ラベル #Su-57 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル #Su-57 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2024年6月10日月曜日

ウクライナのドローン攻撃でロシアの最新鋭戦闘機Su-57が地上で損傷を受ける----ウクライナ戦の最新状況「


これは驚くべきニュースです。The War Zoneの速報をお伝えします。


GUR



ウクライナとロシア両国の情報筋は、ロシアの最新鋭戦闘機Su-57フェロンが初めて攻撃されたと述べている


モスクワが誇る最新鋭戦闘機Su-57フェロン戦闘機が少なくとも1機、おそらく2機、ロシア奥地の空軍基地でドローンに攻撃されたとウクライナ国防情報局(GUR)が主張している。GURはソーシャルメディアに衛星画像を投稿し、航空機の1機が損傷した姿を示した。その損傷の程度は今のところ不明だが、同機が損傷または破壊された最初の既知の事例となる。


「2024年6月8日、侵略国家のSu-57多目的戦闘機が、戦闘の前線から589キロ(365マイル)離れたロシア連邦アストラハン地方のアクチュビンスク飛行場で被弾した」とGURは日曜日にテレグラム・チャンネルに書いた。「写真によれば、6月7日、Su-57は無傷で立っていた。8日には、爆発による損傷と、近くの火災被害による特徴的な斑点が見られた」。



ウクライナとロシアの両方の情報源がSu-57フェロン新世代戦闘機が初めて攻撃されたと述べている。


Both Ukrainian and Russian sources say an Su-57 Felon new-generation fighter was struck for the first time.

Before and after satellite images published by the Ukrainian Defense Intelligence Directorate (GUR) of a strike on a Russian Su-57 Felon new-generation fighter. GUR


ウクライナ国防情報総局(GUR)が公開した、ロシアのSu-57フェロン新世代戦闘機への攻撃の前後の衛星画像。GUR


画像には、Su-57が何の覆いもないシェルターの骨組みの下に鎮座する様子と、すぐ隣の駐機場に少なくとも1つの大きなしみがあるように見えるものが写っている。小さなクレーターは攻撃を示している可能性がある。最初の衝突のすぐ上と右側にも衝突の可能性がある場所があるが、この場所は衝突の前に部分的に変色していた。Su-57はまた、一次爆風が起こったと思われる付近の機体上部に大きな白いしみがある。これが何であるかは不明だが、異常と思われる。損傷を覆う防水シートだと考えられる。機体は無傷に見えるが、爆風と、特にこのような近くの爆発による破片が機体を穴だらけにし、他の損害を与えた可能性が非常に高い。


ウクライナ国防情報部

ウクライナ国防情報部

ウクライナ


6月7日に撮影されたPlanet Labsの衛星画像には、エプロンに駐機されたフェロンが写っている。また、エプロンに描かれた航空機のシルエットにも注目してほしい。これは敵の照準を混乱させるためのものだが、最初のターゲット計画以外では、GPS誘導ドローンに対しては役に立たない。


An Su-57 Felon new-generation fighter was observed in a June 7 Planet Labs satellite image parked on the apron at Akhtubinsk airfield in Russia. <em>PHOTO © 2024 PLANET LABS INC. ALL RIGHTS RESERVED. REPRINTED BY PERMISSION.</em>

6月7日のPlanet Labsの衛星画像で、ロシアのアクチュビンスク飛行場のエプロンに駐機中のSu-57フェロン新世代戦闘機が観測された。<em>PHOTO © 2024 PLANET LABS INC. All rights reserved. 許可を得て転載。


GURの司令官であるキリロ・ブダノフ中将Lt. Gen.Kyrylo Budanovは、2機目のフェロンも攻撃された可能性があると本誌に語った。攻撃は無人機により行われたが、ウクライナ国内から発射されたのか、ロシアから発射されたのかは明言しなかった。


GUR報道官アンドリー・ユーソフは、この攻撃でロシア軍の人員も損害を受けた可能性があると述べた。「ロシア軍関係者に死傷者が出たとの情報もある」。


ロシアの最新鋭戦闘機Su-57フェロン戦闘機2機が、前線から589キロ離れたロシアのアクチュビンスク飛行場(🇺🇦)への攻撃で損害を受けた可能性がある。


親ロシア派のFighterbomberテレグラム・チャンネルは、航空損失についてしばしば書き、ロシア航空宇宙軍と深いつながりがあり、フェロン1機が被弾したことを確認し、攻撃はウクライナの無人機3機によって行われたと述べた。


