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2023年2月16日木曜日

中国で開発中の第六世代機が米国の構想図とそっくり。肝心のステルス、AI能力はどうなのかがこれから問われる。

 


中国国営の環球時報は、国営第6世代設計が登場するビデオを引用している。中国航空工業集団公司。



中国の国営新聞環球時報は、開発中の第6世代航空機の「無尾翼」デザインレンダリングを初公開し、米国の第6世代航空機のデザインに酷似していることが明らかになった



国の第6世代機はすでに飛行しているが、その外観は保安上の理由でまだ公開されていない。第6世代ステルス戦闘機計画で競合をめざす米国ジェット機メーカー数社が提供する予備的な設計レンダリングでは、フィンや垂直構造のない、同様の「無尾翼」平らな混合翼ボディの設計が出ている。数年前にロッキードノースロップ・グラマンが提示したデザインは、尾翼もフィンもない滑らかな第6世代ステルス機だ。次世代航空優勢と呼ばれる米国の第6世代戦闘機の実際のプロトタイプや実証機のデザインは不明で、公開もされていないが、中国のデザインは、米国メーカーが数年前に提示したものと驚くほど似ている。


 同紙は、無尾翼・無フィン航空機の設計について、「より高い揚力、より長い航続距離、より低い燃料消費」を提供できる「混合翼体設計」と説明しているが、この設計に関する最大の利点は、ステルス性能と思われる。尾翼やフィンのような垂直構造物は、もちろん敵の防空当局が利用できるレーダーリターンシグネチャを減らすのに大いに役立つ。外部パイロンや武器ポッドにぶら下がる武器の輪郭は、敵のレーダーからの電磁波を検知しやすい形状や構造を提供し、その形状を「跳ね返す」ことで戻り信号を送信したりレンダリングできる。例えば、鋭角なエッジや尾翼は、B-2のような完全に滑らかな航空機よりも敵レーダーに探知されやすい。F-35のようなステルス戦闘機が、敵防空網にレーダー信号を返す可能性のある武器パイロンを排除し「滑らかな」外装を作るため、武器ポッドを内蔵して飛行するのはこのためだ。

 中国紙は、垂直尾翼がない航空機の「推力方向転換」に関連する工学的な課題をいくつか挙げている。

 「垂直尾翼がない場合、推力偏向制御可能なエンジンやスプリット・ブレーキ・ラダーなど、他の設計や技術で補わなければ、操縦性を失う」と、中国紙は軍事アナリストの言葉を引用している。

 ステルス性能や空力設計にかかわらず、この中国製航空機は数年前の米国製レンダリングの「模倣」に見える。もちろん、これは驚くべきことではない。なぜなら、米国の兵器仕様を単に「盗む」ために、間違いなく「透明な」中国の努力について、十分に文書化された懸念が存在するからだ。

 したがって、環球時報が伝えた提供された中国の第6世代技術に組み込まれた技術計画とシステム・アプリケーションの説明は、F-35の説明と同じように見えても驚くべきことではない。2020年の同紙記事によると、PLAAF第6世代航空機は、パイロットにさまざまな情報を収集、整理、提示するコンピュータによる自律的な能力を持つことになると伝えていた。

 2020年の環球時報記事は、J-20の設計者Yang Weiの言葉を引用して、「未来の戦闘機は一般的に、より長い戦闘距離、長い耐久性、より強いステルス能力、より多くの空対空および空対地兵器の搭載、そしてパイロットにわかりやすい戦場の状況画像と予測を提供する機能が必要だ」 としていた。

 パイロットに「わかりやすい」戦場情報を提供する技術の重点は、F-35の「センサーフュージョン」とほぼ一致する。F-35では、360度カメラ、長距離電子光学照準、航法詳細、脅威警告システム、その他速度、高度、進入角などの変数からのデータがすべて編集、抽出、分析、統合され1つのスクリーン上でパイロットに提示される。

 このような技術的現象は、中国の新世代戦闘機のビジョンと密接に類似している。例えば、記事では、「統合システムにおいて、航空機はネットワークを形成し、リアルタイムで統合された状況画像を描き、攻撃ルートを複数作成し、ミッションエリアを越えた目標情報をリアルタイムで伝達できるようになる 」とある。

