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2025年3月5日水曜日

F-15の機首に赤外線センサーが搭載された模様(The War Zone)―IRSTにはレーダーと異なる利点があり、これまでもポッド搭載の形で運用されていましたが、機体本体に組み込むことでどんな違いが生まれるのでしょうか。

 An apparently new photo published by Boeing shows one of its F-15 Advanced Eagle series fighters fitted with what looks like a previously unseen infrared search and track (IRST) sensor ahead of the cockpit.  

Boeing

コックピット前方に搭載されたIRSTセンサーは、F-15アドバンスド・イーグルで効果を発揮するだろう

ーイングが公開した新しい写真には、のF-15アドバンスド・イーグルシリーズ戦闘機のコックピット前方に、これまで見たことのない赤外線捜索追跡(IRST)センサーに見えるものが取り付けられている。F-15は実戦配備でIRSTセンサーを使用しているが、これまでのところ、運用されているIRSTはポッドやパイロン設置型に限られていた。機首上部に搭載された内部バージョンが重要な利点をもたらす。

 問題の写真は最近、ソーシャルメディアサイト「X」でボーイングにより公開された。キャプションは付いていなかったが、ボーイングの子会社であるタペストリー・ソリューションズ発注された契約に関するメディアリリースを説明する目的で提示された。この契約により、空軍はF-15を含む各種戦闘機用のミッション計画ソフトウェアソリューションを入手することになる。

ボーイング社が「X」で公開した写真のクローズアップ。風防ガラスの前方にIRSTと思われる装置が見える。ボーイング

写真のF-15は完全に影に隠れているが、F-15アドバンスド・イーグル戦闘機の特徴がわかる。ただし、どの特定の派生型であるのか、あるいは、可能性が高いと思われる社内テストベッドなのかは、すぐには明らかではない。

しかし、同機の最も顕著な目に見える特徴は、風防ガラスの前方にある小さなフェアリングで、これはほぼ間違いなくIRSTセンサーだ。

同時に、フェアリングがテスト用のIRSTセンサーなのか、あるいは、可能性のあるセンサーハウジングのモックアップなのかは不明だ。 ボーイングは、私たちの問い合わせに回答し、確かに実物であり、フォトショップ加工ではないことを確認してきた。

少なくとも、ボーイングがこの種の技術を最新型F-15に直接搭載する可能性を検討していることは明らかだ。

これまでもさまざまなタイプのF-15にIRSTが搭載されてきたが、この場所に搭載された例はなかった。

F-14D トムキャットに搭載されたAN/AAS-42を改良した「タイガーアイズ(Tiger Eyes)」と呼ばれるIRSTは、シンガポールのF-15SGや韓国のF-15Kなど、ストライクイーグル輸出モデルの一部に搭載されており、航空機のターゲティングポッドを搭載した左側のインテークパイロン内に格納されている。タイガーアイは、F-15アドバンストイーグルの輸出バージョン、すなわちサウジアラビアのF-15SAおよびカタールのF-15QAにも搭載されている。

A F-15SG Strike Eagle assigned to the Republic of Singapore Air Force receives fuel from a KC-135 Stratotanker assigned to the 92nd Air Refueling Wing over the Joint Pacific Alaska Range Complex during RED FLAG-Alaska 22-2, June 10, 2022. The JPARC airspace provides a realistic training environment, allowing Airmen and the Republic of Singapore Air Force to train for full spectrum engagement, ranging from individual skills to complex, large-scale joint engagement. The Strike Eagles are assigned to the 428th Fighter Squadron, RSAF, and a Stratotanker is assigned to the 92nd Air Refueling Wing, Fairchild Air Force Base. (U.S. Air Force photo by Senior Airman Patrick Sullivan)

シンガポール共和国空軍のF-15SG。タイガーアイは左側のインテークパイロン内に搭載されている。米国空軍撮影、撮影:パトリック・サリバン上級空軍兵 パトリック・サリバン上級空軍兵

AN/AAS-42から発展したものに、ロッキード・マーチンのレギオン・ポッドで使用されているIRST21システムの中心となるセンサー、AN/ASG-34がある。レギオン・ポッドに関しては、米空軍のF-15C「レガシー」イーグルに搭載されており、新型のF-15EXイーグルIIにも搭載されている。ポッドは機体下部の中心線上に搭載されている。

ネリス空軍基地(ネバダ州)所属のF-15Cイーグルが、レギオン・ポッドを搭載してアラスカ上空を飛行中。 米空軍

昨年6月、空軍は本誌に対し、レギオン・ポッドはF-15EXで評価中であり、同機が州空軍戦隊で就役した直後にシステムを採用する計画であると説明した。

「レギオンはレーダーとは異なる波長帯で動作するセンサーです」と、フロリダ州エグリン空軍基地の第85試験評価飛行隊(TES)「スカルズ」に所属するF-15EXパイロット、アーロン・「カミカゼ」・エシュケナージ少佐は説明している。「Xバンド以外のプラットフォームを検出するには、長波赤外線が役立ちます。通常、レーダーはXバンドで検出します。F-15C部隊はすでにレギオンを使用しており、F-15EXにも同じポッドを搭載し、使用できるようにすることが目的です」。

