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2020年3月2日月曜日

第6世代戦闘機に必要な要素をここで整理してみましょう。

ソラハピ


第6世代機に期待される装備や性能について専門家の意見をまとめた記事のご紹介です。運用はどうなり、ステルスはどこまで必要となるのでしょうか。F-3の大型化への方向性はまちがっていませんね。ただし、当ブログオーナーの意見はB-21サイズの超大型「戦闘航空機」を予想するものです。


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代の軍用機は「世代」で区別される。設計時期と応用技術が基準で、最新は「第5世代」戦闘機だ。米中露三カ国が開発中で、その後の機材となる第6世代機はどんな姿で、現行機とどこが違うのか。
まず、第5世代戦闘機の要素を見てみよう。ステルス、センサー、スーパークルーズだ。ステルスが必須要件で、機体形状でレーダー断面積を減らす。レーダー技術も進歩しており、ステルスに限界があるとなんども言われてきたが、多くは誇張であり、ステルスは電子戦、レーダーと並びジェット戦闘機の必要条件である。
第5世代機のセンサー類では高性能電子スキャンアレイ(AESA)レーダーや電子光学センサーで敵機の赤外線放射を遠距離から探知する。第4世代機でも同様の性能を搭載例があるが、第4世代機はこうしたセンサーの初期段階で搭載している。その他、センサー融合機能で、リアルタイム映像、拡張現実による目標捕捉、その他データがパイロットの目の前に現れる。特に重要なのが僚機、地上部隊あるいは海軍部隊のデータを取り込み戦闘に活用することだ。
そして第5世代戦闘機のエンジンではアフターバーナーを用いず超音速巡航し、これをスーパークルーズと呼ぶ。これにより任意の地点に迅速に移動でき、敵機に対し運動性で優位に立てるし、燃料も節約できる。第5世代機でもアフターバーナーはつくが、燃料を大量消費することもあり使用場面は限られる。
第6世代機は第5世代機の特徴を引き継ぐが、開発中の技術も採用する。そのため、就役するまでに新技術が実用化されると見込むが、予測はあくまでも現在開発中の技術内容を基礎とする。では第6世代機に採用される新技術を見てみよう。

レーザー兵器の搭載
レーザー兵器が短距離空対空戦を一変させるはずだ。現行の戦闘機は化学エナジーを使う20ミリから30ミリの機関銃を搭載している。第5世代機のF-35も機関銃を搭載するが、兵装、燃料、センサーはすべて機内に搭載するため弾倉サイズに厳しく制限される。F-35Aの4本銃身25ミリ砲は182発しか搭載していない。発射制御機能では機関砲の発射速度、精度、重力の影響すべてを考慮する必要がある。
レーザー兵器は機関銃から大きな進歩となる。必要なのはレーザーと機体エンジンで生まれる電力のみだ。エナジー貯蔵が必要だが理論上は発射回数は無限だ。さらにレーザーは秒速186千マイルで直進するので敵機命中が容易になる。レーザーは敵ミサイルからの防御手段にもなる。

航続距離を伸ばすため機体大型化は必至
現行の戦闘機の戦闘行動半径は670カイリ以下が多い。超大国間の戦闘へ回帰する中で長距離性能が痛感されている。広大な太平洋、東欧、ロシアを考慮すると戦術機が長距離を移動する機会がでる。事態を複雑にするのがロシア、中国ともに大量のミサイルで、西側の航空基地や早期警戒機を使用不能にしようと構えていることだ。
新鋭機ではステルス性能のため外部燃料タンクを搭載できない。第6世代機で戦闘行動半径を4割伸ばそうとすれば物理的に大型機にして燃料搭載量を増やすしかない。航続距離が伸びれば広範な空域に戦力分散でき、対応も柔軟に可能となる。

無人機編隊を同行させる
現在開発中の高性能亜音速無人機に危険任務を無人機に任せる選択肢をパイロットに生む。米空軍の「忠実なるウィングマン」構想では戦闘機は無人機小編隊と飛び、偵察、電子戦、攻撃、空対空戦までこなさせる。低価格かつ使い捨て無人機により空軍は機材数を増やしつつ上昇する一方の有人機コストに対応できる。
敵地侵攻任務につく第6世代機に無人機編隊が同行するはずだ。一部は敵の地対空レーダー探知、対放射線ミサイルによる撃破任務を割り振られる。あるいは意図的に滞空して敵レーダーの再起動を待つはずだ。その他の無人機は強力な妨害信号を発信したり、有人第6世代機に偽装する一方、空対空ミサイル搭載の無人機がおとりとなり敵機を有人戦闘機のしかける罠に誘うだろう。有人機の兵装搭載量の限界を補うため、精密誘導ミサイルや爆弾を搭載する無人機も配備されるはずだ。

