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2025年2月24日月曜日

インド海軍のP75(I)潜水艦プログラムが進展(Naval News)

 Type 214NG TKMS P75(I)Rendering of a Type 214NG submarine. TKMS image.

TKMSは、同社のパートナーであるマザゴン・ドックヤード社(MDL)が、通常型潜水艦6隻で構成されるP75(I)プロジェクトへの共同入札がインド国防省により適格と認められ、現在次の評価段階に進んでいると発表した。


MDL - TKMSの入札が選定された

一方、インドの複合企業体L&TスペインのNavantiaによる競合入札は、要件を満たしていないことが判明した。この企業連合はS80潜水艦を提案していたが、「海上実証済みのAIP」が欠如していることが失格の主な理由だと伝えられている。これにより、MDL - TKMSの入札が国防省にとって唯一の選択肢となった。しかし、提案された潜水艦の種類は、両社から確認されていない。 

 以前、インドのメディアで流れた潜水艦プロジェクトP75(I)およびP75(Additional Submarine)に関するニュースをMDLは確認していた。具体的には、MDLは、MDLが提出した商業入札が国防省によって開封され、証券取引委員会への提出書類でさらに処理されることが確認された。

 別の書類では、MDLはP75(I)プロジェクトについてインド海軍との交渉は一切行われていないことを明らかにし、最近の進展に関するスケジュールを提供した。

  • 2023年8月1日、国防省への入札価格提出

  • 2024年7月26日、現地評価試験に関する連絡が成功

  • 2025年1月16日、国防省による商業入札開始

  • 2025年1月23日、2025年1月27日に開催される商業交渉の第1ラウンドへの招待状を受領。

 本誌の常連寄稿者であるアレックス・ラックは、この設計について次のように述べている。「214NG型または214I型が提案されている設計であることがわかっている。「それは212CD型の船体外板形状を反映したものになるだろう。おそらくはドイツのAIP、またはインドがDRDOから調達したいものを統合するだろう」と彼は付け加えた。

 P75(I)プロジェクトにより、インドは1980年代にドイツのHDWがMDLと提携してHDW Type 209 Class SSKを建造した原点に戻ることになる。4隻の潜水艦が建造され、現在もシシュマル級としてインド海軍で運用中だ。

 ドイツの造船会社にとってP75(I)の重要性について、アレックス・ラックは次のようにコメントしている。「TKMS社にとって、214型潜水艦の開発路線を維持することは重要な勝利であり、その点で非常に価値がある。とはいえ、インドの調達案件は長期化しがちで、管理リスクを伴う傾向がある。したがって、ドイツにとっては重要ではあるが複雑な出来事になると思う」。

 P75(I)は、技術移転と技術支援を確保し、現地調達率の目標を達成し、最終的にはインド独自の潜水艦の建造と設計を目指している。しかし、このプロジェクトは遅延しており、インドはプロジェクト76の下で、独自の国産設計によるSSKの作業を開始している。

 その間、海軍はロシアから購入した老朽化したシシュマル級とシンドゥゴシュ級潜水艦を保有しており、最近、プロジェクト75の下で、同じくMDLが製造したカルヴァリ級スコーペネ潜水艦6隻の導入により、その数を増強した。

 さらなる隻数の不足を防ぐため、インドはフランスと契約を締結し、3隻の追加スコーペネ潜水艦をMDLのNaval Groupで建造する予定だ。MDLは、P75(追加潜水艦)プロジェクトについて、商業交渉が進行中であると発表した。最近、国防省は、魚雷の統合とDRDO AIPモジュールをカルヴァリ級で結ぶ契約も締結した。



Indian Navy’s P75(I) submarine program progresses

  • Publié le 29/01/2025

  • Par Adithya Krishna Menon

  • Dans News


https://www.navalnews.com/naval-news/2025/01/indian-navys-p75i-submarine-program-progresses/


Adithya Krishna Menon

Adithya is a freelance writer based in Kerala, India. He closely follows Indian Navy modernization programs as well as broader Indian Research and Development efforts. He is also interested in naval developments in the Indian Ocean Region.


