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2022年10月24日月曜日

戦闘機開発の成功のものさしとは?失敗も公表する米国、成功だけ宣伝するロシア、中国。

 


国は再び、互角戦力を有する相手への抑止力に焦点を合わせているが、これは戦闘を行わないかもしれない防衛プログラムの有効性の評価への回帰を意味する。さらに米国および世界の人々は、そもそも戦闘機プログラムでの成功要因とは何か、じっくり検討する必要がある。



米国は少なくとも2つの次世代戦闘機プログラム、すなわち空軍の次世代航空優勢事業と海軍のF/A-XX戦闘機を開発中で、新型機が就役するのは何年も先だが、防衛当局は米国民にちょっとしたステッカーショックを与える準備を始めている。2022年4月、フランク・ケンドール空軍長官は、空軍の次期戦闘機が史上最も高価な航空機プログラムになる可能性を示唆し、機体価格は「数億ドル」とした。

「数字に注目が集まるだろう」とケンドール長官は語った。「高価な飛行機になる」。


ロドリゴ・アヴェラによるオリジナルアートワーク。彼のInstagramをフォローし、彼のウェッブサイトをチェックしてみてください


F-35共用打撃戦闘機が今のところ史上最も高費用の防衛事業であり、高費用と開発の挫折から、これまでで最も技術的に進んだ戦闘機であるにもかかわらず、失敗作と見なす人も多い。

 アメリカの次期戦闘機は、すでにfailure-of-financeと同じ運命にあるのだろうか、それともこの質問にはドルやセントを超えるものがあるのだろうか?実は、問題だらけで費用のかかるF-35開発は、大成功とみなされている戦闘機の中でも、特別なものではなかった。



ロッキードのステアトル実証機ハヴ・ブルー (U.S. Air Force photo)



次世代の航空戦力は、驚くような価格で提供されることになるだろう。軍事航空における注目すべき進歩はすべて、気の遠くなるようなコストでもたらされたものである。B-29ストラトフォートレスの開発は、マンハッタン計画と並行して行われ、最終的に日本の標的に運ぶことになる原爆を製造した。マンハッタン計画が19億ドルという巨費を投じたことは有名だが、それを搭載したB-29の開発にはさらに10億ドル以上の費用がかかった(ここで忘れてはならないのは、私たちが1940年代のドル価格で話しているということである)。

 もちろん、巨額の資金を必要とするのは爆撃機だけではない。ファンが多いF-14トムキャットは、空母防御用や制空戦闘用として非常に高性能だったが、資金とメンテナンスの問題がで竜巻のように渦巻いていた。1988年までに、F-14Dは海軍に1機あたり7400万ドル(現在のドルで1億8500万ドル、今年のF-35Aよりも1億ドル以上高い)のコストになっていた。

 航空戦力で世界をリードすることは、質素な事業ではない。しかし、アメリカが投資から得るリターンを占うことは、容易ではない。B-29は第二次世界大戦の太平洋戦争で重要な役割を果たし、紛争に決定的な終止符を打つことになる爆弾も運搬した。航空史におけるB-29の重要性には疑う余地がない。

 しかし、F-14トムキャットは、実現しなかった世界大戦のために設計され、製造された機体である。対艦巡航ミサイルと水爆を搭載したソ連爆撃機の群れが水平線から押し寄せてくるのに備え待機するというアメリカが決して起こらないよう願っていた戦争で勝つために作られた。

 そのため、アメリカは高価なF-14を廃棄し、より経済的なF/A-18スーパーホーネットを採用した。同時代の他の戦闘機、F-16ファイティングファルコンやF-15イーグルは、今日もアメリカの戦闘機隊に不可欠であるばかりか、まだ生産中だ。

 もし、ハリウッド大作映画でF-14が大衆文化に定着していなければ、F-14が今日どのように記憶されているかは分からない。エンジントラブルで失われたトムキャットや、1時間の飛行に30〜60時間を要する整備、調達と維持にかかる膨大なコストなどが思い浮かぶだろうか?



