ラベル JASSM-ER の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル JASSM-ER の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2020年5月12日火曜日

グアムにB-1BがJASSM実弾を搭載し戻ってきたのは中国へのメッセージ


第7爆撃団が爆撃機任務部隊の展開で即応体制を示した。 PACIFIC AIR FORCES PUBLIC AFFAIR—PUBLIC DOMAIN

ッセージは明らかだ。米爆撃機隊は尻尾を巻いて逃げ出したのではない。ステルスで一撃をいつでも加えられるぞ、と言っているのだ。

「ボーン」B-1がグアム島に戻ってきた。しかもステルスAGM-158共用空対地スタンドオフミサイル(JASSMs)20本とともに、米国の太平洋での戦力を示威する形で。同ミサイルは開戦となれば初期段階で投入される装備だ。

写真ではグアムに展開したB-1BにJASSM実弾が搭載されているのがわかる。B-1Bはスタンドオフ攻撃で米国と同等戦力を有する国の最高度防備標的でさえも狙う事ができる。さらに同ミサイルの後継モデルJASSM-ERが開発中で、完成すれば600マイル地点から攻撃できる。B-1B自体も大陸間横断の長距離航続距離を誇る。

総合すれば相手国には大きなメッセージになり、まさしくこれこそが機体を派遣する目的なのだ。

USAF
珍しい角度の写真でJASSMのステルス形状、赤外線画像センサーがわかる。ミサイルの最終飛翔段階ではこのセンサーで極めて精密な標的捕捉が可能だ。

空軍が10年以上に渡るアンダーセン空軍基地への爆撃機常駐を突然中止したが、B-1Bは米本国から太平洋各地を巡行しており、遠くは南シナ海まで活動範囲に収める。今回はB-1B部隊がアンサーセン空軍基地に戻ってきたが、同地にいつまで留まるかは不明だ。

Aircraft Spots
@AircraftSpots
USAF B-1Bs WHIP01 & 02 departed Andersen AFB, Guam to conduct operations over the South China Sea via separate routes 

USAF KC-135Rs DOLE11 & 12 provided tanker support
米空軍B-1B2機はそれぞれホイップ01、02としてアンダーセンAFBを離陸し、南シナ海で別々の行動を展開した。USAFのKC-135R、ドール11、12がそれぞれ空中給油で支援した。
View image on Twitter
769
2:53 PM - May 8, 2020
Twitter Ads info and privacy
342 people are talking about this

この新しい動きの背景にペンタゴンでよく聞かれる「動的兵力配備」構想がある。つまり戦略機材を予測困難な形で展開することだ。

グアムの滑走路を使う機材は中国との開戦直後に格好の標的になるのが厳粛な事実だ。グアムにTHAAD部隊が常駐しているが、中国は防衛網を圧倒する数の弾道ミサイルで米航空戦力撃滅を狙うはずで、最低でも滑走路を使用不能にする、支援設備を破壊することで航空戦力を使えなくするだろう。

アンダーセン基地への爆撃機常駐を取りやめたのはB-1B爆撃隊を酷使しているのとは無関係のようだ。

アンダーセン空軍基地で巡航ミサイルを爆撃機に搭載することは楽な仕事ではない。同基地は拡張されてきたとはいえ、回転式爆弾倉への兵装搭載用の施設がなく、ミサイルは一本ずつ爆撃機へ搭載する必要がある。この作業に何時間もかかる。


USAF

南シナ海が加熱する中で、ペンタゴンが断続的な爆撃機派遣でメッセージを送ること自体に驚くべき要素はない。太平洋での爆撃機常駐体制は終了したが、世界でももっとも予測困難な地から戦略的に撤退したわけではないことがはっきりとわかる。■

この記事は以下を再構成したものです。



BY TYLER ROGOWAY MAY 10, 2020
THE WAR ZONE

2019年9月28日土曜日

装備品:JASSM、LRASM両巡航スタンドオフミサイルの調達規模拡大に走る米空軍の狙い

USAF aims to double long-term JASSM production up to 10,000 units 米空軍がJASSM生産を倍増し1万本調達を目指す


27 SEPTEMBER, 2019
 SOURCE: FLIGHTGLOBAL.COM
 BY: GARRETT REIM
 LOS ANGELES
https://www.flightglobal.com/news/articles/usaf-aims-to-double-long-term-jassm-production-up-to-461148/


国防総省(DoD)はロッキード・マーティン製統合空対地スタンドオフミサイル(JASSM)の生産数を当初の4,900本から最高1万本に拡大する。

米空軍物資本部から生産拡大の意向が9月27日に示され供給先を求めている。調達規則によれば軍はロッキード・マーティンが唯一の供給者でも他の調達先を模索する努力が求められている。