「Su-57は榴散弾で損傷し、修復可能かどうかは現在確認中である。「もしそうでなければ、これは史上初のSu-57の戦闘損失となる。


GURによると、フェロンは「ロシア航空宇宙軍に数機」が配備されているという。ロシアの生産型Su-57の在庫数は限られている。2023年初頭時点で、ロシアには完全稼働のSu-57が9機しかなく、戦闘作戦に完全装備できない量産前仕様のSu-57/T-10試作機が10機弱あった。それ以来、Su-57の生産機数は拡大しているが、ロシアはより複雑で高価なSu-57より第4世代戦闘機Su-35の生産を優先しているため、大規模生産に至っていない。


ロシアの最新戦闘機のウクライナ戦争への関与は不透明だ。私たちが1月に報告したように、英国国防省(MoD)はSu-57が「少なくとも2022年6月」以来ウクライナで使用されていると述べた。MoDの声明に先立ち、ロシアが全面侵攻を開始し、すぐに泥沼化した直後から、同機は睨み合い攻撃に使用されているが、ウクライナ上空の空域では運用されていないとの主張があった。これによってどのような結論が導き出されるかは議論の余地があるが、ロシアに制空権がないことを考えれば、紛争空域に侵入できるはずの最高の資産を使わないのは確かに特異である。Su-57はステルス機能を持ち、シグネチャーを減らしたデザインだが、この点ではアメリカの第5世代戦闘機と同等ではない。


A Russian Su-57 Felon new-generation fighter. (Russian MoD)

A Russian Su-57 Felon new-generation fighter. (Russian MoD) www.twz.com


この戦闘機は危険なスタンドオフ空対空能力を持つ。


射程124マイルのR-37M(AA-13 Axehead)空対空ミサイルを装備しており、あるウクライナの戦闘機パイロットは「クソ危険」と表現しており、2022年夏に初めて戦闘に登場したようだ。さらに、射程68マイルのR-77-1(AA-12アダー)空対空ミサイルも運用し、シナリオによっては「国境を越えて」ウクライナ軍機と交戦も可能だ。


ウクライナに対するVKS戦闘機の作戦に関するロシア国防総省の新しいクリップからの画像。Su-35Sのインレット間にR-37M長距離AAMのようなものがある。これに関連して、インタビューに答えているパイロットは「長距離AAM」を使って「敵機」を撃墜したと主張している。


フェロンは長距離空対地攻撃能力も保有している。Kh-69ステルス巡航ミサイルを搭載し、180マイル以上の距離で小型の硬化目標を破壊することを目的としている。また、Kh-58UShK対放射線ミサイルも搭載し、発射条件にもよるが、最大射程は約150マイルである。


英国国防省は2023年1月のツイートで、同戦闘機は少なくとも2022年12月25日からアクチュビンスクで運用されていると主張した。同基地には第929飛行試験センターがあり「ここが唯一知られているフェロンの基地」であることから、「これらの航空機はウクライナに対する作戦に関与している可能性が高い」という。



しかし、Su-57を収容する空軍基地は他にもある。本誌が過去に指摘したように、リペツクにもSu-57が配備されている。


アクチュビンスクへの攻撃は、ロシア内陸部の空軍基地を攻撃するウクライナ作戦の最新事例である。6月7日には、ウクライナの無人機が前線から530マイル以上離れた北オセチアのモズドク空軍基地を攻撃した。同基地にはTu-22M3バックファイア-C爆撃機が配備されており、主にKh-22/Kh-32シリーズ(AS-4キッチン)の超音速スタンドオフ巡航ミサイルを発射し、ウクライナを激しく攻撃している。また、MiG-31フォックスハウンド迎撃ミサイルも配備されている。


ウクライナが北オセチアの標的を攻撃したのは初めてで、モズドク基地でどれほどの被害が出たのかは不明だ。クレムリンとつながりのあるRybarテレグラム・チャンネルによると、ソーシャルメディアに現れた画像には「破片と6つのエンジンが写っており、おそらくウクライナ製の無人偵察機Lyutyのものと思われる」という。当局はまた、攻撃の結果、地上では軽微な損害と火災が記録されただけだと主張している。


その攻撃の画像と映像は以下から見ることができる。


ウクライナの無人機がロシア北オセチアのモズドク空軍基地を攻撃したと報じられた。ロシア国防総省は複数の無人機を撃墜したと主張している。同基地にはロシアの戦略爆撃機が配備されている。


これらの攻撃は、ウクライナのドローンによる侵攻に対抗するための、ロシアの広範囲に分散し、標的を絞った防空能力の問題や、硬化したものはおろか、シェルターもなく、ほぼすべてが野外に置かれている航空機の問題を提起している。


破損したフェロンに関する報告の中で、ロシアのファイターボマー・テレグラム・チャンネルは、ドローン攻撃からの保護の欠如について苦言を呈した。


「もう一度言う。このSu-57の値段だけで、国内のすべてのPTA航空機のためにUAVからのシェルターを作ることができる」と同チャンネルは書いている。「もちろん、途中で彼らをいじめず、キックバックを出さなければの話だが」。


