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2026年7月9日木曜日

ウクライナはロシア弾道ミサイルを一発も迎撃できなくなった―迎撃ミサイルが絶望的に不足。だがロシアもウクライナ攻撃を防げない。双方の防空能力が穴を露呈してきた

ペイトリオット迎撃ミサイルが深刻なほど不足、ウクライナは弾道ミサイルを1発も撃墜できない

Out Of Patriot Interceptors, Ukraine Can’t Down Any Ballistic Missiles Striking Kyiv

ミサイル供給が極めて乏しく、需要が極めて高い状況下で、ウクライナは同盟各国にペイトリオット迎撃ミサイルの追加供与を求めている

https://www.twz.com/land/out-of-patriot-interceptors-ukraine-cant-down-any-ballistic-missiles-striking-kyiv

Ukraine, short on Patriot interceptors, can't down Russian ballistic missiles.

(陸軍公式写真)

トリオット迎撃ミサイルが深刻なまで不足し、ウクライナは、ロシアが夜間に繰り広げた致命的な集中攻撃で発射されたイスカンデル弾道ミサイルジルコン極超音速巡航ミサイルを1発も撃墜できなかったと、ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領および空軍当局者が月曜日述べた。ウクライナ当局によると、主にキーウを標的としたこの攻撃により、少なくとも20人が死亡し、さらに数十人が負傷した。

このミサイルおよびドローンによる攻撃は、NATOサミットの前日に発生した。同サミットでは、ゼレンスキー大統領が同盟国に対し、さらなる対ミサイル弾薬の提供を強く求めるものと見られている。また、この集中攻撃は、ウクライナが独自のミサイル迎撃能力の確立に取り組み、寄付に依存する必要がなくなるよう努めている最中に起きた。

「その理由は、まさに迎撃ミサイルの供給不足にある」と、ゼレンスキー大統領はXで不満を述べた。「世界、とりわけ米国や欧州のパートナー諸国が、アンカラでのNATO首脳会議を終えるにあたり、我々の防空、ひいては一般市民の命を守るための強力な決定を下すことが極めて重要だ。『ペイトリオット』用のミサイルが同盟国の倉庫に眠っている限り、それはロシアが住宅を『破壊』し続けることを助長するだけだ。米国と欧州には、このテロを阻止するのに十分な力がある。」

ウクライナ空軍によると、昨夜ロシアが発射した「イスカンデル」23発と「ジルコン」6発はすべて、同国の防空網をすり抜けたという。

「弾道ミサイルを撃墜するには、それを撃墜する手段が必要だ」と、ウクライナ空軍の広報官ユーリー・イグナート氏は国営テレビで述べた。「『ペイトリオット』システムは十分に備わっているが、ミサイルの継続的な供給が必要だ」

イグナト氏によると、ロシア軍は「ウクライナのペイトリオット迎撃ミサイル不足を意図的に利用し、巡航ミサイルやドローンよりも迎撃がはるかに困難な弾道兵器に大きく依存している」と、ウクライナの『ミリタリーニ』誌は指摘した

対照的に、ウクライナ空軍は、前夜の攻撃において、351機のドローンのうち326機、33発のKh-101巡航ミサイルのうち31発、そして6発のカリブル巡航ミサイルをすべて撃墜したと発表した。

先週、ゼレンスキー大統領は、同盟国が約束した対ミサイル弾薬の提供という公約を果たしていないと不満を漏らした。

「ウクライナには適切な防衛パッケージが必要だ」と、ゼレンスキー大統領は7月2日、ロシアによる新たな大規模な砲撃の後、4発のジルコンミサイルはすべて、74発のイスカンデルミサイルのうち4発しか迎撃できなかったことを受けて述べた。

「我々はこれらのミサイルを必要としている。最大限の圧力をかけつつ交渉を進めている」とゼレンスキー大統領は述べた。「合意に達し、すでに資金を振り込んだ国もある。NASAMS[National Advanced Surface-to-Air Missile System]などがその例だ。」

ゼレンスキー大統領は特にノルウェーを名指しした。

「例えばノルウェーについては……200発のミサイルの代金を支払うという合意があった。しかし、その200発のうち、1発たりとも届いていない」

約束された支援が期日通りに届けられていれば、「家や人命を救う」ことができたはずだとゼレンスキー大統領は付け加え、ウクライナがパートナー国に求めているのは「単に合意されたことを実行してもらうこと」だと強調した。

ゼレンスキー大統領が迎撃ミサイルの増強を訴えたにもかかわらず、イグナット氏は月曜日、「ペイトリオット迎撃ミサイルの不足はウクライナに限った問題ではなく、世界的な課題である」と認めた。これはTWZが頻繁に報じてきたテーマである。

