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2022年7月1日金曜日

リムパック2022開幕。26カ国が参加する大規模演習となった。パートナー国14の派遣艦艇リストを御覧ください。

 

インドネシア海軍のフリゲート「KRI I Gusti Ngurah Rai(332)」が2022年6月26日、環太平洋地域(リムパック)2022に参加するため、ジョイントベース・パール・ハーバー・ヒッカムに到着した。U.S. Navy Photo

 

 

6月29日水曜日に開幕する環太平洋合同演習(リムパック2022)のため、14カ国から潜水艦1隻含む計21隻の米国パートナー各国の艦艇がハワイ州パールハーバー=ヒッカム共用基地に集合した。

 

 

8月4日までハワイ諸島と南カリフォーニア周辺で展開されるこの演習には、ホスト国である米国含む26カ国が参加する。

 

最も多いのは大韓民国の水上艦3隻と1隻の潜水艦で、オーストラリア海軍の3隻がそれに続く。カナダ、日本、メキシコは各2隻、チリ、フランス、インド、インドネシア、マレーシア、ニュージーランド、ペルー、フィリピン、シンガポールは各1隻を派遣した。

 

米海軍は、参加するパートナー各国の艦艇リストを公式発表していないが、参加国の海軍と国防省が過去 1 ヶ月に発表した公式ニュースから、USNI Newsは以下のリストを作成した。

 

オーストラリア

  • 上陸用ヘリコプタドック HMAS Canberra (L02)

  • フリゲート HMAS Warramunga (FFH152)

  • 補給艦HMASサプライ(A195)

カナダ

フリゲート「HMCSバンクーバー」(FFH331)、「HMCSウィニペグ」(FFH338)

チリ

フリゲート「Almirante Lynch」(FF07)

フランス

フリゲート「FS Prairial」(F731)

インド

フリゲート「INS Satpura」(F48)

インドネシア

フリゲート「KRI I Gusti Ngurah Rai」(332)

日本

  • ヘリコプタ駆逐艦「いずも」(DDH-183)

  • 駆逐艦「たかなみ」(DD-110

マレーシア

コルベット KD レキール (FSG26)

メキシコ

フリゲート ARM Juárez (POLA-101)

揚陸艦戦車 ARM Usumacinta(A412)

ニュージーランド

補給艦 HMNZS Aotearoa (A11)

ペルー

コルベット BAP Guise (CC-28) - コルベット

フィリピン

フリゲート「BRP Antonio Luna」(FF-151)

大韓民国

  • 上陸用ヘリプラットフォーム ROKS Marado (LPH-6112)

  • 駆逐艦「世宗大王」(DDG-991)、「文武大王」(DDH-976)

  • 攻撃型潜水艦「ROKSシン・ドルソク」(SS-082)

シンガポール

フリゲート「RSSイントレピッド」(69)

 

リムパック2022に関する米第3艦隊のニュースリリースによると、水上艦38隻、潜水艦4隻、9カ国の陸上部隊、航空機170機以上、約2万5千人の要員が訓練に参加するとある。

 

参加国は、オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、コロンビア、デンマーク、エクアドル、フランス、ドイツ、インド、インドネシア、イスラエル、日本、マレーシア、メキシコ、オランダ、ニュージーランド、ペルー、韓国、フィリピン、シンガポール、スリランカ、タイ、トンガ、英国、米国。この演習に艦船で参加しない国は、陸上部隊で参加し、さまざまな統合指揮幕僚グループに参加する、あるいはオブザーバーとして参加する。

 

カナダ海軍のフリゲートHMCSバンクーバー(FFH331)は、環太平洋地域(RIMPAC)2022に参加するため、6月28日にパール・ハーバー・ヒッカム共用基地に到着した。U.S. Navy Photo

 

 

オーストラリア、インド、日本、韓国の4カ国が固定翼機で参加し、うちわけはオーストラリア空軍(RAAF)のP-8ポセイドン海上哨戒機(MPA)2機、インド海軍のP-8I MPA、海上自衛隊(JMSDF)のP-1 MPA、韓国海軍(ROKN)のP-3オライオンMPAが参加する。