離陸準備中のF-14トムキャット(米海軍撮影)


F-14ファンとして言うのもなんだが、もしピート・マーベリック・ミッチェルが海軍でなく空軍に入隊していたら、トムキャットの記憶は大きく変わっていただろう。ここでは、1980年代から2000年代初頭までのLAタイムズ紙に掲載された、みんな大好きな空母戦闘機に関する見出しを紹介する。



F-14計画は成功だったのか、投資した資金に見合うものだったのか。F-14計画は成功だったのか、投資する価値はあったのか。戦闘の観点から言えば、答えはおそらくノーだろう。トムキャットは米海軍で32年間運用され、空対空殺傷記録をわずか5回残している。同時に墜落や事故で68名のパイロットとレーダー迎撃担当者を喪失している。

 しかし、F-14が失敗作として記憶されることはない。事実、20世紀最高の戦闘機リストに入るだけでなく、インターネット上で発表されるすべてのリストで史上最高の戦闘機の中にランクされている。



訓練中のF-16ファイティングファルコンと対決するF-14トムキャット(DoD photo)


実は...これにはちゃんとした理由がある。F-14は、空母から離陸し、高速で長距離を移動し、数十マイル離れたソ連の爆撃機を迎撃する設計で、当時としては最大かつ最も強力な空対空兵器を搭載していた。トムキャットの任務は、第三次世界大戦の核の流れを広大な海で食い止めることで、その能力に対する評価は、紛争が始まるのを未然に防ぐ上で重要な役割を果たしたことだった。

 トムキャットはミサイルを満載し、ソビエトの戦闘機や爆撃機も相手にする高性能機というイメージがあり、アメリカの対抗勢力は米海軍の空母打撃群と交戦しようとすれば失敗する可能性があると考慮せざるを得なかった。その結果、トムキャットは実力を証明する必要がなかっただけだ。しかし、1986年に映画館で披露する機会を得たことで、入隊ブームが起こり、その後何年にもわたり海軍航空に恩恵を与えることになった。

 10年にわたる核兵器との睨み合いの中で設計・構築された戦闘機プログラムにとって、これこそが真の意味での成功だ。



2019年3月30日、フロリダ州メルボルンで開催されたメルボルン航空宇宙ショーで、F-35デモンストレーションチームのパイロット兼指揮官である米空軍のアンドリュー・"ドージョ"・オルソン少佐が奉納パスを披露した。 (U.S. Air Force photo by Senior Airman Alexander Cook)


F-35共用打撃戦闘機は、防衛コミュニティの内部とプログラムに関する外部の認識の違いについて、ユニークな事例となっている。F-14同様に、F-35は将来の紛争を想定して設計・製造された。F-14同様に、抑止力としての役割は、戦闘能力と同様に価値があると言える。また、F-14同様に、同機に搭乗したことのある人は、能力を高く評価する傾向にある。

 しかし、F-14と異なり、F-35は多くの国民から失敗作と見なされている。



F-35パイロットの間では、客観的に見て最も技術的に進んだ戦術機との高評価しか聞かれないことが多いようだ。また、各国軍では、F-35は常にアメリカやヨーロッパの競合機との競争に打ち勝ち、多くの調達契約を獲得している。現在、F-35を運用する各国の合計機数は、ロシア全土のステルス戦闘機の数より多くなっている。

 では、パイロットがF-35を賞賛し、大規模な戦争ゲームでその有効性を実証し、外国政府が数十億ドルを支払って格納庫に数機駐機しているにもかかわらず、なぜ一般の人々はF-35が問題が多い戦闘機だと認識しているのだろうか?

