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2025年4月8日火曜日

B-52レーダー・アップグレード代替案の最新情報(The War Zone)

 


The U.S. Air Force office responsible for the B-52 Radar Modernization Program (RMP) is asking for new information about options for derivatives of off-the-shelf multi-mode radars that could go into the bombers.  

USAF/Airman 1st Class Alexander Nottingham


B-52レーダー・アップグレード代替案の最新情報(The War Zone)

B-52レーダー近代化計画は遅延にもかかわらず変更されていないが、他の選択肢も検討していると米空軍が述べている


空軍のB-52レーダー近代化プログラム(RMP)担当部署は、同機に搭載される可能性のある既製品のマルチモードレーダーの派生型のオプションで新たな情報を求めている。同時に、主にAN/APG-79から派生したレイセオンの新しいアクティブ電子スキャンアレイ(AESA)レーダーをB-52に統合する現在のRMP計画に変更はないと主張している。

 2019年、ボーイングはB-52 RMP用のレーダーを供給するためにレイセオンを選択した。レイセオン(現在の正式名称はRTX)は、AN/APQ-188爆撃機近代化レーダーシステムの最初のユニットをボーイングに2023年に納入した。現在の計画では、現在76機のB-52Hに搭載されている冷戦時代の機械走査式AN/APQ-166レーダーを置き換えることになっている。空軍は過去に、新レーダーを搭載したB-52の初期運用能力(IOC)を2027会計年度に達成したいと述べていた。これは新エンジンやその他のアップグレードを含む、B-52フリートの近代化努力の一部となる。その結果、2050年代も飛行を続けることになる爆撃機は、B-52Jとして再指定される。


 B-52RMPプログラムオフィスは、アメリカ空軍のためにB-52と互換性のある既製品のマルチモードレーダーを改良したものを製造する能力を持つ関係者を特定するために市場調査を行っている。 「買収戦略はまだ決定されていない。 市場調査の結果は、この要件がフル・オープン、中小企業セット・サイド、または単独調達のいずれになるかを決定する際に空軍を支援する。これは業界向け通知であり、情報提供のみを目的とするものです」。

 この契約通知がB-52のRMP計画にとってどのような意味を持つかについて追加情報と明確化を空軍の広報に求めたところ、「空軍は、技術が成熟し、または運用状況が要件の変更を促す可能性があるため、要件に対する代替ソリューションの範囲を継続的に評価します」と伝えてきた。

 この通知は、SAE(Senior Acquisition Executive:上級取得責任者)に、迅速な実戦配備に利用可能なレーダー・オプションの範囲を知らせることを意図した情報源である。「現在のところ、B-52のRMP計画に変更は予定されていない」。

 AESAレーダーは、機械式スキャンタイプより、有効距離、忠実度、対抗措置に対する耐性が優れ、全体的な状況認識能力も向上する。高度化するAESAは、電子戦や通信支援など、さらなる能力をもたらす。


B-52の既存のAN/APQ-166レーダー。 アメリカ空軍

B-52にとって、新しいマルチモードAESAは、爆撃機の目標捕捉・識別能力を向上させる。 また、爆撃機用の新しいレーダーは、ネットワーク化された兵器を目標まで長距離誘導する際にも役立ち、二次的な地上移動目標指示器(GMTI)と合成開口レーダーによる監視能力を提供することができる。 レーダーのアップグレードは、侵入してくる敵対的な航空機の検出を向上させるなど、空対空の脅威からB-52を守るのに役立つ可能性がある。

 今回の契約通告は、B-52のRMPにおける現状と将来について疑問を投げかけるものである。AN/APQ-188は、すでにF/A-18E/FスーパーホーネットやEA-18Gグラウラー、そして米海兵隊向けのアップグレードされたレガシーF/A-18ホーネットで使用されているAN/APG-79という実績ある設計を活用している。また、空軍のF-15Eストライク・イーグルやF-15EXイーグルII戦闘機に搭載されているAN/APG-82の技術も取り入れられている。

レガシーF/A-18ホーネットに搭載されたAN/APG-79レーダーの一種。 レイセオン

「B-52のRMPは2022年2月にクリティカル・デザイン・レビューを完了した。 空軍は航空機統合の問題に対処するため、システム・レドーム設計の改良を続けている。最終的なレドーム設計によっては、レーダー性能に影響が出る可能性がある」と、国防総省の試験評価局長室(DOT&E)は、昨年9月30日に終了した2024会計年度の各種プログラムに関する作業を網羅した年次報告書で警告している。