 

陸上部隊は以下の通り。

  • オーストラリアの上陸部隊、トンガの小隊、インドネシア海兵隊小隊、メキシコ海兵隊中隊、ニュージーランド陸軍共同火器チーム(共同端末攻撃統制官を含む)。

  • 韓国は、韓国海兵隊中隊、海軍特殊戦部隊4チーム、海軍機動建設部隊など、実質的な地上部隊を派遣する。

 

陸上自衛隊の部隊(40人)もリムパックに参加するが、日本はまだ、同部隊が演習で何をするのか明らかにしていない。

 

火曜日より、リムパックに参加する艦船が共同航海と演習活動を実施した。カナダのフリゲート「バンクーバー」と「ウィニペグ」、チリのフリゲート「アルミランテ・リンチ」、ペルーのコルベット「ギース」は、駆逐艦「マイケル・モンスール」(DDG-1001)など米海軍艦船とともに、サンディエゴからハワイまで、機動、砲撃、補給、通信訓練を含む共同航海を実施した。

 

USSエイブラハム・リンカン(CVN-72)は、リムパック開始を前に、火曜日にハワイに入港した。

 

エイブラハム・リンカン空母打撃群とオーストラリアのリムパック2022参加部隊は、先週一緒に航海した後、日本のヘリコプター駆逐艦「いずも」と駆逐艦「たかなみ」は、日曜日にUSNSヘンリー・J・カイザー(T-AO-187)と補給訓練を実施し、月曜日にはフランスのフリゲート「プレリアル」と共同訓練を実施した。■

 

RIMPAC 2022 Kicks Off in Hawaii With 21 Partner Nation Ships - USNI News

By: Dzirhan Mahadzir

June 29, 2022 4:58 PM

 


2020年8月19日水曜日

RIMPAC 2020が開幕。COVID-19のため規模縮小し、海自から いせ、あしがら が参加。


RIMPAC2020に向けハワイ真珠湾を出港するUSSエセックス(LHD-2) Aug. 10, 2020. US Navy Photo

 

 

太平洋演習が規模を縮小しハワイ沖合で本日開幕した。COVID-19のため参加国は当初の三分の一、人員は五分の一となった。

 

だが演習司令の米第三艦隊司令官スコット・コン中将はRIMPAC 2020開始のメッセージで規模は縮小されたものの太平洋を取り囲む諸国の相互運用体制の実現という演習の目標は十分実現できると述べている。

 

「当初RIMPAC 2020は三十か国の水上艦潜水艦50隻航空機200機25千名の規模で企画し、さらに陸上で4千名を支援に充てる構想だった。その通りなら史上最大規模のRIMPACになっていただろう。だが10か国22隻、潜水艦1、海上人員5,300名に縮小した」(コン中将)

 

「参加10カ国はオーストラリア、ブルネイ、カナダ、フランス、日本、ニュージーランド、韓国、フィリピン、シンガポール、米国で、これから二週間の訓練で各種の想定で運用技術を磨く。今年は海洋戦に中心を置き、対水上艦戦、対潜戦、海上阻止行動、実弾発射を展開する」

 

前回2018年は25か国45隻、潜水艦5、25千名がハワイから南カリフォーニアに至る海域に6月末から8月にかけ展開し、ロサンジェルス級潜水艦一隻から20年ぶりとなるハープーンミサイルの発射、各国海軍がテスト中の新型装備品の展示、さらに退役米海軍艦艇を実際に沈める演習(SINKEXs)を二回実施し、ここではシンガポール海軍の実弾が命中し予想より早く完了した。

 

今年は1971年の開始以来通算27回目の実施となり、2週間で完了する。陸上イベントはなく、揚陸演習もない。乗組員は演習海域到着からずっと艦内に留まり、例年のような各国人員が一緒の夕食風景も見られない。

 

SINKEXは一回のみで旧USSダーハム(チャールストン級揚陸貨物輸送艦)を実弾射撃で処分する。「各国部隊には運用技術を磨き、装備品への自信を強めるまたとない機会となる」とコン中将は記者団に文書で説明している。期間短縮で恒例の技術展示はなく、自由競技会も開催されない。後者は各国指揮官に多国籍部隊として課題を与えるものだ。

