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2023年1月16日月曜日

Su-75チェックメイトは文字通りチェックメイトとなり、前途を絶たれる運命なのか。ねらいどおり買い手が見つかる前に開発が間に合わない?

 F-35を意識しているようなSu-75ですが、ここ数十年で決定的になったロシア航空宇宙産業の技術力低下を示す機体になったようです。外貨稼ぎの狙いもどこまで実現するだろうか、という観測が1945記事から見えてきます。マントゥーロフ大臣はプーチンから軍需生産の遅れを叱責されていましたね。

 

ロシアのステルス戦闘機「Su-75チェックメイト」。Russia's Su-75 Checkmate Stealth Fighter. Image Credit: Creative Commons.

 

 

シアは注目の第5世代戦闘機、スホイSu-75「チェックメイト」の初飛行は、少なくとも2024年まで行われないと2022年夏発表していた。更新スケジュールは、ロシアの産業・商業大臣が確認した。

 

 

「設計が変更され、初飛行時期が修正された。しかし同時に、モジュール化と最新のデジタル技術により、最短時間での変更が可能になりました。早ければ2024年に飛行試験を開始する予定」とマントゥーロフManturov大臣は述べた。

 セグウェイ・ケンタウルスからApple iTVに至る悪名高い消費者向け製品と同じく、Su-75も蒸発し、二度と姿を現すことはなさそうだ。

 

Su-75の概要 現在わかっていること

Su-75は、モスクワで開催されたMAKS 2021航空ショーで、ロシアの国営コングロマリットRostecが披露した。ロシアが開発した第5世代戦闘機としてスホイSu-57に続く2機目だった。

 Su-57(NATO報告名「フェロン」)の連続生産がなかなか進まないクレムリンにとって、Su-75はロシアがすでに成し遂げたことの上に成り立つ利点があると考えられていた。しかし実際には、1機種でも十分に難しいのに、2機も作ろうというのは無理がある。

 しかし、Su-75はもともと輸出用航空機であり、最終的にロシア航空宇宙軍で使用される航空機の生産資金として、海外販売で財源を確保する戦略だったのかもしれない。

 「MAKS 2021でプロジェクトを発表してから時間が経過する間に、潜在的な顧客からフィードバックがあった」とマントゥーロフ大臣は説明した。「また、コストを最適化し、個々の技術的ソリューションを分析する作業も実施され、国産単発エンジンの製造における競争力、商業的魅力を大幅に高め、技術的リスクを低減することが可能となった」と述べた。

 海外の顧客は、現時点でSu-75に唯一のチャンスのように見える。買い手が見つけなければ、チェックメイトの「チェックメイト」になるからである。チャンスはまだ大いにある。

 

中東の顧客?

アラブ湾岸諸国研究所(AGSIW)が今月発表したロシアとイランの関係強化に関する報告書が指摘したように、湾岸諸国の一部(特にサウジアラビアとアラブ首長国連邦)は近年、軍を強化に多額の投資を行い、ロシア含む多様な武器購入戦略を使っている。UAEは、ロッキード・マーチンF-35ライトニングIIを購入できなかったため、代わりにSu-75に投資する可能性がある。

 AGSIWレポートは触れていないが、モスクワとテヘランの緊密な関係を考えると、特に宿敵であるイスラエルがF-35I「アディール」を運用しているので、イランがチェックメイトに関心を持つ可能性は排除できない。

 テヘランは、Su-75を最善の策と見なすことができる。

 もちろん、外部から投資を受けても、ロシアがチェックメイトを実際に飛行させることができることが前提だ。同機が連続生産段階に到達するのは最短で2027年だが、これは最も楽観的な条件のもとでの話である。その頃には、アメリカ、ヨーロッパ、日本で

日米欧の第6世代機が就航しているかもしれないのだ。チェックメイト!か。■

 

Russia's Su-75 Checkmate Stealth Fighter Is A Failure - 19FortyFive

ByPeter Suciu

 

Author Experience and Expertise: A Senior Editor for 19FortyFive, Peter Suciu is a Michigan-based writer. He has contributed to more than four dozen magazines, newspapers, and websites with over 3,200 published pieces over a twenty-year career in journalism. He regularly writes about military hardware, firearms history, cybersecurity, politics, and international affairs. Peter is also a Contributing Writer for Forbes and Clearance Jobs


2021年11月14日日曜日

ドバイ航空ショーでの注目機。スホイのチェックメイトは廉価版のSu-57フェロンなのか。宣伝文句通りなら超お買い得のステルス戦闘機になるのだが。

 

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TASS

 

ロシアは新型機チェックメイトを軽量戦闘機と呼ぶが、事実と異なる。

 

ホイ・チェックメイトの広報資料がドバイ航空ショーに先立ち公表された。同機は公式に存在が発表されて4カ月がたった。同機には軽量戦術航空機LTSの意味のロシア名称がつくが、想像よりも大型でSu-57フェロンに匹敵する大きさのようだ。二機を並べると、謎に満ちたチェックメイト事業の実態が浮かび上がり軽量戦闘機でなく中型機であることがよくわかる。


 

単発のチェックメイトと双発Su-57を比較すると共通点が目につく。なかでもSu-57が重戦闘機のスホイフランカーファミリーの系列を引き継ぐのに対し、公式には軽量戦術機とされるチェックメイトも全長57フィート、翼幅39フィートはフェロンの66フィート、48フィートとそん色ない。

 

