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2026年7月5日日曜日

英国の国防投資計画で示された英軍の将来像を詳しく見る:無人装備を重視する野心的な計画だが、技術成熟度以上に財務負担能力が今後問われそうだ

 

英軍はドローンへの大規模投資の代わりに新型駆逐艦を断念

UK Sacrifices Its Future Destroyer As Part Of Massive Bet On Drones Across Its Forces


野心的な改革で陸・海・空における将来の英国軍の作戦の中核に無人プラットフォームが位置づけられる

66億ドルを超える規模で、将来の英国軍では無人システムが中心装備となる。このイニシアチブは、陸・海・空3軍すべてと、戦闘様式の変革を目指すものだ。最も劇的なのは、この新たな防衛計画により、英海軍の将来の駆逐艦が「ハイブリッド」かつ分散コンセプト実現のため犠牲にされ、海軍は自律艦艇と有人艦艇を組み合わせることになる点だ。しかし、英国陸軍と王立空軍(RAF)を無人・自律能力を中心に再構築するのとあわせ広範囲の措置も予定されているものの、一部は開発が¥進行中、あるいは初期段階にあるため、非常に高いリスクを伴うものもある。

本日の演説で、英国のキア・スターマー首相は、政府の防衛投資計画明らかにした。政府によれば、この計画の目的は「今後長年にわたり国の安全を守る」ことに他ならない。そのために、英軍は自律システムに大きく依存することになる。少なくとも現時点で我々が知る限り、これらのシステムのほとんどは実体として存在していない。同時に、この取り組みでは能力の迅速な実戦配備が強調されている。これは、この計画がいかに野心的であり、かつリスクが高いかを如実に示している。

「防衛投資計画」では、ドローンおよび関連能力だけで、4年間で50億ポンド(66億ドル)以上の予算が計上されている。これは、同期間に2,980億ポンド(3,950億ドル)に上る、はるかに大規模な防衛総支出の一部である。この金額には、昨年の「支出見直し(Spending Review)」に加えて150億ポンド(200億ドル)の追加支出も含まれている。

スターマー首相は、20年代の終わりまでに、英国のGDPに占める防衛費の割合は過去30年間で最高水準に達し、GDPの3.5%という水準を目指すNATOの目標に沿ったものになると主張した。

政府は、「ドローンによる変革」の必要性を裏付ける証拠として、特にウクライナとイランでの紛争を挙げている。

「ドローンは戦争の様相を急速に変えつつあり、安価なシステムが高価値な標的を破壊し、イノベーションのサイクルは年単位ではなく週単位で測定されるようになっている」と、政府は計画を発表する際に述べた。「ウクライナは、ロシアの野蛮な侵攻から身を守るために、月に約20万機のドローンを使用している。一方、イラン紛争の最盛期には、1日あたり700機の攻撃用ドローンが発射されていた」と付け加えている。

イギリス海軍

予測される変化ではイギリス海軍が最も注目を集めている。

いわゆる「ハイブリッド海軍」を創設するという以前発表された計画の一環として、同海軍は、有人軍艦や航空機と連携して運用される4種類の新型無人艦艇を導入する予定だ。

これらの新型艦艇のうち、タイプ91は無人のミサイルプラットフォームとなり、艦隊全体の火力を増強するための「浮遊弾薬庫」の役割を果たす。防空、長距離対地攻撃、対艦ミサイル能力を組み合わせたものになると見られるが、武装構成は容易に変更可能で、高度にモジュール化されるだろう。紅海での紛争で得られた教訓は、激しい航空戦環境下において、ミサイル弾薬類がいかに急速に枯渇し得るかを劇的に示した。

同じく無人のタイプ92艦は「センシング・プラットフォーム」と称され、主たる任務として対潜戦(ASW)を担う。これにより、英海軍のセンサーの探知範囲が北大西洋のさらに奥深くまで拡大されることになり、同海域においてタイプ92は以前に発注されたフリゲート艦を支援し、ロシア潜水艦の捜索にあたることになる。

タイプ93は超大型の無人潜水艇と定義されており、有人ハンター・キラー型潜水艦の補助として運用されることを意図している。同型艇は、敵潜水艦の捜索・撃破を支援するため、センサーと兵器(おそらく魚雷)の両方を搭載する。これは、運用可能な艦艇数が限られているため、高速攻撃型潜水艦部隊に著しい不足が生じており、英国海軍が特に苦戦している分野である。

最後に、タイプ94も無人偵察プラットフォームだが、防空任務に特化し最適化されている。この艦は、艦隊に代わって、また国土防衛任務を支援するために、センサーを用いて空からの脅威を捜索する。

タイプ91とタイプ94は、最終的には少なくとも6隻の「共通戦闘艦(Common Combat Vessels)」による連携・ネットワーク化された海上防空システムを構成することになる。2030年代に就役する有人「共通戦闘艦」は、このアーキテクチャの「頭脳」としての役割を果たし、システム全体としては、現在タイプ45駆逐艦が担っている防空任務を最終的に引き継ぐことになる。