 

ただし、中国との領土問題に多数国が直面する中で最大限の参加国が集うことに意義があるとコン中将は述べている。「艦艇、人員を危機の際に集結させる能力があるうち、相互作戦体制を確立し、主要国との関係強化を図るが、幸い今は危機の真っ最中ではない。人間関係を築き、確立済みの信頼をさらに強化したい。このためRIMPAC 2020で関係者間のみならず世界に対して各国海軍部隊が一致団結して危機へ対処する決意があると示したい」

 

USNI Newsは参加国に中国の一帯一路構想で財政投資を受けるところが多い中で各国間の交流時間が減る意味についてコン中将に尋ねてみた。

 

コン中将は中国の名に触れず、以下回答してきた。「RIMPAC演習は二年おきとなっている。今回のRIMPACが終われば、次回演習の企画が始まる。招へい国も代表者を派遣し次回予定の調整にあたる。これにより各国には制服組代表同士の意思疎通、仲間意識、信頼が強まる」

 

また「RIMPACはこれまで同じ意識を共有するか国海軍が危機状況が到来しても域内安全と安定の確保のため共同作戦を展開する能力を培ってきたが、今回は海上演習のみになったRIMPAC 2020もこの点で例外ではない。ただし、残念ながらこの形での実施ではハワイ住民や演習参加国間の直接の接触はない。実はRIMPACではこの形の接触が重要な要素だ。一方でRIMPACの実施を見送れば別の不利益が生じる。海上交通の自由な流れを止めてはならず、守られなければならない。そのため我々は危機に対応する準備ができており、人為的な脅威のみならず自然災害にも対応する。RIMPACにより共同対処する能力が強化され、信頼も築かれる」

 

今回は海上行動に主軸を置き、陸上活動は中止となったため、米海軍の陸上支援要員も前回の600名が100名弱に削減された。各員はハワイへ移動したあと14日間の隔離措置を受け、さらにCOVID-19感染がないことを確認して演習に参加するとコン中将は説明。

 

さらに演習中も艦内でCOVID-19テストの準備ができているという。演習参加艦艇には医療室の整った艦もあるが、事態が進展し医療室の処理能力を超えた場合は、ハワイの軍施設へ搬送する。各艦艇はパールハーバー-ヒッカム共用基地で燃料糧食を補給するが、乗組員は艦を離れず、港湾関係者と接触しない。

 

「RIMPAC開催中は地元との接触は一切ない。しかしながらハワイ州民のみならず米国含む各国乗組員の安全健康の確保のため全力を尽くす」(コン中将)

今年の参加艦艇は以下の通り。

 

Australia

  • HMAS Hobart (DDG 39)

  • HMAS Arunta (FFH 151)

  • HMAS Stuart (FFH 153)

  • HMAS Sirius (O 266)

Brunei

  • KDB Darulehsan (OPV 07)

Canada

  • HMCS Regina (FFH 334)

  • HMCS Winnipeg (FFH 338)

France

  • FS Bougainville (A622)

Japan

  • JS Ashigara (DDG 178)

  • JS Ise (DDH 182)

New Zealand

  • HMNZS Manawanui (A09)

Republic of Korea

  • ROKS Seoae Ryu Seong-Ryong (DDG 993)

  • ROKS Chungmugong Yi Sun-Sin (DDH 975)

Republic of the Philippines

  • BRP Jose Rizal (FF 150)

Singapore

  • RSS Supreme (FFG 73)

USA

  • USS Essex (LHD-2)

  • USS Lake Erie (CG-70)

  • USS Chung Hoon (DDG-93)

  • USS Dewey (DDG-105)

  • USCGC Munro (WMSL-755)

  • UNSN Henry J. Kaiser (T-AO-187)

  • USNS Sioux (T-ATF-171)

  • USS Jefferson City (SSN-759)