人工知能がパイロットを助ける
自機、僚機、艦船、地上部隊、衛星、その他から流入する大量データへパイロットが対応しきれなくなる。将来においてもパイロットの処理能力が大幅に増える予測はない。パイロットは自機操縦に専念すべきで、AIがかわりにデータの洪水をさばき、優先順位つきでパイロットに表示してくれる。
第6世代機のAIは例えばロシアの「チーズボード」レーダーを探知し、次にとるべき行動メを提示する。一緒に飛ぶ無人機の燃料残、飛行距離、兵装類の状況も把握する。機体が損傷した場合は代替基地を表示し、必要な燃料と距離を算出する。また緊急度の低いデータは別のAIに割り振り、重要データのみパイロットのAIに集中させミッション達成を確実にする。
こうした次世代ジェット戦闘機に応用が期待される新技術により第6世代機が実現するはずだ。ここにない新技術も導入される。いずれにせよ次世代機は現行機材から大きく進歩し、かつてない威力を空軍部隊は発揮するだろう。■

この記事は以下を再構成しています。

F-35s Are Old News: What Would a Sixth Generation Fighter Look Like?

September 14, 2019  Topic: Security  Blog Brand: The Buzz  Tags: F-35Sixth-Generation FighterMilitaryLasersAI



DMM FX

2017年12月14日木曜日

MDAが目指すICBM打ち上げ初期段階でのレーザー攻撃



MDA awards contracts for a drone-based laser design

MDAが無人機搭載レーザーの設計を各社に発注

An MQ-9 Reaper sits on the flight line Nov. 16, 2016, at Creech Air Force Base, Nev. The MQ-9 provides persistent attack and reconnaissance capabilities. (Airman 1st Class James Thompson/U.S. Air Force)

By: Jen Judson 1 day ago

  • 米ミサイル防衛庁(MDA)がUAV搭載の数キロワット級レーザーと光線安定装置試作を三社に契約交付した。
  • ロッキード・マーティンジェネラルアトミックスボーイングの各社でそれぞれ9百万ドル程度だ。
  • これまでMDAは指向性エネルギー技術の段階的増加を目指し、「実験室レベルから規模拡大し精密照準を無人機から行い数キロワット級レーザーを機体搭載する可能性を模索する」としてきた。MDA局長サミュエル・グリーヴァス中将Lt. Gen. Samuel Greavesの声明をDefense Newsは入手した。
  • MDAは2015年に低出力レーザー実証事業を開始し概念設計をボーイング、ジェネラルアトミックス、ロッキード・マーティン、ノースロップグラマンレイセオンの各社に求めてきた。
  • 概念設計ではMDAの要求内容に合致し、実現可能性の評価や日程管理、費用面も検討したとグリーヴァス中将は述べている。
  • この結果をもとに飛行テストの仕様をMDAは固めた。
  • 実証機は追尾レーザー、防御レーザー、光線制御装置で構成し、高高度無人機に搭載する。
  • 選定企業は実証機開発で機材選定やレーザー、光線制御装置の初期設計を自社責任であたるとグリーヴァス中将が説明。「有人機でもいいが、レーザーや光線制御部分は地上操作としUAVへの移行リスクを低減させたい」
  • 契約企業三社は第一段階で初期設計を完成させ最終案を第二段階でまとめる。第二段階は2018年末から1年間の予定。重要設計審査で第二段階を終える。
  • 第三段階は2019年開始とし2023年までにすべて順調なら終了する。設計案から一ないし二機種を製造し飛行テストする。各種滞空中テストで「飛翔中ミサイルの捕捉、レーザーの脅威対象への照射持続を実証する」とグリーヴァス中将が述べている。「各段階で各社による競争効果を評価していく」
  • 低出力レーザー実証事業はMDAがめざす指向性エネルギー・レーザー技術の実証の一環で今後弾道ミサイル防衛システムに統合するとグリーヴァス中将が述べる。
  • 「可能性のある各コンセプトを試しており、ここから各種装備が生まれる可能性がある」
  • そのひとつがUAV搭載レーザーで大陸間弾道ミサイルを発射直後の加速中に長距離スタンドオフ攻撃で撃破するという。
  • このためにはミサイル追尾と「高度に安定しながら軽量で正確に照準を合わせられるレーザー光線が必要」とグリーヴァス中将が説明。
  • 低出力実証は段階を追って向上させる実証事業で目指す機能の実現が目的だ。
  • 「各種技術をテスト中で可能性がある分野を選定する。テスト結果に基づき、ペンタゴンや議会と協力して指向性エネルギー装備、レーザー装備や測距技術の最良の選択をミサイル防衛に取り入れていく」(グリーヴァス中将)■