 「プログラム・オフィスは、最終的なレドーム・デザインの性能を十分に評価し、運用戦術に反映させるべきである。試験機の改造と初期システム・フライト・ソフトウェアの開発は、FY23(2023会計年度)に始まった。「統合の課題に関連した遅延により、開発飛行試験と統合飛行試験の開始予定がFY26にずれ込み、FY28のIOT&E(初期運用試験・評価)につながった」(同上報告書)。

 DOT&Eの報告書はまた、最初の28機のB-52Hに新しいAN/APQ-188の統合を進めるかどうかの決定は、当初の計画よりおよそ2年遅れの2026会計年度になる見込みであるとしている。残りの爆撃機に改良型レーダーを搭載する作業は、2028年度まで開始されないかもしれない。

 DOT&Eは、「正確な日付は、技術的なリスクとスケジュール上のリスクにより不確定である」と指摘している。


USAF


 昨年、議会の監視機関である政府説明責任局GAOによる別の報告書は、B-52のRMPの総見積もりが、2021年の23億4300万ドル(開発費13億2700万ドル、調達費10億1500万ドル)から、2023年の25億8000万ドル(開発費14億3700万ドル、調達費11億4300万ドル)に上昇したことを明らかにした。これらの総プログラム費用に基づくと、76機のB-52をアップグレードする価格は、それぞれ3080万ドルから3390万ドルに上昇した。GAOの報告書が2024年6月に出たとき、空軍は今月までにさらに修正されたコスト見積もりを出すとも予想されていたが、それが実現したかどうかは不明である。

 現在、B-52の機首に取り付け可能なAN/APQ-188の代替案がいくつか市場に出回っているのは確かだ。レイセオンがB-52 RMP用のレーダーを提供することになる前に、本誌はノースロップ・グラマンのAN/APG-83、別名スケーラブル・アジャイル・ビーム・レーダー(SABR)、またはそのバリエーションや派生品を、特に注目すべき選択肢の1つとして取り上げた。SABRは大規模生産されており、さまざまなプラットフォーム向けの手頃なアップグレードオプションとみなされている。イスラエルのEltaのEL/M-2032やイタリアのLeonardoのVixenシリーズも人気が高まっている。

 現段階でB-52のRMPに大きな変更を加えれば、さらなる遅延とコスト増のリスクを負うことになる。

 商業エンジン交換プログラム(CERP)としても知られるB-52の再エンジン化計画も、遅延とコスト増に悩まされている。 新エンジンを搭載した爆撃機は、運用・保守コストの削減と無給油航続距離の大幅な延長に貢献する見込みだが、運用開始は2033年になるかもしれない。

 空軍が最終的にB-52 RMPを変更するかどうかにかかわらず、同軍は明らかにすべての選択肢を把握している。■


B-52 Radar Upgrade Alternatives Info Sought By Air Force

The USAF says that an existing B-52 radar modernization plan remains unchanged despite delays, but it is clearly also looking at other options.

Joseph Trevithick

Posted on Mar 26, 2025



https://www.twz.com/air/b-52-radar-upgrade-alternatives-info-sought-by-air-force


2024年6月20日木曜日

これはおかしい。新エンジン搭載のB-52の実戦稼働が2033年以降へすれこむ公算。

 


米国の防衛装備計画がことごとく遅れる傾向にあるのは一体何が原因なのでしょうか。複雑になりすぎたシステムを統制できなくなったのでしょうか、それとも本当に国力が衰退してきたのでしょうか。The War Zoneが淡々と伝えていますが、どう考えてもおかしなことです。ことが世界の安全保障につながるので、西側有志国が米国の運営をテコ入れする協力は考えられないでしょうかね

 

USAF B-52 in flightUSAF




ロールスロイスエンジンを搭載したB-52Jの初期運用能力は、3年ずれ込み契約締結から12年後となり、レーダーのアップグレードも遅れる


空軍は、B-52爆撃機の初期運用能力(IOC)の達成を、当初の計画より3年遅い2033年度に延期する。議会監視団による新しい報告書によれば、同機めの重要なレーダー・アップグレード・プログラムも価格上昇と、スケジュールの遅れに見舞われている。