この記事は以下を再構成したものです。


Scaled-Back, At-Sea RIMPAC 2020 Exercise Kicks Off Near Hawaii

By: Megan Eckstein

August 17, 2020 10:48 PM • Updated: August 18, 2020 10:38 AM


2018年7月16日月曜日

今回もリムパック演習にスパイ艦を派遣した中国

中国の身勝手な主張が次第に追い詰められていく展開になりそうです。既存秩序を乱そうとする新興勢力がどこまでなら許されるのか、どの段階で既存勢力の枠内に組み込まれるのでしょうか。習近平の中国は秩序破壊を公然と発言していますのでこのままでは米主導の体制との衝突は必至です。先ごろ台湾海峡を久しぶりに米駆逐艦が通行しましたが、中国は今のところ冷静なようです。今後、お互いに探り合いのような状況になるのでしょうか。広大な太平洋をめぐりパワーゲームが続きそうですね。では日本はどうするべきでしょうか。


Navy: Chinese Spy Ship Monitoring RIMPAC Exercise, Again 中国スパイ艦がリムパック演習を今回も監視中

July 13, 2018 2:52 PM • Updated: July 14, 2018 6:00 PM

中国AGI所属の東調級情報収集艦天王星Tianwangxing (853). 撮影時期不詳

国の情報収集艦一隻がハワイ沖合で米国主導のリムパック演習を監視中と米海軍関係者が13日金曜日にUSNI Newsに確認してくれた。

人民解放軍海軍(PLAN)の補助情報総局(AGI)所属の同艦はハワイ沖合の排他的経済水域(EEZ)で7月11日から活動中と米太平洋艦隊報道官チャーリー・ブラウン大佐がUSNI Newsに同日伝えている。

「同艦は米領海外に留まりリムパック演習の妨害はしないと予測している」「機密情報保護に考えられる対策すべてをとっている。同艦による演習への影響は出ていない」(ブラウン大佐)

同艦の存在を真っ先に伝えたのは木曜日のホノルル・スター-アドヴァタイザー紙だった。

「演習不参加国の艦船がいて演習が妨害されたらとても残念だ」とチリ海軍パブロ・ニーマン准将が同紙に語っていた。「船乗りたるものすべてプロとして行動してもらいたいものであり、こちらは今取り掛かっている仕事に専念し協調精神を育み演習の目的を達成したい」

オーストラリア報道ではオーストラリア海軍艦船がリムパックに向かう途中で中国AGIが追尾してきたという。追跡したのが今回ハワイ沖合に活動中の艦船と同一かは不明。

USNI Newsはハワイ沖合のAGI艦船は2014年のリムパックにも出現した東調Dongdiao級と見ている。2016年演習ではロシアの情報当局がハワイEEZから演習を監視していた。

PLANは今年のリムパックに招待をされず、AGIが現地に加わることは予想されていた。

2014年、2016年とつづけて米国は演習水域近くで中国、ロシア艦船を探知し、国連海洋法条約の枠内で活動していることを把握していた。

「当方は今後も航行および上空飛行の自由原則を堅持し国際法に従っていく」とブラウン大佐はUSNI Newsに語った。
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ハワイ沖に留まる中国艦は逆に米海軍のプレゼンスを中国本土近くに展開することを正当化する効果を生むと米海軍大学校教授のアンドリュー・エリクソンがUSNI Newsに述べている。

「米国は中国に自分勝手な行動を許すべきではない。北京政府が何と言おうと、何をしようと、米軍は今後も国際法が許す範囲でいかなる場所でも作戦行動を続けていくべきだ。当然、南シナ海の水上、水中、上空を含み、世界の海洋コモンズで重要で地中海の1.5倍の広さがある現地で、いかなる国も一方的に領有宣言し他国のアクセスを制限する行動は許されてはならない」■

2017年6月2日金曜日

米海軍:中国は次回リムパックも招へい対象


中国が来年どうなっているかもわかりませんが、招へいには素直に応じるでしょう。ただし、その際は前回、海上自衛隊にあからさまな無礼を働いたことを再発させないようシーマンシップを発揮してもらいたいものです。それができなければやはり中国は異質な存在のままになるでしょう。