 このような認識ギャップは、F-35の取得プロセスが受けた批判から生じており、国民の多くは、取得の大失敗を戦闘機そのものと切り離して考えることが難しい。結局のところ、ほとんどの人はF-35に乗ったり、一緒に乗って性能を確かめることはないのだが、私たちは皆、F-35で直面中の問題の見出しに接している。


fighter program


ロシアのSu-57フェロン (Image courtesy of the Russian Ministry of Defence)



F-35に対する国民のイメージに影響を与えているのは、ドルやセントの額だけではない。政府の透明性が、戦闘機プログラムについての国民の考えを形成していることを考慮することも重要だ。米国政府は、F-35の開発、課題、欠点、成功について非常にオープンにしている。(常に完全に率直とは限らないが)。しかし、中国やロシアのステルス戦闘機開発については、説明責任を果たす自由で独立したメディアがないため、同じことは言えない。ロシアや中国のメディアは、プログラムの成功だけを報道し、失敗は公表されない。その結果、アメリカが失敗を認めると、アメリカだけが失敗を経験しているように見えてしまう。

 確かに逸話的ではあるが、これを書いている間にGoogleのニュースタブで各航空機を検索してみると、J-20に関する記事はすべて配備と能力に関するもので、Su-57の報道は主に配備の可能性に関するものだった...F-35のニュースは、F-35の生産中止に関する記事が完全に支配している。


5次下請け会社が中国製のコバルトとサマリウム合金を含む磁石を作ったが、航空機の安全性や性能に全く影響がなかった。実際、この合金を使用して納入された部品は交換の必要がなく、問題があることが証明されている。米国は、戦闘機部品のいかなる部分も中国から調達してはならないという規則を設けている。



これは、J-20について少ししか明らかにされていないことを取り上げるメディアや、Su-57に関するしばしば常軌を逸したロシアの発言、F-35プログラムオフィスで管理されている膨大な数の開示された頭痛の種を軽視しているわけではない。これは、各機のプログラムに関連する透明性レベルの違いが、国民の受け止め方に明らかな影響を与えることを、思い起こさせている。

 ロシアが製造したSu-57はわずか7機で、最初の1機は離陸直後に墜落し、中国のJ-20は製造の大半をロシア製の第4世代エンジンに依存している。挫折と遅延は、アメリカの戦闘機プログラムに限ったことではない。ロシアと中国のプログラムの透明性の欠如は、Su-57の性能やJ-20のアップグレードに関する話と、F-35の生産停止に関する別の話を見て、アメリカの戦闘機が一見問題の少ないライバルよりも劣っていると推論するバイアスを作り出している。

 アメリカの戦闘機プログラムを成功させる要因について、部屋の中にいる象に触れずにここまで議論してきたことが冒涜的である。つまり、象が43フィートの翼幅と2機のアフターバーニング・プラット&ホイットニーF100-PW-220を備えている。マクドネル・ダグラスのF-15イーグルは、冷戦時代に最も多く生産された戦闘機で、20世紀で最も成功した戦闘機プラットフォームであることは間違いない。1972年の生産開始以来、半ダース以上の国に1000機以上が納入され、F-15は104勝0敗という近代では類を見ない空対空戦闘記録を誇っている。

 その性能から、極超音速ミサイルAIM-54フェニックスのテストベッドとして使用したり、実際に軌道上の衛星をミサイルで撃ったり、ICBMを背負い新しい衛星を軌道に乗せたりと、SFとも思えるような提案も数多くあった。F-15は、F-15Eストライクイーグルが2000ポンド爆弾で空中のイラクのヘリコプターガンシップを破壊したことがあるほど、圧倒的な戦闘力を誇っている。F-15が片翼で安全に着陸した話、空母に搭載する提案、冷戦時代の設計にステルス性を取り入れる試み...など、本が一冊書けそうなほどだ。

しかし、読者が何歳で、どれだけ記憶が鮮明かにもよるが、1970年代から1980年代にかけて、F-15に関する多くの見出しを目にしたのを思い出すかもしれません。それは、現在のF-35に関する見出しと驚くほどよく似ている。

 その見出しを比べてみよう。

fighter program

あるいはこれはどうだろうか。:


