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2024年10月8日火曜日

チェコ共和国がC-390購入契約を結ぶ(Aviation Week)―貨物人員輸送に加え、空中給油能力、山火事消火対応など小さい機体で多様な任務をこなし国内産業にも効果を与える欲張りな内容で受注に成功した

 

C-390

Credit: Embraer



ェコ政府は、エンブラエルのC-390ミレニアムの購入契約に11月に調印する。チェコの閣僚はブラジル製航空機の選定から1年を経て、C-390のペアに113億チェココルナ(4億9000万ドル)を支出することを10月2日承認した。 ヤナ・チェルノホヴァ国防相は、アフガニスタンやスーダンからの避難任務など、世界的な安全保障状況の悪化により、新たな中型機の取得がますます必要になっていると述べた。

 チェコの契約には、航空機と関連機器に加え、山火事対策に使用できるようにするためのモジュール式空中消火システムも含まれる。 また、空中給油能力により、チェコ空軍はサーブ・グリペンに給油できるようになるが、今後導入するロッキード・マーチンF-35には給油できない。 プラハはまた、航空機の医療避難機能、航続距離を延ばすための補助燃料タンクシステム、そして両機のための自己防衛スイートも購入する。 

初号機の引き渡しは来年になるとチェルノホヴァは述べた。2機目は2027年か2028年に引き渡される。 このプログラムは、チェコの産業界に8000万ドル以上の利益をもたらすと関係者は述べた。エンブラエルとチェコの航空機メーカーであるアエロ・ヴォドチョディ社との関係は、契約修正によりC-390の生産におけるチェコ企業のシェアが増加することで深まる。 

アエロ・ヴォドチョディはすでにC-390の主翼前縁、後部胴体部分、貨物ランプ、すべての航空機ドアを製造している。新たな契約では、C-390の需要が必要とする場合、部品の生産数が2024年の4セットから2025年には8セット、そして次年度には最大12セットまで増加することになる。 エンブラエルはオーストリア、オランダ、韓国からもC-390を受注しており、さらに多くの契約が続く見込みだ。 輸出顧客であるポルトガルにはすでに2機のC-390を引き渡し、ハンガリー向けの2機のうちの1機も引き渡された。 

「この戦略的プロジェクトは、当社が代表するチェコ航空産業全体の持続可能な発展にプラスの影響を与えます」と、アエロ・ヴォドチョディ社の会長兼社長であるヴィクトル・ソトナは述べた。「雇用、技術革新、ノウハウの開発、そして世界市場における我々の地位の強化にもポジティブな影響を与える」と語った。

 エンブラエルはまた、チェコのパイロットを養成し、チェコ空軍の機体の多くを維持管理する国営組織であるロム・プラハとも協力協定を結んだ。 この契約は、ロム・プラハがC-390の技術者を養成する道を開く可能性がある。チェコの防衛当局者によると、このOEMはまた、自律システムの分野でチェコの大学と協力する予定だという。 「アエロ・ヴォドチョディ、LOMプラハ、そして地元の大学は、必要不可欠なパートナーです」と、エンブラエル防衛・安全保障の欧州・アフリカ地区販売・事業開発担当副社長、ホセ・グスタボ氏は語った。「私たちは、チェコの航空宇宙産業の成長に貢献しながら、共に働くことを楽しみにしています。 

プラハは、C-390に加えてエアバスA400Mとロッキード・マーチンC-130Jを研究していたが、エンブラエル機がチェコ空軍にとって「最も適したソリューション」であるとの結論に達した。 就航後は、現在チェコ空軍で使用されているエアバスA319およびC295とともに使用される。■

Czech Republic Set To Sign C-390 Contract

Tony Osborne October 02, 2024

https://aviationweek.com/defense/multi-mission-aircraft/czech-republic-set-sign-c-390-contract


2024年1月31日水曜日

チェコがF-35導入を決定。ヨーロッパにF-35が600機飛び回る。ライフサイクル通じた莫大な負担に耐えられるか。

 


チェコがF-35戦闘機の導入を正式決定したことで、NATOだけでなくスイスも含めヨーロッパで600機ものライトニングIIが運用されることになります。ロッキードには朗報ですが、これから50年もの間にわたり多額の負担がのしかかってきます。The War Zoneの記事からご紹介しましょう。



チェコ共和国は2031年にF-35受領を開始する


ェコ共和国がF-35ステルス戦闘機で最新の顧客となった。ヨーロッパ、特にNATO加盟国でのF-35の導入が急増している。

 F-35の製造元であるロッキード・マーティンは本日、チェコ政府が米国政府の対外軍事売却(FMS)プログラムを通じ第5世代F-35を24機調達する意向を示す申し出受諾書(LOA)に署名したと正式発表した。チェコ共和国へ売却されるF-35の型式は確認されていないが、通常離着陸(CTOL)型のF-35A型と思われる。