China among invitees to major US exercise 

米大規模海軍演習に中国も招へい対象

 By: Christopher P. Cavas, May 29, 2017 (Photo Credit: MC3 David Cox/U.S. Navy)

WASHINGTON — 米国が来年主催する環太平洋合同演習(リムパック)に中国が再度招へいされると米海軍が5月29日認めた。
  1. 「リムパック2016の参加26カ国はすべてリムパック2018に招かれる」と米第三艦隊(サンディエゴ)の広報官ライアン・ぺリー中佐は述べている。
  2. ペンタゴンは6月にサンディエゴで開かれる準備会合に中国も招くとライアン中佐は確認し、議会が定めた軍組織間、海軍間の中国との付き合い方のガイドラインを遵守していると述べている。準備会合はその後も二回予定され、中国招へいは都度承認が必要になるとライアン中佐は付け加えた。
  3. リムパックは隔年開催の世界最大の海軍演習の触れ込みでハワイ真珠湾を中心に展開される。米太平洋艦隊が主催し第三艦隊がホストとなり会期は数週間にわたり、海上での各種シナリオ演習の前に社交、競技イベントもある。
  4. 2016年に参加したのはオーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、コロンビア、デンマーク、フランス、ドイツ、インド、インドネシア、イタリア、日本、マレーシア、メキシコ、オランダ、ニュージーランド、ノルウェイ、中国、ペルー、韓国、フィリピン、シンガポール、タイ、トンガ、英国の各国が米国に加わっている。第三艦隊によれば水上艦45隻、潜水艦5隻、航空機200、25千名が参加した。
  5. 中国が招へいに応じれば2018年は中国人民解放軍海軍(PLAN)がリムパックに三回連続参加することになる。2016年にはPLAN艦艇5隻が参加した。駆逐艦、フリゲート艦、潜水艦救難艦、測量艦、病院艦各一だ。2014年には参加した4隻とは別に情報収集艦が演習に付きまとっていたが同艦はリムパックに正式に参加した艦ではなかった。
  6. ロシアはリムパック参加は2012年の一回にとどまっている。ロシアはその後招へい対象から外されており、情報収集艦と駆逐艦が2014年、2016年それぞれ演習を監視していた。
  7. 2018年演習の正式日程は今後の準備会合で決まるとペリー中佐は説明。
  8. 2018年演習ではチリが脚光を集めるとペリー中佐は解説。チリが各国混成群の指揮官を初めて務めるためだという。
  9. 米中関係はここにきて一歩前進一歩後退の様相を呈しているが米国は北朝鮮の核ミサイル脅威の抑え込みで米国が中国の支援に期待している。5月24日には米駆逐艦デューイが南シナ海ミスチーフ礁付近を航行し中国の神経を逆なでしている。その後、中国機が米哨戒偵察機に危険なほど接近する事案が少なくとも二回発生している。■

2016年7月26日火曜日

★★リムパックで中国が海上自衛隊を慣例に反し冷遇していた

人民解放軍は党の軍であり国軍ではありません。政治的に思考行動する組織だとまた証明されましたね。

うーん、この報道も国内には見当たりませんね。シーマンシップという常識は中国にはないのか、解放軍自体に問題があるのか、中国人の思考自体に問題がありそうですね。にしても日本が叩きやすい相手と見られているのは心外ですね。大中国に小日本ですか。海のプロの世界では例外と思っていたのですが、建前でしか行動できないのが中国海軍だとするとこれからのつきあい方も考えたほうがいいと思いつつ、日本は国としての矜持、徳性を維持すべきでしょう。皆さんはどうお思いですか。

Chinese RIMPAC Delegation Snubs Japanese Sailors

July 25, 2016 6:28 PM

Chinese sailors aboard the People's Liberation Army Navy destroyer Xi'an pose on the flight deck in route to RIMPAC 2016 after crossing the International Dateline. Xinhua Photo
日付変更線通過を祝う逐艦西安艦上の中国海軍隊員。同艦はリムパック2016に
参加Xinhua Photo