  1. コメント スタンドオフで敵ICBMの発射直後に攻撃するためには現状の処理速度を数倍に引き上げたうえでもっと出力増が必要となるはずです。さらに防御のためにはおとり機も同時にうんようするのではないでしょうか。探知には衛星も使うはずで相当大掛かりなシステムになりそうですね。しかしこれが実現すれば各段階でのMD手段が実現します。核廃絶を理念だけで訴える勢力には到底理解できない体系だと思いますが。


2017年10月24日火曜日

空軍機材からのレーザー兵器運用技術はここまで進展している


レーザー兵器の発展は急速なようです。
光ファイバーレーザーは新技術なのでしょうか。今やレーザー単体より光学系センサー技術との同期化など応用面に研究の中心が移っているようですが、電源確保、安定性など航空機での実用化にはまだ課題は多いのでしょう。一方で完全自律兵器は米国ではタブー扱いですがこんなことにかまわない東側勢力はちゅうちょなく「ターミネーター」を作り、いつの日か暴走するのでは。恐ろしいです。


Air Force Tests Bolt-On Aircraft Laser Weapon

米空軍が航空機搭載レーザー兵器試射に向け準備中


Scout Warrior - May 28, 9:48 PM

  1. 米空軍科学技術部門がB-52に防御用レーザー兵器を搭載し飛来する空対空ミサイルを焼きつかせようとしている。
  2. 攻撃防御両面でレーザー兵器を空軍は戦闘機や大型貨物機への搭載を狙い数年にわたり開発中だ。ただし空軍研究所Air Force Research LabがSHIELD事業の名前で別の5か年開発事業に乗り出しており機内発電容量の確保、光学高エネルギーレーザーで大型機のB-52やC-130さらに戦闘機の防御に役立てる。
  3. 「長期的にはレーザーを攻撃兵器に運用して標的を排除できるようになる」と空軍科学主任グレッグ・ザカリアスAir Force Chief Scientist Greg ZachariasがScout Warrior 単独インタビューで答えている。
  4. おそらく外部装備ポッドから十分な電力を確保する構想と思われるが、AFRLはすでに実証装備を機材に取り付ける作業に入っているとザカリアスは述べている。
  5. 外部ポッドは敵レーダーに探知されやすくなりステルス機への搭載は困難とザカリアスは認める。
  6. ただし1960年代製の大型B-52が防御能力の恩恵を一番大きく享受するはずだ。B-52はハイテク技術アップグレードを続けて受けており、空軍は同機をまだ数十年稼働させる。
  7. B-52の防御は重要課題になるはずで、改装B-52をペンタゴンは重武装機別名「空飛ぶ爆弾トラック」として使う構想があるからだ。
  8. レーザーは高熱と光エネルギーで標的を爆発させる代わりに焼却する構想で運用は非常に高速で高速標的を即座に破壊するか敵の攻撃にも対応する。防御用兵器にして敵ミサイル妨害にも使えると開発陣は説明してくれた。「飛来するミサイルを破壊する代わりにコースをずらせるのです」(ザカリアス)
  9. またレーザー兵器に望遠鏡の光学技術を同調させれば高速移動標的の高精度追尾破壊を実現できるとザカリアスは説明してくれた。
  10. 光ファイバーケーブルを束ねることがレーザー出力の増強策になり1キロワット出力を10キロワット兵器にできる。「光ファイバーレーザーの問題は安定性とレーザーそのものの拡大だ」(ザカリアス)