 政府説明責任局(GAO)が本日発表した米軍の主要プログラムに関する年次報告書には、空軍のB-52H爆撃機が今後数年間に受ける予定の2つの最も重要なアップグレードの問題に関する新たな詳細が含まれている。本誌は、B-52の広範な近代化計画を調査した。B-52Hは、すべての作業が完了するとB-52Jに再指定され、少なくとも2050年まで使用されることになっている。


 GAOの新しい報告書は、正式にはB-52商用エンジン代替プログラム(CERP)として知られているものに関して、「プログラムは、詳細設計を完了するための資金不足に起因する部分的な遅延があったが、請負業者と協力し、2025年8月の重要な設計レビューと2033会計年度半ばの初期運用能力をサポートするための予算要求を提出したと指摘している。

 「遅れは......詳細設計活動を完了するため必要な資金のレベルを過小評価した結果だ。具体的には、B-52のプロトタイピング作業が予備設計から重要設計に延長され、プログラム関係者は詳細設計作業の提案を受けた」。


 2021年、空軍はB-52Hに搭載されている8基の生産終了したプラット・アンド・ホイットニーTF33エンジンを、新型のロールス・ロイスF130に一対一で置き換えることを決定したと発表した。F130は、燃費が改善され、メンテナンスの必要性が低く、維持コストの削減と航続距離の延長を含む運用上の利点が期待されている。


 空軍は以前、CERPの遅れとコスト増を認めている。しかし、2023年6月の時点では、空軍は当初の計画通り2030会計年度に再エンジン化されたB-52がIOCに達すると予想していた。

 CERPの総コスト予測は不透明で、GAOの新報告書では、今年1月の時点で空軍は「正式なコスト...見積もりを作成していない」と述べている。2月、Defense Newsは、空軍は新エンジンの統合を担当するボーイングから最新コストデータを待っているところだと報じた。先週、Inside Defenseは、空軍の2025会計年度予算要求の中に埋もれていたデータが、CERPの調達コスト、具体的にはおよそ80億ドルからおよそ90億ドルへの10億ドルの増加を指摘していると報じた。

 本誌はCERPのコスト見積もりに関し最新情報を空軍に求めている。


ボーイング社がB-52再エンジン化計画の一環として使用した風洞モデル。ボーイング


 GAOの新しい報告書によると、別の「B-52 RMP(レーダー近代化プログラム)は、ラボテスト問題により、2023年9月にコスト違反を宣言した。"コストは、3つの統合ラボへの追加のハードウェアと人件費、試験装置の設置、請負業者のサポートの追加により、2021年のプログラムの初期見積もりから12.6%増加した。"

 具体的には、「プログラム関係者は、ディスプレイとセンサープロセッサーの遅れが主な原因であると述べている。プロセッサ間の通信を行うプロセッサの光ファイバーコンバーターがテストで機能しなかった」。

 RMPの下で、空軍は76機のB-52Hに搭載されている機械的にスキャンされたAN/APQ-166レーダーを、AN/APG-79から派生した新しいアクティブ電子スキャンアレイ(AESA)タイプに置き換えることを検討している。このレーダーのバージョンは現在、F/A-18E/FスーパーホーネットとEA-18Gグラウラー、そして米海兵隊に残る旧型F/A-18ホーネットに搭載されている。B-52にとって、新型レーダーは、より大きな航続距離と忠実度、そして全般的な状況認識と対抗措置への耐性の向上を約束する。このレーダーは、電子戦や通信支援を含む追加能力をもたらす可能性があり、爆撃機にすでに搭載されている照準ポッドと協力して、敵対的な航空機を含む目標捕捉と識別を支援する。また、ネットワーク化された兵器を長距離にわたり目標に誘導したり、二次的な地上移動目標指示装置(GMTI)や合成開口レーダーによる監視機能を提供することもできる。空対空の脅威からB-52を守るために使用される可能性もある。


レガシーF/A-18ホーネットに搭載されたAN/APG-79レーダーの一種。レイセオン


 GAOによると、RMPの2021年時点での推定総コストは23億4300万ドル(開発費13億2700万ドル、調達費10億1500万ドル)。2023年8月の時点で、これは25億8000万ドル(開発費が14億3700万ドル、調達費が11億4300万ドル)に上昇している。

