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2018年4月28日土曜日

独仏共同の哨戒機へのP-1売り込みは成功するか

思ったように成約しない日本の防衛装備ですが、商売とはそういうものでしょう。さらに実績がないのですから日本製装備にハンディがあるのは仕方ありません。しかし、P-1やC-2はニッチの製品ではないでしょうか。ましてや一国で単独開発する案件はこれから減るはずですから稀有な存在なのは明らか。そうなると政府も知恵をしぼって後押し(政府が主役になってはいけません)すべきであり、メーカーにももっとフリーハンドを与えていいのでは。企業メカニズムが動く方が効果が高いと思いますが、皆様のご意見はいかがでしょう。

Japan seeks role in French-German marine surveillance plane project - sources仏独哨戒機開発事業に日本が参画を目指している



TOKYO/BERLIN, April 25 (Reuters) - 第二次大戦後初の大型防衛装備の海外販売制約を目指し、海上哨戒機調達を狙う仏独共同案件に日本がP-1対潜哨戒機を提案している。日本政府筋二か所から確認した。
三か国政府による協議は昨年始まり、日本政府はP-1のメーカー川崎重工業にフランスのダッソーエイビエーションタレスSA両社との話し合いを求めていると内容に詳しいものの報道陣へ情報開示権限がない同上筋は明らかにしている。
「ゼロから作れば莫大な費用がかかるし仮にスペイン他が調達に動いても市場規模は小さい」と関係筋の一人が語る。
だがP-1売り込みは容易でなく、現地競争相手は多い。
エアバスはA320neo旅客機の軍用型を検討中としており、フランスのダッソーエイビエーションはファルコン8Xビジネスジェットの転用に向かう。両社は本件について論評を避けている。ボーイングもP-8Aポセイドンの売り込みを図りそうだ。
「防衛省の後押しで当社はP-1を他国に紹介してきた」と川崎重工業広報は述べる。「ただし、個別案件についてお話しできない」
防衛省は当方の照会に回答していない。
ドイツは現有哨戒機の後継機でロシア潜水艦の哨戒活動が冷戦終結後で最高水準になっていることへ対応させたいとする。
独仏国防相は今週のベルリン航空ショー会場で新型哨戒機の共同開発に関する文書に署名するとドイツ軍事筋が述べている。
ドイツ国防省の報道官は本件について論評を避けつつ、「ドイツ、フランス両国は現在存在する良好な協力関係の拡大可能性を検討中」とのみ答えている。
両国はその他共同調達や共同開発の実現を目指し、戦闘機や無人機もここに含む。またロッキード・マーティンC-130J輸送機の共同運用も実現する予定だ。

海外販売は成立するのか

安倍晋三首相は長きにわたった武器輸出禁止措置を4年前に解除している。
ただ日本製防衛装備で成約した海外販売は一件もない。各社がしのぎを削る商戦の中で日本の防衛産業はこれまで長く孤立してきた。
.2015年に英国にP-1を提案したが、採択されたのはボーイングP-8だった。2016年にはオーストラリア向け潜水艦販売案件はフランスの艦船メーカーDCNSに流れた。
欧州の防衛アナリスト、軍事筋には独仏共同選定でP-1は厳しい競争に直面するとの声が多い。なお、新型機の就役開始は2035年の設定だ。
「この時点で日本の川崎に成約できる、できないを占うのは時期尚早だ」との声が軍事筋にある。ボンバルディアイスラエル航空宇宙工業レオナルドが哨戒機商戦に参入を狙っている。
日本はフランス、ドイツ両国との防衛上の関係強化を狙いP-1をベルリン航空ショーで展示する。P-1は高高度または海面近くで高速飛行性能があり、ロッキード・マーティンP-3Cオライオンの後継機として開発された。
ドイツもオライオンを運用中だがフランスはダッソーエイビエーションが1980年代に製造したアトランティーク2(ATL2)を運用する。
P-1は日本の広大な領海を守るべく、太平洋から東シナ海まで飛行しており、後者では中国と日本が無人島をめぐり領有権を争っている。
四発の同機は胴体と主翼での亀裂やエンジン不調のため供用開始が2015年にずれこんだが、光ファイバーで飛行制御をコックピットから行う初の量産機になっている。■

(Reporting by Nobuhiro Kubo in TOKYO and Andrea Shalal in BERLIN; writing by Tim Kelly; Editing by Gerry Doyle)

2016年10月15日土曜日

★川崎C-2は軍用輸送機のすき間需要に活路を見つけられるだろうか



JAPAN AEROSPACE: Kawasaki sees unique niche for C-2 transport


12 OCTOBER, 2016
BY: GREG WALDRON
TOKYO

Wikipedia Commons
川崎重工業は航空自衛隊向けにC-2輸送機二号機を2017年に納入する。1号機は今年6月に納入し供用中と同社広報が説明。
  1. 同広報は納入予定の合計機数を明示しなかったが、防衛省から20機から40機の受注を得て、供用中のC-1の代替機材として納入できると見ている。年間生産は3ないし4機に増産できるが、防衛予算の動向次第だ。
  2. またジェネラル・エレクトリックCF6ターボファン双発のC-2は輸送任務用途で隙間需要に対応できると同広報は述べ、30トンの貨物を搭載し6,000キロを僅かに満たない距離まで輸送できるという。
  3. ボーイングがC-17生産ラインを閉鎖して、戦略輸送機の高性能機材で不足が発生している。同広報によれば数か国C-2に関心を寄せているという。川崎重工業はその中でロッキード・マーティンC-130の後継機需要に期待している。
  4. 「C-130を上回る搭載量で遠距離輸送するニーズにC-2は最適」と同広報は述べている。
  5. また民生用派生機種の開発は凍結しているという。川崎重工業は大型貨物輸送機の需要があると見ていた。
  6. だが航空貨物輸送分野各社との意見交換で現状では民間貨物輸送市場には同機価格は高すぎるとわかった。ただし今後も民間貨物輸送分野を注視していくという。■