以前にも指摘した通り、最近の中東紛争における米国の使用、ウクライナによる継続的な消費、そして脅威の高まりに直面している他の20カ国近くへの供給約束が重なり、ペイトリオット迎撃ミサイルの供給は重大な問題となっている。ウクライナがこのシステムを入手する前や、中東で度重なる紛争が発生する前から、世界的なペイトリオットミサイルの備蓄量や、危機時に十分な迎撃ミサイルを生産する能力については懸念されていた。現在、需要は爆発的に増加し、配給制が導入されており、一部の顧客には、注文分が米国の備蓄を補充するために転用されると通告されている。この慣行はトランプ政権第2期以前から続いており、バイデン政権も同盟国に対し、注文分が台湾やウクライナへ振り向けられると伝えている。

それでも、国防総省は最近になって、生産拡大に奔走しているにもかかわらず、十分な備蓄があると主張し続けている。

本誌は最近、戦略国際問題研究所(CSIS)による新たな報告書に関する記事の中で、これらの弾薬の供給問題を取り上げた。

米国の先進兵器備蓄の枯渇の深刻さに関するこの報告書は、現在生産されているPAC-3 MSEについて、「およそ年間650基という基準生産率であり、その半数は米国に、残りは同盟国やパートナー国に供給されている」と指摘している。

1月に国防総省と締結した契約に基づき、ロッキード社はペイトリオットの年間生産数を2,000基に引き上げることを約束している。

The defense of Al Udeid Air Base in Qatar against Iranian ballistic missiles included the largest volley of Patriot air defense interceptors in U.S. military history, the Pentagon's top general told reporters.

ペイトリオット迎撃ミサイル。(ダレル・エイムズ/米国防総省)

米国がウクライナにペイトリオット迎撃ミサイルを供給できるかどうかについては、議会も十分な懸念を抱いており、先月、国防総省に対し、戦火にさらされている同国へのペイトリオットPAC-3迎撃ミサイルの供給をどのように増やすことができるか説明するよう命じた。

本日、サミットに先立ちアンカラで記者団に対し、NATOのマーク・ルッテ事務総長は、米国が防衛上の公約を果たすため、ウクライナへのペイトリオット迎撃ミサイルの供給を積極的に行っているとしつつも、「NATO域内に保管されている迎撃ミサイルの量には限界がある」と述べた。

ウクライナへの支援は、少なくともわずかながらも進んでいる。

先月、NATO国防相会議に先立ちブリュッセルで記者団に対し、ドイツのボリス・ピストリウス国防相は、ウクライナ向けの米国製兵器・弾薬の購入資金を調達する「優先ウクライナ所要品リスト(PURL)」制度に基づき、防空用弾薬の調達のために2億ドルを提供すると発表した。

「このようにして、我々は文字通り、昼夜を問わず人命を救っているのです」とピストリウスは述べた。同氏はまた、ドイツが「JUMPSTART(ウクライナ多国籍共同プログラム――サービス、訓練、物資の迅速供給)」メカニズムに参加すると発表した。JUMPSTARTは、ペイトリオット防空システム用の迎撃ミサイルの調達に特に焦点を当てている。

「我々は、PAC-3誘導ミサイルの購入に2億ドルを拠出することで貢献に合意した」とドイツ国防相は述べた。2億ドル拠出により、およそ40~50発のペイトリオットPAC-3 MSE迎撃ミサイルを購入できる。

これらの兵器の価格と納期の問題から、米陸軍は防衛関連企業に対し、1発あたり約100万ドルかかる新型ペイトリオット迎撃ミサイルの開発を急がせている。

一方、ポーランドの極右・反ウクライナ政党「連合」の共同党首で、下院(セイム)副議長を務めるクシシュトフ・ボサックは、X上で、ポーランド政府が3月に議会への通知なしにペイトリオット迎撃ミサイルをウクライナに移送したと主張した。

「3月、政府はセイムに内緒で、高価かつ入手困難なペイトリオットシステムの迎撃ミサイルをウクライナに引き渡していたことが判明した」とボサックはXで述べた。「これらは、メディアで何年も前から報じられている多層的な防空システムを構築するために、ポーランドが米国から購入したものであり、今日に至るまでそのシステムは完成していない。これらは、ポーランドを脅かし、カリーニングラード州に配備されているロシアのイスカンデルミサイルに対抗できる、ポーランドが保有していた/現在も保有している唯一のミサイルである。」