この海上防空システムと、概ねフリゲート級の艦艇と見られている「共通戦闘艦」は、新型タイプ83駆逐艦に関する以前の計画に取って代わるものである。83型駆逐艦は当初、2030年代後半にタイプ45駆逐艦の後継となる予定だったが、ここしばらくの間、海軍本部がタイプ91のような「アーセナルシップ」構想への関心を強めていることから、その将来は危ぶまれていた。

英国防省は、前回の戦略防衛見直しにおいて、「ハイブリッド空母航空団」を次のように紹介した:

「王立海軍は、自律性とデジタル統合を活用する装備および兵器の『ハイ・ロー』ミックスを開発し、強力でありながら低コストかつシンプルな艦隊へと引き続き移行していく。空母打撃群はすでにNATOの能力において最先端に位置しているが、『ハイブリッド』空母航空団への進化においては、はるかに迅速な進展が求められる。そこでは、有人戦闘機(F-35B)が、空中の自律型協調プラットフォームや、消耗型の使い捨てドローンに補完される。ハイブリッド空母航空団の計画には、空母甲板から発射可能な長距離精密誘導ミサイルも含まれるべきである。」

現時点では甲板発射型長距離精密ミサイルについてこれ以上の言及はないが、防衛投資計画では、「プロジェクト・パンテオン」がハイブリッド空母航空団の開発プロジェクトとして機能し、F-35Bと並行して、名称未公表のジェット推進型ドローンの試験も含まれることが明記されている。

具体的に言及はされていないものの、英国海軍はすでに、英国の空母における「キャット・アンド・トラップ」方式のドローン運用に向けた構想を明らかにしており、これは「プロジェクト・アーク・ロイヤル」として知られている。

この計画が実現すれば、2隻のクイーン・エリザベス空母は、多様な任務を遂行できるドローン運用を開始し、その後、より大型で、複雑で、高性能なドローンの運用へと段階的に移行していくことになる。将来的には、過去に検討した通り、完全なカタパルト補助離陸・トラップ着艦(CATOBAR)能力により、有人固定翼機も追加される可能性がある。

大型の固定翼ドローンの導入は、英国海軍がすでに「プロジェクト・ヴィクセン」の下で取り組んでいる目標であり、詳細はこちらでご覧いただける。

過去に論じた通り、英国海軍が空母対応ドローンの導入を目指す上で、多くの技術的課題が待ち受けている。発進・回収システムに加え、例えばドローンを空母航空団に安全かつ効果的に統合するためには、管制ステーション、データリンク、独自の運用手順など、さらに多くのものを開発する必要がある。有人固定翼ジェット機やヘリコプターとドローンを組み合わせた際の、甲板上の取り扱いや運用フローの統合といった複雑な課題を解決するだけでも、相当な労力を要するだろう。

「プロジェクト・パンテオン」は、これらすべてを前進させるものとなるだろうが、このプログラムで採用されるジェット推進型ドローンのサイズについては明らかにされていない点に留意すべきである。すでに英国海軍は、より小型のジェット推進型ドローンを用いた試験を実施しており、2021年には、標的ドローンとして最もよく知られるQinetiQ社の「バンシー・ジェット80+」がHMSプリンス・オブ・ウェールズから発進した。「バンシー」でさえ、迅速に投入可能なデコイや片道攻撃用弾薬の適切なプラットフォームとなり得る。

HMSプリンス・オブ・ウェールズの飛行甲板上の「バンシー・ジェット80+」ドローン。Crown Copyright

英国海軍のエリート水陸両用・特殊作戦対応軽歩兵部隊である「コマンド部隊」に対しても、「新型高速艇や最新のドローン・自律技術」を含むさらなる投資が予定されている。

それほど驚きではなかったのは、英国の核抑止力を強化するという政府の公約である。これには、今後4年間で630億ポンド(830億ドル)以上を割り当て、4隻のドレッドノート弾道ミサイル潜水艦とSSN-AUKUS原子力攻撃型潜水艦、および英国のトライデント潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)用の新型弾頭の資金を賄うことが含まれている。

英国陸軍

次に英国陸軍だが、同軍は「低コストの消耗型自律システムおよびロータリング弾薬」への投資拡大の恩恵を受けることになる。これには、今後12ヶ月間にわたり陸軍の「ラップストーン(Rapstone)」プログラムに約6,600万ドルの追加資金が投入されることが含まれており、これによりファーストパーソンビュー(FPV)および迎撃ドローンの追加導入費用が賄われる。

Pictured: PUMA AE 2 Drone, a Fixed Wing UAV is launched during a tactical training exercise by a 32 REGT Gunner, while another soldier fly’s the device with a laptop and controller. The Puma is just over 4½ft long, with a wingspan of 9ft, and is designed to fly for up to two hours carrying out reconnaissance and intelligence gathering missions over sea or land. The drone can monitor an area larger than the size of Greater Manchester during its flights, feeding back real-time footage to help soldiers make accurate tactical decisions. Personnel from the Royal Artillery, test a suite of cutting-edge equipment at Sennybridge training area, including a digital communications hub that allows observation posts, HQs and joint fires cell to receive and see the same information feeds simultaneously and talk directly to strike assets including heavy artillery, rockets, mortars and aircraft. Interactive on-screen graphics with integrated ISTAR functionality at all levels allows for agile offensive and defensive manoeuvres. The live data feed can include outputs from sonic and radar artillery monitors such as Mamba, LCMR and ASP as well as video, stills and infra-red images from drones.