 ロッキードによれば、F-35本体に加え、今回の調達には「人員訓練、サービス、後方支援、その他の支援サービスの開発も含まれ、F-35全24機の納入を成功させる」という。

 全体で契約はおよそ1,500億チェココルナ(本稿執筆時点で66億ドル)相当と報告されている。チェコ政府は合意のうち50億ドルを航空機、パイロット訓練、弾薬に費やし、残りはチェコ共和国中部にあるチャースラフ空軍基地のアップグレード、燃料、スタッフの訓練に充てたいと提案していた。現在の考えでは、チェコ空軍は2031年に最初のF-35を受領し、残りは2035年までに到着すると言われている。

 チェコのヤナ・チェルノチョヴァー国防相Czech Minister of Defense Jana Černochová は、本日未明にLOAが正式署名された後、「遅くとも3月末までにアメリカのF-35航空機の契約を締結すると約束し、本日その約束を果たした」と述べたという。

 24機のF-35をめぐるチェコ共和国とアメリカとの交渉が開始されたことは、チェルノホヴァーとチェコのペトル・フィアラ首相Prime Minister Petr Fialaによって2022年7月に確認されていた。この交渉の後、チェコ政府は2023年9月に航空機の購入を正式に承認し、その時点で国務省はこの取引に最大56億2000万ドルという見積もり額をつけた。

 24機のF-35が将来的に加わることで、チェコ共和国の戦闘機部隊は能力だけでなく規模も拡大し、サーブJAS 39C/Dグリペンの1個飛行隊に取って代わることになる。

 単座型12機と複座型2機のグリペン部隊は、主に本土防空と、バルト三国とアイスランドの領空を守るローテーション任務で使用されている。最初の航空機は、2004年にスウェーデンと締結されたリース契約で、2005年に引き渡された。2014年締結の同契約の延長により、少なくとも2027年まではグリペンが飛行を続けることになっているが、2029年まで延長される可能性もある。

 以前、スウェーデンはプラハに対し、F-35戦闘機を調達する代わりに「ほぼ無償で」グリペンを保有する選択肢を提示したと報じられた。また、F-35調達の方が、新型グリペンJAS39E/Fを調達するより経済的に有利だとプラハは判断した。     

 これに加え、チェコ共和国は16機の単座のL-159Aアドバンスト・ライト・コンバット・エアクラフト(ALCA)と5機の複座L-159T1バージョンも運用しており、これらは主に軽攻撃と近接支援に使用されている。F-35がこれら体を置き換えるのかは、まだ不明だ。

 グリペンからF-35に移行することで、チェコは控えめながらアップグレードされた第4世代戦闘機を、ステルス特性を持ち、先進的なスタンドオフ兵器を搭載できる第5世代戦闘機と交換することになる。

 F-35への切り替えは、チェコ共和国にとって、ヨーロッパのNATO加盟国および将来のNATO加盟国とのプラットフォーム共有という点でメリットをもたらす。プラハが当初、航空機を取得する理由として東ヨーロッパの緊張とウクライナ戦争を挙げていたことを考えれば、これは重要な要素である。ベルギー、デンマーク、フィンランド、ドイツ、イタリア、オランダ、ノルウェー、ポーランド、英国はすべてF-35を発注しており、ルーマニアは今年中に同機のLOAに調印する。

 直近では、バイデン政権がギリシャに40機のF-35と関連装備を売却することを承認し、トルコがスウェーデンのNATO加盟を批准したのに伴い、40機のF-16ファイティング・ファルコンブロック70 もトルコに売却された。ロッキードは、2030年代までには、イギリスのレイケンヒース空軍に駐留する米空軍F-35飛行隊2個を含め、ヨーロッパの10カ国以上で600機以上のF-35が運用されると予想している。

 NATO非加盟国のスイスは、20年代後半にF-35受領を開始する予定だ。

 技術的、相互運用的な利点があるにもかかわらず、チェコ共和国がすF-35全機を受領するまでに長い時間がかかる。


Some of the unclassified upgrades are expected to be part of Block 4. The exact configuration is not publicly disclosed just yet.&nbsp;<em>DOD</em>


 遅れを生んでいるのがTR-3ハードウェア仕様でブロック4アップグレードに伴う様々な要求を処理するために必要な新しいハードウェア・バックボーンと関連するベースライン・ソフトウェアである。TR-3の遅れは、F-35が製造後に引き渡されず駐機したままになっていることを意味する。

 この遅延で、F-35プログラムにも多大なコストを上乗せしている。今月初めに述べたように2023年12月の下院軍事委員会の公聴会で、ニュージャージー州選出の民主党議員ドナルド・ノークロスは、TR-3問題が10億ドルのコスト超過につながっていると述べた。 会計検査院(GAO)によれば、2070年代に予想されるライフサイクル最終段階までのF-35プログラムの全費用見積もりは、約1兆7000億ドルである