2022年10月16日日曜日

インド国産SSBNアリハントがミサイル発射に成功した。インドのめざす核抑止力戦略の大きな柱だが、規模や戦力は西側大国と異なる

 



アリハントクラスの写真は非常に少ないが、衛星画像の解析と数少ない写真から、内部の配置がある程度わかる。


INSアリハントArihantは2022年10月14日、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射に成功した



インド国防省(MoD)は声明で以下発表した。

「ミサイルは所定の距離までテストされ、非常に高い精度でベンガル湾の目標地域に衝突した。兵器システムの運用および技術的なパラメータをすべて検証できた」。

 インド国防省は、INSアリハントによるSLBM発射の成功は、乗組員の能力を証明し、インドの核抑止力の重要な要素であるSSBN計画を検証するために重要である、と付け加えている。堅牢で生存可能かつ確実な報復能力は、インドの「先制不使用」を支える「信頼できる最小限の抑止力」政策に沿ったものである。

 今回の実験で使用されたSLBMの正確な型式は明らかにされていない。K-15「Sagarika」またはK-4ミサイルである可能性がある。K-15は1000kgの弾頭を約400海里飛ばすことができる。アリハントには12基が配備可能だ。しかし、同ミサイルは暫定的な解決策と見なされている。 新型K-4はフルサイズのSLBMで、射程距離は約1,900海里で、K-15の約4倍と予想されている。

 しかし、今回事前に出たNOTAMの対象範囲が広いことから、テストミサイルはK-15の可能性が高い。


Indian SSBN INS ArihantIndian SSBN INS Arihant



INSアリハントについて

インドのアリハント級弾道ミサイル潜水艦(SSBN)ほど、写真に撮られていない潜水艦はない。一番艦のINSアリハント(S2)は2016年就役し、今年に2番艦INSアリガット(S3)が就役する予定だ。

 アリハントは、「ポケットブーマー」とも言えるユニークな設計で他の弾道ミサイル潜水艦(北朝鮮の通常動力船を除く)と比べても、はるかに小型だ。船体は短く、薄く、ミサイルサイロは4基しかない■


Indian SSBN INS Arihant Fires Submarine Launched Ballistic Missile - Naval News

 

Posted by : Xavier Vavasseur

 14 Oct 2022

 

Xavier is based in Paris, France. He holds a Bachelor’s degree in Management Information Systems and a Master of Business Administration from Florida Institute of Technology (FIT). Xavier has been covering naval defense topics for nearly a decade.


2022年9月3日土曜日

インド国産空母ヴィクラントの就役式典で首相はじめ異様な昂揚感のスピーチ。インドは新たな歴史に入った。

 

インド初の国産空母INSヴィクラントVikrantの就役式がコチン造船所で行われた(Source: https://twitter.com/ThingsNavy)




インド国防省の報道発表より


ュリ・ナレンドラ・モディShri Narendra Modi首相は2022年9月2日、コチン造船所(CSL)で初の国産空母インド海軍艦船(INS)ヴィクラントを就役させ、国産建造力の高まりを示すとともに、「Aatmanirbhar Bharat」(インド自立)への道で大きなマイルストーンとなった。式典で首相は植民地時代の残滓を取り払い、豊かなインドの海洋遺産にふさわしい新しい海軍の軍艦旗(Nishaan)も発表した。首相は、新しい海軍旗を古代インドの英雄チャトラパティ・シヴァージーに捧げた。

 式典で首相は、「ここケララ州の海岸で、すべてのインド人が新しい未来の日の出を目撃している。INSヴィクラント就役式典は、世界の地平線で上昇するインドの精神に敬意を表するものである。今日、私たちは、自由戦士たちが思い描いた、有能かつ強いインドの夢の実現を目の当たりにしている」と述べた。

 「ヴィクラントは巨大で、重厚で、広大である。ヴィクラントは単なる軍艦ではない。これは21世紀のインドの努力、才能、影響力、コミットメントの証だ。目標が遠く、旅が長く、海と挑戦が果てしなく続く中でインドの答えがヴィクランドだ。ヴィクラントは、インドの自立をユニークに映し出しているのです」。