戦術訓練演習中に、英国陸軍の「プーマAE 2」ドローンが打ち上げられる一方、別の兵士がノートパソコンとコントローラーで同機を操縦している。Crown Copyright Graeme Main

英国陸軍は、名称未定の新型無人地上車両(UGV)プログラムを開始し、英国の産業界を通じて、無人車両および関連する任務システムを迅速に開発・生産する。

空中戦においては、「プロジェクト・ニクス」により、英国陸軍に最大24機の自律型武装ドローンが配備される。これらは、同軍が最近アップグレードしたアパッチ攻撃ヘリコプターと、有人・無人チーム編成で運用される。2030年までの運用開始が計画されているこれらのドローンは、偵察、精密攻撃、電子戦に対応する装備が施される。

最後に、「プロジェクト・コルバス」の下で、最大24機の監視ドローンが、英国陸軍のトラブルの絶えなかった「ウォッチキーパー」ドローンシステムに取って代わり、情報・監視・目標捕捉・偵察(ISTAR)任務を遂行する予定だ。

王立空軍

王立空軍に関する注目すべき発表は他の軍種に比べて少ないが、同空軍は今後4年間でグローバル・コンバット・エア・プログラム(GCAP)に約106億ドルの予算を確保している。これにより、日本やイタリアと連携して、王立空軍向けの次世代ステルス戦闘機開発に向けた取り組みが推進されることになるだろう。

さらに国防投資計画では「新たな国家レベルの『協働戦闘航空(Collaborative Combat Air)』プログラム」に言及があり、これはこれまでの様々な「忠実なるウィングマン」型プログラムに取って代わるものと思われる。この協働戦闘航空プログラムは、「有人戦闘機と並んで飛行する新しい自律型戦闘機」の開発を目的としており、実証機は遅くとも2030年までに飛行を開始する見込みである。

核抑止力予算の一環で、英空軍は、米国が保有するB61-12戦術核爆弾を装備したF-35Aを12機受け取り、NATO核任務に参加できるようになる。

最後に、「ストーム・シュラウド(Storm Shroud)」システムにより、英国空軍は今年運用を開始する新型無人電子戦ドローンを導入する。「ストーム・シュラウド」はすでに演習で試験運用されており、レオナルド製の「ブライトストーム(BriteStorm)」スタンドイン・ジャマーを搭載している。

ACP Drone event MoD Boscombe Down

国防省ボスコム・ダウンでの試験中の「ストーム・シュラウド」ドローン。Crown Copyright AS1 リア・ジョーンズ

陸海空3軍すべてが、弾薬および兵器の備蓄増強に向けた取り組みの恩恵を受けることになる。これは、ウクライナへの供与や中東での紛争による備蓄の減少によって浮き彫りになった、軍全体にとって高まる懸念事項である。

英国は、長距離攻撃兵器、低コストの巡航ミサイル、ワンウェイ・エフェクターなどを含め、国内備蓄を増やすために110億ポンド(145億ドル)を投じる。おそらく、こうした取り組みの多くは、もともとウクライナに英国製兵器を供給するために開始された個別のプロジェクトによって推進されることになるだろう。2030年までに、国内の弾薬生産能力を全体的に増強する一環として、少なくとも6つの新しい火薬工場を建設する計画がある。

あまり注目されていないのは、英国軍が一部分野で直面することになる削減である。

政府は、ストーム・シャドウ空対地巡航ミサイルを段階的に廃止すると表明しており、多くはすでにウクライナへ移管されている。計画書には「次世代の低コスト巡航ミサイルへと軸足を移している」と記されているが、詳細については明かされていない。

また、30機以上のワイルドキャットおよび最古型(Mk 6A型)のチヌークヘリコプター、さらに衛星通信システムのアップグレード計画も削減対象となっている。

ドローンを軸とした防衛計画

ドローンを最前線に据えることで、スターマー国防相の長期にわたって延期されていた「防衛投資計画」は確かに目を引くものだ。しかし、まだ実証されていない多くの概念が含まれており、開発には莫大なリスクが伴う。

多くの懸念材料が存在しており、とりわけ陸海空の三軍の上級将校らからの追加資金要求が挙げられる。

「防衛投資計画」をめぐる緊張は、すでに国防省と財務省の間で激しい議論を引き起こしている。こうした対立は、今月初めにジョン・ヒーリー国防相が辞任して頂点に達した。

批判を和らげるため、スターマー首相はヒーリー辞任後、国防予算にさらに10億ポンド(13億ドル)上乗せした。しかし、報道によると、ヒーリーは財務省に対し、総額で180億ポンド(238億ドル)に近い増額を強く求めていたという。