ウクライナは、迎撃ミサイルの寄贈をさらに求めるだけでなく、独自の開発も進めている。

複数のドローンやFP-5フラミンゴ巡航ミサイルを製造するウクライナの企業「ファイア・ポイント」は、国内で設計・製造された「対弾道ミサイルシールド」の開発に取り組んでいる。このシステムの基幹をなすのは、同社製のFP-7.x迎撃ミサイルだ。2月、同社はこの兵器の試験を公開した

Kyiv Postは今月初めに、「このシエナジーールドは『空力的には完成しているが、完全な統合がなされなければまだ実戦運用に至らない』」と報じた。「主任設計者デニス・シュティラーマンは、このシステムはレーダー、指揮センター、安全なデータリンク、そして欧州で開発されたシーカーヘッドに依存していると述べた。同社はパートナーと協力し、これらの要素を統合して機能するミサイル防衛ネットワークを構築している。」

Ukraine’s Fire Point unveils FP-7.X missile, advances development of anti-ballistic interceptor thumbnail

ウクライナのファイア・ポイントがFP-7.Xミサイルを公開、弾道ミサイル迎撃システムの開発を推進

これまで本誌は、ウクライナが最近、少なくともある程度は戦況を好転させていることを指摘してきた。ロシアの兵站網への攻撃により、クレムリンによるさらなる領土獲得の試みが足止めされている。こうした進展は、ウクライナによるドローンの生産拡大と、通信技術およびAIを活用した誘導システムの進歩に大きく起因している。

ロシアがキーウを猛攻撃する一方で、ウクライナも長距離攻撃でロシアを激しく攻撃し続けている。ウクライナが保有する目まぐるしいほど多様な長距離ドローン、そして最近では巡航ミサイルが、ロシア深部のエナジーインフラはじめ重要目標を攻撃し、ロシアに打撃を与えている。さらに、キーウは独自の弾道ミサイルの開発も進めている。ウクライナの長距離攻撃能力が現在、指数関数的なペースで拡大しているように見える中、ウクライナ国境から遠く離れたロシアの標的に対するリスクは高まっている。ロシアには、自国の広大な領域をこうした攻撃から守る能力がない。

この点を踏まえると、ウクライナは弾道ミサイル攻撃に対して事実上無防備であり、確かに厳しい道のりが待ち受けているが、ロシアにも、別個でありながらある意味で類似した、深刻な防空上の問題が存在する。これらすべてが、高性能な防空システムが抱える最大の問題の一つを浮き彫りにしている――敵は、特に長期的には、防空システムが対処し切れないほど多くの攻撃兵器を常に開発しようとする可能性があるということだ。PAC-3MSEのような現代の高性能迎撃ミサイルのコスト、複雑さ、および調達リードタイムを考慮すれば、少なくとも現時点では、この方程式の答えは比較的容易に見出せる。ウクライナについても同様だ。ロシアの防空体制は、ウクライナでの作戦展開や、極めて重要な施設・資産の防衛の必要性により、すでに手薄になっている。広大な領土にわたって発生しうる大規模なドローンや巡航ミサイル攻撃に対する防衛は、単純に不可能なのである。

言い換えれば、戦争開始から4年半が経過した今、双方の防空網に亀裂がはっきり現れ始めている。■

ハワード・アルトマン

シニア・スタッフライター

ハワードはTWZのシニア・スタッフライターである。紛争について頻繁に執筆しており、特に中東とウクライナに焦点を当てているほか、世界中の軍・諜報当局者や業界リーダーへのインタビューも行っている。現在は、米中央軍および米特殊作戦司令部の本拠地であるフロリダ州タンパ近郊に在住している。

2026年3月19日木曜日

高市首相訪米で日本は米ゴールデンドーム構想に参加を表明する

 

日本が米国の「ゴールデン・ドーム」へ参加を希望する見込み―高市首相訪米

The National Interest

2026年3月18日

執筆:ハリソン・カッス

日本は航空宇宙技術のパイオニアであり、同国の防衛産業は米国とのパートナーシップで多大の貢献が可能だ

本は今週後半、米国のミサイル防衛構想「ゴールデン・ドーム」への参加を表明する見通しだ。この動きは、中国や北朝鮮による地域的な脅威が高まっている状況と時期を同じくしている。

ロイターによると、木曜日にワシントンでドナルド・トランプ大統領と会談する際、高市早苗首相は、米国との宇宙防衛パートナーシップに対する日本の関心を示すとみられる。この動きは、ミサイル防衛や戦略的安全保障技術において、米国との協力を拡大することへの日本の関心が高まっていることを示唆している。

「ゴールデン・ドーム」とは何か?