しかし、F-35の高い目標が計算能力と低観測性に結びついていたのに対し、F-15は生のパワーが戦闘機として最も切望されていた時代に設計されている。また、F-35と同様に、F-15の限界に挑んだ設計は、当時でも予算に見合ったものではなかった。

 実際、「20世紀で最も成功した戦闘機」のもう一つの候補であるジェネラル・ダイナミクスのF-16ファイティング・ファルコンは、F-15の強力な搭載レーダーを含む高度なエイビオニクスとその驚異的な性能があまりにも高コストだとの懸念で今日まで存在している。

 グレン・ケント退役中将は、J・C・マイヤー副参謀長にF-16の導入を正当化するために、「F-15を増やすのではなく、LWF(F-16)を調達すれば、同じ予算でF-15の1.67倍ものF-16を保有できる」と、自身の回想録『Thinking About America's Defense』に述べている。

 この言葉に聞き覚えがあるとすれば、それは数年前、空軍がF-35を増やす代わりに新規製造F-15を購入することを正当化するため、皮肉にもまったく同じ論理を使ったからだろう。

 「第5世代プラットフォームは第4世代プラットフォームよりも高価なので、容量の観点から、ミッションセットに適切にマッチする機体の組み合わせでより多く購入すればよい」と、ある空軍関係者が2019年にMilitary.comに語っていた。

 この比較には、F-15を信じられないほど高性能なプラットフォームと考える人を思いとどまらせる意図はまったくなく、F-35の課題が数十年前のF-15の課題とまったく同じだと示唆するものでもない。重要なのは、先進的な戦闘機プログラムすべてに、能力構成に関する頭痛の種、即戦力になるのかに関する懸念、そしてコストに関する不満が多数つきまとうということなのだ。

 F-14は非常に優れたプラットフォームでありながら、映画で実力を証明する機会が必要だった。アメリカ空軍のF-15は長年にわたって36回の空対空戦闘で勝利を収め、残りの68回はイスラエル軍パイロットによるものだ。だからといって、F-15戦闘機の性能が落ちるわけではないが、アメリカの国防費に対する効果を考える上では重要なことだけだ。F-15は制空権のチャンピオンかもしれないが、その開発費用を負担した国に、ここ数十年は多くの仕事をする必要がなかった。


fighter program


7月13日、F-22Aラプターデモンストレーションチーム初のパイロット、ポール "マックス "モガ少佐の出撃準備をするF-22Aラプターデモンストレーションチーム機整備員 (U.S. Air Force photo/Senior Airman Christopher L. Ingersoll)


1997年4月9日、米空軍とロッキード・マーティンは世界初の真のステルス戦闘機、F-22ラプターを発表した。ロッキードのF-117ナイトホークは、空対空性能に欠ける低調な攻撃機だったが、新しいラプターはステルス性が高いだけでなく、箱から出してすぐ史上最も機動的で高性能な戦闘機の仲間入りを果たした。パイロットたちが「誰でも操縦できる」と言うほど高性能な航空電子機器と、コンピューターによるフライバイワイヤー制御と180度の推力方向制御が生み出す究極の曲技性能を一緒に活用できる。

 F-15イーグルに代わる制空戦闘機として2005年に就役したF-22は、地球上のいかなる戦闘機より優れており、まったく新しい世代の戦闘機の基礎となった。17年後の今日、F-22と並ぶ第5世代戦闘機は3機種しか登場していないが、F-22は頂点に君臨している。実際、F-22は今世紀に入る前に設計が完了したにもかかわらず、地球上でレーダー断面積が最も小さく、最高速度が速いステルス機だ。今日の新型機開発で、F-22は性能比較の物差しであり続けている。

 しかし、これだけ驚異的な戦闘能力にもかかわらず...F-22は空での戦いに一度も勝ったことがない。


F-22 Raptor (U.S. Air Force photo)