また、政府は、新たな脅威や変化する安全保障上の要請への対応が遅すぎるとの批判にも応答している。

「国防相[ダン・ジャービス]は、過去2週間にわたり、軍関係者に最新の装備を優先的に提供できるよう、『国防投資計画』の方向性を再調整してきた」と国防省は述べた

というわけで、これが現状だ。英国政府は、英軍を「攻撃用ドローンが陸軍ヘリコプターと並んで飛行し、新しいドローンによって敵の探知から見えなくなるようにされた空軍(RAF)のジェット機、そして有人艦艇と無人艦艇で構成されるハイブリッドな王立海軍」を備えた「柔軟で統合された軍隊」へ再構築することを目指す防衛計画に、66億ドルを投入する。

これは大胆なビジョンで、コストや技術的なハードルだけでなく、従来の有人プラットフォーム――そしてその他のあらゆる軍事要件――への資金が十分に確保されているのかと依然として疑問を抱く上級将校たちからも、さらなる課題に直面することになるだろう。

トーマス・ニューディック

スタッフライター

トーマス・ニューディックはTWZのスタッフライターであり、軍事航空、防衛技術、兵器システム、国際安全保障を担当している。ドイツのベルリンを拠点とし、世界中の紛争、軍事近代化の取り組み、新興の航空宇宙技術について報道しており、特に空軍力と現代戦争におけるその役割に関心を寄せている。彼の報道は、現代および歴史的な空軍力、とりわけヨーロッパにおける深い専門知識に基づいており、大陸全域およびそれ以上の地域における軍用航空、空戦、航空宇宙技術の発展に焦点を当てている。

2026年7月1日水曜日

英国の「国防投資計画(DIP)」が示す新しい国防体制―従来型艦艇はもはや海軍の中心にならず、財政的な裏付けもないまま無人装備を重視するのでは無責任なスターマー政権の置き土産ではないでしょうか。

 

英国の新しい国防体制はドローンと「ハイブリッド」海軍に賭ける

In Defence Investment Plan preview, Britain bets big on drones, ‘hybrid’ navy


国防省は、この計画において、空と海で無人システムと連携して運用されるよう設計された「ハイブリッド」艦を少なくとも6隻導入する方針であると明らかにした。

https://breakingdefense.com/2026/06/in-defence-investment-plan-preview-britain-bets-big-on-drones-hybrid-navy/

ワシントン発――待望の「防衛投資計画(DIP)」の公表が数時間後に迫る中、英国はその新たな詳細を発表し、今後数年にわたりハイブリッドシステムおよび無人システムへ劇的な転換するとを強調した。

キア・スターマー首相は火曜日、「英国の防衛企業」での演説を通じて、DIPの発表を正式に開始する予定だ。演説に先立ち、国防省はプレスリリースを発表し、大規模投資や具体的なプロジェクトを強調した。これには、「ドローン変革」に向けた50億ポンド(66億ドル)の予算が含まれており、大型海軍艦艇から「ハイブリッド」艦隊への移行や、英国空軍(RAF)向けの新たな連携運用戦闘機プログラムなどが特徴となっている。

国防省のプレスリリースによると、スターマー首相はこの計画について、「この画期的な投資は、陸・海・空における我が国の軍隊を強化し、進化する脅威を阻止し、英国国民の安全を守るために必要な最先端の能力を軍人・軍婦に確実に提供することになる」と述べた。

総投資額は報道によると135億ポンドとされており、国防省が当初要求していた280億ポンドにはるかに及ばない。

ドローンの変革に関しては、国防省は、その目標を「攻撃用ドローンが陸軍ヘリコプターと並行して飛行し、新しいドローンによって敵の探知から見えなくされたRAFのジェット機、そして有人艦と無人艦で構成されるハイブリッドな王立海軍を擁する、柔軟で統合された戦力を構築すること」と述べた。

「ハイブリッド」海軍艦隊は、最も大きな波紋を呼ぶであろう変革の一つである。英国は、計画されていた83型駆逐艦の購入を見送り、国防省が「共通戦闘艦(Common Combat Vessels)」と呼ぶ艦艇を「少なくとも6隻」導入する方針だからだ。共通戦闘艦は、航空・水上・水中ドローンからなる艦隊の「指揮中枢」としての役割を果たすことが想定されている。

「少数の大型かつ高価な艦艇に戦力を集中させるのではなく、王立海軍がハイブリッド海軍へ転換することで、有人および無人能力を融合させ、現代の戦争のペースや性質により適したものとなるだろう」と、国防省は別のプレスリリースで述べた

今回の事前発表では、「新たな国家規模の『協働戦闘航空(Collaborative Combat Air)』プログラム」も発表された。これは、「有人戦闘機と並び飛行し、英国の空域を防衛する新たな自律型戦闘機の開発」と説明されており、「遅くとも2030年までに実証機が飛行する」とされている。

これは、英国国防省が「F-35B部隊と連携して運用されるジェット推進型ドローンの試験を含む、ハイブリッド空母航空団」の開発に向けた取り組みと説明した「プロジェクト・パンテオン」とは別の取り組みのようだ。

陸上戦力に関しては、国防省は「安価な使い捨て型自律システムやロイタリング弾薬への大規模投資」を行うほか、「無人車両および関連するミッションシステムを迅速に開発・生産する」ための新たなプログラムを設立すると述べた。