USAFではロッキード・マーティン製の長距離対艦ミサイル(LRASM)の追加調達も求めており、当初の110本が400本にまで拡大する。JASSMの射程拡大版JASSM-ERが原型で、500カイリ (926km)の射程を有する。USAFと米海軍が共同開発した。

JASSMおよびLRASMはともに低視認性巡航ミサイルで亜音速で飛翔するが、射程距離が長く敵の防衛圏外から発射可能だ。

今回のUSAF公告は巡航ミサイルの長期調達へのDoDの関心度を表したものと言える。

2019年5月、需要拡大を見越してロッキード・マーティンは20千平米の巡航ミサイル生産工場をアラバマ州トロイで起工している。工場建屋が2021年に完成すると、2022年下半期からJASSM-ERの増産が実現すると同社は発表。

USAFではロット17でJASSMを360本生産するとしていた。ロット18ではJASSM-ER390本、ロット19ではJASSM-ER360本とJASSM40期を調達するとしており、その後ロット30まで最大550本ベースで続く。

LRASMの生産も2017年のロット1(23本生産)から拡大を続けており、ロット4では50本を調達したいとし、最大96本でロット8まで調達したいとUSAFは述べている。■

2018年6月11日月曜日

★日本がスタンドオフ巡航ミサイルを配備する日がやってくる

巡航ミサイル導入は関連装備の導入規模も大きく、米国として貿易赤字対策の切り札になるのでしょうね。その前に日本側は野党のセンティメント(政治首長ではありません)を封じ込める必要に迫られるでしょう。実戦化は早くて5年、あるいは10年かかるかも知れません



Japan Wants Cruise Missiles (And that Should Terrify China or North Korea) 巡航ミサイル導入を目指す日本に中国や北朝鮮は恐れをなすはず



June 9, 2018

朝鮮の核兵器開発で東アジアに不安定度がましているが、その影響は世界全体にまで及んでいる。その中で日本は核攻撃を受けた唯一の国として再び攻撃を受ける可能性に直面している。これに対して日本は第二次大戦終結後初めて攻撃兵器の導入を検討している。その狙いは核ミサイルが発射される前に発射台もろとも破壊することにある。


日本か国権の発揚として戦争を放棄し攻撃兵器の保有を自ら禁じてきた。空母、弾道ミサイル、爆撃機、上陸部隊はすべて攻撃兵器として保有していない。だが海兵部隊など以前は保有してこなかった装備の再評価が進み防衛的あるいは敵の攻撃前に先んじて投入することは可能とされるようになっている。


日本は弾道ミサイル防衛で優秀な体制を整備してきたが、攻撃回避で最良の方法は検討してこなかった。すなわち先制攻撃だ。一番よくみられるシナリオは日本の衛星が北朝鮮の液体燃料核ミサイルが発射台にあり燃料注入が進み攻撃準備に入る様子を探知することだ。発射が近づく中、他国なら絶好の機会としてミサイルや戦術機で攻撃を加え、ミサイルを発射台もろとも粉砕するだろう。だが日本にこの能力がなく、ただ見守りミサイル防衛体制が期待通り作動するのを祈るしかない。


北朝鮮が原爆さらに水爆兵器まで保有していることがわかり、ミサイル搭載を進める中で日本のリスクは高まっている。日本政府は巡航ミサイル二型式の導入に前向きな姿勢を明らかにした。米国製共用空対地スタンドオフミサイル射程拡大型 (JASSM-ER)およびノルウェー・米国共同開発の共用打撃ミサイル(JSM)である。ともに日本に北朝鮮ミサイル発射台あるいは指揮命令発令所の破壊能力を実現する手段となる。政治面でいえばこうしたミサイルは「防御攻撃」用として先制攻撃に投入できるがあくまでも明確な脅威となる標的が対象だ。


JASSM-ERはシリア化学兵器製造工場攻撃に投入されたJASSMミサイルの改良型で、B-1、F-16、F-15から発射され射程距離は575マイル(925キロ)だ。日本のF-15JやF-2で日本海から発射すれば北朝鮮全土の標的を攻撃できる。1,000ポンド(450キロ)弾頭の精度は3ヤード(2.7メートル)以内で地下施設への貫徹攻撃も可能だ。


もともと日本関係者からトマホーク対地攻撃ミサイル購入案が出ていたが、米当局者は核弾頭運用を想定する同ミサイル売却に及び腰だった。これに対してJASSM-ERは通常兵器専用のミサイルで現政権としても主要同盟国への同装備売却に異論はないだろう。