  11. レーザーの標的捕捉でもフェイズドアレイレーダーとレーザーを同一波長で接続して同期化を進めた兵器になる。
  12. 航空機からのレーザー発射は戦闘機でゆくゆく実現し広い用途が考えられ、空対空戦、近接航空支援、対UAS(無人機)攻撃、小舟艇攻撃、地上攻撃さらにミサイル防衛を考えていると関係者は述べる。
  13. 低コストがレーザー兵器のカギであり、高価なミサイルの投入が不要となる。
  14. 空軍研究部門関係者は空中発射レーザー兵器の実用化を2023年までに実現すると述べている。空中発射実験は202年までに実施すると空軍関係者は述べている。
  15. 高エネルギーレーザー(HEL)の地上兵器運用テストがここ数年ホワイトサンズミサイル試射場(ニューメキシコ)で続いており、空軍指向性エネルギー局が高エネルギーレーザーテストをニューメキシコのカートランドAFBで実施中だ。
  16. 空軍首脳部は大型機のC-17やC-130からの空中発射から始め、小型化が実現すればF-15、F-16やF-35にも投入されるとみている。
  17. 航空戦闘軍団は自機防御用高エネルギーレーザー高度技術実証で中規模出力レーザーを小型化し戦闘機用ポッドに搭載して地対空、空対空ミサイルへ対応させる。
  18. 空軍特殊作戦軍団は空軍研究所とともに海軍支援施設ダールゲンともレーザーをAC-130Uガンシップに搭載し攻撃用途に使おうと模索中だ。
  19. レーザーでは弾薬量の制約がなくなるのが利点だ。ミサイル6発なり7発を機外機内に搭載するのかわりに、指向性エネルギー兵器ならわずか1ガロンのジェット燃料で数千回発射できると空軍専門家は発言。
  20. レーザー兵器は弾道ミサイル防衛にも投入できる。ジェイムズ・シリング海軍中将(ミサイル防衛庁長官)は2017年度予算審議の席上で「レーザー技術の成熟化は死活問題だ」と述べている。
  21. 技術の進展では自律化技術分野がめざましくレーザー搭載無人機で敵を捕捉、追尾、破壊する能力がセンサー、目標捕捉、兵器運搬の組み合わせで実現するとの見方が強い。すべて人的関与なしで実現する。
  22. 急速に技術が発展する中でペンタゴンは自律型兵器運用でも「人員を関与させる」考え方をウェポンシステムに導入しているとザカリアスは認める。
  23. 「人員との接続を必須としており、断続的でもかならずチームに人員をかませる。実現まで数年かかるだろうが、自動化技術も数年にわたる開発が必要だし、飛行制御コンピュータや航空機そのものと多様な内容だ」(ザカリアス)
  24. ミサイル装備にはトマホークやSM-6のようにセンサーとシーカー技術で自律運用や半自動自己誘導を実現しているものもあるが、なんらかの人的介在が必要だ。ミサイルと大型機や高機動地上ロボットが自分で標的を破壊する作業は異なる。■

2017年9月24日日曜日

★AC-130Jは究極のガンシップになる、だがまだ実戦投入できず



AFSOCは対テロ戦にずっと従事して16年間戦っているわけですか。米国にとって最長の戦いになっていますね。空軍の中に陸軍があるようなものなのでしょうか。すごいです。レーザーが果たしてうたい文句通りの効果を発揮するのかシリア等で実証する役目もありますね。



