘機の武装は機関砲・機関銃のみで速度と操縦性で敵後部に回り発射位置を確保した。今日の機体ではF-35のように速度と操縦性を犠牲にしてもセンサーや空対空ミサイルで一発必撃を狙う機体が出現している。大型機には追加燃料搭載が必要だったが、空中給油機の登場で燃料を大量に積まなくても長距離飛行が可能となった。
  12. Bf 110は最初は素晴らしく思われた発想も急速に陳腐化してしまう現象の象徴だ。1930年代末のRAFがまだ複葉機を運用しているころBf 110は当時の最新鋭機で、F-22をF-86と比較するようなものだった。だがドイツの機体開発当局が機体・エンジン技術の進歩を理解できていれば、単発機で Bf 110の航続距離等を実現できていたはずだ。
  13. つまるところ「駆逐機」構想は破たんしたのである。■
Michael Peck is a contributing writer for the National Interest. He can be found on Twitter and Facebook.
Image: Messerschmitt Bf 110G. Wikimedia Commons/Public domain

2013年5月20日月曜日

グローバルホークの将来に不安材料② ドイツが導入を断念

Germany pulls plug on Euro Hawk UAV programme

By:   Michael Gubisch London
16 May 2013
Source:
.ドイツがノースロップ・グラマンのユーロホーク無人機5機の総額13億ドル購入を取り消した。民間空路と並存する形では同機の滞空証明取得は困難というのが理由だ。

ドイツ国防相が同機導入に立ちふさがる「滞空証明で困難性が大きいこと」を認め、高高度長距離飛行の実施は安全の観点から実施不可能と判断するに至ったと発言。
.
RQ-4グローバルホークの派生型として同機はミュンヘン郊外のマンシング Manching空軍基地に配備され、2011年からテスト飛行を実施していた。その結果を待ちドイツは4機を追加購入し空軍で運用する予定だった。

だが試験運用の結果同機の飛行制御システムで問題が見つかり、ノースロップは情報提供を拒みドイツ認証機関は同機の理解を深めることができなかったと国防相は発言。

ドイツ政府はこれまで730百万ドルを支出しており、うちテスト飛行だけで70百万ドルかかっている。しかし、325百万ドルで開発した偵察機材は有人機に搭載する予定だ。

なお、ドイツ政府はひきつづきUAV活用を進め、将来は偵察・攻撃用の機種を使用する予定があると付け加えている。■