 同時に、人工知能(AI)は、米国の第6世代ステルス戦闘機に関連する初期のコンセプトワークとプロトタイピングに関して、非常に重要な役割を担っている。電子戦、宇宙、レーダー警告受信機、サイバー、まだ知られていないタイプの指標など、おそらくさらに多くのデータが、AIシステムに組み込まれていくだろう。高度なアルゴリズムは、膨大な情報を素早く解析し、無限に見えるデータベースと照らし合わせ、ほぼリアルタイムで判断、計算、分析を行う。意思決定の速度を向上させ、パイロットに明確な情報を提供することは、しばしば 「認知的負担の軽減」と呼ばれる。これらは、AIを搭載したプログラムの基本的な考え方で、それゆえ、中国の新世代ステルス戦闘機に求められている重要性を説明する。

 米国が生み出した有名なOODAループの概念(観察、方向付け、判断、行動)を参照しながら、中国記事では次世代戦闘機を「OODAループ3.0」の開発としている。OODAループとは、戦場や部隊がどれだけ早く意思決定できるかを指す。敵のOODAループや判断・反応が自分より速ければ、優位性や主導権を失うという考え方だ。もちろん、中国はアメリカのF-22やF-35と比較して、次期ステルス戦闘機のOODAループが優れていることを望んでいるはずだ。

 「スマートスキン」と呼ばれる、機体に織り込まれたコンフォーマル・センサーは、第6世代戦闘機製造に役立つ新しいアプリケーションの例として考えられている技術の一部だ。追加または新しいステルス構成、レーザーなど高度な武器、適応型エンジン、「ドローンを指揮する能力」などは、すべて中国の報告書に引用されている属性だ。

 中国の第5世代機のステルス外観については、F-35のパクリに見えるという点で多くの議論がなされてきたが、先進的な中国戦闘機の内部技術仕様については、あまり知られていない。第5世代、第6世代の航空機が他の航空機より優れているか否かについて言えば、真の差は、おそらくAIの領域と、それがコンピューティング、センシング、ターゲティング、操縦、各種攻撃戦術に与える影響にあると思われる。■


China's 6th-Generation Stealth Fighter Design and Technology Plan Look Like US "Copycats"

By Kris Osborn, President, Center for Military Modernization

https://warriormaven.com/china/chinas-6th-generation-stealth-fighter-design-and-technology-plan-look-like-us-copycats


Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army—Acquisition, Logistics & Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at national TV networks. He has appeared as a guest military expert on Fox News, MSNBC, The Military Channel, and The History Channel. He also has a Masters Degree in Comparative Literature from Columbia University.


2022年1月29日土曜日

米第六世代機はすでに完成している。驚くべき技術の新展開を大胆に予測する。

 


Air Force 6th-Gen Aircraft Now Airborne - Could be Massive War Technology Breakthrough


Raytheon



米国の新型第六世代機は長距離性能、高速飛行、自動誘導式兵器、新次元のステルス性能やAI連動センサーを搭載し、今後長く敵の追随を許さない機体になる。

 

 

空軍は第六世代機の飛行をすでに開始しており、大きな技術面の大きな突破口が開かれたようだ。

 

第六世代機は開発中で、保安上の理由か詳細情報は秘密のままだが、相当の新技術が盛り込まれた新型ステルス戦闘機が生まれているようだ。

 

開発陣は長年にわたり技術を模索し、第六世代戦闘機技術の試作や構想面に取り組んでおり、従来を上回るステルス機体構造、AIの導入、小型化に成功した長距離探知センサー、標的捕捉技術、さらにこれまでにない自律性能を有する無人機編隊の運用が実現する。

第六世代機が飛行を開始していることから事態を一変させるような基本性能も実現していると見ていい。

 

兵装開発、コンピュータ処理能力、推進系、燃料消費改善、ステルス機能で画期的な技術にペンタゴンや防衛産業界が引続き注視しているのは当然だろう。

 

6Gの機体

 

レイセオン・インテリジェンス&スペースRaytheon Intelligence & Space はじめ数社が軍と共同で第六世代機に求められる新次元性能の実現に取り組んでいる。

 