防衛投資計画(DIP)は本来、数ヶ月前に公表の予定だったが、英国での政治的混乱の中で、物議を醸す問題となってしまった。防衛予算総額をめぐる激しい意見の対立が、今月初めにジョン・ヒーリー国防相の突然の辞任を招き、その後、内務省のダン・ジャービス国務大臣が後任に就任した。国防省は日曜日に、ジャービスが就任後数日間を費やしてDIPを「再調整」し、「英国の精鋭コマンド部隊を含む軍関係者に最新装備を優先的に提供できるよう」調整したと述べた。■

DIPの詳細は、火曜日に英国で公表される予定ですので、改めてご確認ください。本記事には、ベルファストのティム・マーティン記者とワシントンのアシュリー・ロケ記者が寄稿しました。


2026年6月30日火曜日

バーナムが新首相に就任したら英国の防衛・安全保障にどんな影響が生まれるか予想

 

2026年6月22日、イングランド・ロンドンの国会議事堂で宣誓式を終えた後、メイカーフィールド選出の労働党下院議員アンディ・バーナムが喜びを露わにしている。(写真:ダン・キットウッド/ゲッティイメージズ)

アンディ・バーナムの首相就任は防衛・国家安全保障にどんな影響を与えるか

Prime Minister Andy Burnham comes with defense and national security implications


バーナムは、現政権の防衛・安全保障政策で多くを引き継ぐだろうが、重要な相違点も出てきそうだ

https://breakingdefense.com/2026/06/prime-minister-andy-burnham-comes-with-defense-and-national-security-implications/



ア・スターマーが首相を辞任するというニュースを受け、先週行われた特別補欠選挙で英国議会の新議員となったアンディ・バーナムにすべての注目が集まっている。バーナムが労働党党首選(もし実施されれば)で勝利した場合、彼の首相在任中は、最近ジョン・ヒーリー英国防相を辞任に追い込んだのと同じ経済的逆風と財政的制約に直面することになるだろう。

とはいえ、バーナムの台頭が、英国の戦略レベルにおいて大きな変化をもたらす可能性もある。

バーナムは、突然の選挙で予想を上回る結果を残した。選挙前の世論調査では、最有力な対立候補を3~12ポイントリードしていたが、投票当日には20ポイント以上の大差で勝利した。イングランド北西部にある本人の新たな選挙区メイカーフィールドは、新興右派政党「改革党」から労働党が直面する挑戦を測る政治的な風向計と見なされている。この強い追い風と、労働党内での人気を背景に、バーナムが新たな党首、ひいては首相に就任する可能性は極めて高いとみられる。

次期総選挙は2029年8月までに実施される。財政を根本的に変革し、国家の舵取りを転換するには、これでは時間が足りない。バーナムは、防衛・安全保障政策においてスターマーのアプローチの多くの側面を引き継ごうとするだろうが、いくつかの重要な相違点があると思われる。

スターマーが防衛分野で最初に行った施策の一つは、「戦略的防衛見直し」の外部委託で報告書は2025年6月に公表された。スターマー政権は、数千発の新型ミサイルの購入、潜水艦の増強、陸軍の拡大など、62項目の提言すべてを受け入れた。しかし、同レビューの執筆者の一人元労働党国防相兼元NATO事務総長のジョージ・ロバートソン卿は、後に政府がレビューで合意した公約を履行していないと批判した。バーナムは、これらの公約を実行に移すことで、スターマーとの差別化を図ろうとするだろう。

第一に、そして最重要なのは防衛費だ。2025年、ロンドン政府は2027年までに英国の国内総生産(GDP)の2.5%、2035年までに3.5%に相当する額を防衛費に充てることを約束した。しかし、これらの目標達成に向けた具体的な道筋――あるいはその欠如――こそが、今月早々、ジョン・ヒーリー元国防相の辞任につながった

スターマー政権のレイチェル・リーブス蔵相は、支出を抑制し政府の債務負担を軽減する手段として、厳格な財政ルールを課した。防衛費をめぐる大々的な騒動がスターマーにとって「最後のとどめ」となったことを踏まえると、バーナムは、ドイツと同様の方法で、防衛費増額を可能にするため、これらの財政ルールを超えた借入を行うことを余儀なくされる可能性が高い。バーナムが指名する大蔵大臣と国防相の考え方が一致しているかどうかは、英国の防衛政策に大きな影響を与えることになるだろう。

公表が延期中の「防衛投資計画(DIP)」の発表可否は、スターマー陣営とバーナム陣営間で主要な対立点となっている。現政権は、バーナムがダウニング街に入居できる最も早い時期の2週間前に開催されるNATOサミット前にDIPを公表する方針を堅持している。スターマーの計画が許容する額よりも防衛費を増やすと述べてきたバーナムは、自身が直面する最も重要な初期の政策決定の一つについて、自身のチームが方針を定める機会を与えるため、公表を秋まで延期したいと考えているとみられる。