 GAOによると、空軍はこれらのコスト見積もりを再度公表しており、2025年3月まで新しい価格帯が確立されない可能性がある。

 RMPも遅延に見舞われているが、CERPへの影響ほど重大ではない。 GAOによれば、「同プログラムは、低レート生産開始日をさらに6ヶ月遅らせ2025年3月とし、「その他の今後の日付を平均3ヶ月遅らせた」。

 このことが、新レーダーを搭載したB-52のIOC予定日にどのような影響を与えたかは不明である。2023年6月時点で、空軍はまだ2027会計年度にそのマイルストーンに到達することを望んでいると述べていた。

 CERPとRMPは、この先何十年も戦い続けるB-52の将来にとって極めて重要であると言っても過言ではない。空軍の現在の計画では、新型ステルス爆撃機B-21レイダーの就役に伴い、現行爆撃機であるB-1とB-2を退役させることになっている。


飛行中の空軍の試作型B-21レイダー。ノースロップ・グラマン


 インサイド・ディフェンスによると、「CERPは非常に重要であり、明らかにB-52Jは多くの注目を浴びているが、この(RMP)は、おそらく我々が行っている最も重要なプログラムの1つであり、これが戦闘に有効であることを確認するために行っているアップグレードである」と、B-52の上級資材リーダーであるルイス・ルセッタ空軍大佐は、昨年、アップグレード作業に関連するオクラホマ州の施設を視察した際、記者団に語った。

 B-52は、今後数年間で、他にも多くのアップグレードを受けることになっている。新しい通信システム、改良された電子戦スイート、核武装したAGM-181Aロングレンジ・スタンドオフ(LRSO)巡航ミサイルや将来の通常武装した極超音速兵器などの新兵器もある。これらすべては、1960年代にボーイングが生産した最後の爆撃機が、中国との太平洋での主要な戦いのような潜在的なハイエンドのものを含む将来の紛争において、核および通常攻撃プラットフォームとして適切であり続けることを保証するためである。

フルアップグレードされたB-52Jの最終的な姿を示すレンダリング。Boeing via Air & Space Forces Magazine 空軍のB-52が、今後数年間で新エンジンやその他のアップグレードを受けた後の姿を示すレンダリング。ボーイング via Air & Space Forces Magazine


 主要なB-52アップグレードプログラムの遅延とコスト増加に関する新たな詳細はまた、2026会計年度になると広く予想されている次世代航空優勢(NGAD)イニシアチブのような最優先事業にも、おそらく全体的に迫り来る予算削減についての話の中で来ている。

 フランク・ケンドール空軍長官は最近のインタビューで、2026会計年度の予算計画についてエイビエーション・ウィーク誌に語った。

 「5カ年計画をまとめて提出することができたのは、最終的には現有戦力の削減と維持のため許容できない削減を行ったからだ」。

 空軍参謀総長のデイビッド・オールヴィン大将は、先週航空宇宙軍協会が主催した講演で、2026年度の空軍予算は「全体的に非常に薄くなる」と述べた。

 B-52爆撃機の近代化計画が今後数年間でどのように進展するか、またさらなる遅延やコスト増が発生するかどうかは、まだわからない。

 特にエンジン・アップグレード・プログラムは、ここ数十年でB-52の最も実質的な改良のひとつとなる予定だが、空軍は現在のところ、最初の契約締結からF130を搭載したB-52が作戦任務開始まで12年かかると予想している。とはいえ、同機の原型が初飛行してから運用開始までわずか3年程度だったことを考えれば、少々ショッキングな話である。■


B-52s With New Rolls Royce Engines Won’t Fly Operational Missions Until 2033 | The War Zone

Re-engined B-52s initial operational capability date slips three years, 12 years after contract award, and radar upgrades are also delayed.