The U.S. Air Force's 'Ultimate Battle Plane' Is Nearly Ready for Combat

米空軍の「究極の戦闘航空機」は戦闘投入まであと一歩


September 22, 2017


  1. 米空軍のAC-130Jゴーストライダーは次世代ガンシップで「究極の戦闘航空機」とか「銃搭載の爆弾トラック」とも呼ばれ9月末には何も知らない地上の敵に一斉射撃の雨を降らせるよういなると米空軍特殊作戦軍団AFSOCが9月19日に発表している。
  2. 「IOC初期作戦能力獲得を今月AC-Jでおこなう」とマーシャル・ウェッブ中将Lt. Gen Marshall Webbが空軍協会の年次カンファレンスで報道陣に発表している。「これは完全装備のガンシップだ」
  3. 改装を受けたC-130JはAC-130Hスペクターの後継機として発注されていた強力な近接航空支援機材で30mm GAU-23/A自動機関砲x1および精密誘導弾薬としてGBU-39小口径爆弾、AGM-176グリフィンミサイルを搭載する。兵装システムを制御するのが精密攻撃パッケージPrecision Strike Package (PSP)でAC-130WスティンガーIIで2009年から運用テストをしていたものでGPS誘導機能や新型火器管制インターフェースがあるとMilitary.comが伝えている。
  4. だが何と言ってもゴーストライダーの最大の特徴は105mm M102榴弾砲の威力で毎分10発の50ポンド弾を恐るべき正確さで発射する。105ミリ砲の追加装備はAFSOC内部の議論を経て2015年1月に確認されたゴーストライダーの追加装備は次世代空中戦艦の必要装備とされた。
  5. ただAFSOCの予定通りとなれば105mm砲はゴーストライダーの最大の武器にはならない。AFSOCは2017年4月時点で指向性エネルギー・レーザーシステムで敵の電子装備を破壊し重要インフラを使用不能にする技術開発を進めていた。「爆発を発生せず、また機体のエンジン音を聞くまでもなく、敵の標的は使用不能となります」とウェッブ中将はNational Defense 誌にCAS任務でのレーザー兵器の可能性について語っている。「敵は通信手段を失い、脱出用車両も使えず、電力も失い、報復手段もなくなるのです」
  6. ゴーストライダーは現時点で10機あり空軍は2021年度までに全37機体制にすべくロッキードに発注中だ。だがIOCを取得したものの同機はまだ数年は実戦投入されず、最短で2025年にならないと完全な作戦能力を獲得しない。
  7. ではなぜゴーストライダーを現時点で投入しないのか。ウェッブ中将は訓練の遅れが特殊作戦への需要の高まりと高い作戦テンポで発生しているとアフガニスタン、イラク、シリアを念頭に発言している。だが作戦テンポは今後さらに高くなりそうだ。ウェッブ中将が報道陣にかたったことによればAFSOC部隊の配備実績はDoDがこれまで経験したことのない水準にあり、14,461名の隊員の中には10回以上実戦に投入されているものもいるとAir Force Timesが伝えている。
  8. 「課題はいかに現在の戦況で戦うかで、アフガニスタン、イラク、シリアにはガンシップも派遣しており、一部機材を新たなウェポンシステムに転換もしている」とウェッブ中将は9月19日に報道陣に語っている。「他の部隊のようなぜいたくな環境にはないのが当軍団の実態だ」
  9. ただ時が来ればゴーストライダーは完全に準備が整い本来の性能を発揮し雨のように砲弾を発射しアメリカの敵を打破するはずだ。AFSOCも16年間休むことなく外地で戦闘をつづけているが、ウェッブ中将のひとことが同軍団の姿勢を表している。「われわれはただ待っているわけにはいかない」■
Jared Keller is a senior editor at Task & Purpose and contributing editor at Pacific Standard. Follow Jared Keller on Twitter @JaredBKeller.
This article originally appeared at Task & Purpose. Follow Task & Purpose on Twitter.
Image: U.S. Air Force

2017年6月28日水曜日

★レーザー兵器開発の最新動向:アパッチでヘリコプター搭載実験



The U.S. Military Just Attached a Laser Weapon to an Apache Gunship
ここまで小型化が進んできたのかということですが、肝心のヘリコプターレーザーポッドの効果は不明です。機内の発電機を使ったのか高性能蓄電池を使ったのかもわかりません。とはいえ、技術がここまで来ているということと将来の姿が見えてきたということでご紹介します。