「軍備」と「民生」への支出のバランスを見直す必要性についてバーナムは広く言及してきたが、必ずしも後者を削減し前者を優先するというものではない。その代わり、より多くを就労させ、福祉依存から脱却させることで、防衛投資資金を捻出できると示唆している。これは、英国の財政問題の解決策としてスターマーやリーブスが一貫して重視してきた「成長」を彷彿とさせるが、バーナムはこの再均衡を実現するため、前任者よりも迅速かつ具体的な進展を示す必要があろう。

防衛政策の観点から言えば、バーナムは調達と投資について10年という時間軸を重視している。これは、生産ラインの拡大に向けた長期的なコミットメントを求める防衛関連企業にとって、共感を呼ぶだろう。おそらくさらに重要なのは、これが、防衛支出を活用して成長を強化し、地域経済を再建し、長期的に労働者のスキルを向上させる産業戦略を策定したいというバーナムの意向を反映している点だ。このように、バーナムは、必要性が高まっている防衛費増額を、「再産業化」という枠組みで位置づける可能性が高い。

武力行使に関しては、バーナムは、海外軍事作戦に必要な正当性の鍵として多国籍性および国際法を重視するという労働党の伝統を引き継ぐとみられる。これに関連して、欧州の同盟国と連携し、ウクライナへの英国の強力な支援が継続されることが予想される。つまり、バーナムの防衛・外交政策の姿勢はスターマーと類似したものになる可能性が高いが、防衛支出への重点を強め、産業戦略との結びつきが明確になる可能性がある。しかし、次期首相となる可能性の高い彼が活用を検討しうる、欧州の安全保障関係を劇的に変動させる重要な戦略的手段が一つある。

ちょうど10年前の今週、英国の有権者はEU離脱を選択した。それ以来、データによれば、残留派が勝利していた場合の予測と比較して、英国経済のパフォーマンスは低迷している。最新の世論調査データによると、英国国民はその決定を後悔しており、経済活性化や英国の安全保障の向上を妨げる要因と見なしている。同じ経済予測によれば、EU再加盟は、英国のGDPに大きなプラスの効果をもたらし、ひいては防衛予算にも好影響を与える可能性が高い。現在、英国は欧州の防衛体制に比較的うまく統合されているが、再加盟により、防衛産業における協力のさらなる道が開かれ、EUの調達資金へのアクセスが拡大し、欧州の防衛産業政策に対する影響力も高まるだろう。

バーナムは候補者として、補欠選挙運動中、ブレグジットへの焦点を慎重に避け、かつてスターマーの対抗馬だったウェス・ストリーティングのEU再加盟呼びかけから距離を置いていた。とはいえ、バーナムが再加盟を支持していることは明らかで、国内政治的に余地があると判断すれば、英国政治で「触れてはならないタブー」とされてきた「英国のEU再加盟」の議論を正常化しそうだ。

そうなれば、バーナムは最終的に、単なるスターマーの後継者というだけでなく、英国をブレグジット時代のアイデンティティ政治から脱却させた指導者として見なされることになるかもしれない。■

ジョン・R・デニは、米国陸軍戦争大学(U.S. Army War College)の研究教授であり、アトランティック・カウンシルおよびNATO防衛大学(NATO Defense College)の非居住シニアフェローを務めている。

フィリップ・ディキンソンは、アトランティック・カウンシルのスコウクロフト戦略・安全保障センターに所属する「大西洋横断安全保障イニシアチブ」の副所長である。以前は、英国外務・英連邦・開発省でキャリア外交官を務めていた。

ここに示された見解は、著者個人のものである。

2026年6月21日日曜日

英国による影の船団への乗船検査直後にロシア艦が英仏海峡で民間船を警告射撃―影の船団がロシアの経済を支えているためロシア海軍も必死です。逆ギレしたロシアは要注意ですが、海軍はかなり悲惨な状態のようです

 

影の船団への乗船検査直後にロシアフリゲート艦が英仏海峡で民間船に警告射撃していた

Russian Frigate Opens Fire With Warning Shots in the English Channel

https://theaviationist.com/2026/06/16/russian-frigate-opens-fire-with-warning-shots-in-the-english-channel/

Russian Warship Warning Shot English Channel

写真:ロシアのフリゲート艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」(手前)を監視するRFAタイドフォース(背景)。(画像提供:Crown Copyright 2026)

ワイト島の南約20海里の公海上で軍艦アドミラル・グリゴロヴィチの近くを民間ヨットが航行していた。英国夏時間(BST)11時40分頃に発生したと報じられている

国がロシアの「影の船団」所属とされる船舶へ初の乗船検査を実施して数日後に発生した。フリゲート艦アドミラル・グリゴロヴィチは、NATO加盟国の近くを通過する船舶を護衛する任務をロシア海軍から命じられていたとみられている。同艦は、乗船検査に直接介入してはいないものの、その存在自体が、ロシア関連の貨物船を拿捕しようとする計画に対して、間違いなく一定の抑止力となっている。

BBCニュースによると、両事件の発生時期は近いものの、英国政府は現時点では、この新たな出来事を2026年6月14日の「スミルトス」乗船検査とは関連付けないと見ている。