JOSEPH TREVITHICK

POSTED ON JUN 17, 2024 9:02 PM EDT




2024年4月21日日曜日

米南部の民間空港へ珍客: 米空軍がシェノー国際空港にB-52爆撃機2機を着陸させた理由

 日本で民間空港に軍用機が飛来すれば、「進歩的」なメディアが軍国主義だと大騒ぎするでしょうが(民間空港も軍が利用できる法的根拠があります)、米国でもそうあることではなく、今回ルイジアナ州の民間空港にB-52が飛来してちょっとした話題になったようです。有事に大切な機材を分散配備する構想はそれだけ主要基地が第一撃攻撃で使用できなくなる想定の証でしょう。Simple Flying記事からのご紹介です。(Terminal 1-2共通記事)


A B-52H Stratofortress assigned to the 96th Bomb Squadron, Barksdale Air Force Base, La. taxis at Chennault International Airport, La., as part of exercise Bayou Vigilance April 12, 2024. U.S. Air Force photo by Senior Airman Nicole Ledbetter



軍関係者以外でB-52爆撃機の離着陸を見ることは通常ない。ルイジアナ州の空港で民間人が貴重な体験をした



B-52Hストラトフォートレスが訓練で民間空港に着陸し、グローバルな作戦における即応性と適応性を示した。

  軍と空港のパートナーシップは、防衛と民間の価値観の共有と関係の重要性を示している

 戦略爆撃機ボーイングB-52ストラトフォートレス、別名「BUFF」(礼儀正しい言い方ではBig Ugly Fat Fellow、そうでない呼び名はBig Ugly Fat F*cker)の離着陸を、軍関係者以外が直接見ることは、軍の航空ショーに招待されない限りない。

 しかし、2024年4月12日、バークスデール空軍基地(BAFB)のバイユー・ヴィジランス演習により、同基地から161マイル(259.1km)と目と鼻の先の民間空港、ルイジアナ州レイクチャールズのシェノー国際空港の乗客と従業員は稀な例外となり、BAFBから2機のB-52を迎えた。

 バークスデール空軍基地(BAFB)の第2爆撃航空団(BW)広報室がプレスリリースで該当機は第2爆撃航空団第20爆撃飛行隊(BS)の所属と明らかにした。

 同空港が、象徴的なサメの口にペイントされたP-40を擁した、伝説的なアメリカン・ボランティア・グループ(AVG)、別名 "フライング・タイガース"を指揮した故クレア・シェノー大将の名を冠したという事実は、おそらく詩的な意味で適切なのだろう。


その理由と意義

バイユー・ヴィジランス演習の精神と意図は、戦闘作戦をシミュレートし、戦略的攻撃に対応する能力を実証することによって、BUFFクルーの即応性と殺傷力を高めることである。この準備態勢の重要な部分は、民間飛行場で発着することによって、厳しい環境でも活動できるようにすることである。『Air & Space Forces Magazine』誌も、前述の第2BWのプレスリリースも、第20BS司令官のジャレッド・パターソン中佐の言葉を引用している:

 「核戦争になれば、すべての制約は外れる。民間飛行場に着陸する能力を示すことで、作戦遂行能力を示すことになる。その能力とは、世界中のどこにでもB-52を着陸させることができるというものだ。そう、今回我々は身近なところでそれを行っているが、世界中どこでもそれが可能であることを証明した」。

 一方、シェノー国際空港のケヴィン・メルトン常務理事は、軍、地元当局、民間飛行場関係者間の喜びを伝えた:

「第2爆撃団とシェノー国際空港のパートナーシップは、空軍に訓練と作戦のための代替地を提供すると同時に、国防総省と民間との関係の存続可能性と重要性を示すという点で重要である。これは、私たちが同じ価値観に基づくチームであることを示すものであり、結局のところ、我が国は他の追随を許さない強力な戦闘力により守られているのです」。


ストラトフォートレスについての簡単な事実

 BUFFは、軍用機マニアの読者には紹介するまでもない機体だが、同機に詳しくない読者のため、ボーイング提供によるいくつかの仕様を紹介しよう。:

- 全長:159フィート4インチ(48.5メートル)

- 翼幅: 185フィート(56.4メートル)

- 全高: 40フィート8インチ(12.4 m)

- 空虚重量 約185,000ポンド(83,250 kg)

- 最大離陸重量:488,000ポンド(219,600kg)

- 燃料容量: 312,197ポンド(141,610kg)

- ペイロード 70,000ポンド(31,500kg)

H型は1960年7月に初飛行し、特に尾部銃が省略されている点で、先行機種と一線を画している。

 同型機はロールス・ロイス製エンジンへ換装後、2050年まで使用される予定だ。■



Bayou Vigilance: Why The USAF Landed 2 B-52 Bombers At Chennault International Airport

BY

CHRISTIAN D. ORR

PUBLISHED 22 HOURS AGO


https://simpleflying.com/bayou-vigilance-why-the-usaf-landed-2-b-52-bombers-at-chennault-international-airport/


2023年9月29日金曜日

B-52性能改修作業の最新状況: ゲームソフトのエンジンが3D環境作成に役立っている

 A B-52 Stratofortress at Andersen Air Force Base, Guam, April 11, 2023.