その次に日本が導入を検討中なのがJSMだ。これはコングスバーグ海軍打撃ミサイルの発展形で米海軍が水平緯線越えの対艦ミサイルとして沿海域戦闘艦に搭載することを決めたものだ。JSMはF-35の兵装庫内に収まる設計で日本もF-35を42機導入する。JSMはMk.41垂直発射管からの運用も可能で海上自衛隊の誘導ミサイル駆逐艦が発射できる。


ただし北朝鮮あるいは中国の巡航ミサイル・弾道ミサイルを相手にした複雑な海空作戦の実施能力を日本が確立するまでに時間がかかる。こうした作戦の実施には今以上の情報収集監視偵察装備が必要となり、無人機、空中給油機、早期警戒指揮統制機の拡充が求められる。さらに攻撃兵器導入は重大な政策上の変更となる。北朝鮮により日本が破壊される脅威により日本の軍事力が刷新されさらに増強されれば北朝鮮、中国ともに望まない結果になるだろう。
Kyle Mizokami is a writer based in San Francisco who has appeared in The Diplomat, Foreign Policy, War is Boring and The Daily Beast. In 2009 he cofounded the defense and security blog Japan Security Watch.

Image: F-15J at Chitose Air Base. Wikimedia Commons

2017年12月15日金曜日

新型スタンドオフ対艦ミサイルLRASM試射に成功


  • 今月に入り一般ニュースでも出てきたJASSM-ER(ジャサマと発音するのでは)の派生型巡航ミサイルの話題ですね。Jointというのが日本人に今一理解されていなかったのですが、今回米空軍が海軍のミサイルを発射した事実が中身をよく説明しているのではないでしょうか。


B-1 Bombers Attacked “Multiple Moving Maritime

Targets” in Test of New Missile 

B-1爆撃機発射で新型ミサイルが「複数移動海上目標」

攻撃に成功


December 14, 2017


12月8日、米海軍がロッキード・マーティンの新型AGM-
158C長距離ステルス対艦巡航ミサイルLong Range Anti-Ship
MissilesLRASM)を米空軍B-1Bランサー超音速戦略爆撃機
からの発射にカリフォーニア州沖合のポイントマグ海上
試射場で成功した。巡航ミサイル複数は「移動海上標的
複数」に初めて命中したと海軍が発表。

「テスト成功で対艦攻撃力整備の早期達成に官民合同で
成功した」と海軍航空システムズ本部(NAVAIR)でLRASM
を主管するトッド・フーバー大佐Capt.Todd Huberが声明を
発表している。.
 この事は海軍が新兵器の配備に一歩近づいたことを意味する。LRASMの供用開始で柔軟に長距離で高度の対艦
撃能力が実現する。
「公海領域への軍事アクセス作戦展開を確実にし、沿海
域でも同様に遠距からで敵艦船を撃破する能力が実現す
る」とNAVAIRは説明。
 LRASMは原型がAGM-158B共用空対地スタンドオフミサイ
ル-射程拡大版 (JASSM-ER) 巡航ステルスミサイルで、国
防高等研究プロジェクト庁(DARPA)が海軍の要望に応え
開発したものだ。海軍はLRASMを対艦戦能力向上策第一
段階の実現手段として配備する計画だ。
 さらに第二段階での対艦ミサイルが想定されており、
LRASMの後継装備が2024年に供用開始される。LRASM自体
もこの競合に加わり、AGM-158Cは潜水艦発射も可能とな
る。
 一方で海軍はLRASMの艦隊導入を急いでおり、来年に
開始となる見込みだ。「LRASMの初期作戦能力展開は
2018年まず米空軍B-1で、2019年に米海軍F/A-18E/Fスーパー
ーネットで実現する」とNAVAIRは説明している。
 米海軍にとって中国海軍の脅威は現実なのでLRASM
用開始はうれしいニュースになる。■

Dave Majumdar is the defense editor for The National Interest. You can follow him on Twitter: @davemajumdar.

2017年12月6日水曜日

★★F-15Jは有効なミサイル母機になれるか JASSM-ER、トマホーク...空中発射巡航ミサイル保有を目指す日本



F-15の最後の(?)任務はミサイル発射なのでしょうか。その任務拡大はF-3につながるのでしょう。この任務にP-1は使えないでしょうか。中国、北朝鮮、さらに韓国までがこの動きに反対するでしょうし、国内勢力にも手を回し一大反対運動になりそうです。それだけ反対するのは相手に都合が悪い証拠で、抑止効果の第一歩ともなります。


Japan May Turn Its F-15J Eagles Into Cruise Missile Carriers

日本はF-15Jをミサイル母機に変えるのか

Being able to strike deep into contested territory over long-ranges and at short notice is on Tokyo's weapons wish list.

