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2018年10月13日土曜日

中国との有事に備え太平洋で代替基地を求める米空軍の動きに注目せよ


ここにきて米国では中国との対決を覚悟した記事が多数出てきましたね。現在の米中対立が次にどうなるかを既に想定しているということでしょう。一方、日本では貿易戦争の真の意味も理解できずピントのボケた論調ばかりではないでしょうか。

Take a Look at America's Backup Plan in Case of War with China これが中国との開戦時に備えた米国の緊急対応策だ

October 12, 2018  Topic: Security  Blog Brand: The Buzz  Tags: ChinaMilitaryTechnologyWorldwara2/ad
国との有事の際に太平洋地区の航空基地がミサイル攻撃の標的になることを米国は覚悟している。RANDコーポレーションがまとめた2015年論文が最悪の状況を伝えている。「大規模かつ正確な攻撃が対策未実施の基地に続くと破滅的な効果が生まれ、航空機多数が破壊され、航空基地の閉鎖は長引く」とある。
沖縄の嘉手納航空基地は中国に近いこともあり、最大の攻撃対象となりうる。中国は2015年にDF-26弾道ミサイルの存在を公表しており3000マイル離れたグアムのアンダーセン空軍基地を中国本土から狙えるとした。アンダーセン、嘉手納共に米軍の最大かつ最重要海外基地である。
そこでティニアンが登場する。グアムに近いちっぽけな同島が米空軍の代替基地のひとつになる。2月10日、空軍からティニアンを「アンダーセン空軍基地他西太平洋地点の施設の利用が不可能になった、あるいは制約を受ける事態が発生した場合」に代替施設とすると発表があった。
ペンタゴンは2017年度葉酸要求で9百万ドルで17.5エーカーの土地を購入し、「代替活用及び訓練」用に活用するとした。平時にはこの拡張で「最大12機の給油機他関連要員が配備」されると空軍は発表。
現在のティニアンは賑やかさと無縁の土地だ。
第二次大戦中は海兵第四師団、第二師団が同島を占領しその後B-29スーパーフォートレス部隊が進駐し、ノースフィールドから広島、長崎の原爆攻撃機が発進した。大戦中の武器弾薬庫や滑走路は放棄され使用されてこなかった。同島に残るかつての航空基地ウェストフィールドは国際空港だが小規模かつ活用されていない。
空軍はサイパンをまず活用しようとした。ティニアンは近接したサイパンの人工は15倍、空港施設と港湾もある。だが、「サンゴ礁、飲料水供給、交通事情、地元社会への社会経済的影響」を理由に空軍構想は現地で抵抗に遭ったとStars and Stripesが報じている。
反対派にはサイパン商工会議所も加わり、老朽しているティニアン空港の改修が無視されることを恐れたのもその理由だった。サイパン空港も混雑がひどく、空軍要員数百名が毎年八週間も演習でそこに加わるのはとても耐えられないと不評を買ったのだ。
これは過去への回帰とも言える。米国は冷戦中に世界各地に基地を分散させたが、ソ連のミサイル攻撃の驚異が消え、湾岸戦争後の予算カットで1990年代に苦境に陥いると、巨大基地への統合で経済性の追求を行ってきた。
しかし多数の基地に分散させたほうが残存性が高くなるとRANDのアラン・ヴィックも2015年の研究で指摘している。
「航空機を基地多数に分散させれば作戦基地・施設が多数になる。このことで飛行の安全性が高まるのは、悪天候や緊急事態に対応可能な予備施設が手に入るからだ。また飛行場が増えれば敵も監視対象が増え攻撃対象の絞り込みが難しくなる。(友軍機材は基地多数に分散配置する前提)」
「少なくとも分散配備で敵側は一層多くの装備を滑走路多数の破壊に当てる必要が生まれ、これまでのような集中攻撃はできなくなる。また航空機を基地多数に分散させれば建設費用運行費用は全体として増える。ただしコスト増対策として分散基地の施設は最小限とし当面は滑走路だけで可とすべきだろう」■