警告射撃は、フリゲート艦が民間ヨットに対して「音声による警告」を行った後に発射されたとされている。ロシア側は、その民間ヨットが40フィートの帆船『Bright Future』であったと主張している。公式声明によると、警告射撃や照明弾、音声による警告は、国際的に認められたVHF周波数での無線呼びかけに対し、民間船が進路を変更しなかった後にのみ行われたという。

ヨットからの初期の報告では、事件はロシア軍艦から約500ヤードの地点で発生したとされていたが、ロシア側の公式声明では距離を150メートル(164ヤード)としている。また、声明では、当時ヨットは帆ではなくエンジンを使用していたとされており、これが事実であれば、乗組員は船の速度や進路を細かく制御できたことになる。スカイニュースによる未確認の情報によると、フリゲート艦自体に技術的な問題があり、機動性が制限されていたという。

イギリス海軍の哨戒艦HMS マージーHMS タインは、英国領海周辺での通常任務の一環でアドミラル・グリゴロヴィチを監視していた。哨戒艦は事件を目撃したとされ、その後、HMS タインブライト・フューチャーへ小艇を派遣し、乗組員の安全を確認するとともに、事件に関する彼らの見解を記録したものとみられる。ヨットの乗船者や船体に負傷者や損傷は報告されておらず、警告射撃は――ほとんどの軍隊の手順通り――船舶から十分に離れた場所を狙って行われたとされる。

2025年10月28日、スコットランド沖でHMS「タイン」が確認された。(画像提供:LPhot Daniel Bladen/Crown Copyright 2025)

英国国防省は、現在もこの事件の調査を続けているため、これまでのところ限定的なコメントにとどまっている。

アドミラル・グリゴロヴィチとは

プロジェクト11356R型フリゲートで、同級初号艦であるアドミラル・グリゴロヴィチは、2016年3月にロシア海軍に就役した。排水量4000トン級で名目上は黒海艦隊に配属されているが、アドミラル・グリゴロヴィチは、ロシアによるウクライナへの全面侵攻が始まってから、黒海に戻っていない。その結果、同艦は地中海や大西洋でNATO艦艇の尾行で常連となっている。

同級艦は、そのサイズにしては充実した武装を備えており、100mm AK-190主砲、防空ミサイル用垂直発射システム(VLS)セル24基、巡航ミサイル用VLSセル8基、AK-630近接防御兵器システム(CIWS)2基、そして特徴的なRBU-6000「スメルチ-2」対潜ロケット発射装置を誇っている。

ロシアに加え、インドも同級艦を2隻運用している。これらは当初ロシアでの使用を目的としていたが、2014年以降、ウクライナが動力源となるガスタービンの供給を停止した。ロシア製の代替品も検討されたが、未完成艦の2隻はインドに売却された。インドはウクライナ製のガスタービンを入手することに成功し、これらはロシアの造船所で艦艇に搭載された。■

著者:カイ・グリート

カイは、英国コーンウォールを拠点とする航空愛好家であり、フリーランスの写真家兼ライターである。ファルマス大学で報道・編集写真学の学士号(優等)を取得している。その写真作品は、国内外で認知された数多くの組織やニュース媒体で紹介されており、2022年にはコーンウォールの歴史に焦点を当てた書籍を自費出版した。航空のあらゆる側面に加え、軍事作戦・歴史、国際関係、政治、諜報、宇宙分野にも情熱を注いでいる。

2026年6月16日火曜日

英国がロシアの「影の船団」へ初の乗船検査を実施―制裁破りの船舶への取締でロシアの原油関連収入は減少中だがロシアも海軍艦艇を出動サせる構えだ

 UK Conducts First Boarding of Russian Shadow Fleet Ship

英国王立海兵隊コマンド部隊および国家犯罪対策庁の法執行官が乗船・捜索・押収(VBSS)作戦を実施した。英国政府著作権/英国国防省、2026年。

英国がロシアの「影の船団」へ初の乗船検査を実施

UK Conducts First Boarding of Russian Shadow Fleet Ship


  • Naval News

  • 2026年6月15日公開

  • リー・ウィレット博士

https://www.navalnews.com/naval-news/2026/06/uk-conducts-first-boarding-of-russian-shadow-fleet-ship/

国は、ロシアの「影の船団」の船舶に初の乗船作戦を実施した。対象の原油タンカー、スミトロスSmyrtosは6月14日未明にイギリス海峡で阻止された。

英国政府の声明によると、乗船は王立海兵隊コマンドーおよび国家犯罪対策庁(NCA)の法執行要員により遂行された。

6時間に及ぶ作戦において、乗船作戦は合同海上航空グループ所属のチヌーク、マーリンMk4、ワイルドキャット各ヘリコプター、英国空軍のポセイドンP-8A海上哨戒・偵察機(MPRA)、および英国海軍の23型フリゲート艦HMS『サザーランド』とハント級掃海艦HMS『レドベリー』に支援された。声明によると、この作戦はフランスとの緊密な連携の下で実施された。

