軍事航空、ISR、 無人機、サイバー、宇宙、安全保障、最新技術....防衛産業、軍事航空、軍用機、防衛関連宇宙開発等の最新技術動向を海外メディアからご紹介します。民間航空のニュースは「ターミナル1」をご覧ください。航空事故関連はT4へどうぞ。無断転載を禁じます。YouTubeでご利用の際はあらかじめご連絡ください。
2017年12月6日水曜日
2017年5月9日火曜日
★★★トマホーク巡航ミサイルを日本が導入検討へ
なるほどイージスアショア導入はトマホーク導入も視野に入れていたのですね。ここで役所的にイージスアショアをまず導入してから、トマホークをとプログラム的に考えては時間ばかり消費します。かといって専守防衛の域を出る装備だと感情的な反対ばかり出ても困まります。これまで軍事面の情報、思考は無視してきたツケでしょうか。反対党には日本国防のあるべき姿で考えてもらいたいのですが、きっとどこかの誰かが「北朝鮮先制攻撃手段」だとレッテルを貼ってくるのでしょうね。成熟した議論を期待しつつ、早期の導入を願います。
Japan May Buy Tomahawks For Retaliatory Strikes On North Korean Missile Sites 日本が北朝鮮ミサイル発射施設への報復攻撃用に巡航ミサイルを導入する可能性が浮上
The system could be paired with the Aegis Ashore anti-ballistic missile system that Japan is also interested in acquiring. 日本が導入を検討中のイージスアショア弾道ミサイル迎撃システムと組み合わせが可能
- 日本がイージスアショア導入を真剣に検討中と先週末に伝えたばかりだが、日本がトマホーク巡航ミサイルの導入も検討していることが明らかになった。スタンドオフ報復攻撃手段として北朝鮮のミサイル発射地点を攻撃する想定だ。日本の戦略状況を見ると完璧な選択の観があるが、「専守防衛」という日本のとってきた姿勢から大きな変化となる。
- 日本政府上層部に出回っている緊急提案では弾道ミサイル迎撃だけでは不十分で北朝鮮のミサイル発射能力自体を反撃対象とすべきとの意見だ。ここでスタンドオフ対地攻撃ミサイルの存在が浮上する。いったんミサイルが発射されれば、日本はトマホークの牙でミサイル発射地点、要員や支援施設を攻撃する。北朝鮮軍事指揮命令通信拠点も攻撃対象に加わるだろう。
- 日本が攻撃兵器とみなされる装備を堂々と導入すれば、日本の軍事力増強を問題視する勢力の怒りを買うのは必至だ。イージスシステム水上艦のマーク41垂直発射管に装填されれば議論の火に油を注ぐことになりそうだ。導入が想定される艦は世界有数の戦力を有しており、日本から遠く離れた地点にも展開できる。トマホークの射程は1,000マイルあり日本は世界各地の陸上目標の多くも攻撃対象にできることになる。
- そこで対応策は日本国内の固定発射装置にミサイルを導入することだ。水上艦に導入すれば兵力投射となるためだ。これでミサイルを報復手段としてのみ投入する既定方針に合う。言い換えれば日本は先制攻撃は決して選択しないということだ。
- 日本がイージスアショアを陸上固定ミサイル防衛能力の手段として導入すれば一石二鳥だ。イージスアショアも同じマーク41垂直発射管VLSを流用しており、米海軍水上艦ではこれでBGM-109トマホークを運用している。米海軍の駆逐艦巡洋艦と同様に日本もトマホークをイージスアショア施設で運用すればよい。
- 戦術版トマホークの最新型は通称「Tac-Tom]で飛翔中に攻撃目標を再設定可能なうえ、滞空しながら敵目標攻撃命令を待つことができる。移動目標の攻撃も可能だ。弾道ミサイルがTEL輸送起立発射装備で運用された場合に有望な攻撃能力になる。
- 日本本土から北朝鮮国境までは一番近くで310マイルなのでTac-TomにはTELが活動している地点やその他発射施設のある地区上空を十分な時間で滞空待機できる。パイロットを危険にさらすことなく、航空自衛隊の新型機、弾薬装備、訓練は不要だ。
- イージスアショアがなくても日本には陸上配備トマホークをスタンドアローンのマーク41VLSに指揮統制装備と組み合わせて配備は可能だ。独立運用でトマホークを運用することも四発搭載輸送起立発射装備の導入で可能だ。米陸軍ではトマホーク派生型のBGM-109Gグリフォンで同じ装備を導入していた。(中距離核兵器削減条約で現在は供用されていない) だがトマホークをイージスアショアに統合して運用するのが最大効果を上げながら、政治的に微妙な同装備の導入につながるのだろう。
- 抑止力としてトマホークを導入すれば日本は北朝鮮に対して自国防衛力と反撃力を同時に確保することが可能となる。北朝鮮には一層の圧力となり近隣国攻撃に慎重となり、日本海へミサイルを撃ち込むのも控えるようになるだろう。