「当社は第四第五世代機向けにプロセッサーを供給しており、第六世代機に求められる内容を独自に理解できる点でユニークな存在です」(同社通信及び航空宇宙統制システムズ担当役員トメク・リスTomek Rys) リスはレイセオン主催の第六世代機ウェビナーでこう語っている。

 

Raytheon Next-Generation

 

レイセオン・インテリジェンス&スペースではデジタルエンジニアリングを応用し、次世代機で小規模な変化でコスト、工数、性能がどう変動するかを長期の視点で見ている。

Raytheon

 

多機能ハードウェア

 

そのレイセオンが取り組むコンセプトのひとつに「多機能ハードウェア」があり、従来は別個の複数機能をひとつのオペレーショナルシステムに統合することがある。これにより小型化、軽量化とともに消費電力も減らしながら、画期的な情報処理能力が実現する。

 

「多機能ハードウェアの時代に入りつつあると見ています。次世代戦術機では多機能技術とソフトウェアで変化していくミッションに対応していくはずです」とレイセオンの高度ミッションシステムズ担当役員のジェイソン・「テックス」・クラークJason “Tex” Clarkが述べている。

 

単一システムで多数の作戦機能が実行できればハードウェア設置面積が減るだけでなく、情報処理が大幅に加速化される。レイセオンでは機内コンピュータ処理能力を大幅に引き上げ、機体を同社の言い方で「空飛ぶデータセンター」に変えるとする。

 

「高性能かつ堅牢なプロセッサーで構成する機内コンピュータークラスターでデータセンターを空に設置することになるのです。各システムではリアルタイムでデータを情報に変換する人工知能を活用します。その結果、意思決定がより迅速になります」(リス)。

 

レイセオンが自社開発中のコンピュータ処理技術の新しい応用によるデータ統合、整理、分析は、新しいレーダー回避構造、コーティング材、高水準の熱信号低減など、現在開発中の次世代ステルス技術の基礎を幅広く形成するものだ。

 

6Gの AI 

 

技術革新のスピードを考えれば、一部はすでに実現しているかもしれない。新しい長距離、高速、飛行経路修正、あるいは自己誘導兵器と、新しいステルス属性やAI対応センサーを組み合わせれば、米国の第6世代機は今後数十年にわたり他の追随を許さない機体になってもおかしくない。海軍と空軍の開発者はこれまで長きにわたり「可能性の芸術」の境界を最大限に押し広げており、なんらかの大きな突破口を開いたのだろう。

 

近年、デジタル技術、兵器誘導技術、自律性、AIを活用した統合システム、ネットワーキングが進展していることを考えれば、あり得ない話ではない。

 

有望な新システムの成熟度を見て、新型機実現のる最適時期を見極める課題の難しさは、2016年の海軍大学校の論文 "The 6th-Generation Quandry" からわかるように、長年にわたって検討されてきた。

 

6Gの難局

 

同上論文では、第6世代の正式開発は真に画期的な進展が現れるまで延期し、その間に供用中でアップグレード可能な機材の発展型を追求する方が効果的になるのかとの命題を投げかけている。

 

この推定自体が数年前のものだが、空軍は新型機開発を進展させてよい答えを得たのだろうか?確かにそのように見える。

 

海軍大学校の2016年論文では、長期的に大きな可能性を示す「その時点での」最先端開発項目を挙げていた。

論文では、「空戦用に最適化された新型F-35」、今後登場するB-21、無人機を発進させるC-130「母船」、「兵器満載の重武装機」などが侵攻中の技術進歩を最適化する存在に挙げていた。

 

しかし、F-35近代化で長期計画が立てられていることを考えれば、こうした技術が消滅するとする推定は成り立たない。

 

ミッション・システム、エイビオニクス、AI を利用した標的捕捉と監視、そしてもちろん誘導兵器によって、近代化改修の重要要素多数が達成できることを考えると、ペンタゴンとロッキードの開発部門部門は、F-35が将来数十年にわたってソフトウェアのアップグレードやその他の技術的適応で、飛躍的レベルの性能を達成できると見ているのだろう。

 

F-35と第6世代戦闘機が、2080年代まで同時飛行する可能性があり、統合され接続されると多くが想像している。

 