リムオブザ・パシフィック演習に参加中の中国海軍が艦内視察を海上自衛隊に拒否したうえ、艦上レセプションには嫌々ながら海自関係者を招待したことをUSNI Newsが把握した。
  1. 複数筋によると参加各国が停泊中にレセプションが催す中、7月2日の日本主催レセプションを中国が欠席した。さらにPLANは当初は海自代表を自国レセプションに招待せず、米側から公表され慌てて招待した。
  2. 米太平洋艦隊司令官スコット・スイフト大将と第三艦隊司令官ノラ・タイソン中将は各国が共同作業に加わることがリムパック成功の鍵と強調しており、両提督は7月5日の演習初日の訓示でもこの点に触れている。

Adm. Scott Swift, Commander, U.S. Pacific Fleet, addresses attendees during a news conference at Joint Base Pearl Harbor-Hickam, Hawaii at Rim of the Pacific 2016 on July 5, 2016. US Navy Photo
スコット・スイフト太平洋艦隊司令官が報道陣にパールハーバー共用基地で答えている。2016年7月5日。 US Navy Photo

  1. 海上自衛隊の隊員が中国艦の公開日に視察しようとしたがPLANに拒否されたとUSNI Newsは複数筋から把握した。
  2. 中国は初めて招聘されたリムパック2014を知る関係者は前回はレセプションや公開日で立ち入り制限は一切なかったとUSNI Newsに語っている。

Vice Adm. Nora W. Tyson, Commander, U.S. 3rd Fleet, and Rear Admiral Koji Manabe, Commander, Escort Flotilla 3, prepare to break a traditional Japanese sake drum in the hangar bay of Japan Maritime Self-Defense Force destroyer helicopter ship JS Hyuga (DDH 181) during a reception for Rim of the Pacific 2016 on July 2, 2016. U.S. Navy Photo
ノラ・W・タイソン中将(第三艦隊司令官)と眞鍋 浩司海将補(第三護衛隊群司令)が日本伝統の鏡開きに臨む。海上自衛隊ヘリコプター駆逐艦JSひゅうがのヘリ格納庫内で開かれたレセプションの席上。2016年7月2日。
U.S. Navy Photo

  1. 二年おきに開催のリムパック演習は20余ヶ国の海軍関係者が一同に会し、各国主催艦上レセプションで親交を深め各国理解を深める機会でもある。レセプションは海上演習開始前に開かれる。
  2. 前回までのリムパックに参加経験のある海軍関係者からはライバル意識が韓国や日本にあるとしても社交行事ではしばし忘れられるものだとUSNI Newsに指摘している。
  3. 中国がリムパックで示したあからさまな日本冷遇は中国政府の外交姿勢の反映と各筋は見ている。
  4. 「中国側は他国を冷たくあしらうことで自国待遇への不快感不満感を表しているのだろう」とマイケル・フックス前国務副次官補がUSNI Newsに25日語っている。「中国にとって日本は格好の標的だ」
  5. 軍組織同士の交流でも中国が政府首脳の政治感情でいきなり予定を変更するのはよくあることとジェイムズ・ホームズ海軍大学校教授もUSNI Newsに語っている。

Sailors on the PLAN guided missile frigate Hengshui hoist the Chinese Flag after arriving at the Joint Base Pearl Harbor Hickam to participate in the multinational military exercise RIMPAC in Honolulu, Hawaii, on June 29, 2016. Xinhua Photo
PLAN 誘導ミサイルフリゲート艦衡水が共用基地パールハーバーに到着後
中国国旗を掲揚している。同艦はリムパック参加のためハワイに7月29日到着。 
Xinhua Photo

  1. 米国でも台湾向け武器販売を理由に中国が軍事交流を中断したことがあり、米空母の香港寄港が予告なしに取り消されている。
  2. 「こちら側が軍交流が大切だと示したのは過ちで、あちら側は軍交流行事を中止しこちら側に不快感を覚えていると意思表示して一撃を加えたつもりになのでしょう」(ホームズ)
  3. ステニス空母打撃群の香港寄港をいきなり拒否してきた今年5月の直前には南シナ海でアシュ・カーター国防長官が乗艦している。
  4. 2013年には中国は誘導ミサイル駆逐艦青島をオーストラリア国際観艦式に週末だけ参加させ、他国艦艇がその後数日間寄港したのと対照的だったとホームズはThe Diplomatに寄稿している。シドニー港で青島乗員は艦内にとどまり、一般公開はなかったという。
  5. ホームズはハワイ港内の態度とは違い、中国政府は演習参加を評価しているという。「南シナ海問題の展開を考えると中国が軍同士の交流を中止しなかったのは驚くべきことだ」
  6. リムパックは8月4日までの会期で「27カ国、艦艇45隻、航空機200機以上、25千人」の規模だと米海軍は説明。■


