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2016年9月12日月曜日

9/11から15年。アメリカ的思考はその教訓をこうまとめる



うーん、どうなんでしょう。いかにもアメリカ的というか。これが3.11の15周年エッセイならこんなトーンの回想録が日本人に書けるでしょうか。思考の方向性が全く違う気がします。日本メディアが日本人の思考でまとめた記事とも全く違っているでしょう。ご参考までに。

The National Interest

9/11 Anniversary: 10 Lessons Learned From the 15-Year ‘Long War’

September 8, 2016


9/11当日に筆者は軍務にいたが、この15年で生活も国の動きも大きく変わってたとはとても思えない。
渦中にいたものには時間は早く流れた感が強いがその他国民にとっては過去の歴史の一部だろう。現在ヘリテージ財団でインターンをする若者は4歳5歳だった。この長期戦で得られた教訓は何なのか。
1.  どの国も脆弱、民主体制も同様。アメリカの自由と開放さが攻撃を招いた。9/11のテロリストはアメリカを世界に紹介する制度を利用して入国している。これまでは2つの大洋が直接攻撃を防いできた。すべてのグローバル化がその仮定を変えてしまった。アメリカも他の国同様に外部から攻撃されることを示した。
2. アメリカの回復力は高い。9/11攻撃が他国で起こっていれば衝撃の脅威で服従させられただろう。だがアメリカは違う。たしかに動揺し、混乱させられたが直後数時間のことで、国家指導層は対応が早かった。米経済は崩壊せず、政府機構は機能不全にならず、世界各地からの軍撤退を求める声は殆ど出ずか細いものだった。困難にめげず頑張る姿勢がアメリカにあり、大混乱のあとも仕組みが機能しつづけていた。
3. 国家勢力相手の戦いより対テロリズム戦は長期戦になる。アメリカでは外交政策は期限付きで考えることが多い。特に軍事作戦が絡むとこの傾向が強い。第二次大戦は数年間でお終わり、ヴィエトナムは長かったが最終では終結した。テロとの戦いではまだ終結の兆しが見えない。オバマ大統領も「永久に戦い続けるわけに行かない」と述べたほどだが、残念ながら大統領は「敵も得点する」きまりを忘れているようだ。急進イスラム教徒のテロ集団はまだ野望を捨てておらず、こちらも見逃すわけに行かない。戦いは今後も続く。
4.  保安体制と市民の自由の双方を最大限実現する必要がアメリカにある。9/11直後は保安体制強化に傾いたのは追加攻撃の恐れがあり当然と言える。その後、方向は逆に向かった。今日でも議論は続いている。これはリベラル派対保守派の重箱の隅をつつくような論争ではない。アメリカを世界唯一の存在にしている精神、心の問題だ。確かに米国のような民主制度は権利を守り、開放佐を維持しているゆえに脆弱さがある。米指導層の課題は市民の生命財産を守りつつ自由を犠牲にしないことだ。これは簡単ではないし、疑問もう無だろうが、指導層に求められたもっとも重要なバランス作業だ。その意味で今も続く議論は継続すべきだ、どちらの方向に向かうにせよ。