「ゴールデン・ドーム」構想は、高度なミサイル脅威を検知・迎撃する米国の能力を強化するために提案されたミサイル防衛プログラムである。

米国上空に「ゴールデン・ドーム」のミサイル防衛シールドを展開するという構想は、理論上は単純だが、実行面では複雑だ。これは地上配備型迎撃機やペイトリオットミサイル部隊に依存しており、開発が進むにつれて実験的な要素が含まれる可能性もある。この構想の主要要素には、拡大されたミサイル迎撃ネットワーク、高度な早期警戒システム、宇宙ベースのセンサーおよび追跡能力、そしてミサイルの脅威を検知・対処する軌道上システムなどが含まれる見込みだ。

この計画には1980年代にロナルド・レーガンが提唱したものの実現しなかった「スター・ウォーズ」構想を彷彿とさせるものがあり、新たな種類のミサイル脅威、特に中国やロシアで現在開発中の極超音速滑空体に対する懸念を反映している。

なぜ日本が「ゴールデン・ドーム」への参加を望むのか?

日本が「ゴールデン・ドーム」に関心を示しているのは、世界でも最も深刻なミサイル脅威に直面しているからである。日本は北朝鮮の弾道ミサイルの射程圏内にあり、平壌は定期的にミサイル実験を行っている——直近では月曜日に実施された。同時に、近隣に中国が存在し、自国のミサイル戦力を急速に拡大させるとともに、従来のミサイル防衛を回避するように設計された兵器の実験も行っている。

「ゴールデン・ドーム」に参加することで、日本は自国の防衛体制、特に新興の極超音速脅威に対する防衛力を強化しつつ、より広範な同盟国のミサイル防衛ネットワークに貢献できる。

「ゴールデン・ドーム」計画で日本が貢献できるもの

日本は、単に米国の後押しに乗るために同計画に参加するわけではない。実際、東京は航空宇宙技術における主要な先駆者であり、この計画に多大な貢献をすることができる。

日本の参加による一つの利点は、米国のミサイル生産能力の向上を支援できる点にある。世界中の複数の紛争や安全保障上の義務により、米国が弾薬の備蓄を減している現在、これは極めて重要である。米国防総省はすでに防衛関連企業に対し、迎撃ミサイルやその他の重要弾薬の生産ペースを加速するよう求めているが、米国の産業上の制約により生産には限界があるため、日本の生産能力は「ゴールデン・ドーム」構想を加速・維持する上で魅力的な資産となる。

米国は、西側諸国の防衛産業基盤を拡大する上で、日本を貴重なパートナーとして注目している。例えば、日本は最近、ライセンス生産されたペイトリオット迎撃ミサイルを米国へ輸出した。これは、致死性のある軍事装備の輸出に対する東京の長年の制限から、大きな転換を示すものである。

日本の関与の詳細は明らかにされていないが、日本が関与する見通しは、ミサイル防衛が米国の同盟国間で共有される戦略的優先事項になりつつあることを示唆している。そして、西側のミサイル備蓄が枯渇するにつれ、抑止力を維持するためには、日本のような技術的に先進的な同盟国とのパートナーシップがますます重要になっていくだろう。■

著者について:ハリソン・カッス

ハリソン・カッスは、『ザ・ナショナル・インタレストの防衛・国家安全保障担当シニアライターである。カッスは弁護士であり、元政治候補者でもある。米空軍にパイロット候補生として入隊したが、健康上の理由で除隊となった。軍事戦略、航空宇宙、および国際安全保障問題を専門としている。オレゴン大学で法学博士号(JD)を、ニューヨーク大学(NYU)でグローバル・ジャーナリズムおよび国際関係学の修士号を取得している。



Japan Wants to Join America’s Golden Dome

March 18, 2026

By: Harrison Kass


https://nationalinterest.org/blog/buzz/japan-wants-to-join-americas-golden-dome-hk-031826



イラン戦争の航空戦・ミサイル迎撃で得られた初期の教訓とは

 

「エピック・フューリー」作戦から得られた航空・ミサイル防衛についての初期所見を解説する

National Defense 

2026年3月18日

著者:ファハド・イブン・マスード

イスラエルの防空システムが、イランから発射された弾道ミサイルを迎撃する。

AP通信写真

家安全保障は何よりも優先されるものであり、航空・ミサイル防衛システムは、戦闘員と民間人の双方の安全を確保するものである。

「エピック・フューリー作戦」および米国とイスラエルの攻撃に対するイランの反応は、軍関係者、政策立案者、そして請負業者にとって、初期の教訓と将来のケーススタディを提供している。