- イージスアショアと組み合わせれば日本には完ぺきな選択となろう。巡航ミサイルがもっと高速かつ迅速に発射できれば北朝鮮のTELに有効に対抗できる。だがこのためには日本はきわめて正確な情報でミサイル発射地点を把握しなければ迅速な攻撃は不可能だ。このため衛星データで発射を探知し飛翔を追跡する能力が必要だが、これを有するのは米国のみだ。日本も独自に朝鮮半島を監視する同様の能力の衛星を打ち上げようとすれば非常に大きな予算措置が必要になる。
- マッハ2.5程度の飛翔速度が可能な巡航ミサイルがあれば日本本土から北朝鮮国境地帯には最短10分で到達可能となる。だが発射前にに敵の脅威内容を分類し指揮命令系統の認証を受ける間に北朝鮮のTELは移動しているだろう。またこの速度のミサイルだと距離、ペイロード、さらに滞空待機能力を犠牲にし、目標再設定能力も望めない。
- そうなるとトマホークは戦術、戦略両面での複雑な条件を解決する有効な選択肢になる。トマホーク単体では有事の際に北朝鮮によるミサイル攻撃続行能力を除去できないが、イージスアショアと組み合わせて有効な防衛力・抑止力をの同時に実現できる。同じ結論を安倍晋三政権が下すか見守りたい。■
2016年8月5日金曜日
防衛白書への中国の反応は「人民海上戦」への呼びかけ
Japan Warns China Over 'Territorial Aggression'
Agence France-Presse 11:01 a.m. EDT August 2, 2016
TOKYO —意図せぬ軍事衝突の引き金を引くリスクを中国が増やしているとの防衛情勢を日本が評価する一方で中国政府からは「海上人民戦争」の準備を進めよとの発言が出ている。
- 日本がこのたび公表した防衛白書では中国について「自己主張を強める傾向が続く」とし、その行動は「意図しない結果を招く危険な振る舞いがある」とする。
- 中国が南シナ海で広範な領海主張をし、人工島を建設し、軍事作戦の構えまで見せる中で域内各国との対立が深まるのは国際社会も看過できない。
- 中国政府は国連制度の一部たる仲裁法廷で自らの主張を却下され、、法廷判断を尊重するよう圧力を受けている。
- 白書では中国は「自国の一方的な要求を求めるばかりで妥協の余地を示していない」とし、「既成事実で現状を無理やり変えようとしている」と表現。そのうえで中国に判決に従うよう求めるが、当の中国は茶番だと結果を拒絶している。
- 中国国営メディア新華社は常万全国防相が「人民海上戦」の準備を急ぎ、海上脅威へ対抗し、主権を守れと発言したと伝えている。
- 国家主権の擁護と領土防衛のため軍、警察、人民を総動員すべきだと同国防相は浙江省視察中に発言している。ただし脅威の出どころについては通信社は解説していない。
- 米国が問題の海域で海軍哨戒活動を今後も続けると公言し、航行の自由原則を掲げるのも中国の神経を逆なでしている。
- 白書では東シナ海での中国の活動が増加していることに日本も警戒心をあらわにしている。両国は尖閣諸島をめぐる主権主張で対立しており、中国は釣魚諸島と呼称している。
- 「尖閣諸島近海での中国活動が強化されており、軍用機が同諸島付近を南方に飛行している事例がある」
- 平成27年度の中国機への航空自衛隊スクランブルは571回を数え、前年度から107回増加と白書は指摘。
- 防衛白書に対し中国国営CCTVは中国政府が「厳重なる」抗議を申し入れたと報道している。
- 新華社は白書を酷評し、日本は「中国の国防や中国の規範、東、南の両シナ海での合法的な海洋活動に無責任な論評を与えている」と非難した。
- 先月には日本軍用機が中国機に火器管制レーダーをロックオンしたと両国が対立した。
- 防衛白書は北朝鮮の核開発にも触れて、「核兵器の小型化と弾頭開発を実現」している可能性があると指摘。
- 1月に第四回目の核実験に踏み切った北朝鮮は核弾頭小型化でミサイル搭載が可能となったと主張しており、米本土を狙う大陸間弾道弾の燃焼エンジンのテストにも成功したとしている。■
2014年8月7日木曜日
海軍協会がH26防衛白書のポイントを紹介しています
新しい防衛白書を米海軍協会が早速紹介しています。忙しくて邦字新聞を見る暇がなかった方(当方含む)はご一読ください。(紹介の仕方が相当違うのではないかと思います)なお、本ブログでは護衛艦を駆逐艦、各自衛隊を各軍と表記しています。原文を尊重してDestroyer, Servicesからの訳語です。ご承知おきください。
Japan’s ‘Increasingly Severe’ Security Environment
By: Kyle Mizokami
Published: August 6, 2014 11:26 AM
Updated: August 6, 2014 11:26 AM
防衛省がこのたび公表した防衛白書では日本の安全保障を取り巻く環境は「厳しさを増している」と表現している。白書では 中国、ロシア、北朝鮮で潜在的な脅威とし、サイバー攻撃、海上挑発行為、核兵器を取り上げている。
同時に「動的防衛力」“dynamic defense”の各論として組織改編とともに5か年中の防衛装備の整備を概括している。自衛隊 Japanese Self Defense Forces (JSDF) の組織構造面での改編は冷戦終結後最大規模とし、人員増せずに新規能力の整備と既存能力の温存を図るとする。