5. アメリカ国民一人ひとりが原則を確認すべきだ。政治家の多くが重要課題を風向きが変わったかのごとく話す。政府高官の座についても安全保障対市民の自由問題ではコロコロと方向を変える。それぞれ「反対する前は賛成だった。反対の前は賛成だった」と表現される現象を示し、国民は重要課題を政治家だけには任せられないと感じている。アメリカ国民全員が関与する必要があり、したがって基本原則に親しんでおく必要がある。これは「プロ集団だけにまかせておけばいい」課題ではなく、全アメリカ人の課題だ。
6. 敵をみつけなくても良い時がある、筆者自身のことで恐縮だが、陸軍特殊部隊の幹部として世界中を駆け回り、9月11日にはバージニア州北部で私服のまま戦闘に入った。それ以前もアルカイダが宣戦布告していたが、その日初めて現実に直面したのだ。誰だってこれは望むことではなかったが、アメリカは対応を迫られたのだ。
7. 世界「最悪」かつ最良の軍が非対称の敵との戦い今も手こずっている 米軍は世界各所で叩く準備を整えておく必要があり、敵となる相手は多様だ。アメリカの権益はグローバルに分布し、敵も同様だ。kのためアルカイダのような想定外の課題に迅速かつ最適な対応が必要であり、今はこれがイスラム国になっているわけだ。さらにアメリカは規則に則って戦う。だが相手となる非対称勢力はこれをしない。だからこちらが変わる必要があるというのではないが、イデオロギーで動く敵は撲滅が困難だ。
8. アメリカ指導層には指導力が必要だ。傍観は望ましい選択肢ではない。指導力を発揮するとはまとめればこんなところだろう。米国民にこの先起こることへ準備させることであり、実態をぼやかしたり、正面から説明することを避けてはならない。事実を語る。事実を隠したり、論点を見えなく仕様としても失敗する。さらに信頼を失う。厳しい決断をすべきだ。指導層は選挙の洗礼を経て指導する立場になるのであり、票で生きているのではない。アメリカにとって正しいこと最善なことで生きるのだ。最後に憲法が与えた仕組みを活用することだ。ねじまげたり、闘争手段にしてはならぬ。アメリカの制度は単純ではないが、世界の統治機構としては最善の存在だ。政争に明け暮れず仕事をしてもらいたい。
9. アメリカ若年層は今でも最高。いつの世も若い世代は年長から不信の目を向けられるものだ。たしかに2000年世代はひとりひとりの関与の仕方が弱い。だがすばらしい個人も存在する。米軍に志願する若者は偉大な世代に属する。政府に加わり、各地で自らを犠牲にしてまで働く若者の数はアメリカを前進させる頼もしい力だ。
10. 最後にアメリカは完璧ではないが、国民は世界とともにアメリカが特別の存在であると承知し、役目を果たすことを期待している。マイク・ヘイデン将軍がアメリカがこの七年半にわたり指導性を発揮しなかったのは古典的映画になった「素晴らしきかな人生」のようだと表現した。絶望した主人公は本人がもし生きていなかったら全然異なっていた世界を見るのだ。ヒント、これはまずいことだ。アメリカは最良ではないが、この国は建国の父祖が独立宣言や憲法に盛り込んだ原則から生まれる役割を演じてきた。アメリカは独特の存在であり、指導性を示せねばならない。
.ここまで長く辛い15年だった。アメリカ人が誰も望まなかった犠牲と苦闘の時だった。そこからの教訓に耳を傾ければ、アメリカの時代はまだ終わったわけではないのがわかる。
This first appeared in The Daily Signal here.