イラン政権に対する「首切り作戦」という意図された戦略は、軍事襲撃を調整したイスラエル・米国連合によって実行された一方、イランは無人滞空型兵器やミサイルを用いた独自の武力示威で反撃した。

イランは、低空飛行ドローンやミサイルを用いた飽和攻撃戦術による報復を、湾岸協力会議(GCC)加盟国に対して一切手加減しなかった。バーレーン、クウェート、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、オマーン――その中には米国への忠誠心が限定的な国も含まれる――は攻撃を受け、サプライチェーンの問題や社会機能の混乱を招いた。

この地域の防空・ミサイル防衛システムは、戦争開始から最初の10日間で、強靭さと脆弱性の両面を示した。

圧倒的な飽和攻撃にさらされた防空・ミサイル防衛システムの耐久性について、懸念が高まっている。また、戦争が長期化するにつれ、迎撃ミサイルの備蓄量が十分かどうか、それらを維持する長期的なコストにも疑問が投げかけられている。

最終的には、これらのシステムが何を達成し、何を達成できなかったかを示す実戦データが得られることになるだろう。

米中央軍司令官のブラッド・クーパー海軍大将は記者会見で、戦争の初期段階において、イスラエルと米国がイラン国内の約3,000カ所の標的を攻撃した結果、イランによるドローン攻撃が83%減少し、イランの弾道ミサイル能力が90%低下したと述べた。

にもかかわらず、イランは反撃としてミサイルやドローンを次々と発射し、攻撃範囲を拡大することに成功した。イランは最初の150時間で、湾岸協力会議(GCC)加盟国全土に加え、ヨルダン、イスラエル、さらには地中海のキプロスまで及ぶドローンを含む数百発の弾道ミサイルを発射した。少数ながらミサイルはトルコも標的とした。

イランによる猛攻から得られる最初の包括的な教訓は、社会のレジリエンス(回復力)を確保するためには、効果的な防衛システムが不可欠であるということだ。

バーレーンの第5艦隊司令部やカタールのアル・ウデイド空軍基地といった米軍基地に加え、空港やドバイの高級ホテルといった民間施設、さらにはサウジアラビアのラス・タヌラやカタールの液化天然ガス(LNG)施設などのエナジーインフラも、最初の数日間で攻撃を受けた。

これらの攻撃により、住民は不安の中で生活することとなった。バーレーンでは石油掘削施設や製油所で火災が発生し、海水淡水化施設も攻撃を受けた。クウェートの民間空港ではパニックが広がった。ドバイのブルジュ・アル・アラブやパーム・ジュメイラといった国際的な居住地区も攻撃を受けた。UAEでは78人が負傷し、3人が死亡した。オマーンは中立を表明していたが、ドゥクム港やサラーラ港への攻撃を免れることはできなかった。湾岸地域の経済大国すべての都市で警報が鳴り響いた。

イスラエルでは、ミサイルやドローンの迎撃成功率が90%を超えているにもかかわらず、その誇るべき「アイアン・ドーム」システムは依然として対応しきれていない。

これらすべては、イランによる圧倒的なミサイル集中攻撃と徘徊型兵器、そしてそれらを阻止できなかったことに起因する。迎撃に成功したケースであっても、破片が人口密集地に落下するため、人命被害のリスクは残ったままだ。

イランが近隣諸国や非軍事目標を攻撃した戦略的意図は、米国の同盟国を威圧し、米国に対し事態の沈静化を迫るよう圧力をかけることにあった。

防空・ミサイル防衛システムの初期における顕著な失敗の一つとして、クウェート軍が誤って米軍のF-15Eストライク・イーグル戦闘機3機を撃墜した事例がある。パイロットは無事脱出したものの、友軍誤射を防ぐために米軍機にはあらゆる追跡装置が搭載されていることを考慮すれば、この事件は不可解だ。

この事故が防空システムの技術的欠陥によるものか、あるいは訓練不足に起因する人的ミスによるものかはともかく、戦争の混乱が収束すれば、そこには根本的な問題が存在していたことが明らかになるだろう。

しかし、これらの国々における米国の統合ミサイル防衛システムの大部分については、失敗よりも成功の方が多かったことを強調しておく必要がある。

カタールに拠点を置く最先端の「中東防空・統合防衛作戦センター」は、多層的なペイトリオットシステムとその高精度レーダーを活用し、弾道ミサイルに対する90%を超える迎撃率を達成するなど、任務を効果的に遂行した。公表された報告によると、3月6日までに湾岸協力会議(GCC)加盟国は2,150回以上の迎撃を行った。