6Gの AI が コンピュータ処理能力と合わさると

 

AIと高速コンピュータ処理の新しい応用は、目標捕捉、ドッグファイト、センサー統合に関して、航空戦闘の既存パラダイムの再構築につながる。

 

AIの応用で、技術進歩の枠組みが見えてくるとのコンセンサスが広く存在する。

 

Joint Air Power Competence Centerと呼ばれる16カ国のNATOのアナリスト組織が2017年論文で、AIがいつ、どのように人間の能力を追い越すかについて疑問を投げかけていた。

 

「ネットワーク環境における航空戦のコミュニケーション」の表題で同論文は、元米空軍の調達幹部ウィリアム・ローパーが、ペンタゴンで戦略戦力整備室長だったときの発言を引用して、「AIはヒトの能力を超えて進歩し、ヒトと相互作用する」と述べています。

 

「そのため、これから決定的に重要になるのは、膨大なデータから情報を作り出すことだ。そこで、データすべてを管理するために、人工知能や機械学習でサポートされた性能処理が必要になる」と、リスはコメントしている。

 

例えば、AIで強化されたアルゴリズムで、ミリ秒単位で膨大な戦闘情報を収集、分析、整理できる「スマートセンサー」が機体に組み込まれており、航空機のレーダー信号を増加させずに新しいセンシング技術を組み合わせている。

 

「第6世代機」に向け、ミッション・コンピュータと機内処理のインフラとアーキテクチャが重要になる。今日のミッション・コンピュータは、センサーからのデータにより戦場の状況を把握し、戦闘システムや兵器システムを制御して制空権を確保する。第6世代機のコンピュータ処理能力は、現在供用中の性能をはるかに超えるレベルに達するでしょう」とリスは述べた。

 

興味深いことに多機能ハードウェアとして新型高速スマートセンサーがステルス機体に搭載され、機体そのものに織り込まれる可能性がある。外部アンテナ、ポッドや機体形状に組み込めばレーダー探知性が高くなる。

 

「スマートセンサー、スマートアンテナアレイは状況に応じ対応可能年機体構造そのものに組み込む」とジェイン大学国際航空宇宙工学研究所が指摘している。

 

あわせて、センサー有効距離が大幅に伸び、データ共有と接続が長距離でも可能となれば、これまでにない利点が戦闘作戦で実現するが、同時に戦闘のネットワーク化がさらに必要となる課題にもなる。この現象は「組み込み式ISR」のクラスターを生むとJoint Air Power Competence Centerの上記論文はセキュリティ上のリスクとともに「極度の接続性」を警告していた。

 

センサー、兵装がともに有効距離を大きく伸ばし、AI関連機能を盛り込むことで、将来の戦闘は今より分散化し、直線的な部隊同士の対決は減ると見られる。この変化を後押しする新技術によりセンサーや情報ネットワークの重要性はさらに高まる。

 

こうした変化から「組み込みISR」と論文が提唱した構想が必要となる。ネットワークに依存した形の戦闘では標的捕捉で効果を上げ、探知から発射までの時間短縮、長距離攻撃が可能となる一方で、莫大な量の情報の海から重要な内容を取捨選択する機能がさらに重要となる。

 

 

「ネットワーク内全員がすべてを認知する必要はない。階層別構造になるが、バックアップを確保しておき、ネットワーク機能低下に備えるべきだ」(同上論文)

 

そこでAIが本領を発揮する。情報を整理し、そろえて、適切な形に整える機能により情報洪水を回避できるからだ。

 

膨大なISRデータを扱う課題には分散化、解析、整理統合が必要となる。ここでAIや高速処理がものをいう。高度アルゴリズムやリアルタイム解析を使い、コンピュータ処理で即座に重要情報を配信することで優先順位を示し、ヒトの決断を早める効果が大きくなる。

 

AIの助けを借りた戦場での決断にはリアルタイム解析の加速化もあり、決定者は本来なら入手不可能なデータの山から重要情報を把握できる。アルゴリズムで新規情報を統合すれば、収集したデータと比較検証が可能となり、ヒトの手を借りずに裏付けのある決定を下せる。決定的な価値は統合された解析内容が決定者に伝える速度だ。

 