2015年4月20日月曜日

ISIS,アルカイダ>テロ集団のフランチャイズ化が顕著に


米中軍事衝突が将来発生するかは予断を許しませんが、テロとの闘いは現実です。しかも下記事が指摘するようにフランチャイズ化しつつ要注意組織が広がっている事実は実に厄介と言わざるを得ません。人質交渉など相手側の期待する効果を一切排除し、冷淡と言われようが筋を貫く姿勢が必要なのでしょう。

Panel: ISIS, Al Qaeda Franchising Efforts Changed the Face of Terrorism

By: John Grady
April 3, 2015 12:22 PM

Members of the al Qaeda affiliated group al Shabab in Somalia in 2013
アルカイダ系集団アルシャハブの戦闘員たち(ソマリア、2013年)


アルカイダあるいはISISと連携していると称する集団がフランチャイズ化しているのが国際テロリズムで最大の変化点だと専門家二名が大西洋協議会で指摘している。.
  1. ジョージタウン大学で安全保障を専門とするブルース・ホフマンBruce Hoffmanによれば米国は2001年9月11日のニューヨーク及びペンタゴン攻撃のあと「アルカイダの成功に自らをつなげる」テロリスト集団多数の動きを把握できなかったと述べている。「今回も全く同様の誤ち」をボコ・ハラム(ナイジェリア)、アルシャハブ(ソマリア)ほかエジプト、リピアのISISとつながりがあると称する集団で犯していると指摘。
  2. 17もの集団が各地で活動している。ブルース・ライデルBruce Riedel はブルッキング研究所で情報関連事業の統括者で、ワシントンの聴衆に対して「数が限られているアナリスト、有限な無人機」をどこに配備すべきかと問題提起した。
  3. アルカイダは組織存続のため劇的な攻撃を仕掛ける可能性があり、ISISは迅速な衝撃を与える作戦を取ることが多いが、テロリズムは米大使館襲撃レバノン海兵隊隊舎爆破(1983年)で十分効果をあげられることを実証済みだ。実施しても失う代償はごくわずかだが、成功した場合の効果は大きく、海兵隊はレバノンからわずか数カ月後に撤退している。同様に2001年の同時攻撃に投じた50万ドルは米国の支出5兆ドルを呼んだ。ここにはアフガニスタン、イラクでの長期戦の経費を含む。
  4. ホフマンによればアルカイダを主導するアイマン・アルザワヒリAyman al Zawahiri が数ヶ月に渡り沈黙を保っているのはアルカイダが南アジアで支援拡大を図っているためだという。この南アジアとはインド亜大陸からミャンマー、インドネシアまでを指す。
  5. パキスタン海軍の誘導ミサイルフリゲートの乗組員、士官に潜入し艦を占拠し、各国海軍が海賊対策活動を展開中の海域に同艦を移動させ米海軍艦船を攻撃しようとして失敗した試み(2014年9月)では「空母を狙っていた形跡がある」とし、攻撃を実施していたらパキスタンと米国の海上戦に発展していた可能性を指摘。
  6. ライデルはCIA分析官の経験があり、こう発言している。「全体的なアプローチ」がテロリスト対策に必要だ。「大規模な武力が必要、無人機も必要、SEALも必要」だが、これに漸進的な改革を可能とする方策を組み合わせる必要があり、しかもその対象国は独裁者が君臨してきたような国であり、方策ではイスラエル・パレスチナ間のような「二カ国問題の解決」の真価が理解されるものでなければならない。
  7. ホフマンも「指導層の排除は失敗した」とし、テロリズムの勢いをそぐことができなかったとする。「もっと重要なのはインフラストラクチャーの劣化だ」とCIA、FBI、国家地理空間情報機関が脅威環境の変化に対応して来たことを指摘。
  8. 「時期尚早の勝利宣言は避けるべき」であり「アルカイダ消滅の宣言」も控えるべきとライデルは発言し、これは自分で自分を痛めつけるのと同じと指摘。
  9. 合衆国政府も一部で「アメリカが制御できない現象がある」ことは承知していると、ライデルはアラブの春の例を上げた。
  10. アラブの春が始まった段階では民主的政府誕生への希望的観測があった。しかし期待は新政府が頓挫し、その後の反動でエジプトのように政治経済の進展に反撥が生まれ、あるいはリビアのように国家体制そのものが崩壊した中で失望に変わる。.
  11. イエメン事案ではライデルはサウジアラビアが空軍力の限界に気づきつつあり、フーシ反乱勢力から領土奪回するとしてもイランの影響力排除で困難に直面していると指摘した。
  12. パキスタンはサウジ主導の作戦への地上部隊派遣に同意しなかったが、「エジプトを説得して」地上部隊の動員に成功する可能性はあるという。
  13. 即位したばかりのサウジ新国王への教訓は「開戦するのは簡単だが終結させるのは困難」ということとライデルは語った。
  14. 20ヶ月後には米国にも新政権が誕生するが、その門出に待ち受ける課題として、ISISがイラクでも地下に潜入するのか、有志連合が撤兵する条件はなにかを考えることだろう。
  15. NATOがアフガニスタンで展開した作戦はきわめて有益な効果を示し、各国の部隊を統合して戦闘条件に合わせたが、英国のように国防予算そのものが縮小され地上部隊が規模縮小している例があるとライデルは指摘した。
  16. 両名ともアメリカの対テロ防衛体制は9.11以降大幅に拡充しているとはいえ、詰めの甘い点もあったとテキサス州フォート・フッド基地での兵士銃撃事件、マンハッタンのタイムズスクエアでの爆弾未遂事件、ボストン・マラソンのゴール地点付近の爆弾テロ事件があった。
  17. ボストン事件の際は大都市圏での活動が制限された。「今だったらあれほど柔軟な対応ができるだろうか」とライデルはコメントしているが、この事件は2001年9月1日に3千名の生命を奪ったテロ攻撃とは規模が全く違うものだった。■