この場合、Su-57がシェルターの骨組みの下に置かれていたことは注目に値するが、カバーや金属被覆は設置されていない。ソフトなカバーでさえ、低被弾率のドローン攻撃から守るのに役立ち、ターゲティングをより困難にする。


ウクライナがSu-57を狙うのは論理的だ。同機はロシアの戦争努力で非常に象徴的で価値の高い標的である。同機は貴重で数が非常に少ないだけでなく、ロシアの軍事技術の頂点の象徴だ。ウクライナから何百マイルも離れた地点で、地上に配備された航空機を攻撃したのは、大きな意味を持つ。この作戦結果を示す衛星画像を手に入れ国民に航海士たたことは、ウクライナの諜報機関にとって明らかに最高の喜びのはずだ。■


2023年12月26日火曜日

米中露それぞれの第五世代戦闘機の現状(2023年現在)

 米中露三カ国が第五世代戦闘機を開発してきましたが、運用の現状を見ると程度の差こそありますが、一様に苦労しているようです。Business Insider記事からのご紹介です。

A photo of F-35 fighter jets flying in formation.

F-35 fighter jets fly in formation.Ritzau Scanpix/Bo Amstrup via REUTERS


  • ロシア、中国、アメリカの各国はそれぞれ第5世代戦闘機計画を有している。

  • だがロシアのSu-57、中国のJ-20、アメリカのF-35はいずれも各種の課題に直面している。

  • そこで、計画を阻む要素について専門家に話を聞いた。


界の軍事大国は何十年もの間、高性能な第5世代戦闘機隊の開発に取り組んできたが、まだ進行中だ。

 アメリカは最初の第5世代戦闘機であるステルス戦闘機F-22ラプターを開発し、F-35ライトニングII共用打撃戦闘機を開発した。ロシアと中国にはそれぞれSu-57とJ-20がある。

 アメリカのF-22は生産が終了しており、3機種の最新型機はすべて第5世代ジェット機とみなされているが、それぞれが難題に直面している。

 第5世代戦闘機として認められるには、探知を回避するステルス能力や、アフターバーナーを作動させずに超音速で巡航できる能力など、特定の機能を備えている必要がある。

 航空専門家は、Business Insiderとの最近のインタビューで、ステルス技術、エンジン開発、メンテナンスの問題など、ロシア、中国、アメリカの第5世代プログラムに関する問題点を概説してくれた。


ロシアのSu-57


スホーイSu-57はロシア初の第5世代戦闘機だが、アナリストたちは、重要なカテゴリーで欠点があることから、この機体が実際に第5世代戦闘機としてふさわしいかどうか疑問視している。

 NATOでは「フェロン」として知られるSu-57は、2020年にロシア軍に納入された。モスクワの兵器庫には10機しかないと言われているが、国営メディアはこの数字が2024年末までに22機に増え、2028年までに再び76機に跳ね上がることを示唆している。しかし、この計画が維持されるかどうかは不明だ。

 Su-57は2018年にシリア上空で初の戦闘経験を積んだ。昨年、ロシア政府関係者は、同機がウクライナで戦闘経験を積んだと主張したが、これは英国国防省が公表した情報によって裏付けられた。しかし、同機がスタンドオフ攻撃を行ったことはあるかもしれないが、進行中の戦争でSu-57が広範囲に使用されたという証拠はない。

 第5世代ジェット機が参戦できていない理由の説明の1つが、同機が第5世代戦闘機として適切な低観測特性を欠いていることかもしれない。この戦闘機の問題点には、ステルス性能のあるエンジンや、レーダー探知を十分に低減させるボディパネルを装備することにモスクワが苦心していることも含まれる。

 結局のところ、ロシアがウクライナ戦線でSu-57の使用に消極的なのは、「この戦闘機のステルス性に自信を持っていないことを示唆している」と、英国王立サービス研究所(RUSI)のシンクタンクで航空戦力の専門家を務めるジャスティン・ブロンクは以前、Business Insiderに語った。

 さらに彼は、この航空機はR-77空対空ミサイルの旧型しか搭載できないと指摘した。このミサイルは「折りたたみ式の格子状のフィンがあるため、機体内部に搭載できず、ステルス性が損なわれる」と同氏は述べた。


中国のJ-20


米軍にとっていわゆる「ペーシング・チャレンジ」である中国には、第5世代戦闘機計画もある。初飛行から6年後、成都J-20は2017年に就役した。

 同国の軍事力に関する2023年の米国防総省の報告書によれば、J-20は北京の1,900機の戦闘機の在庫に加わり、それ以来「実戦配備」されている。中国は200機以上のJ-20を製造し、いくつかのアップグレードを準備していると推定されている。

