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2021年7月26日月曜日

アジア訪問前に国防長官がエリア51を訪問した模様。極秘事業で何らかの大きな進展があったのか。

 E-4B Lands at Travis

60TH AIR MOBILITY WING PUBLIC AF—PUBLIC DOMAIN

 

 

めて異例な動きだった。米空軍のE-4Bナイトウォッチ別名国家空中作戦センター(NAOC)機がトノパ試験施設(TTR)に着陸した。ここは米国の極秘航空機運用拠点として有名な地点で付近にエリア51がある。謎に満ちたフライトがなぜ行われたのかは不明だが、ロイド・J・オースティンIII国防長官と関係がありそうだ。

 

E-4BのTTR到着はオープンソースの飛行データウェブサイトADS-B Exchangeで判明し、機体番号74-0787の同機はTITAN25のコールサイン(国防長官の搭乗機)で到着していた。

 

「審判の日の機体」と呼ばれるE-4Bは空軍に四機あり、ボーイング747を改装し堅牢かつ生存性の高い空中指揮機として国家指揮権限官(NCA)たる合衆国大統領を乗せ、核攻撃命令を下す役目が知られている。同機には別の任務もあり、大規模軍事作戦の指揮統制や、自然災害含む大規模緊急事態時の対応もある。またナイトウォッチ各機は国防長官の外国訪問時にも使われる。E-4Bは国家機能存続のための重要な手段でもある。

 

FLIGHTAWARE

E-4Bはアンドリュース空軍基地からTTRへ移動した。


ADS-B EXCHANGE

E-4B 74-0787がコールサインTITAN25で TTRへ降下を開始した

 

 

またガルフストリームVの空軍要人輸送機C-37Aの一機がTTRにE-4到着の一時間前に着陸しており、着陸前にトランスポンダーを切っておりフライトの最終状況は把握できない。

 

ADS-B EXCHANGE

C-37A 97-0401 はあきらかにTTRに向かっていた

 

国防長官のアジア三か国訪問を念頭にすると長官はTTRへ寄ってから最初の訪問先シンガポールに出発したようだ。

 

レッドフラッグ演習がネリス空軍基地(ネヴァダ)で展開中であり、国防長官が近隣のTTRへ立ち寄ったのか。レッドフラッグ21-3ではF-117ナイトホーク隊をアグレッサーに使いネヴァダ試験訓練場(NTTR)を舞台にしている。

 

国防長官の海外訪問では随行記者団がE-4Bに同乗するのが通例で、極秘施設TTRへの到着にも同行していてもTTRの厳重な保安体制を考えれば窓のシェードを降ろしたまま機内待機を命じられていたはずだ。

 

GOOGLE EARTH

トノパ試験場空港は高度保安体制が敷かれている。

 

 

広大なネヴァダ試験訓練場にはエナジー省の原子力試験施設やエリア51含む立ち入り禁止地帯がある。TTRもそのひとつで、F-117が1980年代には極秘運用され、今日でも飛行を続けている。冷戦時にはソ連製戦闘機各種を極秘テストしたほか敵機役として米国など西側戦闘機との模擬空戦を展開した。今日では同施設は海外装備品研究(FME)に使われているほか、その他極秘事業を展開しており、高度無人機に関連する技術や特殊作戦能力の開発もその例だ。エリア51は高度極秘事業が開発段階から準運用段階に移行する場所でもある。

 

これまでも国防長官がNTTR内の施設を突如訪問し次世代航空戦闘能力の開発状況を視察したことはあったが、トノパ訪問しかもE-4Bに搭乗しての訪問は初めてだ。

 

別の可能性はE-4BがTTRへ国防長官を乗せずに到着したことだ。いずれにせよ、同機は数時間後にネヴァダ施設を離陸している。同機はアラスカに向かい、アジア歴訪の途上であることを示していた。

 

FLIGHTAWARE

TITAN25がTTRを離陸した

 

 

再度になるが、E-4Bがトノパに到着したこと自体が奇妙だが、アジア訪問を前に国防長官を運んだことはもっと奇妙だ。解釈としては何らかの重要事業が大きな成果をあげて長官自らが視察したのかもしれず、これが真実なら今後その内容があきらかになるはずだ。

 

もう一つの可能性は別のVIPが同機に搭乗していたか、E-4BとC-37をともに同基地に展開する必要があったのだろう。

 

追加情報

確認できた。ロイド・オースティン長官は同機に搭乗していた。また、C-37が長官をエリア51へ運んだ可能性が高い。TTRに6時間というのは長い。C-37はエリア51まで60マイルの距離をこっそり飛び、長官は現地で視察したのだろう。時間は十分あった。■

 

この記事は以下を再構成し人力翻訳でお送りしています。市況価格より2-3割安い翻訳をご入用の方はaviationbusiness2021@gmailまでご連絡ください。


E-4B “Doomsday Plane” Just Made A Highly Unusual Visit To Secretive Tonopah Test Range Airport

Seldom, if ever, do E-4Bs visit Tonopah Test Range Airport in Nevada and, in this case, the Secretary of Defense might have been onboard.