The U.S. Military Just Attached a Laser Weapon to an Apache Gunship

アパッチガンシップにレーザー兵器搭載

Raytheon tests helicopter-borne laser pod

レイセオンがヘリコプター搭載レーザーポッドを実験

 June 26, 2017 Robert Beckhusen

  1. 米軍のレーザー兵器開発の中心は海上、陸上、固定翼機でレーザーで目標を焼くには相当の電力が必要となっているのが制約条件だ。
  2. だがヘリコプターでも作動できる。レイセオンが高エネルギ―レーザー兵器をAH-64アパッチヘリコプターガンシップに搭載し試験を行っている。
  3. レイセオンはレーザ―兵器システムとして初の「完全統合」型ができたと述べている。つまりレイセオンの複合スペクトラル目標捕捉システムのセンサーをヘリコプターから運用し「各種の飛行条件、高度、速度」で試したのだという。
  4. テストには米特殊作戦司令部(SOCOM)が加わり、ホワイトサンズミサイル試射場(ニューメキシコ)で行われた。目的は各種標的にレーザーでどこまで対応できるかの検分だった。同社とSOCOMはアパッチの機体振動、回転翼が生むダウンウオッシュで砂が混じる中でレーザーが機能するかをチェックした。
  5. レイセオンが公開した写真ではレーザーを収めた灰白色ポッドがアパッチ左側パイロンの下に見える。同装置は「一次二次目標すべてを達成」し「予想通りの作動をした」と同社は発表。
レーザーを搭載したAH-64アパッチ。ホワイトサンズミサイル試射場で。Raytheon photo

  1. 米陸軍のアパッチは1986年供用開始し、30mm機銃、70mmロケット砲、AGM-144ヘルファイヤ対戦車ミサイルと強力な武装を搭載する。
  2. ただしこの武装では過剰威力になる標的もある。敵司令部に電力供給する発電機だけを破壊したい場合、単価115千ドルのヘルファイヤミサイルよりレーザーが効率が良い。敵無線送信塔や軽車両の攻撃でも同様だ。
  3. 利点は単価にとどまらない。レーザー光線は光速かつ完璧に正確に数マイル先から発射できる。ただし、発射装置がヘリコプターの振動を克服できる前提だ。
  4. AH-64アパッチにレーザーを搭載し空中目標にも対処できる。2015年にボーイングから2キロワットレーザー兵器で無人機を焦がす構想が発表された。同社はアパッチに搭載する想定も出しているが、米空軍がイラン無人機をシリア上空でつぎつぎとF-15で排除している。
  5. とはいえ、実戦レベルのレーザーを搭載したアパッチはまだ先のことで、今回のホワイトサンズ事例は実験にすぎない。艦上搭載レーザーの効果をまず見ることになりそうだ。33キロワット出力のXN-1 LaWSが揚陸輸送艦USSポンスに搭載されている。これでも比較的小出力のレーザーで、艦船の発電機は相当の出力容量がありXN-1の二倍三倍程度の兵器を運用できる。
  6. 艦船と同様に航空機からレーザー発射した場合には大気によるレーザー劣化の問題があるが、ペンタゴンはレ―ザ―実用化に大規模な予算拠出をしている。
  7. 米空軍特殊作戦軍団は実験レーザー兵器をAC-130ガンシップに搭載する準備中だ。「AC-130機内に余裕があり高周波エネルギー兵器で地上の人間を殺害せずに妨害できる日が来ますよ」とAFSCOのブラドレー・ハイトホールド中将は述べている。■

2016年1月16日土曜日

★★ノースロップ>次世代戦闘機はサイバー回復機能を搭載する




今のところ第六世代戦闘機(この用語が正しいのでしょうか)について中身が一番伝わってくるのがノースロップ・グラマンのようです。生き残りをかけて次期戦闘機事業の獲得を狙っているようです。今回の内容からは同社の目指す方向が見えてきます。