2016年7月7日木曜日

リムパックにロシアスパイ艦がまとわりつく。中国は今のところ動きなし。


 Russian Spy Ship Now Off Hawaii, U.S. Navy Protecting ‘Critical Information’

By: Sam LaGrone
July 6, 2016 2:42 PMUpdated: July 6, 2016 6:16 PM

Undated photo of Russian spy ship Pribaltika (SSV-80) with its old hull number CCB-80. Sources confirmed the ship is operating off the coast of Hawaii.
ロシアスパイ艦プリバルティカ(SSV-80) 撮影日時不詳。複数筋から同艦がハワイ沖に展開中であると判明した。


ハワイ沖合にロシアのスパイ艦一隻が到着しておりRim of the Pacific 2016演習を監視する動きを示している
  1. ロシア海軍バルザム級「汎用情報収集艦がハワイ沖公海に最近到着し、リムパック演習の開始を待っている」と太平洋艦隊広報官クリント・ラムズデン大尉がUSNI Newsに今週述べた。「同艦がいても演習実施には影響なく、当方はすべての対策で機微情報を守っている」
  2. 冷戦時にロシアスパイ艦が米沿岸沖合で演習の通信傍受をすることはよくあったが、最近までロシアは監視活動が低迷していた。
  3. 「以前はスパイ艦が定期的に出動しこちらも洋上で遭遇することがありましたが、きわめて安全かつプロ意識豊富に動いているのがわかりましたよ。通信傍受が主な任務だったようです」とブライアン・クラーク(戦略予算評価センターで海軍関係研究員)は海軍作戦部長付補佐官当時を回顧している。
  4. 2014年にロシアがクリミア地方をウクライナから奪ったことを受けロシア海軍の活動が冷戦終結後では見られなかった活発さを取り戻した。
  5. リムパックには25カ国50隻、航空機200機、人員25千名が参加することからロシアが傍受にいそしむのは理解できるとクラークは述べた。「異様な感じがするのはしばらくあちらが活動していなかったからです」
  6. 米海軍は同艦の詳細情報を明らかにしなかったが、USNI Newsの求めに応じた専門家は同艦はプロジェクト1826バルザム級のプリバルティカ(SSV-80)でロシア太平洋艦隊所属で母港はウラジオストックと推察している。
  7. リムパック演習での通信傍受やレーダー波など電子信号を集める情報集活動にプリバルティカを派遣されたのだろうとクリス・カールソン退役海軍大佐は解説してくれた。「プリバルティカは大型で長距離航行に耐える設計でハワイには2004年にも来ており、今回もロシアが送り込んだことに意味があります」
  8. ロシアにはさらに新型の汎用情報収集艦もあるが、「新型ユーリ・イワノフ級(プロジェクト18280)情報収集艦があと数年で就役する前に旧型になるバルザム級で米海軍はじめ各国が参加する海軍演習の監視をするのがいいと判断したのでしょう」とエリック・ワーザイム(米海軍協会編世界の戦闘艦隊の著者)は見解をUSNI Newsに語っている。
  9. 2014年のリムパックでは中国人民解放軍海軍が招かれざるスパイ艦一隻を送り、演習を監視した。中国はこれとは別に四隻の艦船を米国が招へいする形で演習に参加させていた。そのためこのスパイ艦を中国が派遣したことは各国で関心を集め、中国は苦しい説明を迫られた。
  10. 今回のリムパックでは中国は招へい対象の5隻以外にスパイ艦を送り込む兆候は見られないと複数筋が語っている。■