両スホイ機は低視認性を意識し「バランスの取れた」最適化措置を受けている。ともに機体主翼一体型構造で揚力を生む機体形状で、主翼前縁部の根元を延長するLERX構造になっているが、Su-57のほうが大きく、フラップも大きくなっている。これに対し新型機の主翼形状もフェロンに似ており、LERXの特徴が見える。

 

チェックメイトのエンジン型式は不明だが、公開された機体に実際のエンジンが搭載されていたかも不明だが、排出口だけは実際のもののようだ。エンジンはイズデリエ30の派生型といわれ、Su-57も同型エンジンを搭載する。他方で公表データではチェックメイトのエンジン推力は14,500-16,000 キログラムとされているのでイズデリエ30より一段低い定格なのか、同エンジンをダウングレードしたのだろう。設計では操縦機動性を重視しており3D推力偏向機能がついているか、取り付け可能なのだろう。

 

ロシアTASS国営通信が発表したデータでチェックメイトの性能がわかり、最高速度は2,200km/h (1,367mph) 、航続距離は2,800km (1,740 miles)とあり、これまでの発表より低くなっている。航続距離は外部燃料タンクを搭載したものだ。

 

チェックメイトは武装搭載量を7,400kg (16,314lb)として機内にハードポイント五か所を設け、機外にさらにパイロン六ケ所がある。

 

こうしてみるとチェックメイトは中型戦闘機であり、軽量戦闘機ではないことがわかる。燃料搭載量が多く長時間の戦闘任務に対応しながら、ステルス性能を発揮できるのが最大のセールスポイントだ。

 

TASS

チェックメイトの機内兵装庫は三か所あり、機外にもパイロン四か所がある。

 

コックピットとレドームにも類似性が見られることから両機種のエイビオニクス装備やレーダーが共通の可能性がある。このことは同機が初登場した段階で想定していた。開発費用の削減のみならず飛行テストの負担も減るからだ。また両機種の費用節減効果も期待できる。TASS配信では搭載システムや一部要素が共通化され、整備も容易になるとあった。

 

ROSTEC

チェックメイトは今年7月に公開された。.

 

もう一つ興味深いのはTASS記事にスホイがチェックメイト設計にシリアでの戦訓を使っているとあることだ。シリアでロシア軍はあらゆる機種を投入し、Su-57も評価用に登場した。シリアの戦訓から設計陣は「軽量単発機を2016年に設計していたが、シリアでの攻撃機材の運用実績を解析し、双発攻撃機の投入は過剰だと判明した」とチェックメイト主任設計者ミハイル・ストレレツMikhail StreletsがTASS取材に答えている。

 

このチェックメイトが11月14日からのドバイ航空ショーで初めて国際舞台に登場するが、同機の輸出について関係者がすでに話題にしている。また将来の発展形もヒントが出ている。

 

スホイ設計局を傘下に収める合同航空機会社(UAC)の総支配人ユーリ・スリュサールYuri Slyusarはが以下発言している。

「同機はもともと各種航空機ファミリーの基本形としてつくったものだ。現在は有人機で無人運用も可能な機体の実現を目指している。

「無人機化で時流に乗ろうというのではなく、実際にすでに初期段階に進んでおり、ネットワーク化軍事作戦での投入を想定している。同機は情報を共有し、その他機材無人機に指示を出し標的にムカワエル。無人機型の投入で全く新しい戦術が生まれる」

 

下はTASSが配信した同機無人機型の想像図だ。

 

TASS

 

その他派生型の話題が出ており、複座型は最近登場した中国のJ-20ステルス戦闘機でも同様だが、こちらは実際に試作型が飛行可能となっている。

 

こうした計画も顧客がつかなければ絵に描いた餅になるだけだ。これまでのところロシア国防省の反応は低調なようで、軽量や中型の戦闘機への関心はここ数年間低いままだ。

 

そのことを念頭に、新型戦闘機に顧客が必要だ。ロステック国営企業総支配人のセルゲイ・チェメゾフはTASS取材に語っている。「このクラスのマシンには世界で需要が高い。飛行性能と戦闘量をお求めやすい価格でまとめたほかに例のないロ伊佐正単発戦闘機は国際市場で人気を集めるはずだ」

 

TASS

 

チェックメイトの機体価格は30百万ドルと発表されており、F-35共用打撃戦闘機は90百万ドルが比較対象だ。新規製造のF-16と比較しても半額程度とTASSは伝えており、もともと「無駄を省いた」JF-17サンダーの55.33百万ドルよりも安い。ただし価格は仕様により変動するのであくまでも基本形の価格を比較した。スホイがこの価格帯で同機を近い将来納入できる理由が謎だ。

 

購入可能性のある顧客は中東、アジア太平洋、ラテンアメリカだ。

 

これまで公開されたチェックメイトは実寸大のモックアップで実機構想を示すだけが目的だったのか。ただし、展示機の現実度が高いことから何らかの実証機でエンジンを搭載すれば地上走行は可能だとする向きもある。

 

ドバイショー会場で同機を近くから観察しエンジンが搭載されているのか、その他重要装備がついているか検分できると期待され、機体の詳細を実際に目にできよう。

 

一方でチェックメイトのハードウェアはしっかりと地に足をつけているように見える。

 

Latest Images Of Russia's Checkmate Fighter Shows Us Just How Big It Really Is (Updated)

Russia has billed the Checkmate as a light fighter, but that isn't really the case. 

BY THOMAS NEWDICK AND TYLER ROGOWAY NOVEMBER 13, 2021

THE WAR ZONE

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