もちろん、それなりの理由がある。F-22ラプターが就役したのは、ソ連崩壊から14年後、中国の習近平が軍拡と近代化に再び注力する7年前だ。予算的に不運だったのか、米国は航空戦力の歴史で最も驚異的で高価な制空戦闘機を開発・配備したが、航空戦力を持たない相手との数十年にわたる戦いを傍観することになったのだ。F-22は当初750機発注が計画されていたが、すぐに186機に減らされ、現在ではそれよりもさらに少ない数しか就役していない。

 F-22が経済的に成功したとはとても言えない。空軍が最終的に調達した60機のF-22は、2011年の米ドル換算で1機1億3,700万ドルであった。これは2022年に1機1億8000万ドルを支払うことに相当し、1988年のF-14と同等で、やはりF-35より1機あたり1億ドル高い。F-22の研究開発費と生産終了までに行われるアップグレードをすべて含めると、2011年には1機あたり3億7700万ドル、2022年にはなんと4億4300万ドルという驚くべき数字が出る。



1,000ポンドGBU-32統合直接攻撃弾を投下するF-22ラプター (U.S. Air Force photo)


戦闘面では、2014年9月にF-22が初めて実戦投入され、シリアでISISに1,000ポンドのGPS誘導爆弾を投下した。それ以来、F-22は同様の爆撃や、同じ戦場で連合軍の作戦のための情報、監視、偵察のプラットフォームとして使用されてきた。-航空支配のために設計された任務からは遠く離れている。

 しかし、F-22が空対空戦闘を行わないのは、航空優勢戦闘機としての失敗ではなく、むしろその絶大な成功の証なのだ。F-15が外国の旗の下で空戦勝利のほとんどを獲得したように、F-22の最も強力な部分は、アフターバーナーでもミサイルでも、ステルス性でもない。

 これらの戦闘機を真に成功に導いているのは...評判なのだ。


fighter programU.S. Air Force render of a next-generation fighter.


F-15は、ソ連戦闘機で高性能なMiG-25を想定してドッグファイトを行う設計だった。この点で、両者は比類ない成功を収め、その結果、両者とも支配するために設計された大規模戦闘に巻き込まれることはなかったのである。

 冷戦が多くの人が懸念したような熱戦にならなかった理由は数え切れないほどある。しかし、両者の睨み合いの中で、軍事戦略としての抑止力が絶大な威力を誇示しすぎたとはいえない。

 B-21レイダーやNGAD戦闘機など極秘開発に関する記事を掲載するたびに、「中国やロシアといった国家の競争相手の手に渡ることが明らかなのに、なぜ米国は情報を公開するのか」というコメントやメッセージをいただく。この質問に対する答えは簡単で、国防総省がこれらの情報で中国やロシアを封じたいのだ。

 秘密兵器は戦闘が始まるまで何の価値もない。紛争の結果に大きな影響を与える可能性はあるが、米国はそもそも紛争が始まるのを防ぐことを優先している。そして、騒がしい大学生が集まる混雑したバーで過ごしたことのある人ならわかるように、喧嘩を避ける最も効果的な方法は、喧嘩に勝つ準備ができているように見せたり振る舞うことであることが多いのだ。過剰な補整をする男子学生や中国軍のような悪役は、ドウェイン・ジョンソンみたいな男やウエストバッグに銃を入れた男には支配力を主張しようとはしない - 負けるリスクが高すぎるからだ。彼らはもっと簡単な獲物を探す。

 例えば、中国がベトナムのような反撃能力の乏しい国から石油掘削基地を強引に奪取するように。あるいは、ロシアがウクライナに侵攻したのも、数日で倒せると考えた弱敵とプーチンが認識したからだ。地政学の世界では、薄暗いダンスフロアや近所のバーと同じで、認知度がものを言う。


fighter program(U.S. Air Force photo)