 WS-15エンジンは、アフターバーナーを使用せずに超音速飛行を可能にし、ステルス性能を向上させるため、J-20に搭載されるはずだったエンジンだ。しかし、中国の防衛産業はこの先進的なエンジンの製造に長く苦労してきたため、軍は代わりに旧型の中国製エンジンやロシア製エンジンを使用してきた。

 「J-20のエンジンは大きな頭痛の種だが、中国の防衛産業におけるより大きな課題を示していると思う」と元米海軍情報将校のマイク・ダームは言う。「中国の技術は、エンジンであれ、低可視材料であれ、冶金であれ、ハイエンドの製造技術で欧米に遅れをとっている。精密製造は、ステルス機や第5世代航空機の能力に大きな影響を与える」。

 以前の挫折にもかかわらず、J-20はこの夏、WS-15エンジンを搭載して飛行するという画期的な瞬間を迎えた。しかし、ミッチェル航空宇宙研究所の上級研究員であるダームは、中国が製造上の課題を克服できたとしても、WS-15エンジンの信頼性に疑問が残り、欧米の航空機と同じ公差で製造されていなければ、問題を引き起こす可能性があると警告している。

 「エンジンの耐用期間中に、エンジンのメンテナンスをより頻繁に行わなければならず、おそらく頻繁にエンジンを交換しなければならないだろう。これらのメンテナンスの課題は、最終的に航空機の即応性と航空機の可用性に影響を与えるだろう」。

ランド・コーポレーションで、米空軍の分析作業をサポートしてきたライセンス・エンジニアのマイケル・ボーナートは、ステルス素材のメンテナンス(航空機にコーティングを施す)は、人件費とインフラの両面で多くの投資を必要とする、高価で "骨の折れる"プロセスだと指摘している。

 「ステルス機を保有するということは、機体だけではない。「ミサイル、戦術、ロジスティクス、メンテナンス・インフラなど、多くの要素が含まれる。そこにたどり着くまでには長い列車が必要だ」。

 ロシアと同様、中国も第5世代戦闘機については比較的新しい。しかし、2005年から第5世代戦闘機を導入しているアメリカでさえ、共用打撃戦闘機(JSTF)で課題を抱えているのが現状だ。


アメリカのF-35


防衛メーカーのロッキード・マーティンが開発したF-35は、F-22ラプターに次ぐアメリカの第5世代戦闘機で、3つの型式がある。

 米海兵隊のF-35Bは短距離離陸・垂直着陸が可能で、2015年に初めて初期運用能力を達成した。F-35Aは米空軍が使用し、2016年にIOCを達成した。一方、F-35Cは米海軍が採用し、2019年から運用を開始した。

 地上攻撃、空対空戦闘、ネットワーク航空戦力のために作られた同機は、ヨーロッパと太平洋をパトロールし、中東での戦闘経験もある。

 第5世代機は米軍と多くの同盟国によって運用されている。イスラエルは、戦闘機として初めてF-35を飛行させた国である。

 米軍は約450機のF-35を保有しており、国防総省は今後数十年間でさらに約2500機を調達する計画だ。推定ライフサイクルコストは1兆7000億ドル以上で、その多くは航空機の運用と修理に充てられる。

 政府説明責任局(GAO)が9月に発表した報告書によれば、この非常に高価なプログラムは、戦闘機の即応性に影響を与えるメンテナンスと持続可能性の両問題に悩まされており、それは現在も続いている。例えば今年初め、同機は半分以上の時間しか飛行できなかった。

 報告書では、軍施設における具体的な問題数点が指摘されている。サポート機器、スペアパーツ、適切な訓練、技術データの不足など、すべてがメンテナンスの遅れの原因となっている。報告書はまた、F-35プログラムでは、修理を行う施設の設置が予定より遅れていること、アメリカ政府が請負業者に大きく依存しているため、政府自身の意思決定能力が低下していることも明らかにした。

 GAOの国防能力・管理部長であるダイアナ・マウラーは、「包括的な問題は、F-35プログラムが長年にわたり生産に集中していたことだ」と述べた。優先順位は研究、開発、取得が中心で、維持とそのコストは後回しにされていた。これらの問題は現在も続いている。

 「F-35では、各軍で運用可能になりつつあった頃、機体修理が必要な時に対応できるデポ修理施設が稼働していなかった。現在でも、デポの立ち上げ完了は数年遅れている」(マウラー)。つまり、航空機の主要部品の修理や交換が必要になった場合、多くの場合、純正部品メーカーに戻らなければならない。