F-15EXに搭載されたレギオン・ポッド。ジェイミー・ハンター

実際、F-15にノーズマウントIRSTを搭載する試みは過去にも少なくとも1度あった。日本の取り組みで、少なくとも1機のF-15JにIRSTを試験的に搭載していた。最終的には、IRSTは日本のF-15Jアップグレードプログラムから削除され、現在はジャパンスーパーインターセプター(JSI)として知られています。

日本のF-15Jアップグレード、ジャパン・スーパー・インターセプター(JSI)のイメージ図。 ボーイング

今回のセンサーは、アラブ首長国連邦のF-16E/Fデザートファルコンに搭載されているAN/AAQ-32内部FLIRターゲティングシステム(IFTS)に類似したものである可能性がある。このユニークな赤外線照準・航法システムには、F-16E/Fパイロットのヘッドアップディスプレイにビデオフィードを提供するFLIRシステムがフロントガラスの前に搭載されており、Fモデルの後部コックピットのディスプレイにも表示できる。これにより、夜間や悪天候時の前方視界が大幅に向上する。F-15にはすでに、AN/AAQ-13 LANTIRN ナビゲーションポッドというIFTSに類似したオプションが搭載されている。

F-16E/Fの正面図、IFTS用のセンサーボールを示す。ロッキード・マーティン/コードワン

IRSTは他の航空機をかなりの距離から探知・追跡するための重要な追加手段をパイロットに提供してくれる。

重要なのは、IRSTは電子戦(妨害)が激しい戦闘環境においてレーダーの代替手段となり得ること、そして敵機が発する赤外線シグネチャのみに依存しているため、ステルス機に搭載されたレーダー回避設計の影響を受けないことだ。

さらに、IRSTは完全に受動的に航空機を捕捉、追跡し、攻撃を支援する。これは、レーダーとは異なり、攻撃機の存在や位置を知らせてしまう可能性を排除する。実際には、IRSTによりパイロットは、視認範囲をはるかに超えた複数のターゲットを素早く発見し追跡できる。また、パイロットがIRSTのみ、または他のセンサー(特にレーダー)と併用してターゲットを特定し、脅威に対処できるよう実際のターゲット情報を提供するのが重要な利点だ。

ロッキード・マーチン

しかし、これまでのところ、F-15用の生産型IRSTセンサーは胴体下部のパイロン、あるいはタイガーアイズの場合はパイロンに組み込む形で取り付けられている。このような取り付け方法は統合が容易ですが、特に視野の面で重大な欠点があります。

IRSTが機首上部に位置していれば、上方を監視する能力がより優れ、F-15の上空の脅威を追跡できる。これは、より高い位置を飛行する標的では特に重要だ。同時に、この位置のセンサーは機首の傾斜により、下方および左右方向の視野も良好です。ジェット機の下部にあるセンサーは、航空機の構造で遮られるため制限がつく。

さらに、機体のどこに搭載しても、一体型IRSTにより、追加の兵站品ハードポイントが空く。これは、弾薬庫の深さが限られている場合には特に重要なこととなる。外部兵器の搭載能力がF-15EXで評価されている。さらに、制空任務を担うF-15に一般的な戦闘形態である中心線燃料タンクを搭載する能力を維持する上でも重要だ。同時にタイガーアイズオプションに対応するために、ジェット機が専用の照準ポッドパイロンを搭載する必要がなくなることも意味する。

大きな疑問は、この計画が米空軍の潜在的な要求に応えることを目的としているのか、あるいは輸出向けアドバンスト・イーグルを想定しているのかということだ。IRSTセンサーへ関心が高まる中、このような製品に関心を示すであろうイーグルの運用者は、さまざまな可能性が考えられる。同時に、写真に写っているアドバンスト・イーグルにはミサイル接近警報システム(MAWS)センサーが搭載されているように見えるが、これは米空軍のF-15EXには搭載されていない。アドバンスト・イーグルは現在も海外顧客から注文を受けており、最近では昨年11月にイスラエルがF-15IA 25機を契約した。

写真では、コックピットの側面にMAWSフェアリングが取り付けられていることが分かります。ボーイング

現段階では、ボーイングがなぜF-15アドバンスドイーグルの1機にIRST(あるいはそのモックアップ)を搭載したのかは不明だ。ボーイングに詳細を照会中だが、このような機能の追加に説得力のある理由があることは間違いない。■


F-15 Nose-Mounted Infrared Sensor Hinted At In New Boeing Photo

An IRST sensor mounted internally ahead of the cockpit would offer the F-15 Advanced Eagle several advantages.