 首相は、今日のインドに困難な挑戦はないと述べ、国民の新しい気分についてコメントした。「インドは、自国技術でここまで巨大な空母を製造できる国々に加わった。INSヴィクラントは、国に新たな自信を満たし、国に新たな自信を作り出した」と述べた。首相は、海軍、コチン造船所の技術陣、科学者、そして特にこのプロジェクトに携わった作業者の貢献を認め、賞賛した。またケララ州酒器祭日オナムという縁起の良い機会が、幸福感をさらに高めていると述べた。



就役式でスピーチをするインド首相 (Indian MoD photo)


INSヴィクラントの各部品には、長所、強みがあり、発展の旅路がある。INSヴィクラントは、国産化の可能性、国内資源、国産技術を象徴する存在だ。空軍基地に設置されている鋼鉄も、DRDOが開発し、インド企業が生産したもので、国産だ。首相は、空母の巨大さについて、「浮遊都市のようなだ。5000世帯分の電力を生産し、配線はコチンからカシに匹敵する。首相は、INSヴィクラントは、レッド・フォートの城壁から宣言した「パンク・プランの精神」体現している、と述べた。

 首相は、インド海運の伝統と海軍能力について語った。チャトラパティ ヴィール シヴァージー マハラジは、この海の力を強みに、敵を寄せ付けない海軍を築いた。イギリスがインドに来たとき、インド船舶とそれを使った貿易に威圧された。そこで彼らは、インドの海上パワーの背骨を折ることにした。当時のイギリス議会で法律を制定し、インドの船や商人に厳しい制限を課したことが歴史の証言者である、と首相は語った。

 首相は、2022年9月2日の歴史的な日に、インドは奴隷制の痕跡、奴隷制の重荷を取り払ったと指摘した。「インド海軍は、今日から新しい旗を手に入れました。今まで、インド海軍旗には奴隷制のアイデンティティが残っていました。しかし、今日から、チャトラパティ・シヴァージーに触発され、新海軍旗が海と空に翻ります」。

 首相は、ヴィクラントがインド海域を守るため出動する際には、女性隊員も多数搭乗するだろうと発言した。海の巨大な力、無限の女性の力、それは新しいインドの高尚なアイデンティティとなりつつある。今、インド海軍は、すべての部署を女性に開放することを決定した。今までの制限が取り払われようとしている。有能な波に境界線がないように、インド女子にも境界線や制限はない。



就役式でのヴィクラント (Indian MoD photo)



就役式でのヴィクラント (Indian MoD photo)



地政学的な状況変化について、インド太平洋地域とインド洋における安全保障の懸念は長く無視されてきたと首相は述べた。しかし、今日、この地域は国の主要な防衛上の優先事項となっている。そのため、海軍の予算増額から能力向上まで、あらゆる方向で取り組んでいるという。首相は、強いインドが平和で安全な世界への道を開くと述べた。

 ラクシャ・マントリ・ラジナート・シン首相は挨拶の中で、「アムリットカル」の開始にあたり、INSヴィクラントの就役を、今後25年間の国家の安全・安心を確保する政府の強い決意の証と称した。

 「INSヴィクラントは、意欲的で自立した新生インド の輝かしいシンボルだ。同艦は、国家の誇り、力、決意を象徴する。同艦の就役は、国産軍艦の建造で前例のない成果だ。インド海軍の伝統は、「古い船は死なない」である。1971年戦争で輝かしい役割を果たしたヴィクラントの姿は、私たちの自由戦士と勇敢な兵士たちへの謙虚な賛辞です」と述べた。

 また、ラジナート・シン国防大臣 Defence Minister

Shri Rajnath Singhは、世界情勢が刻々と変化する中、海上貿易が途絶えないよう国家海洋権益を確保することは、インド海軍の重要な責務であると主張した。また、インド海軍が国内外での危機に際し常に「ファースト・レスポンダー」であることを称賛し、INSヴィクラントの就役で海軍の能力がさらに向上することに自信を示した。また、インドが地域の集団安全保障上の必要性を十分に満たす能力を有していることを友好国に保証するとも述べた。「私たちは、自由で開かれた、包括的なインド太平洋を確信しています。この点での我が国の努力は、首相が構想した『SAGAR』(地域のすべての人のための安全と成長)につながります」と述べた。