 そのため、多くの遅れが生じる。そして、部品の修理に時間がかかるため、滞貨が増え、航空機は 「全軍で飛行できなくなる」。

 GAOは国防総省に対し、政府と請負業者の責任分担を見直すなど、いくつかの課題を軽減する勧告を行った。この監督バランスに変更がある場合、GAOは9月の報告書の中で、国防総省が必要としそうな技術データや知的財産の種類を把握するよう提案した。

 F-35プログラムの苦境に加え、12月のGAO報告書は、同機の冷却システムに問題があると断定した。特に、エンジンの摩耗を増加させ、寿命を縮めることの回避やメンテナンス費用に数十億ドルを追加する可能性がある。

 「アメリカにとって、F-35プログラムは本当に重要だ。パイロットから兵器システムの能力に非常に満足していると聞いている」とマウラーは言い、「3軍にとっての戦闘航空の未来というだけでなく、現在なのだ」と付け加えた。■


The world's top military powers each have fifth-gen jets, but Russia, China, and the US are all facing problems with their fighters

Jake Epstein Dec 23, 2023, 9:30 PM JST


2022年5月22日日曜日

Su-57フェロンがウクライナ戦に投入されたとのロシア報道の真偽を考えると理解に苦しむ点が見えてくる。

  

 

 

Su-57フェロンはシリアで試験投入されたが、ウクライナにも作戦投入されているとの記事が出てきた。

 

シアのメディアによると、新世代戦闘機Su-57フェロンが、ウクライナ戦争(現在86日目)で投入されたとある。Su-57事業は相当の問題に見舞われ、まだ完全運用されていないが、フェロンは以前もシリアで限定的ながら戦闘評価を受けたことがあり、実戦にさらにさらされたとしても驚くにはあたらない。

 

 

 「ウクライナでのSu-57使用は、特別作戦開始後2~3週間に始まった」と、匿名の「防衛産業筋」が国営タス通信に語った。「同機は、敵の防空システムの活動圏外で、ミサイルで作戦を行っている」という。

 

生産前仕様のスホーイSu-57フェロン新世代戦闘機。Vladislav06112019/Wikimedia Commons

 

 タス通信は「この件に関する公式情報はない」としており、現時点では上の発言は未確認と見るのが妥当だ。同戦闘機がウクライナ防空圏外で活動しているとすれば、その姿を確認できる画像が出てくる可能性はかなり低い。また、Su-57がどこで活動したのか、いつから任務を遂行しているのか、今も戦闘に参加しているのか、など詳細も不明。

 3月には、ウクライナ上空を飛行するSu-57を撮影した未検証映像がネット上に公開された。しかし、映像は画質が悪く、判断ができない。また、同映像は実際には、翼を可変翼攻撃機Su-24フェンサー、あるいはスホイ・フランカーとの指摘もある。

 フェロンがウクライナ防空圏外で飛行中との主張は興味深い。ロシア軍機への地上防空網の脅威と、ロシア軍がウクライナ空軍に対して部分的な制空権しか獲得できていないことを物語っている。

 一方、こうした戦術は、これまでロシア航空宇宙軍(VKS)の制空戦闘機で判明していることにも一致する。ウクライナ空軍によると、ロシア戦闘機は数的優位に立たない限り空中戦を避けるだけでなく、国境付近で活動することが多い。

 ウクライナ側の防空体制で同機を喪失すれば、すでに大損失を受けているVKSにさらなる痛手となり、またウクライナ側には重要なプロパガンダの勝利となる。このことを考えると、ロシアはSu-57のウクライナ領空内への投入を特にためらうのだろう。損失となれば、ウクライナへの大きなPR効果以上に、フェロンのステルス特性が再び疑問視される。

 しかし、Su-57の場合、ウクライナ国境外での運用は大きな障害にはならない。ウクライナ戦争でSu-35Sフランカー戦闘機が搭載した基本的な空対空ミサイルR-77-1(AA-12 Adder)は、射程距離は68マイルと報告されている。改良型K-77MがSu-57でテスト中であることが知られており、射程はR-77の約2倍になると考えられている。

 そして、R-37M(AA-13 Axehead)の発展形で、Su-57の武器庫に内蔵できるよう改良された超長距離ミサイル、イズデリエizdeliye 810がある。フェロンでテストしている可能性がある。メーカーのデータによると、基本型R-37Mは、最大124マイルの射程で空中目標を撃破できるとある。

 

R-37Mミサイルを発射するSu-35S。ロシア国防省のスクリーンショット

 

 また、Su-57がウクライナ上空で空対地任務に使用されている可能性もある。であればVKSはフェロン用に開発された新兵器の戦闘試験ができる。Kh-69(別名Kh-59MK2)巡航ミサイルがその一つで、180マイル以上先の強化目標の破壊を目的としている。