2023年4月11日、グアムのアンダーセン空軍基地でのB-52ストラトフォートレス。米空軍/ウィリアム・パウ1等空兵



ーイングはB-52のアップグレードにフォートナイトのゲームエンジンを使用している。



 "超リアルな "モデリング・ツールは、プログラムのビクトリー・ロワイヤル獲得に役立つのだろうか?

 人気のゲームエンジンは、製造から60年が経過したB-52爆撃機をさらに30年使う改修作業でボーイングに役立っている。

 ロールスロイスの新型F-130エンジンが米空軍のストラトフォートレスにどう搭載されるかを確認するため、航空機メーカーは、シューティングゲーム「フォートナイト」を動かすソフトウェアであるアンリアル・エンジンUnreal Engine 5に注目した。このゲームエンジンの3D環境により、パイロットや整備士は、エンジンの始動や停止など、アップグレードされたB-52のデジタル表現とバーチャルに対話する。

 これは「実に印象的で強力なツールだ」と、ボーイングの爆撃機担当シニア・ディレクター、ジェニファー・ウォンJennifer Wongは言う。

 ウォンは、アンリアルエンジン5の「ハイパーリアリズム機能」のような市販デジタル ソフトウェアでコストと納期を削減できると述べている。

 「金属を曲げてから学ぶより早く学び、モデルについて話している方がより早く調整することができます」と、ウォンは先週、Air & Space Forces Associationの年次Air, Space & Cyber会議で記者団に語った。

 仮想環境は、空軍に早い段階での修正への "前例のないアクセス "を与え、ボーイングがアップグレードを開始する前に十分なフィードバックを与えてくれる、とウォンは語った。

 これは、Commercial Engine Replacement Program(CERP)と呼ばれる近代化計画の一部であり、爆撃機の飛行を維持するために、各ジェットに搭載されている8基のプラット&ホイットニーTF33エンジンを交換する。

 このプログラムはエンジン交換だけでなく、ディスプレイやコックピット、その他のエイビオニクス・システムも更新する。

 ロールス・ロイスは、エンジンの初期テストを年内に完了し、2024年第1四半期に「重要な設計審査」を開始する予定だ。

 ボーイングはまた、B-52の現在のレーダーを、AESAと呼ばれるレイセオンのアクティブ電子スキャン・アレイ・レーダーに置き換える。同レーダーはすでに米海軍のF/A-18EとFスーパーホーネットに採用されている。

 『B-52は将来、戦闘機のような能力を持つだろう』などと言うのは、そういう意味だ。最終的には、「B-52は戦闘機のような能力と、在F-18プラットフォームにある視覚化の一部を持つことができるようになるでしょう」とウォン。 

 新しいレーダーでB-52は複数ターゲットを同時追跡できるようになる、とウォンは言う。レーダー・プログラムの他のアップグレードには、レーダー・アンテナを保護する新しいワイドバンド・レドーム、ナビゲーター用の大型タッチスクリーン・デジタル・ディスプレイ、ハンド・コントローラーなどがある。 

 「これによって、ハードウェアの変更と対照的に、ソフトウェアによる改良が行われるため、能力向上を継続できるようになる」とウォン氏は語った。

 レイセオンは同プログラムで最初のAESAレーダーをボーイングに納入したと発表したばかりだ。

 空軍のB-52プログラム・リーダーであるスコット・フォアマン大佐Col. Scott Foremanによれば、B-52は2050年代以降も飛行する可能性があり、近代化改修プログラムは極めて重要である。フォアマン大佐は、半世紀近く前のA-10を、空軍が何度も退役させようとしているにもかかわらず、いまだに飛行している飛行機の例として挙げた。

 「2050年以降も飛んでいると信じていけない理由はない」とフォアマンはAFAの議で語った。

 ボーイングによると、2031年度末までにB-52全機に新型レーダーを搭載し、2036年度末までにエンジン交換プログラムを完了させる予定だという。■


Boeing is using Fortnite’s game engine to upgrade B-52s - Defense One

Will this “hyper-realistic” modeling tool help get the program a Victory Royale?