一方、中東地域には常に強固な防空・ミサイル防衛システムが必要とされてきた点に留意すべきである。1980年から1988年にかけて激化したイラン・イラク戦争に端を発する、現代と過去の紛争との間には類似点が認められる。「都市の戦争」――テヘランとバグダッド――では、大規模な避難が行われたほか、約600発のミサイルが撃ち合われた。

1991年の「砂漠の嵐作戦」において、イラクは自国領内およびサウジアラビア、イスラエルに向けて連合軍に対しミサイルを88発発射した。同作戦では成功例もあったが、失敗例もあった。1991年2月25日、イラクのスカッドミサイル1発がサウジアラビアのダーランにある米軍居住施設を直撃し、28名が死亡、数百名が負傷した。

ペイトリオットシステムには欠点が露呈した。試験と評価の結果、ソフトウェアのタイミングエラーにより、最大0.5キロメートルの誤差が生じ、迎撃に失敗することが判明した。

心理作戦の展開、迅速な威嚇、消耗戦の実行を目的とした段階的な兵器運用は、この地域にとって新しいものではない。これらはまさに教科書通りの選択肢である。前述の1980年から1988年にかけての「都市戦争」がその好例である。イスラエルの「アイアン・ドーム」、「ダビデの投石器」、「アロー」といった防空・ミサイル防衛システムは、第一次湾岸戦争の成果である。同戦争における成功と失敗を通じて、多層的な防空システムの必要性が認識されたのである。

さらに最近では、2015年から2021年にかけて、サウジアラビアに対するフーシ派の攻撃は、ドローン851機とミサイル430発に上った。イランは2020年にイラク内の米軍施設を攻撃し、100名以上の軍人に負傷を負わせ、脳損傷を残した。

今日の「エピック・フューリー作戦」と1990年代の「砂漠の嵐作戦」との違いは、イランの「シャヘド-136」のような、低コストで低空飛行する特攻型の一方向攻撃ドローンが登場し、作戦地域を飽和状態、あるいはそれ以上に埋め尽くしている点にある。

イランも過去から教訓を学んできており、ある意味では成功を収めている。同国は、ペルシャ湾の豊かな側にある国々が安全な避難所であるという認識を打ち砕くことに成功した。外国人居住者は、海路、空路、陸路を問わず、あらゆる手段を駆使してこの地域を離れている。

ビジネス、商業、貿易への混乱は、ペルシャ湾の住民に対し、自分たちが破裂した「安全のバブル」の中に生きていたという厳しい現実に目を覚まさせることを余儀なくさせている。

信頼性の高いミサイル防衛システムの重要性は、いくら強調してもしすぎることはない。それは軍事装備やインフラだけでなく、民間人や社会そのものも守るからだ。

紛争が始まって数日が経つと、兵器の備蓄量に対する懸念が高まった。本稿執筆時点では、ミサイル防衛システムによる迎撃が成功しようが失敗しようが、日々、備蓄数は激減している。これは単純に持続不可能だ。「消費率」が高すぎて成功を維持できず、サプライチェーンも脆弱だ。報道によると、UAEだけで最初の数日間で約200発の迎撃ミサイルを使用したという。

このペースでは、「エピック・フューリー作戦」は、軍事的・政治的目標を達成することなく、スタンダード・ミサイル3(SM-3)、THAAD(高高度防衛ミサイル)、ペイトリオット・アドバンスト・キャパシティ3(PAC-3)の各迎撃ミサイルの備蓄がすべて悪影響を受ける中で、停止に追い込まれる可能性がある。

報道されているように、米国防総省が韓国から中東へ防空ミサイルを再配備したとしても、事態は収拾できないだろう。迎撃の成否にかかわらず、在庫は急速に減少し、その終わりは見えない。

数十億ドル相当の800発以上の迎撃ミサイルが、わずか2万ドルの「安価な」無人航空システムを撃墜するために使用されている。イランがシャヘド・ドローンという形で用いる破壊的な航空戦力は、いわゆる消耗戦の構図を引き起こしている。これは完全な非対称の惨劇だ。その数だけを見ても、到底理にかなっていない。

指向性エナジー兵器のような経済的な選択肢が問題の解決策として提案されているが、現時点では量産化されていない。

新たなシステムや迎撃手段による防空・ミサイル防衛の多様化と、サプライチェーンの改善こそが、今後の進むべき道である。

解決すべきその他の問題には、統合地域ミサイル防衛システムに依然として残る、いわゆる「鎧の隙間」——すなわち、その能力を圧倒する群れ戦術の運用——が含まれる。

極超音速ミサイルと、それに対する対抗措置の必要性は、空戦におけるもう一つの新たな要素であり、鋭く注視する必要がある。

この紛争から得られる教訓があるとすれば、防衛関係者がこの技術の実戦運用から恩恵を受ける可能性があるという点だ。データが支配する現代において、「リアルタイム」は流行語だ。このデータ資源を同盟国間で共有することは、意思決定を円滑にし、防衛力を向上させるだろう。