「次世代多機能システムは従来と比べられないほどのデータ量を生成します。機体が搭載する多機能システムは、宇宙船や衛星、パイロットや無人ウィングマンなど、多用な発信源のデータと組み合わされ、非常に高密度のデータ環境を作り出す」とクラークは述べている。

 

「認知の負担」を軽減化するといわれるAIとヒト=マシン・インターフェイスにより、時間がかかりこれまで不可能といわれてきた情報解析が可能となり、ヒトの役割は指揮統制における意思決定に集中できる。

 

ヒトとマシン

 

このことから将来を予測する向きや兵装開発部門はヒトとマシンの属性を慎重にバランスよく組み合わせた最適化で双方の長所を活かしながら統合できると見ている。

 

「これまでドッグファイトが今後も必要なのかとの議論がありました。これはシステムが適切に攻勢されれば、ドッグファイトそのものが不要になるレベルに戦闘の様相が変わるとの翼があったためです。

 

「議論は今も続いており、今後もおわることはないでしょう。ただ、結局のところ元戦闘機乗りはドッグファイト機能をいざというときに備え温存したいと思っているでしょう」(クラーク)

 

ヒト=マシン混合体制があってこそ、第六世代機を「任意有人操縦」としたり、6世代機と運用する無人戦闘機にドッグファイトをさせる、あるいは危険な敵防空網への突入させる構想が生きてくる。

 

興味深いのは、AI応用の自律運用機の技術で実際にドッグファイトのシミュレーションしたところ、有人操縦に対し有利な結果が出ているとはいえ、航空戦でのヒトによる意思決定は正確に真似ることもマシンで完全に置き換えることもできないとの声が多いことだ。

 

米空軍では両者の統合をすでに試みており、実際に有人機とAI機能を搭載した無人機を同時に飛行させている。

 

この構想は「任意有人」機の開発者を勇気づけ、無人機を連携した形で、あるいは場合によっては有人機に代わり運用することにつながるとレイセオンは説明している。

 

「機体にはヒトが必要だが、敵の脅威が強い場合は例外だ。AIを投入しヒトからミッション内容を無人自律運用機に伝えればよい」(クラーク)

 

忠実なるウィングマン


ここから空軍の「忠実なるウィングマン」構想が急ピッチで進展しており今や実際に飛行を開始している背景がわかる。

 

F-35の多機能高性能データリンクMulti-Function Advanced Data Link (MADL)と同様に、第六世代機もなんらかの標的捕捉情報共有のため高度の通信能力を搭載している可能性もある。

 

この技術があれば、ビデオフィードの監視データは地上の指揮所を経由せずに、有人第6世代戦闘機のコックピットから即座に交換、整理、分析されるので、待ち時間が大幅に短縮される。この技術のカギはレーダーで、レイセオンは、データ処理の中核として探知から発射までの時間短縮という、重要課題の実現のため、同技術に注目している。

 

「将来の戦闘に投入される戦術機は率直に言って敵脅威を受けて、待ち時間を以下に短縮して作戦上のニーズに対応するかが求められる」(クラーク)

 

自動着陸技術

 

全く新しい形の高速、AI強化型コンピュータ処理能力により自律運用も強まるというのがレイセオン先端部門が描く第六世代機の作戦能力の中核だ。例としてF-35Bではパイロットの上空ホバリングと垂直降下をあらゆる海洋条件で難なく艦艇上空で実施可能とするソフトウェアが実用化ずみだ。

 

「自動降下技術のおかげで機体を着艦させる間、パイロットは手を触れなくてもいいのです。第六世代機について予言したいのは天候や地形に関係なく自動着陸を精密に行う能力ですね。

 

「自動着陸技術の進化とより精密な参照信号を組みわせることが現実になってきました」とレイセオン・インテリジェンス&スペースで国際営業を担当するマルセロ・カヴァルカンティMarcelo Cavalcantiがウェビナーで発言していた。

 

F-35Cでは「デルタフライトパス」の名称の高性能ソフトウェアを搭載しており、空母着艦のグライドパスに乗せ、飛行を安定させる機能があり、パイロットの負担を減らしている。

 

