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2015年10月7日水曜日

シリア情勢>ロシア海軍が東地中海に展開中


シリアをめぐるロシアの動きに西側は神経を尖らせています。ウクライナ情勢が落ち着いてきたことからロシアにも余裕が生まれているのでしょうか。しかし目的も目標も違う軍事勢力が同じ場所で軍事行動を取ることで不要の緊張が事故をきっかけに発生しないとも限りません。今後も事態の進展を見ていく必要がありますね。

Russian Warships in Eastern Mediterranean to Protect Russian Strike Fighters in Syria

By: Sam LaGrone
October 5, 2015 11:48 AM

Russian cruiser Moscow.
ロシア巡洋艦モスクワ

黒海に本拠をおくロシア水上艦艇グループが東地中海に演習名目で進出しており、同地でロシア空軍機の支援に入った。シリア国内の空爆を継続するのが目的だとロシア国内報道が伝えている。

  1. この三週間で戦闘艦数隻がロシア黒海部隊の本拠地セパストポリを出港し、クリミヤ半島から地中海に対艦、対潜演習を行うとして移動している。”
  2. ロシア国防省(MoD)は演習とシリア国内でのロシア軍増強に関連はないとするが、独立系ロシア国内の報道機関インタFAX-AVNはロシア軍関係筋を引用し演習の目的はラタキア近郊の空軍基地の防空能力をテストすること」と伝えている。
  3. 別の報道でDaily Mailが「海軍任務部隊の艦船はミサイル巡洋艦モスクワが先導して東地中海でラタキア近郊の空軍基地の防空体制を強固にするべく行動を実施中である」と伝えている。
  4. 国家統制を受けたロシア報道ではロシア海軍艦艇4隻が水上戦と対潜戦の演習を行ったと月曜日に伝えている。
  5. 誘導ミサイル巡洋艦モスクワは黒海艦隊の旗艦で、クリバク級誘導ミサイルフリゲート艦ラドニ、ピティヴィ、カシン級フリゲート艦スメティルヴィとともに砲撃演習を実施したと黒海艦隊が国営通信スプートニクを通じて発表している。
  6. 水上艦以外にロシア海軍は観測船および数隻の揚陸艦を展開している。
  7. 過去四週間でロシアはこっそりと空軍機材をシリア国内に移動させており、表向きはイスラム国を目標にするとしているが、ロシアの同盟国たるシリアのバシャ・アル-アサドの政権維持を助け、自らの中等における発言力を増やすのが真の目的である可能性が高い。
  8. ロシアは空爆作戦を先週開始しているが、ISISの目標以外にFSA(自由シリア軍)も攻撃対象にしているとの報道が相次いでいる。
Russian Sukhoi Su-24 Fencer operating from the Latakia Air Base in Syria.
ロシアのスホイSu-24フェンサーはシリア国内ラタキア空軍基地から作戦行動中

  1. 今回動員された海軍艦艇による防空体制でロシア軍には米主導の有志連合軍がシリア西部で軍事行動を取っても防備体制を確保したと言える。
  2. ロシア海軍の存在は有志連合側には警告となるかもしれないが、1980年代のロシア艦艇の兵装及びセンサーの有効性は未知だ。
  3. 冷戦終結後のロシア水上艦艇部隊はソ連崩壊後の軍組織でもっとも放置されており、装備の近代化の試みも数回挫折している。■

2015年9月15日火曜日

シリア情勢>ロシアの動きに神経を尖らせる米はじめ西側諸国 難民問題の遠因はロシアではないのか

ロシアの動きが西側の警戒心を招いていることは明らかですが、西側がアサド政権の消滅を狙っている以上同盟関係にあるロシアも別個動かざるを得ないという構図ではないでしょうか。そうしている間にシリアが国家として崩壊に向かい、もっと多くの難民が国外に脱出することになるでしょうね。

US: Russian Military Buildup Continues In Syria

Agence France-Presse9:39 p.m. EDT September 9, 2015
WASHINGTON —シリア国内で軍事力を増強するロシアを米側は警戒している。ロシアの意図は不透明なままだ。
  1. 偵察画像からロシアがバセル・アル・アサド国際空港、地中海側のラタキアとタルタスのロシア海軍施設に重点を置いていることがわかる。
  2. 匿名を条件に米関係者はAFP通信にタルタス港に戦車揚陸艦2隻が入港し、ロシア製装甲兵員輸送車十数台がバセル・アル・アサド空港に到着していると告げた。なお、同空港の名称は現大統領の兄にちなむもの。
  3. 同関係者はシリアにロシア海軍陸戦隊が到着しているといい、その役割は到着する軍事ハードウェアの防御で、直接戦線に向かうことはないとする。
  4. 巨大なアントノフAnt-124コンドル軍事輸送機が同空港に飛来しており、この数日間で輸送飛行の回数が急増しているという。
  5. AFPは火曜日にロシアが「数百名」分の組み立て式家屋を同空港に完成させ、簡易式航空管制施設も持ち込んだと伝えている。
  6. シリア内戦はさらに悪化の様相を示しており、2011年から今日まで25万人が死亡したといわれる。これが引き金となり難民が発生し、ヨーロッパに多くが向かっている。
  7. ロシア政府は人道救難援助だとしているが、米国はロシアが長くからの同盟アサド政権を助けるべく反乱分子の攻撃をするのではと憂慮している。
  8. 「情報各機関ではこの点で合意が生まれているわけではない」と別の米政府関係者は述べている。
  9. 「ロシアのいうことは割り引いて聞く必要がありますね。ロシアは常に透明性をもって正直に意図を示していません」とし、ロシアがウクライナ東部で分離独立を目指す勢力を支援していることを一貫して否定してきた事実を参照している。
  10. シリアは国内でロシア軍が活動を展開しているとの報道を否定しており、搬入された武器類はアサド政権とのつながりの延長だと主張。
  11. ホワイトハウスの副報道官エリック・シュルツは水曜日に米国としてはロシアがイスラム国へ対抗するべく貢献するのであれば歓迎すると述べた。ただし「.ロシア含
  12. 軍事装備の増強が見られるが、ロシアが軍事装備あるいは重火器を送り込んだ証拠はないと関係者は見ている。米軍関係者はシリアに到着したロシア軍要員は「50名未満」だという。
  13. ロシアは装備品をシリアへの空輸することに困難を感じている。
  14. ブルガリアから自国領空のロシア機通過を9月1日から24日かけて認めなかったとの発表があった。これがロシア政府の逆鱗に触れた。
  15. 一転してブルガリアはシリアヘ向かうロシア機の上空通過を認めると発表した。ただし積み荷の確認が条件だという
  16. ブルガリアが領空通過を認めない場合、ロシアはイラン、イラク上空の空路に切り替えるだろう。■