ヴィクラントの甲板をインド首相が歩いた 


シン国防相は、この目的を達成するため国防省で講じている一連の措置を挙げた。Uttar Pradesh州とTamil Nadu州における防衛回廊、3つのポジティブな国産化リスト、資本調達予算の68%を国内産業に割り当てること、2020年防衛生産・輸出促進政策、FDI限度額の引き上げなどだ。また、「Make in India, Make for the World」を目指し、昨年度の4000億ドル実績を超える輸出はこのビジョンを証明するものと述べた。

 海軍参謀長R・ハリ・クマール大将Admiral R Hari Kumarは、「インド製」艦船、潜水艦、航空機、無人船舶、システムで構成され、2047年まで完全に自立し、「戦闘準備、信頼性、結束力、将来性」を有する軍にするという、「インド@100」への海軍の決意表明を行った。さらに、海軍は、首相が思い描く5つの誓約-先進国インド、卑屈さの排除、遺産への誇り、団結、任務遂行への道を進んでいく決意であると述べた。

 海軍参謀長は、INSヴィクラント艦長と乗組員に対し、36年間も国に尽くし、1971年戦争で重要な役割を果たした旧ヴィクラントの誇らしい遺産を引き継ぐよう促した。



海上公試中のINS Vikrant (Cochin Shipyard photo)


海上公試中のINS Vikrant(Indian Navy photo)



INSヴィクラントについて



勝利と勇気を意味するヴィクラントは、2005年4月に行われた鋼鉄切断儀式で基礎を固めた。国産化を推進するため、インド鉄鋼公社(SAIL)が国防研究開発研究所(DRDL)およびインド海軍と共同で、国産空母建造に必要な軍艦級鋼材の国産化に成功した。その後、艦体製作が進められ、2009年2月に起工した。2013年8月に進水し、第一期工事を終了した。

 11月20日、本艦の推進・発電設備・システムの港湾における準備状況を確認する試験(Basin Trials)が行われた。ヴィクラントは、2021年8月から今日まで、各種条件に対する船体の反応、操縦試験、主推進、発電、配電(PGD)、ナビゲーションと通信システム、推進機の耐久試験など、艦性能を確認する複数フェーズの海上公試を終了した。

洋上試運転中のヴィクラント(インド海軍撮影)

ヴィクラントは、全長262m、全幅62m、満載時重量約43000トン、設計最大速力28ノット、航続距離7500NM。約2200のコンパートメントを持ち、約1600人の乗組員の設計で、女性士官や乗員を収容する特別キャビンも備える。高度な自動化で機械操作、航行、生存に備える。

 MiG-29K戦闘機、カモフ-31、MH-60R多任務ヘリコプターに加え、国産の高性能軽ヘリコプター(ALH)、軽戦闘機(LCA)(海軍)からなる航空団30機のを運用する。同艦は、StoBAR(Short Take-Off But Arrested Recovery)と呼ばれる新しい航空機操作モードを使用し、航空機発進にはスキージャンプ、機体回収には「アレスターワイヤー」3本を備えている。

 また、最新の医療設備を備えた医療施設も備え、モジュール式手術室、緊急用モジュール式手術室、理学療法クリニック、ICU、検査室、CTスキャナ、X線装置、歯科複合施設、隔離病棟、遠隔医療施設などを備える。


ヴィクラントの仕様

  • 全長262.5m

  • 全幅61.6m

  • 前項61.6 m 

  • 最大排水量約42.800トン

  • 速力(最大/巡航) 28/18ノット

  • 飛行甲板 12.500平方メートル

  • 推進力 GT-22MWx4、DA-3MWx8

  • 航続距離 7500海里

  • 武器 SAM - 32xMRSAM、AK630 CIWS

  • 航空団 30機の航空機とヘリコプターの組み合わせ

  • 滑走路 着陸191m、長距離離陸203m、短距離離陸145m

  • ヘリ着陸地点 6

  • アレスティングギアワイヤー3 

  • SACリフト(10×14m)2 

 

Indian Navy commissions indigenous aircraft carrier "INS Vikrant" - Naval News

02 September 2022.

Tayfun Ozberk  02 Sep 2022

 

AUTHORS

 

Posted by : Tayfun Ozberk

Tayfun Ozberk is a former naval officer who is expert in Above Water Warfare especially in Littoral Waters. He has a Bachelor Degree in Computer Science. After serving the Turkish Navy for 16 years, he started writing articles for several media. Tayfun also offers analysis services on global naval strategies. He's based in Mersin, Turkey.