 また、Su-57兵装庫に入るKh-58UShK対レーダーミサイルや、セミアクティブ・レーザー、イメージング赤外線、アクティブ・レーダーの代替シーカーを装着できる「モジュラー」Kh-38M空対地ミサイルもある。これらの兵器は、ウクライナ国境外からの発射でウクライナ戦に投入可能だ。

 空対地ミサイル含む各種精密兵器が不足中との報道が繰り返されているが、備蓄が尽きているため、Su-57をスタンドオフレンジから特注弾薬で使用している可能性もある。

 しかし、Su-57は制空戦闘機として設計され、現在VKSで最高級の戦闘機だ。つまり、Su-57はウクライナで戦闘機やソビエト時代の防空システムを破壊し、本来の役割を果たすのに理想的な空戦機材だ。Su-57はウクライナの防空バブルの中心部に入り込み、大混乱を引き起こせるはずなのに、まったく異なる戦術が用いられる理由がわからない。

 ウクライナでのフェロンの試験投入は、Su-57と新兵器やセンサーの能力を実際の戦闘環境でテストする機会以外に、輸出を後押しする目的もあるようだ。インドとSu-57派生機を共同生産する計画は、プロジェクトの進捗状況や機体性能に対する懸念から破綻した。

 

2011年8月に開催されたMAKS航空ショーで、コンプレッサーのストールに見舞われたSu-57の試作機。Su-57のいわゆる2段目エンジンの開発は、大幅な遅れが生じている。著者 Rulexip/Wikimedia Commons

 

 ウクライナでSu-57を戦闘にさらす姿が公開されれば戦闘機の評価を高めることになる。シリアではフェロンが戦闘試験のため配備されたとの報道がでてから、ロシア国防省は事実を確認し、詳細な情報を提供していた。

 クレムリンが発注したSu-57の量産機材はわずか76機で、引き渡しずみは今年2月の2機含め計4機のみだ。各機は第929飛行試験センターに配属され、国家認証試験に投入されている。同基地には、T-50の呼称の量産前の機体や試作機もある。

 ロシアは新しい航空機やその他の軍事装備を戦闘状態でのテストや輸出の見通しを立てるために、短期間だけ投入することがある。

 シリアのフメイミム空軍基地に配備されたフェロン2機は、試作機T-50-9とT-50-11で、ロシア国防省は「10回以上の飛行」を行ったとある。その後公開された公式映像で、Su-57は新型戦術空対地ミサイルKh-59MK2を少なくとも1発発射している。

 また、Su-57がウクライナ紛争に投入されているのは、既存機材が予想以上に消耗していることに対応し、VKSの地位を強める狙いもあるのだろう。最近、ウクライナでロシア軍がT-90M戦車や対ドローン用レーザー兵器の配備など、従来よりハイエンドな装備を投入しているのは偶然ではない。■

 

Let's Talk About The Rumors That Russia's Su-57 Is Participating In The War In Ukraine

BY

THOMAS NEWDICK

MAY 20, 2022 1:24 PM

THE WAR ZONE


2021年12月8日水曜日

Su-57はF-35の性能より劣る。ステルス性能、無人機との共同運用、電子戦装備、極超音速兵器運用のいずれもロシアの遅れは明らか。だが本当にF-35がそこまで優秀なのだろうか。

 Su-57が見掛け倒しなのか、F-35が拡張性があるから技術の進展に対応できるのか。真実はまだわかりませんが、少なくともロシア空軍もSu-57の意味のある導入がままならないのは事実のようですね。


Russian Su-57s Can't Compete with U.S. F-35s. Here's Why

 

 

シアのSu-57が米F-35やF-22に対抗できないと考えてよい理由がある。また今後登場する第六世代機に対しても米機は優越性があると考えてよい。

 

 

なぜか。ステルス性能、極超音速兵器、有人無人機の同時運用を考えればよい。

 

Su-57の実態がいまだに不明なため、少なくともロシアの報道記事での主張は忘れてよい。

 

ただし、ロシア政府のお墨付きを付けた新聞記事が最近出ており、ロシアも有人機無人機同時運用の「忠実なるウィングマン」機能でF-35に遅れているのは認めているようだ。

 

例としてペンタゴン、空軍他が「忠実なるウィングマン」構想の推進に注力しており、F-35のコックピットから無人機の飛行進路を制御したり、センサーを操作しデータ解析が可能となる。

 

つまり作戦上の効果と戦術戦力が著しく向上することになり、無人機からの映像やデータを有人機上で活用できるようになる。

 