世界中の指導者は、イラン戦争から浮かび上がってきた教訓に留意すべきである。古い諺にあるように、「金があれば馬も走る」のであり、これは防空・ミサイル防衛の分野にも当てはまる。各国政府はサプライチェーンを強化する必要があり、これらのシステムを生産できるメーカーのリストを拡大すべきだ。迎撃手段の生産は、今後数年度の予算において最優先事項とすべきである。

指導者たちは戦略的に考え、国際的な産業同盟を結成し、これらのシステムをより堅牢で包括的なものにするべきだ。軍事技術は急速に進化しているが、対抗措置の開発は遅れをとっている。

防衛関連企業も一層の努力をすべきである。戦況は急速に変化しており、その兆候は明らかだ――時代の変化に合わせて変革するか、あるいは滅びるかである。

要約すると、現在の紛争は、ドローンの群れに対する防護、防衛システムのアルゴリズムの高度化、そして強靭なサプライチェーンの必要性を示しており、政府と企業は技術を進化させるため投資を行わなければならない。

しかし、イラン戦争から得られた最大の教訓を繰り返し強調する。すなわち、安全保障こそが最優先であり、それは強固な航空・ミサイル防衛による抑止力と防護によって確保されるということだ。■

ファハド・イブン・マスード氏は、中東の軍事航空専門家であり、アドバンスト・エア・モビリティ・インスティテュートの上級アナリスト、元パキスタン空軍戦闘機パイロットである。


COMMENTARY: Some Early Air, Missile Defense Observations from Operation Epic Fury

3/18/2026

By Fahad ibne Masood

https://www.nationaldefensemagazine.org/articles/2026/3/18/commentary-some-early-air-missile-defense-observations-from-operation-epic-fury



2026年1月31日土曜日

警告 イランはイスラエルのミサイル防衛網を飽和攻撃で無力化する可能性がある―湾岸諸国は次回の開戦を極度に警戒していますが、イラン現体制が簡単に崩壊するとも思えず、軍事対立は避けられないと見ています

 

次回はイランがイスラエルのミサイル防衛網を崩壊させそうな理由がある

The National Interest 

2026年1月29日

著者:ブランドン・J・ワイチャート

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、イスラエルがイランからの700発以上のミサイル攻撃を耐えうるとしている。しかしイランの備蓄ミサイルは700発をはるかに超えている…

ランは現在、中東で最大の弾道ミサイル備蓄を保有している。イスラエルとアメリカの軍事同盟が、イラン・イスラム共和国に対する長期にわたる政権転覆作戦で頂点を極める行動を起こそうとしているまさにその時に、テヘラン政権は地域最大のミサイル兵器庫を保持しているのだ。

イランのミサイル脅威の規模は想像を絶する

そしてこの膨大なミサイル脅威を構成するのはミサイルだけではない。既知の防御手段が存在しない極超音速兵器も含まれる。

米国がイラン沖で増強された艦隊の陣容を維持する中、イラン攻撃の機会が到来した今、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、憎むべきイランのイスラム政権が崩壊するならば、自国が700発以上のミサイル攻撃に耐えられるとの見解を示した。

この強硬姿勢はメディアでは好意的に映るかもしれないが、イスラエル(および同地域の米軍基地)が直面する脅威の本質を無視している。

イランが保有する膨大なミサイル兵器の多くは射程1000キロメートルを超える。つまりイラン領内からイスラエル深部まで到達可能だ。

その他のシステムには、カイバル・シェカンファッタハ-1などの変種を含む複数の中距離弾道ミサイル(MRBM)が含まれる。これらのシステムは、イスラエルおよび地域全体における防衛網を回避・機動するよう設計されており、多くのミサイルが想定される飛行経路に沿って運用される。

イスラエルの防衛は、過去数十年に構築された多層的な防空ネットワーク(米国提供のアイアンドーム、デイビッドスリング、ペイトリオット/アローシステムを含む)に依存している。最近の12日間戦争では、イスラエル当局は自国システムが迎撃率80~90%を達成したと認めている。

当然ながら、これらの情報源はシステムが不完全であることを理解している。さらに、昨年の紛争におけるイランのミサイル攻撃の余波で、イスラエルの防空ネットワークの補充は完全ではない。