 チェコ共和国がF-35取得を正式に約束したことは、チェコだけでなく、航空機の製造プログラムにとっても明らかに追い風だ。■



Czech Republic Officially Joins The F-35 Fighter Program | The Drive

BYOLIVER PARKEN|PUBLISHED JAN 29, 2024 2:54 PM EST

THE WAR ZONE


2023年7月2日日曜日

チェコ共和国がF-35Aを24機導入へ。米国務省が販売案件を承認。ライトニングII導入の非パートナー国はこれで10カ国へ。

 

158 FW F-35A aircraft in Germany for Air Defender 23

A U.S. Air Force F-35A Lightning II aircraft taxis at Spangdahlem Air Base, Germany, June 9, 2023, in preparation of Air Defender 23. (U.S. Air Force photo by Tech Sgt. Anthony Plyler)

国務省は本日、チェコ共和国に対し、ロッキード・マーティンF-35共用打撃戦闘機24機と、多数の武器、部品、装備を、最大56億ドル相当で売却する案件を承認した。



 国務省は同戦闘機で「この地域の基本的な軍事バランスが変わることはない」と声明で付け加えた。

 24機の戦闘機は、アメリカ空軍が使用しているF-35Aとして知られるCTOL(通常離着陸型Conventional Take Off and Landing)となる。チェコ共和国は1年前、F-16やサーブ製のグリペン戦闘機ではなく、アメリカの第5世代ジェット機を選んだと発表し、F-35への野心を明らかにしていた。チェコ空軍は現在、グリペンを使用中。

 「このオプションを選択する決定は、チェコ軍による分析に基づくもので、最新の第5世代戦闘機のみが将来の戦場における任務要件を満たすことができるということを明確に示している」と、チェコのヤナ・チェルノチョヴァー国防相はニュースリリースで当時述べていた。

 今日発表された潜在的な取引には、戦闘機本体に加え、ミサイル、爆弾、電子戦、無線機能、「機密ソフトウェア」、ソフトウェア開発なども含む。また、プラット・アンド・ホイットニーのF135-PW-100エンジン25基も含まれている。

 国務省は、同契約の最終コストは56億ドル以下になる可能性が高いと指摘した。また、アメリカ議会がこの取引に反対する可能性わずかながら残っている。

 ただし、売買が成立すれば、チェコ共和国は、アメリカにとってF-35プログラムの「パートナー」7カ国に加え、その他9カ国の軍事購入国に加わることになる。発表の前日、国務省はノルウェーのF-35に搭載する小口径爆弾の販売承認も公表していた。■


State approves $5.6 billion F-35 sale to Czech Republic - Breaking Defense

By   LEE FERRAN

on June 29, 2023 at 4:23 PM


2022年7月23日土曜日

ファーンボロ航空ショー:チェコ共和国がF-35A24機を発注の意向。

Czech Republic Selects F-35, Plans To Order 24

Tony Osborne July 20, 2022

https://aviationweek.com/shownews/farnborough-airshow/czech-republic-selects-f-35-plans-order-24


ファーンボロー-チェコ共和国は、ロッキード・マーティンF-35共用打撃戦闘機を選択し、24機を購入する。

チェコのヤナ・チェルノホヴァ国防相は7月20日、同戦闘機に関するワシントンとの交渉開始を発表した。チェルノホヴァは、2個飛行隊24機のF-35A購入の協議を開始するため省庁間交渉チームが結成されたと述べた。

チェコ共和国はデンマークに次ぐヨーロッパで最も小さなF-35戦闘機隊になる。しかし、サーブ・グリペンC/D14機をリースしているチェコ共和国にとっては、大幅な能力アップとなる。チェルノショヴァによれば、F-35購入は、「将来の戦場の任務要件を満たすのは、最先端の第5世代戦闘機だけ」というチェコ軍分析に基づき決定された。

同機はすでに欧州数カ国で運用中で、隣国ポーランドでも選ばれていることから、「費用対効果の高いソリューション」と判断された。これにより、「協力、共同訓練、能力共有が強化される」と関係者は述べている。

チェルノホヴァは、グリペンのリース契約は2027年終了するため、今回決定になったと付け加えた。

プラハの発表は、スウェーデン政府がチェコ共和国が14機のグリペンを無償で保有する可能性を示唆してからわずか2週間後に行われた。

プラハのF-35選択は、ロッキード・マーチンが過去18ヶ月間にフィンランド、ドイツ、スイス、オランダからの追加注文を含め、ヨーロッパで発注と採択を増やしている中で追加となる。

チェコ国防当局者は、同国の戦闘機隊で増強が必要と述べている。安全保障状況の悪化を考えれば、任務の遂行規模は増え続けると予測している。■