敵地を長距離地点から最小限の探知可能性で攻撃する能力を日本が求めている

CP9ASNGF/WIKICOMMONS
BY TYLER ROGOWAYDECEMBER 5, 2017
本が戦略面で分岐点に来た。憲法第九条の厳格な順守の時代は終わろうとしている。新旧の脅威が高まっているためだ。日本政府は第二次大戦後の制約を取り払い高能力かつ長距離に展開可能な軍事力を整備し国境線をはるかに超えた地点への兵力投射を狙うようだ。北朝鮮の脅威が拡大する一方で、中国とも尖閣諸島巡り対立があり、日本は迅速に防御固い敵中心部の攻撃能力整備が必要と認識している。
当誌のトレヴィシック記者が空中発射巡航ミサイルを求める日本の動きを解説しているが、日本の報道では共用空対地スタンドオフミサイル距離拡大版JASSEM-ERの導入を期待しているとう。同報道で目新しいのはF-15Jで2千ポンド級の高性能装備を発射しようとしている点だ。
日本には200機近くのF-15と20数機の複座F-15DJがある。現在は各機は航空優勢、迎撃任務に投入されているが、巡航ミサイル運搬用にも使えるはずだ。D型がこの任務にぴったりに見える。
USAF
航空優勢任務を中心にしたF-15A/B/C/D各型を攻撃用機材に転用した事例は前にもあった。F-15A/Bが長距離攻撃任務に投入されたことがある。F-15Eストライクイーグルの登場前のことだ。先陣を切ったのがイスラエル空軍でその後10年でIAFのイーグルは多用途戦闘機、ネットワーク強化機材、偵察機、前方指揮統制機にと多様に進化していった。
一見すると奇妙な組み合わせだがJASSM-ERは日本のイーグル装備として理想的かもしれない。F-15Jは長い航続距離を持ちJASS-ERを抱えても長距離飛行できるのではないか。これで500マイル超という同ミサイルの運用半径がさらに広がる。またKC-767の空中給油でF-15の行動範囲も伸びる。すべて合わせれば日本から数千マイル離れた地点も確実に攻撃できる手段になる。
HUNINI/WKICOMMONS
KC-767Aと F-15J


これが実現すれば北朝鮮国内の攻撃に非常に有効となり、同時に中国の尖閣諸島上陸等にも抑止効果が生まれる。
日本国内報道では新型空中発射巡航ミサイルに艦船も数百マイル先から攻撃させたいとの意味不明な内容がある。日本がJASSM-ER対地攻撃をまず実用化してからロッキードと共同でJSSSM-ERに対艦攻撃能力を付加し同じくロッキードの長距離対艦ミサイル(LRASM)同様の存在に変身させることはありうる。また国産で両用対応の巡航ミサイルを開発し、先に配備するJASSM-ERを補強するのかもしれない。時間がたてば意味がわかるだろう。
自衛隊がF-35を後年に実戦配備するが、第五世代戦闘機開発を棚上げしてF-35導入規模が拡大する可能性もあり、JASSM-ERはF-15に新しい存在意義を与えるだろう。
空中発射巡航ミサイルの効力を高めるのは海上および沿岸部に配備する長距離巡航ミサイルの追加だ。そこでトマホーク巡航ミサイルの最新型(簿ロックIV TACTOM)が出てくる。トマホークは今や対地、対艦両用に使えるようになり、垂直発射管からの発射も可能で、イージス艦や今後建設されるイージスアショアからの運用も可能だ。


PHOTO BY © CORBIS/CORBIS VIA GETTY IMAGES
B-52がAGM-109空中発射式トマホークをテスト発射した。A-6にも同様の機能が期待されたが結局実現しなかった。
マホークは空中発射も可能だ。AGM-109として米海軍、米空軍が一時は運用に期待していたが、現在は同ミサイルを運用可能な機材がないし、生産中のトマホークは空中発射用に最適化されていない。F-15は大型かつ強力なためトマホーク運用の可能性を秘めるが、トマホークはJASSM-ERと異なり残存性が劣る。とはいえ、トマホークに統一する選択肢は非常に柔軟な結果を生み、レイセオンは喜んで空中発射型を提供するだろう。
本が目指す新しい戦略的な役割については今後も伝えていく。■
Contact the author: Tyler@thedrive.com