「空母運用の第六世代機に先立つ技術を実現している。この技術では各種GPSアルゴリズムを統合し、暗号化通信信号を用い、慣性航法センサーを使い、機体を空母の狭い一画に着陸させ、しかも何度でも同じ精度で繰り返し可能だ」とレイセオン・インテリジェンス&スペースで将来型航空機システム技術を担当するコン・ドハティが紹介している。■

 

Air Force 6th-Gen Aircraft Now Airborne - Could be Massive War Technology Breakthrough - Warrior Maven: Center for Military Modernization


New long-range, high-speed, self-guiding weapons, combined with new stealth attributes or AI enabled sensors could help a U.S. 6th-Gen platform achieve overmatch for decades

KRIS OSBORN, WARRIOR MAVEN

JAN 21, 2022


 

-- Kris Osborn is the President and Editor-in-Chief of Warrior Maven and The Defense Editor of The National Interest --

KKris Osborn is the defense editor for the National Interest and President of Warrior Maven -the Center for Military Modernization. Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army—Acquisition, Logistics & Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at national TV networks. He has appeared as a guest military expert on Fox News, MSNBC, The Military Channel, and The History Channel. He also has a Masters Degree in Comparative Literature from Columbia University.


2022年1月10日月曜日

F-22退役が想定より早まるのはNGADがすでに姿を現しているためか。一方、F-35は改修しながら、NGADと相互補完しながら2070年まで供用を続ける....米空軍の構想が見えてきた。

Raytheon.com


F-22退役の日程が前倒しになったのはNGAD第六世代機の登場が早まったためのようだ


 

米空軍の第六世代機が飛行可能となっており、、速力、ステルス、操縦性、兵装、AI応用センサーなどで技術限界を破り現行F-35の性能を超えている可能性がある。

 

未実証の開発初期段階のまま、事業を加速化する第六世代次世代航空優勢機材(NGAD)への空軍の姿勢は適切である。

 

しかし、第6世代機の付加価値でF-35の大幅削減を示唆する動き、あるいは正当化する議論で見落とされがちな変数が数点ある。

 

第五世代機のインパクト


第6世代機の大量投入を加速するため、F-35を削減すべきか?答えは否だ。F-35には相互補完運用を想定しており、実際、今後の同機はミッションセットや技術特性で現在と微妙に異なる機材になる可能性がある。

 

新型第6世代機の構成、性能、任務特性についてほとんど不明だが、同機が、F-35の後継機ではなく、代替機として想定されていることを示す証拠がある。

 

F-22退役が2030年に始まると明らかになったのを考えるとこの想定は一層正しくなっているようだ。ラプターは改修を数次にわたり受けたきたが廃止は当初想定より数十年早くなる。

 

F-22退役が早まるのはNGAD第六世代機が想定より早く登場するためだろうか。その可能性は十分あるようだ。

 

F-35、F-22ともに第五世代機であるものの、全く違う機材である点に注意する必要がある。このため次世代のF-22にあたる第六世代機の開発が実現してもF-35が無用の存在になることはない。

 

逆の意見もある。F-35は、他の追随を許さない情報監視偵察センサー技術、AI対応情報処理、ソフトウェア改修や新型ミッションシステム、標的捕捉での技術革新を受け一貫して性能を適応、変化、向上するマルチロール戦闘機となる。

 

F-35の近代化改修を長期にわたり継続する展望がペンタゴンにあり、2070年代以降まで飛行を続ける。F-35はマルチロール戦闘機でドッグファイトなどこなしながら、最大の優位性はセンサー能力、コンピュータ処理能力、長距離高精度標的捕捉技術にある。

 

これに対しF-22が第六世代機と組むと補完機能を提供するものの、第五第六世代併用による航空優勢のあるべき姿とやや異なる様相となる。


F-22は最高速度、機体制御、空対空戦で世界最高峰の機体だ。センサー能力、近接航空支援能力、通信ネットワーク機能で優れるとはいえ、F-22は航空優勢確保のための機材だ。

 

第六世代機にF-35が必要

 

ここから全体像がはっきりしてくる。第六世代機はパラダイムチェンジをもたらす機材となるが、あくまでもマルチロールF-35が補完的に運用されることで本領を発揮できるのだ。

 