2022年7月31日日曜日

今週のアジア太平洋海軍関係ニュース 尖閣諸島周辺のPLAN艦艇動き、インド新空母引き渡し、ペロシ議長訪台に神経を尖らせる中共

 

 

ジャンダオ級小型フリゲート艦 (615). JSDF Photo

 

 

尖閣諸島で中国艦船の不審な動き

防衛省の発表によると、今週、人民解放軍の水路測量船3隻が日本海峡を通過し、先週はPLANコルベット艦が尖閣諸島を南下した。

 7月22日、PLANのコルベットが尖閣諸島の魚釣島から西に約50マイルを航行しているのが目撃された。その後、同艦は八重山諸島の与那国島と台湾の間を南下し、太平洋に出た。

水曜日、コルベットは魚釣島の西44マイルの地点で目撃され、北に向かって航行していた。PLAN艦はその後、東シナ海へ航行した。

 画像と艦番号から、コルベットはCNS孝感Xiaogan (615)と判明した。同リリースによると、駆逐艦「ゆうだち」(DD-103沖縄・那覇基地所属の第5航空団の海上哨戒機(P-3Cオライオン)がPLAN艦を監視した。

 尖閣諸島は日本が統治しているが、中国と台湾も領有権を主張している。日本は、尖閣諸島付近でのPLAN活動に懸念を示している。

 しかし中国は、釣魚島と呼ぶ同諸島周辺での活動は合法であると主張している。中国国防省報道官呉謙上級大佐は、木曜日の記者会見で、日本の主張は「無責任」であり、釣魚島周辺海域でのPLAN活動は合法かつ適法である、と述べた。

「日本側に、あらゆる挑発的な行動をやめ、対話と協議を通じ相違点を管理し、予期せぬ海難事故を起こさないよう求める」と述べた。

 

 また木曜日には、艦番号23と25のPLAN Shupang級水路調査船2隻が、トカラ列島の一部である横舘島の北西150マイル海域で北東に航行しているのが目撃された。その後、大隅海峡を北東に航行し、太平洋に出た。

 補給艦「おうみ」(AOE-426)、多目的支援艦「あまくさ」(AMS-4303)、海上自衛隊鹿屋航空基地所属の第1航空団P-1 MPA、第5航空団P-3CがPLAN艦を監視したと発表された。

 金曜日に、艦番号22の「シュパン」型水路調査船が対馬の西25マイルの海域を北東に移動しているのが目撃され、その後、対馬海峡を北東に進み、日本海に入った。同艦は、海上自衛隊鹿屋航空基地(九州)所属の第1航空団と厚木飛行場(本州)所属の第4航空団のP-1 MPAが監視した。

 

首脳会談でペロシ訪台を牽制

 米国では、ナンシー・ペロシ下院議員(民主党、カリフォルニア州選出)のアジア訪問を控え、台湾付近に艦船を派遣していないと、軍高官が金曜日に記者団に話し、国務省に質問が集まっている。ペロシ議長が台湾を訪問するかは不明である。

 環球時報のコラムニストHu Xijinは、米国がペロシ議長の飛行機に戦闘機を同行させれば、それは侵略とみなされるとツイートしている。中国共産党には、威嚇射撃や戦術的な妨害行動など、ペロシ機や米軍戦闘機を強制的に撃退する権利がある。効果がない場合は、撃墜してください。https://t.co/V7LhrXgXoM。

- 胡西陣 胡锡进 (@HuXijin_GT) 2022年7月29日

 環球時報記事によると、習近平国家主席は、ペロシ訪台の可能性について、ジョー・バイデン大統領に警告した。「人民の意思に逆らえず、火遊びをする者は火で滅びる」と習近平はバイデンに語ったとされる、と同記事は伝えている。

 

インド新空母引き渡し

 

INSヴィクラント  Indian Navy Photo

 