BY AUDREY DECKER

STAFF WRITER

SEPTEMBER 22, 2023


2022年10月5日水曜日

(新版)エンジン換装B-52の風洞試験が完了。全機改修は2030年代中頃になる予定。

 

Boeing

 

ボーイングがロールス・ロイスF130エンジン用の新型ナセルの風洞試験のビデオを公開した

 

 

ーイングは、B-52民生エンジン換装プログラムで、B-52ストラトフォートレス模型を使った風洞試験が完了したと発表するビデオを公開した。映像では、F130エンジンを搭載した機体の外観をこれまでで最も明確に見せている。ロールス・ロイスは、2050年代、おそらくその先も同機運用を続けるため、待望のエンジン換装契約を昨年勝ち取っていた。

 ボーイングがTwitterアカウントに投稿した短い動画では、B-52の4%縮小モデルが同社の遷音速風洞内で最大速度マッハ0.92でのテストが行われているのがわかる。ツイートには、模型は1950年代にエンジニアが使用したものと同じで、将来の飛行試験のデータ収集に役立つと説明されている。2基ずつのナセルで構成されるエンジンポッド4つに、合計8基のロールス・ロイスF130エンジンが搭載され、映像ではっきりと確認できる。

 F130エンジンは、ボーイングのエンジニアであるマイク・セルトマンMike Seltmanが映像の中で強調しているように、現行のプラット&ホイットニーTF33-PW-103エンジンに比べ、燃料効率とメンテナンス性が大幅に向上する。TF33は1985年で生産中止となっており、2030年以降にサポートが不可能になる予測だ。B-52Hでは、より高バイパス比のターボファンを搭載するために、Spirit AeroSystems製の新しいナセルが必要になる。

 「風洞試験の目的は、データを収集し、エラーデータベースを構築し、リスクを低減し、飛行試験につなげ、発注元のため実機を飛ばすことです」と、セルトマンはビデオで述べている。「新型エンジンは大きくなったので、ナセルも大きくなり、翼に近くなり制御性で面白い現象が起こりました」。

 

 

B-52モデルのエンジンナセルがはっきりとわかるボーイング映像のスクリーンショット。 Credit: Boeing

B-52民生エンジン交換プログラムに関する空軍のプレゼンテーションのスライド。 Credit: U.S. Air Force

 

 

 プラット&ホイットニーTF33は、B-52の68年にわたる運航に貢献してきたが、維持費が高くなりすぎた。空軍規則では、TF33は6,000飛行時間ごとのオーバーホールが義務付けられており、費用はエンジン1基あたり200万ドル(約2億円)にのぼる。2019年現在、これらの要因と燃料費で、B-52の飛行コストは1時間あたり7万ドルとなっており、ストラトフォートレスは空軍にとって最も運用コストがかかる航空機として定着している。

 そこで、空軍は2018年にB-52民生エンジン交換プログラムのコンペを開始し、ロールス・ロイス、プラット&ホイットニー、ゼネラル・エレクトリック・エイビエーションの3社が候補に挙がっていた。3年にわたる競合の末、ほぼ1年前の今日、ロールス・ロイスは5億80万ドル(オプションすべて行使されれば26億ドルに達する可能性)の契約を獲得した。この契約と、「BUFF」のエンジン換装までの長く曲がりくねった道のりについては、The War Zoneの過去の記事で詳しくご紹介している。

 ロールス・ロイスは、B-52を設計・製造するボーイングに対し、「B-52H爆撃機に使用する608基民生エンジンと予備エンジン、関連サポート機器、民生エンジニアリングデータ(維持管理活動を含む)」を提供すると、発注時に公表された国防総省の契約通知書に記載されている。ロールス・ロイスはインディアナポリス施設でF130エンジンを製造し、ボーイングが統合を担当する。

 

 

米空軍KC-135ストラトタンカーから燃料を受け取った米空軍第5爆撃航空団のB-52ストラトフォートレスは、主翼に並ぶ8つのナセルにTF33エンジンが搭載されているのが確認できる Credit: U.S. Air Force photo by Staff Sgt. Trevor T. McBride