この事実に加え、イランがイスラエルに向けて発射する可能性のあるミサイル、極超音速兵器、ドローンの群れの膨大な量を考えると、消耗したままの防空システムでは、イランの攻撃による最も深刻な被害の一部を軽減するには不十分である可能性が高い。

イスラエルがガザなどの地域敵対勢力に注力している状況では、同国経済を機能停止に追い込むのは容易である。これによりイランは、国家存亡の重大局面においてイスラエル国家に持続的な打撃を与えうる。

大量ミサイル一斉攻撃がイスラエルの先進防衛網を圧倒する

12日間戦争終結後、イランのアジズ・ナシルザデ国防相(准将)は、イスラム共和国がユダヤ民主主義国家との12日間戦争で限定報復に使用したミサイルより「はるかに優れた能力」のミサイルを開発ずみと主張した。

イラン国防相は、12日間戦争中にイスラエルに向けて発射したミサイルが「数年前に製造されたもの」であると強調した。これは、昨年夏にイスラエルに向けて発射されたシステムよりも、イランが新たに保有する未発射のシステムが質的に優れていると主張する試みであった。

さらにナシルザデは、イスラエルが(米軍と共に準備を進めているように)イランへ新たな攻撃を仕掛けた場合、テヘランは躊躇なく新型強化ミサイルを発射するとほのめかした。

昨年6月以降、イラン側はミサイル生産を拡大していると明らかにしている。これは、イスラエルとアメリカによる自国への攻撃が再び起こると正しく予測しているためだ。 The War Zoneによれば、イランの新型ミサイルは、12日間戦争でイラン国防計画担当者が得た厳しい教訓に基づき、誘導性能と殺傷能力が向上している。

なぜこれが重要なのか?

重要なのは、これがイスラエル(および米国)との新たな戦争に関するテヘランの思考を示している点だ。イランが主張する膨大なミサイル兵器庫は、軍事的側面と同様に政治的意味合いが強い。これは明らかに、将来のイラン攻撃が同国による大規模な報復という形でより重いリスクを伴うことをエルサレム(およびワシントン)に示唆する意図がある。

イラン国防相は、同国の兵器庫がイスラエル(および米国)防空網の防御能力を上回り、おそらくその数でも上回るとイランが確信していることを明らかに示唆していた。

イスラエル・イラン戦争は短期間の外科的紛争にはならない

さらに重要なのは、こうした能力とテヘランの強硬な言辞が相まって、米国とイスラエルの地域戦略を複雑化する要因となっている点だ。ご存知の通り、アラブ諸国がテヘランのイスラム共和国を好ましく思っていない一方で、イスラエルの抑制されない好戦性をより深刻に懸念していることをイラン側は理解している。

したがってアラブ諸国は、米国とイスラエル双方に対し、自国領土をイラン攻撃に利用させることも、イランの大量ミサイル・ドローン群からイスラエルを防衛する活動に参加することも決してないと通告している。

結局のところ、米イスラエル同盟とイランの間の差し迫った戦争は、短期間の外科的作戦にはなりそうにない。これは明らかに、イスラエルの国家としての回復力と、すでに衰えつつあるアメリカの地域における持続力のストレステストとなるだろう。テヘランは、中東のいかなる国家もこれまで試みたことのない規模の破壊を解き放ちながら、打撃を吸収する用意があることを示している。

もしワシントンとエルサレムが(既にそうだが)精密攻撃と多層防衛だけでミサイル超大国イランを制圧できると誤算していれば、約束された利益をはるかに超える代償を伴う戦争に足を踏み入れたことに——遅すぎたが——気づくだろう。■

著者について:ブランドン・J・ワイチャート

ブランドン・J・ワイチャートは『ザ・ナショナル・インタレスト』誌のシニア国家安全保障編集者である。ワイチャートはiHeartRadioで毎週水曜午後8時(東部時間)に国家安全保障政策を論じる番組『The National Security Hour』のホストを務める。またRumbleでは関連番組『National Security Talk』を配信。ワイチャートは地政学問題について政府機関や民間組織に定期的に助言を提供。執筆活動は『Popular Mechanics』『National Review』『MSN』『The American Spectator』など多数の媒体で展開。著書に以下がある:『宇宙を制す:アメリカが超大国であり続ける方法』『バイオハック:生命支配をめぐる中国の競争』、そして『影の戦争:イランの覇権追求』。ワイチャートの新刊、『自らが招いた災厄:西側諸国がウクライナを失った理由』は書店にて購入可能。Twitter/X @WeTheBrandon

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