基地分散というのは既存基地の防衛が不可能と認めることですね。沖縄の人たちはこの事実からさらにネジ曲がった主張に導かれてしまわないか心配です。沖縄では下地空港がありますが、普天間はともかく辺野古の施設はどうしても必要でしょう。本土には空港多数がありますので支援部隊の展開が可能なはずです。これは有事法制で想定されているわけですね。北朝鮮はいわば初級レベルだったのですが、これからは真打ちとも言える中国への対応が待ったなしですね。

2016年10月12日水曜日

もし戦わば⑦ 嘉手納、アンダーセンへの攻撃を必然とした米軍が考える予備航空基地


嘉手納基地付近の不動産価格は有事にはゼロになるということですか。同じことが神奈川県でも発生すれば日本の不動産市場は大変なことになりますね。といって中国や北朝鮮のミサイルが精密に基地施設だけを狙うとも思えず、日本の各地が不動産価格暴落の危機にあることになりますね

The National Interest


Revealed: America's Backup Plan in Case of War with China


February 25, 2016

  1. 中国と交戦状態に入れば太平洋各地の米軍基地は安全とはいえない。2015年に出たRAND研究所報告では最悪のシナリオを紹介し、「大規模かつ正確な攻撃が数波に渡り強靭性が劣る基地に加えられると大きな被害が発生し航空機喪失は甚だしく、基地も当面再開できないほどの被害をあびる」としている。
  2. 嘉手納基地は地理的な位置のため最も激しい攻撃を受けるだろう。中国は2015年9月にDF-26弾道ミサイルを公表し、グアムのアンダーセン基地攻撃が可能と明らかにした。アンダーセン、嘉手納の両基地は米軍の海外基地で最重要かつ最大規模の施設だ。
  3. そこでティニアンが登場する。グアム近隣の小島が米空軍の予備飛行機地となる。2月10日に空軍からティニアンを「アンダーセン空軍基地など太平洋地区の基地が利用できなくなるか制限される場合に代替基地として使う」との発表があった。
  4. ペンタゴンの2017年度予算要求では9百万ドルで17.5エーカーの用地を取得し「分散活動や演習時の支援に」使うとしているとサイパン・トリビューン紙が伝えている。飛行施設拡大で平時には「最大12機の給油機他支援要員」を駐留させると空軍は見ている。
  5. ティニアンは今はのんびりした場所だ。
  6. 第二次大戦中は第四及び第二海兵師団が同島を奪取し、B-29スーパーフォートレス部隊が駐留し、原爆投下機も同地から離陸している。戦後に施設は放棄され、使用されないまま残っている。同島にはもう一つ小型の国際空港があったが放棄され荒れ果てたままだ。
  7. 米空軍は当初はサイパンを利用する意向だった。サイパンはティニアンの15倍の人口規模で空港施設も大型で港湾もある。現地からの反対が強く立ちふさがった。
  8. もともとビジネス重視のはずの商工会議所も反対派に加わり今でも混雑気味のサイパン空港に軍人が毎年八週間も演習で来訪しさらに混雑させるのは耐えられないとした。
  9. そのため過去回帰となる。冷戦時には世界各地に軍基地が展開したが、ソ連のミサイル攻撃の脅威が消え、湾岸戦争後の予算削減が1990年代に強まると各地の基地を統合し巨大基地になっていった。
  10. だが2015ン年に論文を書いたRANDのアラン・ヴィックは分散配備の方が残存性が高くなると指摘する。
  11. 「機材を基地多数に分散させることで作戦運用上の冗長性が生まれる。フライトの安全性が生まれ悪天候や緊急時の代替着陸地が利用できる。敵はそれだけ多くの拠点を同時監視する必要が生まれ標的の選択に迷うはずだ。(友軍があちこちの基地に分散する前提)」
  12. 「分散配備で敵は滑走路一本だけ狙うよりも多くの兵力を動員することになる。配備基地を増やせばそれだけ建設費用が運用コストが高くなるが、分散配備先の施設は完全水準でなくてもよく、滑走路だけでも十分になる場合もあるはずだ」
Robert Beckhusen is the managing editor of War is Boring, where this articlefirst appeared.