Northrop Lays Out Vision for ‘Cyber Resilient’ Next-Gen Fighter

Lara Seligman 12:51 p.m. EST January 15, 2016
http://www.defensenews.com/story/defense/air-space/strike/2016/01/15/northrop-cyber-resilient-next-gen-fighter/78833308/
635884555563533319-NGAD-2.jpg(Photo: Northrop Grumman)
PALMDALE, Calif — ノースロップ・グラマンはF-35共用打撃戦闘機事業に参画しながら、次世代の機体構想を練っている。
  1. ノースロップで航空宇宙部門を統率するトム・ヴァイス社長は長距離無人戦闘機構想を今週発表して、レーザー兵器と高性能「サイバー回復力」“cyber resiliency” を搭載し、今よりネット化が進む2030年代の脅威対象に対抗する構想だという。
  2. ペンタゴンは第六世代戦闘機の初期構想作成にとりかかっており、空軍F-22と海軍のF/A-18の後継機づくりを2030年代の想定で進める。昨年はじめに空軍は将来の航空優越性確保に必要な技術要素の検討作業を開始している。
  3. 産業界も次の競作の準備を開始した。ロッキード・マーティンは第五世代戦闘機F-35で主契約企業だが、次代の戦闘機構想の作成にとりかかったと伝えられ、ボーイングはこっそりとモックアップ案数例を発表している。
  4. ノースロップはF-35で協力企業であり同時に第六世代戦闘機では主契約企業の地位をめざすとヴァイス社長は報道陣に1月14日話している。同社は次世代戦闘機の性能指標の決定を目指した研究を始めていると同社で技術研究と高度設計事業を担当するクリス・ヘルナンデスが述べている。
  5. ヴァイス社長発言は同社が主催したカリフォーニア州の同社施設査察旅行ででたもの。Defense Newsは旅費、宿泊費を同社から受け取っている。
  6. ペンタゴンがこれから解決すべき問題に機体のデータと通信内容の保全がある。これからはサイバーハッキングがあたりまえになる。サイバー攻撃をすべて回避することは不可能だ。かわりに侵入を探知し、被害の発生を防ぐ、とヴァイスは言う。
  7. 「人体は感染を受けやすいが、皮膚表面で感染をすべて食い止めるのは不可能だ。感染した場合に身体が反応する」とヴァイスは言う。「人体には素晴らしい機能があり白血球がウィルスを攻撃し、制御して身体に害が広がるのを防いでいる。2030年には同様のシステムが実用化しているだろう」 次世代の制空戦闘機にはデジタル版の白血球が搭載され、システムがサイバー感染しても広がるのを防げるとヴァイスは見る。
  8. もう一つ業界が考えているのは速度と航続距離の完璧なバランスだ。速度と飛行特性はこれまで戦闘機で最重要視されてきたが、ヘルナンデスによれば将来の機体では速度を犠牲にしても航続距離を重視するという。飛行距離は利用可能な基地が世界各地で減る中でもっと重要になっていくというのだ。 「飛行距離と速度は直交関係にある。亜音速機は超音速機よりずっと飛行時間が長い。次世代戦闘機でも超音速飛行性能はあるだどうが、現在の戦闘機ほどの速さには及ばないだろう。その分航続距離が重視されるからだ」
Northrop Grumman's rendering of a sixth-generationNorthrop Grumman's rendering of a sixth-generation fighter jet (Photo: Northrop Grumman)
  1. 第六世代機の課題には機体での熱制御もある。超音速飛行、指向性エネルギー兵器が排出する熱の処理だ。ここに高出力レーザー兵器が加わると熱制御はもっとむずかしくなるとヴァイスは指摘する。現在の熱制御のレベルは「不十分」と言う。
  2. 「高出力レーザー兵器システムを超音速機に搭載して発熱が発生しないとは誰も期待できない」とヴァイス社長は述べた。「そのため相当の時間をかけて熱の再利用を図る方法を模索していくことになりそうだ」
  3. ペンタゴンと業界はこれとは別に第六世代戦闘機がそもそも有人機になる必要があるのかで答えを模索することになる。答えはそんなに簡単ではないとヴァイスは言う。多分物理的に機内に乗員が入ることはないだろうが、遠隔操作でミッションをこなすのだろう。「ジェット機に人をこれからも乗せるのか、それとも人をミッションにあてておくのか。本当にコックピットに人が乗り込む必要があるのかで答えはそのうち出そうだ」
  4. 未来の飛行隊は有人機と自動飛行機の組合せで無人機を統率する「ミッション指揮官」が隊を指揮するのではないかとヘルナンデスは言う。
  5. だがロボットは頭脳のかわりにはならず、人間にはソフトウェア改訂がなくても最新の情報に適応できるとヴァイスは指摘する。そこでノースロップが取り組んでいるのは自ら学習して進化できるソフトウェアでリアルタイムで意思決定できる機能だという。
  6. この技術は第六世代機には間に合わないかもしれないが、その後の改修で搭載できるかもしれないとヘルナンデスは言う。
  7. 「生身のパイロットに何か新しいことを教えるときにわざわざ脳を取り替える必要はないでしょう。ならば、学習機能のついた機械もできるのでは。進化できる機械が可能ではないでしょうか」(ヴァイス)■

なるほど、人工知能、マンマシンインターフェース、自律飛行、排熱の再利用技術など新しい次元の課題がそこまできているということですね。ノースロップが費用負担した報道陣向けツアーであることをちゃんと記するのは良いことだと思います。