BY THOMAS NEWDICK AND TYLER ROGOWAY JULY 23, 2021


2021年1月23日土曜日

新国防長官ロイド・オースティンとはどんな人物なのか。バイデンとの関係は、レイセオンとの関係、退役後7年未満のため再び規程免除扱いとなったが一部議員から疑問の声も

Lloyd Austin, a recently retired Army general, smiles during his conformation hearing

人事公聴会で笑みを見せるロイド・オースティン退役陸軍大将。Jim Lo Scalzo/Pool via AP


  • 米上院はロイド・オースティン退役陸軍大将を初の黒人国防長官として承認した

  • オースティンは40年にわたり陸軍で勤務し、黒人として初の中央軍司令を努めた後に2016年に退役した

  • オースティンはジョー・バイデン、ボー親子と関係を築いた。ボーはデラウェア州軍将校だった

  • オースティンは議員の支持を集めたが、規程免除には党派を超え反対もあった


院は1月22日、ロイド・オースティンをジョー・バイデン政権の人事を承認し、初の黒人国防長官が誕生した。


バイデンは昨年12月時点でオースティンに国防総省を任せる意向でアトランティック誌に寄稿し、『四十年以上に渡り、米陸軍に仕えたオースティンは多くの課題に並なずれた技能と深い自身の高潔さで立ち向かってきた』『実証済みの真の兵士でありリーダーだ』とバイデンは記し、さらに『オースティンの実力と国防総省に関する深い知識が今後直面する危機や課題で効果を大いに発揮するだろう』と付記している。


オースティンはアラバマ出身でウェストポイント士官学校を卒業し、1975年に少尉任官した。2003年のイラク戦でバグダッドの戦いでの功績を認められ銀星章を授与されている。第三歩兵師団、第10山岳師団のあと、XVIII空挺部隊でイラク、アフガニスタンの戦闘を経験。その後、初の黒人統合参謀本部理事となった。


バイデンとの関係はオバマ政権時代にさかのぼり、当時オースティンはイラクの米国及び有志連合国部隊で司令官で、その後黒人として初の中央軍司令官となった。バイデンはホワイトハウスのシチュエーションルームで何度も一緒になったと述べている。


もうひとつ二人をつなげた要素がバイデンの子息ボーで、オースティンの幕僚としてデラウェア州軍からイラクに派遣され、日曜日礼拝にも一緒に参列していた。オースティンはボーについて「極めて特別な人物」「真の愛国者」「良き友」と評しているが、ボーは2015年に死去している。


オースティンは2016年に大将で退役した。バラク・オバマ大統領はオースティンを称賛し「懸命な判断と迅速な指導力」があるとし、さらにオースティンが「退役後も別の形で祖国に仕える道をさがす」のは確実と述べた。


オースティンは退役後7年未満のため、海兵隊大将だったジェイムズ・マティス同様に国防長官就任に規程除外措置が必要だ。


オースティンの軍退役が最近のことに一部議員がこだわり、退役から日が浅い元将官を国防長官に据えるのは軍へのシビリアンコントロールに反するとの意見がある。


今週火曜日の公聴会でオースティンは議員の懸念をそらそうと「民主体制の安定と安全のためシビリアンコントロールは有効に機能すべきであり、軍事部門は民生部門に従うべき存在」と発言した。


「政治任命で閣僚になることと軍で任務をこなすことは次元が異なると理解しています」「承認いただければ、国防総省の任務を全うし、常に戦争の抑止を目指し、我が国の安全を確実に守ります。また軍へのシビリアンコントロール原則を遵守します」と述べた。


オースティンは国防産業企業レイセオンとのつながりは国防長官としての決定に影響を与えないと各議員に明白に伝えた。


オースティンは軍内部での過激主義の一掃、性的暴行との戦いを差支援し、コロナウィルス対策を優先事項に上げると意見表明した。同時に中国、ロシアの大国ライバルの挑戦の存在を認めるとともに長年にわたる中東の対立抗争を終わらす必要があると述べた。


1月21日に上下両院がオースティンの国防長官就任に規程免除を認めた。上院は22日に朝に93対2でオースティン人事を承認した。


この記事は以下を再構成したものです。どんな人なのかわからない点もまだありますが、早速山積みの国防関連の課題でどんなリーダーシップを発揮するのか、国防予算をめぐる環境が厳しくなる中で国防力をどう維持構築するかお手並み拝見というところですね。


Senate confirms retired Gen. Lloyd Austin as America's first Black defense secretary

Ryan Pickrell