Thomas Newdick


https://www.twz.com/air/f-15-nose-mounted-infrared-search-and-track-sensor-hinted-at-in-new-boeing-photo



2018年11月6日火曜日

★米空軍F-15Cにいよいよ退役が近づいているのか。それとも....投資すればステルス機対応は十分可能(なはず)



The Boeing F-15C Eagle Is Undefeated in Battle (104 to 0). But Retirement Is Coming. Why? ボーイングF-15Cは戦闘で無敵の実績(104対0)を誇るが退役が近づいている。なぜか。

November 3, 2018  Topic: Security  Blog Brand: The Buzz  Tags: F-15F-15CMilitaryTechnologyWorldRussia
年供用中のボーイングF-15Cイーグルは世界最高の制空戦闘機としての名声を誇り、一方的な撃墜実績(104対ゼロ)で有名だが、どうやら運用が最終段階に入ったようだ。強力な戦闘機として退役することになりそうだ。
米空軍はイーグル改修を先延ばししてきた。新型電子戦装備の搭載もそのひとつで老朽化してきた機体を今後も保持するのか方針が決まり次第実施するとしている。F-15Cで本格的な機体補修が必要だと米空軍も承知しており、構造強化策があれば2020年代を超えても十分供用に耐えるという。議会がA-10ウォートホッグ退役案に拒否反応を示したが、空軍は本来ならF-15Cを退役させて浮いた予算で緊急性の高い案件を実現したいところだ。ただしF-15Eストライクイーグル阻止任務機は当面供用を続ける。
ただし当面はF-15Cが米空軍の航空優勢機材の半数近くを占める。これはロッキード・マーティンF-22ラプターの調達が当初の半数以下で終わったためだ。そのため空軍は侵攻型制空機(PCA)のような新型機材を開発し、2030年代には新型機に先陣を切らせF-15CやF-22が後に続く攻撃方法を想定し、ロシア、中国が第5世代戦闘機のスホイSu-57PAK-FAなどを投入する事態に備える。
Su-57が新型二段エンジン双発を搭載すると第四世代戦闘機では対処が難しくなる。速力、操縦性、ステルス、電子戦能力も手強い。しかし米空軍には敵ステルス機を撃破する構想があり対抗策の開発に既に着手している。
その答えは長波赤外線スペクトラムで、現時点のステルス戦闘機はこれに対応する設計となっていない。既存機種に長波赤外線センサーを搭載すれば長距離探知が可能となるが今のところ対抗手段は存在しない。長波赤外線探知を逃れる新技術が今後登場する可能性もあるが、機体に最初から新技術を取り入れないかぎり有効対策は不可能だ。
ロッキード・マーティンは現在Legion ポッドを開発中で、F-15Cで長波赤外線方式の探知追尾(IRST)能力が実現する。同社はLegionポッド130セットを生産したいとし、「レーダーが使えない環境」で長距離から敵を探知追尾を可能とするのがねらいだ。ボーイングは米空軍の主要契約企業としてロッキード・マーティンに技術開発、試作品製造、改良、本格生産契約を今年中にも交付したいとする。
「納入日程が短期間でこれまでにない探知性能が備わったLegionポッドがあれば一足飛びに我が方の戦闘機の性能があがりパッシブ攻撃能力の不足が解消する」とロッキード・マーティンミサイルズ・アンド・ファイヤーコントロール社副社長ポール・レモが語っている。「当社はボーイングとの共同活動に実績があり米海軍向けF/A-18E/Fの IRST21やF-15のIRST製品がありますのでF-15CのLegionポッドでも成功は間違いなしです」
米海軍と業界関係者からは以前にも The National Interest に対して長波IRSTと高速データネットワークを組み合わせればステルス機の探知捕捉が可能になると述べていた。IRST搭載機同士でデータ共有すれば精度がもっと高くなる。「これが海軍のステルス対策の中心です」と業界関係者も述べていた。
F-15CにLegionポッドを搭載すればSu-57も優位性を失う。イーグルがSu-57を探知すれば、同時に強力なレイセオンAN/APG-63(v)3アクティブ電子スキャンアレイ(AESA)レーダーでスキャン焦点を合わせロシア機が捕捉可能となる。いずれにせよF-15CはSu-57に対して有効な追尾捕捉ができ、その後レイセオンのAIM-120D長距離AMRAAMミサイルをお見舞いすればよい。
Su-57がミサイル攻撃を生き残りミサイルで反撃してくると抜群の操縦性能を誇るロシア機の前にF-15Cは不利になる。だがF-15C部隊は同様に優秀な操縦性能を備えたF-22相手に訓練を繰り返しており、不利とはいえラプター相手にイーグルが勝利することもある。さらに共用ヘルメット装着指示システムが最近導入されており、レイセオンのAIM-9XとあわせF-15Cは視程外戦で高い能力を備えることになった。パイロットが顔を向けた方向にミサイルが飛んで敵を撃墜できる。演習では訓練次第で敵を撃墜しつつ残存できることがわかってきた。
こうしてみると機体構造強化策に必要な費用を確保して新装備を追加すればF-15Cは今後も十分共用可能なようだ。ただし、機体の経年変化以外に敵戦力が一貫して強化されているため空軍が次期機材PCAに投資するほうが賢明とみる可能性がある。議会がA-10の場合のように退役を認めない可能性もある。なんらかの手を打たないとF-15Cに残された時間がなくなりそうだ。■
Dave Majumdar is the former defense editor for the National Interest . You can follow him on Twitter: @davemajumdar .