この技術の実証を空軍はめざしており、そのひとつ「ヴァルキリー」無人機がF-35と並行して飛行しているが、空軍技術陣は10年前からこの技術開発にあたっている。

 

2014年に、空軍の科学主任だったグレゴリー・ザカライス博士と話したことがある。博士の専門は自律運航でF-35で無人機との同時運用が現実になると述べており、正しく予見していたことになる。

 

この機能で前例のない作戦上の優位性が生まれる。たとえばF-35が無人機を敵防空体制の空域に前進させ、有人機の指令でISR活動や兵装を発射する。「忠実なるウィングマン」構想の最大の売りはセンサーからシューターへの時間差を短くすることにある。

 

Su-57の実力は


 

イズベスチアの昨年の報道によれば、ロシアはS-70オホートニク-B無人機とSu-57のネットワーク化をめざし、米国の有人機無人機同時運用に追いつこうとしているようだ。

 

詳細は不明だが、米空軍がすでに直接のデータリンクを無人機とF-35で実現していることを考えると、ロシアは後れを取っている。

 

二番目に、ステルス機能を実現する要素に機内エンジンの排熱処理やレーダー吸収塗料があるが、Su-57はF-35の水準に追い付いていないようだ。

 

Su-57にも機内兵装庫があり、F-22に似た双発構造だが、曲面処理や機体表面のスムーズさがF-35より見劣りがする。Su-57はたしかにステルス性能を有しており、主翼機体の一体化等の特徴は見られる。

 

Su-57はマッハ2の飛行性能があるとされ、米F-22のマッハ2.25より若干劣るようだ。今後登場する第六世代機の速力も考慮する必要がある。

 

ステルス性能以外ではF-35のミッションシステム各種の優秀性が目立ち、長距離高解像度のセンサーと標的捕捉機能、コンピュータ処理能力、兵装の有効射程、誘導装置が高性だ。

 

敵をアウトレンジ攻撃できること、「センサー融合」で多様なデータを瞬時に統合し解析する能力を考えると、F-35の実戦能力のほうが優れている。

 

Su-57がAI機能を活用したコンピュータシステムで運用されるのか、F-35に匹敵する性能があるのか、これまでの常識を破るAIM-9Xなみの誘導兵器を運用できるのか不明な点は多い。ただし、F-35でもEW(電子戦)装備の実態は不明で、極めて高性能といわれるだけだ。

 

敵の兵器誘導システムを探知し妨害する機能に大きな意味がある。また敵の通信内容の傍受も可能だ。米産業界はペンタゴン、空軍と共同で敵の対抗装置を妨害する手段の開発に努めてきた。つまり、敵の妨害工作に影響を受けない兵器誘導手段を狙う。敵が無線交信や赤外線標的捕捉を妨害しようとすれば、EW対抗措置や各種通信の強化策で対抗することになる。周波数の頻繁な変更もそのひとつだ。

 

ではSu-57が発射する飛翔コースを変更可能な兵器はどこまで有効なのだろうか。兵器誘導装置は妨害に耐えられるのか。ロシアはウクライナでの軍事行動中に高度のEW戦術を示したが、Su-57の実際の性能が高いとは限らない。

 

兵装面ではロシア紙はSu-57で極超音速空対地ミサイルの「試作型」を運用可能と伝えている。

 

匿名筋の話として昨年に国営RIAノーヴォスチ新聞に出た記事ではSu-57で試射したミサイルは「完全に機能する実寸大のモックアップ」だったとあるが、発射しなかった。記事では「ダミーのミサイルには推進手段がなく、燃料、弾頭もつけていなかったがそれ以外は実際の兵器と重量寸法が同じだった」とある。

 

ロシア紙ではテスト版のミサイルには「シーカーヘッドと電子回路がついていた」とある。また記事では新型兵器の詳細を伝えており、「小型の空対地兵器で敵の防空ミサイル防衛体制を撃破し、巡航ミサイルや弾道ミサイル発射装置を攻撃するのが目的」とある。

 

ARRW 極超音速兵器


こうした装備が実際にどこまで有効に使用されるのかが不明だ。米空軍は空中発射式迅速対応兵器ARRW極超音速兵器の開発を急速に進めている。

 

ARRWは戦闘機から発射可能な極超音速攻撃兵器でマッハ20に達するといわれる。ロシアは極超音速兵器で優越性があると主張するが、極超音速兵器では第五世代機からの運用に成功した側が優越性を享受できる。ここでも米国が先を走っており、F-35での運用が迫っている。

 

この点を説明するとF-35はもともとパラダイムを一変させるような新型兵器であってもソフトウェアのアップグレードで対応するよう設計されているかrだ。つまるところ、詳細は不明だが、S-57がF-35の真のライバルになる可能性は限りなく低いと言わざるを得ない。■

 

Russian Su-57s Can't Compete with U.S. F-35s. Here's Why

Reasons for F-35 dominance include hypersonics and manned-unmanned teaming

KRIS OSBORN, WARRIOR MAVEN

 

Kris Osborn is the defense editor for the National Interest. Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army—Acquisition, Logistics & Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at national TV networks. He has appeared as a guest military expert on Fox News, MSNBC, The Military Channel, and The History Channel. He also has a Master’s Degree in Comparative Literature from Columbia University. 