 インド海軍が、コチの造船所 Cochin Shipyard Limited (CSL)から、国産空母 Vikrant を受領した。

 全長286ヤード、45,000トンの空母で、MIG-29K戦闘機、Kamov-31、MH-60Rヘリコプター、国産Dhruv - Advanced Light Helicopters(ALH)、海軍版 Tejas Light Combat Aircraft(LCA)の30機編成航空団が運用可能とインド海軍は発表している。

 ヴィクラントは、航空機発進にスキージャンプを使用し、来月就役する。

 インドは現在、キエフ級のINS Vikramaditya (R33)を唯一の空母として運用中。木曜日、コーチン国際空港で MH-60R ヘリコプター2機がインド海軍へ引き渡された。

 同日のインド海軍リリースによると、3機目のMH-60Rは2022年8月に引き渡される。インド海軍はすでに米国で3機のMH-60Rが引き渡されており、現地でインド海軍乗員の訓練に使用されている。インドは2020年に合計24機のMH-60Rを発注し、2025年までに全機引き渡しを完了する。■

 

Chinese Ships Spotted Near Senkaku Islands, India Takes Carrier Delivery

By: Dzirhan Mahadzir

July 29, 2022 3:57 PM

https://nationalinterest.org/blog/buzz/japan-sounds-alarm-chinas-%E2%80%98intelligentized-warfare%E2%80%99-203898

USNI News reporter Heather Mongilio contributed to the reporting of this article.


2020年12月12日土曜日

インド洋への中国海軍進出にインドは非対称戦略で対抗せよとのCNASレポートを読んで

 この記事を読めば、なぜインド太平洋という呼称が使われているかがわかりますね。シンクタンクの理屈がデリーの政治家にどれだけアピールするかわかりませんが、要は中国に追随した大海軍整備に走るのは愚策ということですね。今後は日本としても国境線の地図から国益の地図に切り替えて思考していく必要があると思います。安保法制の審議時に見られた政府の足を引っ張るような議論ではなく、納得できる国益の議論が必要な時が来ていると思います。


 

 

れまで長きにわたりインド洋はインド海軍が支配し、さらにアジアでも数少ない空母航空戦力を有しているのがインドだ。

 

ただし、シンクタンク新アメリカ安全保障センター(CNAS)のレポートによれば、中国軍事力の増強がここ二十年余り続いた結果、インドの軍事力近代化並びに増強の影が薄くなっており、特に海洋面で顕著だという。1962年の中国との国境紛争をひきずるインドには痛い指摘だ。

 

人民解放軍海軍(PLAN)の中心は太平洋にあるが、最近になり中国はバングラデシュ、ミャンマー、パキスタン、スリランカと次々に港湾施設の使用権を獲得しており、海軍基地建設も始めた。すべてあわせ「真珠の首飾り」を構成しインドを包囲するねらいだ。PLANはインド洋への艦艇派遣が増えており、インドの弾道ミサイル潜水艦に脅威を与える可能性が出てきた。

 

 

 

インドは数の上ではインド洋で優位を維持しているものの、中国は着々と基礎固めをし同地区でのプレゼンスを強めてきた。

 

ここ二十年にわたり、米国はインドと事実上の同盟関係を強化し中国の台頭に対抗してきた。ただし、CNASレポートにあるように予算面の制約と調達の欠陥によりインドがPLANの艦艇、航空機双方に対抗できるとは期待できない。

 

ヒマラヤ山岳地帯での国境線確保については別稿が扱うので、本稿ではCNASレポート提言を検討し、インド海軍・空軍が無理せずインド洋で中国の台頭があっても優位性を確保する方法を見てみよう。

 

PLANの全体規模はインド海軍を上回るが、インドには域内海域の確保に役立つ利点がある。中国国内のPLAN艦艇はインド洋への移動にマラッカ海峡を通過する必要がある。スンダ海峡の利用も可能だ。

 

CNASレポートはインド海軍が12隻から18隻の短距離ディーゼル電気推進方式潜水艦部隊を両海峡に配備するよう提言。さらに大気非依存型推進潜水艦建造を提言しており、リチウムイオン電池の採用も有望とする。

 

さらに海軍原子力潜水艦による長期間作戦を太平洋で展開してPLAN艦艇の航行を妨害、遅延、寸断する提言をしている。

 