本誌の取材によると、スミルトスは両国によって追跡されていたため、連携により作戦上の衝突回避が可能になったという。

声明はさらに、捜査は継続中であるものの、同船は英国南岸沖の停泊地に留め置かれ、環境や安全上の懸念がないか監視されると付け加えた。

レドベリーが停泊地周辺の警備にあたっている。

marinetraffic.comによると、スミトロスは現在、ポートランド・ビル東方に位置している。

「同船への取締措置は公海上で行われ、国内法および国際法に従い実施された」と声明は述べている。

サザーランド作戦に先立つ数日間、遠方から同船を監視していた。本誌取材によると、迎撃はワイト島沖約25マイルの海域で行われた。

UK Conducts First Boarding of Russian Shadow Fleet Ship

英国は、統合・共同・合同作戦の一環として、ロシアの「影の船団」に対する初の阻止作戦を実施した。写真は、英国海軍23型フリゲート艦HMSサザーランド(左)とマーリンヘリコプターに挟まれたタンカー「スミルトス」である。英国王室著作権/英国国防省、2026年。

「影の船団」に対する英国初の作戦は、3月下旬に英国軍に許可が下りたことを受けて実施された。当時、英国防省(MoD)は、行動の法的根拠と関連する軍事オプションが整合されたと述べており、これは英国が行動する準備が整い、その意思を示していたことを意味する。

こうした準備には、非協力的な乗組員との遭遇も想定し、阻止作戦を実施するために必要な専門部隊の整備も含まれていたはずだ。このような阻止および乗船作戦は、正式には「船舶への乗船・捜索・押収(VBSS)」任務として知られている。本誌の取材によると、今回の事例では当該船舶の乗組員がVBSS上の要求に協力したとのことである。

BBCは6月15日、その後、制裁違反の容疑でNCA(国家犯罪対策庁)の職員に1名が逮捕されたと報じた。

ロシアは、2022年2月のウクライナ侵攻後に発動された国際制裁に違反する形で、有効な国旗を掲げず航行する商船からなる「影の船団」で石油輸出を支えているとされる。

「ロシアはウクライナでの紛争資金を調達するために『影の船団』に依存しており、我々の阻止作戦は[ロシアのウラジーミル・]プーチン大統領の違法な戦争に打撃を与えるものである」 と、英国のダン・ジャービス国防相は政府声明の中で述べた。

声明によると、推定700隻からなる「影の船団」は、ロシアの制裁対象となる石油の75%を輸送している。また、英国はこれらの船舶のうち500隻以上を制裁対象としており、2025年のロシアの石油・ガス収入は前年比24%減少したと付け加えた。

声明によると、スミトロスは英国が制裁対象とした船舶の一つである。

声明は次のように続けた。「本日の措置は、英国が制裁を執行し、我々の安全保障を守るために、利用可能なあらゆる法的手段を講じるという明確なメッセージをロシアに送るものである。」

1982年の国連海洋法条約(UNCLOS)第110条に基づき、船舶に国籍がないと疑うに足る合理的な根拠がある場合、軍艦を用いて当該船舶の旗国を確認する臨検権を行使することができる。疑わしい船舶でそのような判断が下された場合、調査を目的とした乗船検査も実施される可能性がある。

乗船およびその後の調査を行うにあたり、各国は利用可能な様々な法的手段を有している。BBCは以前、英国におけるそのような手段の一つとして、2018年制裁・マネーロンダリング法があることを報じている。

Naval News コメント

防衛予算をめぐる国家レベルの政治的議論が継続していることから、英国の防衛界にとって困難な一週間が続いたが、今回の作戦は、国家および国際的な利益に対するリスクを阻止するための高度な作戦を遂行できる、英国の海上における継続的な準備態勢と能力を実証した。

英仏海峡・北海・バルト海地域において、ロシアが自国の海軍艦艇を用いて「影の船団」の船舶を護衛していること、さらに英国領海内と周辺におけるロシア海軍艦艇の常態化した存在(英国政府が以前述べたところによると、2024年以降30%増加している)は、こうした阻止活動で考慮すべき要因となる。■


リー・ウィレット博士

リー・ウィレット博士は、防衛・安全保障問題に関する独立系アナリストであり、海軍および海洋問題を専門としている。ロンドンを拠点とするウィレット博士は、学術界、独立系分析機関、メディアの各分野で25年の経験を有する。シンクタンクのRUSI(王立防衛研究所)では13年間在籍し、海洋研究プログラムの運営も担当したほか、ジェーンズ社では『ジェーンズ・ネイビー・インターナショナル』の編集長として4年間勤務した。また、以下の艦艇に乗船し、海上での実務経験も積んでいる:英国王立海軍の艦艇および潜水艦、 米海軍の空母、強襲揚陸艦、水上艦、そして(「バルトプス(BALTOPS)」、「コールド・レスポンス(Cold Response)」、「ダイナミック・マンタ(Dynamic Manta)」、「ダイナミック・メッセンジャー(Dynamic Messenger)」を含む複数のNATO演習に参加した経験から)様々なNATO加盟国の水上艦や潜水艦にも乗船した。また、英国の議会委員会に対し、海上核抑止力、海賊対策、海洋監視、海底戦などのテーマについて証言を行っている。