米空軍が第6世代ステルス戦闘機に示す熱意がめだつ。空軍はF-35と新型第6世代次世代制空戦闘機を数十年先まで供用する意向なので、F-35大幅削減の可能性は低いように思える。

 

新しい第6世代機の構成や任務範囲に関するデータは皆無にちかいが、空軍幹部の最近のコメントと過去数年間の開発動向を照らし合わせると、第6世代機は1対1の置き換えにならない可能性が高い。つまり、第6世代機は次世代F-35ではないのだ。

 

むしろその逆で、第6世代ステルス戦闘機と第5世代多任務機F-35は、それぞれ他方にない属性や特徴を持つ。F-22が187機で打ち切られたことを考えると、第6世代機がF-22のような航空優勢で画期的な結果をもたらす可能性の方がはるかに高い。

 

第6世代戦闘機は、F-22をはるかに凌ぐ操縦性を実現するだろうか?おそらく、新次元のスーパークルーズ、推力、加速、機体操縦性で敵機を突き放すだろう。同時に、F-35のユニークな特性として、技術進歩の速度とソフトウェアによる武器アップグレードの継続的かつ迅速な実行を考えると、優位を今後長く発揮するかもしれない。

 

CNNによると、トランプ政権時に、維持費を節約し、第6世代航空機の急成長を十分に活用するために、空軍計画のF-35合計1763機調達を800機に削減する提案をした空軍高官がいた。

 

この発想は、第6世代機開発の初期に生まれたものかもしれないが、当時の空軍の立場を表しているとは思えず、かつ空軍の現在の見識も反映していないのは確かだ。チャールズ・ブラウン空軍参謀長は、のF-35の機材数調達方針は完全に堅持していると述べているが、もちろん、一部で議論が続いている。

 

その後、第6世代機はF-22の代替機となりF-35を補完し、併用される可能性を示す兆候が増えている。

 

あらゆる場面で他機種をしのぐ性能を示す単一機種を生むのは不可能といってよく、このためF-35は今後も改修を続けながら新型第六世代機と併用され、相互に性能を補完することで航空優勢の確保で最適な組み合わせになるとの意見が優勢になっている。

 

第5世代・第6世代のステルス機は、ステルス性能を引き上げていく。第5世代・第6世代機は、現在のネットワーク化の進展を基礎に、現時点以上の効果を戦闘にもたらすとの想定がある。つまり、迅速なネットワーク構築で情報共有し、相互連動が機能すると考えられる。両機種が、付近を飛ぶ無人機や無人地上装備品やロボットと運用されるだろう。

 

NGADとF-35の連携でここまで威力を発揮する

 

近年の技術ブレークスルーで、F-22とF-35間で安全な双方向接続が可能となり、情報・標的情報共有のパラダイムシフトで、連携航空攻撃に新たな地平を切り拓いている。第5世代・第6世代間の連携に大きな期待を抱かせ、さらに発展していくものと思われる。

 

例として、超長距離、高精度のセンサー画像解像度を持つISR対応F-35は、電子光学照準システムにより、第5世代敵編隊の位置を特定し、コンピューター化ミッションデータファイルとAI対応センサーフ融合により、迅速に標的の識別が可能となる。F-35は、脅威データを膨大なデータベースで高速分析し、個別データを関連付けながら迅速に整理しパイロットに提供する、標的を発見し、付近を飛ぶ第6世代航空機にデータを送信し、敵の第五世代戦闘機部隊を撃破させるのだ。■

 

Is the Pentagon's 6th-Gen Fighter an F-22 Replacement?

KRIS OSBORN, WARRIOR MAVEN

JAN 5, 2022


-- Kris Osborn is the Managing Editor of Warrior Maven and The Defense Editor of The National Interest --

Kris Osborn is the defense editor for the National Interest. Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army—Acquisition, Logistics & Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at national TV networks. He has appeared as a guest military expert on Fox News, MSNBC, The Military Channel, and The History Channel. He also has a Master's Degree in Comparative Literature from Columbia University


2021年8月2日月曜日

主張 第六世代機が登場している中でF-35を廃止すれば悲劇的な過ちになる

 

 

 

 