潜水艦建造を加速するため、同レポートでは計画中の原子力推進空母三号艦の中止を提言している。空母は弱小国へは兵力投射の有効な手段となるが、PLANの対艦ミサイルによる破壊を逃れるのは困難だ。

 

海洋面でのISR強化を

 

インド海軍には近隣海域を通行する艦船、潜水艦の追跡能力の強化が必要だ。情報収集監視偵察(ISR)能力の拡充が必要で、インドはP-8Iポセイドンの供用を開始しているので期待できる。

 

インド海軍は偵察機材の拡充のため、衛星、長時間滞空無人機としてMQ-4Cトライトンあるいは同等の国内開発機材の調達に走るだろう。

 

情報共有を米国と、あるいはフランスと行えばインドの海洋面の状況認識機能が高まるだろう。

 

有事となればインドISR機材に防御の必要があり、同時に電子攻撃、サイバーあるいは宇宙装備で敵のISR機材を妨害し、インド洋上の監視偵察能力を低下させる必要が生まれる。インドには関連民生部門で多彩な人材がそろっているのでCNASレポートは必要な能力を無理なく実現できると見ている。

 

非対称戦に備えるべき

 

CNASではディーゼル電気推進潜水艦以外に安価な対艦攻撃手段の整備を提言し、PLANの055型大型駆逐艦に対抗し高価な大型水上戦闘艦艇を建造し、21世紀のユトランド海戦を想定すべきではないとする。

 

安価で消耗品扱いながら重装備のステルス無人戦闘艦艇(USVs) や長距離陸上配備対艦ミサイルのブラーモス巡航ミサイルをP-8哨戒機に搭載すれば、多大な予算をかけずに残存性高く、消耗前提で対艦攻撃能力が実現するとし、反対に大型高価格水上艦艇を整備してもレーダー探知から逃れられない。

 

同盟関係の強化

 

ジャワラリアル・ネール首相が非同盟運動を冷戦時に展開したことでインドは歴史的に同盟関係に距離を置いてきた。米国との関わり方でも米国の標準では限定的にとどまっており、直近の問題を除きインドは中国との直接対決も避けてきた。

 

ただし、中国を挑発することなくインドは協力関係の深化で多くを得られる。毎年行われる多国間演習に加われば、インド軍の実力、共同作戦体制の強化を他国と深められる。

 

インドと米国は2016年取り決めで相互に軍事施設を利用することになっており、これを実現すればよい。インドのP-8Iをアンダマン諸島、ニコバル諸島にあり、米海軍がP-8をディエゴガルシア島にあるので相互に基地を交換すれば、パトロール効果が増強されよう。

 

レユニオン、マヨッテの領有でフランスはインド洋で海上情報収集能力を有する。フランスとインド両国は情報共有で恩恵を享受できる。

 

その他にも今後強化すべき相手にオーストラリア、日本、フィリピン、ヴィエトナムがある。インドから比較的近い地域の同盟国と協力することで真珠の首飾りの拡大に対抗できる。

 

インド政府の決断は?


CNASレポートの結論は防衛戦略ならびに非対称能力の整備に集中すればインド海軍は海洋面の優位性を大型艦艇建造に走ることなく確保できるとする。ただし、この選択だと核弾道ミサイル潜水艦部隊の拡充に向かい、空母部隊も増強を狙うインドの現行の政策と逆行する。

 

もちろん、インド海軍がどんな選択をして自国権益の確保に向かうか

最終決定はインドの政治家の手にあり、ワシントンの軍事アナリストではない。■

 

この記事は以下を再構成したものです。


China Is Expanding Into the Indian Ocean. What Can the Indian Navy Do About It?

December 11, 2020  Topic: Security  Region: Asia  Blog Brand: The Reboot  Tags: ChinaIndiaMilitaryIndian NavyWar

by Sebastien Roblin


 

Sébastien Roblin writes on the technical, historical and political aspects of international security and conflict for publications including The National Interest, NBC News, Forbes.com and War is Boring. He holds a Master’s degree from Georgetown University and served with the Peace Corps in China. You can follow his articles on Twitter.

This article first appeared earlier this year.

Image: Reuters