 

 

 契約で製造されるF130は、現在76機あるB-52Hが搭載する8基のTF33エンジンと1対1交換となるが、予備も調達になるようだ。しかし、ロールスロイスが主張する、30%の燃費向上、航続距離の増加、現場での性能向上、信頼性向上、タンカー機の必要数の削減以外に、B-52H関連のF130で生まれるその他の性能指標は明らかにされていない。Air Force Magazineは3月、新型エンジンが飛行速度に悪影響を与えないと記していた。

 ロールス・ロイスF130は、現在ガルフストリームのビジネスジェット機GV/G550/G650だけでなく、空軍のVIP輸送機C-37、E-11 Battlefield Airborne Communications Node(BACN)などに搭載されているBR700エンジンの軍事転用型だ。ロールス・ロイスは、F130の搭載で、B-52H供用を通じ、「オンウイング」状態を維持できるとしている。

 

 

2021年11月18日、ネリス空軍基地で行われた米空軍兵器学校統合訓練で離陸する、バークスデール空軍基地第340兵器中隊に所属するB-52ストラトフォートレスCredit: U.S. Air Force photo by William R. Lewis

 

 B-52の民生エンジン交換プログラムが正式発表される以前から、B-52のエンジン換装として、民生仕様の高バイパス比ターボファンエンジンを含む提案が出てた。しかし、B-52の主翼に大型エンジンを組み込むのが困難なため、各提案は見送られた。8基から4基へ変更する場合、エンジンの地上高をどうするか、エンジンアウト時の推力の非対称性問題、主翼の変更、エンジン搭載用のパイロンの新設などが必要となる。

 

 

大型ハイバイパスターボファンエンジン4基を搭載したB-52を示すボーイングのコンセプトアート。 (Boeing Image)

 

 ボーイング自身も、維持費や燃料費で数十億ドル節約できる可能性があるとし、エンジン換装を推し進めてきた。長期間の節約によって「元を取る」という、「創造的」な調達と融資のスキームを売り込んでいた。

 

 

アイダホ州マウンテンホーム空軍基地で2020年6月19日、飛行ラインでタキシングするロールスロイスBR700シリーズエンジン2基を搭載した米空軍C-37A。Credit: U.S. Air Force photo by Airman 1st Class Andrew Kobialka

 

 B-52Hは新型ナセルとエンジンに加え各種アップグレードを受ける。目立つのは、状況認識と照準能力を強化する目的の新型AN/APG-79アクティブ電子スキャンアレイ(AESA)レーダーで、電子攻撃や長距離通信にも使用される予想だ。同AESAは、F/A-18E/Fスーパーホーネットにも搭載されているが、BUFFの大きなレドームを最大限に活用するため、適切な装着と配列の拡張改造が必要となる。

 APG-79の実用化スケジュールは、エンジン交換プログラムのスケジュールと重なっており、B-52Hでの飛行試験が2025年開始され、初期運用能力は2027年に期待されるとThe Aviationistが報じている。このため、B-52Hでは、新型レーダーを搭載した機体が新型エンジン搭載に先駆けて飛行し、B-52JかB-52Kという2つの名称を獲得することになる、と同記事は説明している。

 

 

テストスタンドに置かれたB-52エンジンのナセルのコンピュータ・レンダリング。 Rolls Royce North America

 

 

 2022年3月時点で、試験用F130エンジン2基が製造済みで、ミシシッピ州のNASAジョン・C・ステニス宇宙センターにあるロールス・ロイス屋外ジェットエンジン試験設備で評価を受ける。2025年末までに、最初のB-52H2機がF130エンジン搭載で納入され、その後地上試験と飛行試験が行われると空軍は予想。まず8機が、カリフォーニア州エドワーズ空軍基地のB-52テストフォースに加わり、次世代B-52が提供する新機能を評価する。空軍は、2028年末までに統合プロセスを完了し、改造済みで運用可能なB-52の一号機を納入する予定で、2035年までに全機がエンジン換装される予測だ。

 B-52はさらに進化し、100年以上飛び続けそうだ。■

 

 

This Is What The B-52 Will Look Like With Its New Rolls-Royce Engines

 

BYEMMA HELFRICH| PUBLISHED SEP 27, 2022 2:27 PM

THE WAR ZONE