新しい防衛方針の核心部分は陸海空の各部隊を「動的防衛隊」 “dynamic defense force”に再編することだ。これは高度機動力があり、日本各地での活動展開を可能とし、とくに尖閣諸島など辺境部で駐屯地の開設が困難な地点の防衛を視野にいれている。また米軍を参考に自衛隊も「共同運用」を拡大していく。
「動的防衛」の基本任務は島しょ部分への侵攻の阻止、特殊部隊あるいはゲリラの攻撃を封じ込めること、災害救難や非戦闘員緊急避難があげられている。とくに後者では韓国有事の際に日本国民を撤退させる想定だ。
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防衛予算は微増と見込み、現在の換算レートでは平成26年度予算は約469億ドル前年度比2.2%増となっている。このうち18.8億ドルは日本に駐留する米軍部隊の支援部分である。
海洋兵力
中国が海軍力整備を続ける中で海上自衛隊も増強を図っている。このうち新型P-1長距離哨戒機を23機導入し、P-3Cオライオンと交代させる。
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駆逐艦(護衛艦)は現行48隻を54隻に増強し、総トン数は52千トン増加させる。あたご級イージス駆逐艦の既存2隻でBMDソフトウェアを更新し、あらたに2隻を建造してBMD対応艦を8隻にする。各艦にSM-3ブロックIIA迎撃ミサイルを搭載する。潜水艦は22隻に増強。護衛隊は14へ増強し、潜水艦部隊は6になる。
興味を引くのは米海軍の沿海戦闘艦に類似した新型駆逐艦構想でモジュラー式の性能変更が可能としている点だ。この新型駆逐艦はさらに小型で曳航式ソナーを備える点が異なる。掃海装備をモジュラー化して搭載でき、現行の掃海艇が25%削減され18隻になることにも対応する。海上自衛隊は人員増が難しい中、駆逐艦を増強しつつ掃海能力を維持しようとしている。
航空戦力
航空自衛隊の改編では尖閣諸島で中国の領空侵犯に対処するため、那覇基地のF-15J配備数を倍増する。また同地区の空中早期警戒体制も1飛行隊を追加して2隊体制とする。このうち603飛行隊は那覇基地常駐とする。AWACs4機を追加導入する。
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戦闘機部隊も増強する。唯一残る偵察飛行隊は解隊する。F-15Jでは26機に性能改修を施す。F-35共用打撃戦闘機(JSF)の最初の28機の前払い金を支出する。F-35は三沢基地に配属される。
高性能無人機(UAVs)も導入する。このうち長時間滞空無人航空機調達事業はノースロップ・グラマンのグローバルホーク3機の導入になるのは確実だ。UAV運用は三軍が共同で行う。
陸上兵力
陸上自衛隊も装備の更新を受ける。まずペイトリオット部隊にはペイトリオットPAC-3性能改修型が配備され、北朝鮮と中国の弾道ミサイルへの拠点防衛能力を向上させる。
陸上自衛隊は機動性を重視していく。西部方面隊に水陸両用部隊を編成しようとしており、長崎県に配備される新部隊は琉球、尖閣双方の防衛を担当する。兵員3,000名と水陸両方強襲車両52両が配備される。V-22オスプレイ17機が即応展開を可能とするだろう。
陸上自衛隊の常設部隊の半数を「迅速配備編成」とし、師団単位で迅速な移動を可能にし国内の有事に備える他、周辺部への対応もさせる。この迅速展開部隊に3師団と7旅団を対象とする。このため戦車を整理し、300両を残すが、新型機動戦闘車両を配備する。
東シナ海での中国の活動強化に呼応して陸上自衛隊は琉球諸島全般に沿岸監視部隊を配備し、中国の軍事活動を監視する。移動式対空レーダーを遠隔の島しょ部に配置し、新型対艦ミサイル部隊9を整備し、沖縄に移動すれば宮古海峡の外国船舶通航を阻止できる。
サイバー対応
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白書ではサイバー防衛隊(Cyber Defense Group, CDG)を創設し、指揮通信システム隊C4 Systems Commandに編入するとしている。サイバー戦の重要性が高まってきたこともあり、CDGは防衛相から階層二つ下に編成される。同隊は防衛省及び各軍のネットワークを24時間監視し、一層高度になってきたサイバー攻撃の被害を予防する。CDGは各軍のサイバー戦部隊とも連携する。
興味を引くのは白書が安倍政権による集団自衛権の変更について多くを語っていない点だ。とくに米国との絡みでの言及がない。白書執筆の時点が方針変更の前だったことがその理由だろう。■
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目的のため手段を択ばない中国の思考がここにもあらわれていますが、非常に厄介な存在になります。下手に武力行使をすれば民間人への攻撃と騒ぐでしょう。放置すれば乱暴狼藉の限りを尽くすので、手に負えません。国際法の遵守と程遠い中国の姿勢がよく表れています。尖閣諸島への上陸など不測の...