2021年10月15日金曜日

Su-57の戦力化は早くて2027年。遅延はプーチン流の強権的経営体制が原因だった。実はロシアの経済規模はオーストラリア並みで。ロシア航空宇宙産業は低迷するのか。

 

 

クレムリンがSu-57に期待するのは宣伝効果だ。

 

 

西側分析ではロシアの第五世代ステルス戦闘機スホイSu-57が作戦投入可能となるのは2027年以降としている。事業の遅れ、コスト超過、研究開発上の問題が同機事業につきまとっている。

 

驚くべき理由はない。もともとSu-57は実行可能な事業ではなかった。

 

2006年当時、ウラジミール・プーチン大統領がロシア航空企業各社を単一国営持ち株会社に統合した。これが合同航空機製造会社(UAC)だ。

 

その後UACは20社以上あった航空企業を4つの事業体に整理統合した。戦闘軍用機一社、軍用輸送機一社、民生機一社、航空部品一社だ。

 

この過程で国営企業多数が株式会社に改編されたが、株式の9割は国が握る。

 

このように垂直統合で中央統制を強めた改編だが、UACは傘下企業にある程度の自主性を認めた。MiGとスホイはそれぞれ役員会を残している。

 

ただし、一部例外を除き、各社の取締役は異論をさしはさめない。それどころか、UAC傘下各社は14名で構成する取締役会の決定下にあり、役員大部分はプーチンの腹心である。産業界で高い知見を有するのはごく少数にとどまる。

 

ロシアメディアが仰々しい報道をすることがあるものの、UACは死に体といってよい。UACは1980年代末から1990年代初頭の機体の生産再開ははたしたものの、技術革新の取り込みでは無能をさらけ出している。

 

 

その大きな理由としてUAC役員会には入念に選んだイエスマンが多数で、新規事業や戦略の話題には前向きとはいえ、厳しい決断には及び腰であることがある。その意味で、UACがここ10年にわたり大風呂敷をひろげたものの実現した案件は皆無に近いというのは当然といえる。

 

Su-57ではどうか。UAC大きな失敗は戦闘航空機事業部を海外投資家に非公開としたことである。初代コンソーシアム統帥は元国防副大臣で後に首相になったセルゲイ・イワノフで2006年に、ロシアは「独力でこの分野を育てる」と主張していた。

 

UACの柔軟性欠如にウクライナ侵攻後の西側制裁措置でロシア経済が大幅に衰退したことも加わり、Su-57が事業として成立しなくなった。

 

国の規模人口は大きくてもGDPがオーストラリア並みでは超大国を演じることはできないし、シリア内戦から抜け出せず、ステルス戦闘機の国内開発もままならない。

 

同事業の最後の頼みはインドの財政支援でSu-57をSu-30MKI並みのステルス攻撃戦闘機に発展させる構想だった。だが、プーチン流の経営構造のため連携効果が実現に至らなかった。

 

そうなると、クレムリンガSu-57に期待するのはロッキードのF-22ラプターに匹敵する機体との宣伝工作で注目を浴びることが中心となる。だが、ビジネスセンスも兼ね備えたインド空軍はこの言葉に踊らされず、資金提供をもちかけなかった。

 

ここにSu-57の進展がない理由がある。■

 

 

Doomed To Fail? Russia’s Stealth Su-57 Isn’t Going Anywhere Soon

by WarIsBoring

October 13, 2021  Topic: Su-57  Region: Eurasia  Blog Brand: The Reboot  Tags: RussiaMilitaryTechnologySu-57Stealth

 

 

Image: A Sukhoi Su-57 jet fighter performs during the MAKS 2021 air show in Zhukovsky, outside Moscow, Russia, July 25, 2021. REUTERS/Tatyana Makeye


プーチンも習近平も社会主義の頭で資本主義の真似事をしてきたため、ここにきて経済のダイナミズムについてこれなくなっています。また、旧体制のまま異論を認めない、取り込めない体質のため意思決定が裏目に出ているのでしょう。こんなことを言うとヒントになり、中ロが急に力をつけては困りますが、どうせ両国の権力構造では自由な体制を作るのは不可能なので心配しなくてもいいと思います。