防問題に関心を持つ向きならF-22ラプター事業が大幅予算削減された様相外の進展を忘却している方はいないはずだ。対テロ戦たけなわの中、米軍はこれに踏み切ったが、米空軍に対抗する大国が着々と戦力を整備する中でこの選択は過誤であったと受け止められている。F-22は生産を187機に削減されたが、ステルス機への期待は前線指揮官の間に膨らむ一方だ。F-22削減の決断はここ二十年で米軍の戦略上の誤りで最大といわれる。F-35共用打撃戦闘機で同じ決定を口にする識者ならびに事情を知らされていない政治家が存在するのは事実だ。

 

過ちを繰り返せば代償は大きい

 

F-35でも同じ誤りを繰り返すのだろうか。F-35事業には不当かつ根拠のない批判に加え経費や機体維持に関し虚偽の懸念が投げかけられているのか。F-35の大幅削減を何とかして回避しようとする議会有力議員連に以前のF-22事例から大きな懸念が生まれている。

 

「F-35にも2004年当時のF-22と同じことがふりかかろうとしていると危惧する」と上院軍事員会の有力議員ジェイムズ・インホフェ議員(共、オクラホマ)が空軍上層部を招いた予算公聴会で発言していた。

 

F-35事業が大幅削減されれば何が起こるのか。F-35の稼働機数が減れば、さらに少ないF-22とともに深刻な戦略面の問題が生まれ、空軍は代りに第四世代機を大量投入し、ロシアや中国の航空戦力に対抗せざるを得なくなる。この両国は強力な防空体制を整備しており、自らの第五世代機があるのでF-15やF-16が大量撃墜されるのは避けられなくなる。また米軍が旧式機を長年稼働せざるを得なくなり、維持修理に多額経費が必要となる。

 

またF-35にはネットワーク機能があり、採用各国のF-35とネットワークを形成し、ミッションを実行できるが、この期待が大幅に後退する。おそらく姿を消す。つまるところ、編隊を組み、多数機を相互に統制しつつネットワーク機能を駆使する能力があるため、米国の同盟各国もF-35に資金を投入しているのだ。この機能を葬り去れば全体費用は減るどころか、上昇するのは必至だ。

 

F-35削減は誤った考え方

 

F-35事業の大幅削減に踏み切る懸念では一部に空軍が第六世代機の開発を急速に進めていることからF-35事業の縮小を想定する向きがある。ただし、この考え方は間違っている。現状ではF-35と次期戦闘機を併用することになっているからだ。空軍は両機種は相互補完性があると認識している。それぞれミッションが異なり、性能もことなる機種として運用されるはずだ。

 

第六世代機の構成、性能やミッション内容はほとんど不明だが、同機はF-22の後継機の位置づけとなり、F-35にとって代わるものではないと考えてよい証拠がそろっている。

 

F-22廃止が2030年から始まる予定が示されており、機種交代は明らかだ。数年前までF-22には数次にわたる性能改修が想定されていた。

 

第六世代機が飛行を開始しているがF-3削減の意見が生まれていないことが関心を呼ぶ。むしろ事態は反対で、両機種を併用し相互支援させる構想が出てきた。第六世代機が実現してもF-35のニーズは消えないということだ。

 

F-35が消え去ることはない

 

F-35を廃止した場合に米軍には相当数の別機材が必要となり、ロシアや中国の脅威を念頭に第六世代機が開発されているが、多国籍連合軍が大幅な予算を投入しているF-35には今後も輝かしい将来が控えている。F-22削減で生まれた悪影響を反面教師とし、F-35で繰り返せばロシアや中国が必死になって模倣しようとしている機体を米軍が投入できなくなる事態が生まれるだけと理解すべきだろう。■

 

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History Proves Gutting the F-35 Fighter Would Be a Tragic Mistake

by Kris Osborn

 

August 1, 2021  Topic: F-35 Stealth Fighter  Blog Brand: The Buzz  Tags: F-35 Stealth FighterF-35Stealth FightersU.S. MilitaryF-35 Costs

 

 

Kris Osborn is the defense editor for the National Interest. Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army—Acquisition, Logistics & Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at national TV networks. He has appeared as a guest military expert on Fox News, MSNBC, The Military Channel, and The History Channel. He also has a Master’s Degree in Comparative Literature from Columbia University.

Image: Flickr.