1980年代から90年代にかけ、アメリカの戦闘機の圧倒的な強さを前に、誰も空で対決しようとしなかった。実際、ペルシャ湾戦争でF-14の恐ろしさがイラク戦闘機に伝わっていなければ、F-14はもっと多くの空対空戦闘機を仕留めていただろうし、待機していた米F-15に直接飛び込んでいっただろう。21世紀になっても、アメリカのF-22ラプターは、「誰も戦いたがらない戦闘機」というマントルを背負い続けている。外交官が会議室で地図に線を引くとき、人々を立ち上がらせ、注目させるのは声のトーンではない。その線は、アメリカの莫大な国防費を投入した最も強力で有能な軍事力によって支えられていることを理解するためだ。

 F-22のようなプラットフォームと対決することを考えるとき、アメリカの反対勢力たちの喉にできるしこりは、簡単に数値化できるものではない。ドルやセントで直接測れないし、目立つものでもない。

 しかし、現実には...そのしこりが、大規模紛争がない間の戦闘機プログラムで成功の唯一かつ本当の尺度なのだ。実際に戦争が始まるまでは、それ以外のことは解釈次第だ。■



How do you actually measure the success of a fighter program? - Sandboxx

Alex Hollings | October 20, 2022



Alex Hollings

Alex Hollings is a writer, dad, and Marine veteran who specializes in foreign policy and defense technology analysis. He holds a master’s degree in Communications from Southern New Hampshire University, as well as a bachelor’s degree in Corporate and Organizational Communications from Framingham State University.

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2020年1月31日金曜日

事業名称はF-X、今年中に海外共同開発国を決定したいとする防衛省



 あれ、NGFという名称は何だったのでしょうか。F-Xといういつもどおりの名称になったのでしょうか。それはともあれ、構想では一カ国を想定しているようで、これを米国と読むのが普通でしょう。スコーピオンはすでに多国間協力事業の様相を呈していますので。この件については読者の皆さんのご懸念のとおり、日本が主導権を握るのが条件となります。米国でも第6世代機の開発が簡単に進まない中で日本のF-Xにがぜん注目が集まるだけに事業体制の構築と実現で日本のイニシアチブが試されそうですね。

開発を進めるF-X戦闘機の構想イメージを公表し、「社会の関心を高める」狙いがあると防衛省は述べている。 Source: Japanese Ministry of Defense

本の防衛省(MoD)は今年末までに次世代戦闘機での共同開発の海外パートナーとの「枠組み」を作成する。 .
MoDは事業の公式名称は「F-X」であるとし、あらたな「構想イメージ」を提示している。同機は航空自衛隊で供用中のF-2戦闘機と2030年代に交代する想定だ。
新型戦闘機の姿を初めて公式に公開すされた。
「航空自衛隊のF-2は2035年頃に用途廃止となる」「F-X開発を急ぎ、試作一号機はF-2退役の開始前に完成させたい」とMoD広報官は述べ、「協力相手の模索は今後も続ける。協力体制の枠組みを決め、12月までに提携先を見つけて2021年度予算案に計上したい」という。
広報官は枠組みの中身を詳しく述べていない。ただし、構想では海外産業協力国を一カ国特定しF-X開発での役割を定めることになりそうだ。
また広報官はF-X開発予算は2020年度で280億円程度になると述べており、この内約6割の169億円を「F-X関連研究」に投じるという。つまり、残る111億円が「日本主導の開発体制の構想設計」に使われる。
広報官は事業の公式名称が2019年12月に将来型戦闘機からF-Xに変更されたと述べている。この変更が今回の構想イメージの公表につながった。■

この記事は以下を参考にしました。

Japan prepares F-X partnership framework

Jon Grevatt - Jane's Defence Industry
30 January 2020

2020年1月28日火曜日

NGFにロッキード提案のF-22、F-35ハイブリッド機採用の可能性はあるのか

総合するとロッキード提案は真剣に取り上げられていない気がしますが、逆転劇はありえます。ただし、F-2の痛い経験があり、ロッキード提案は結局日の目を見ないかもしれませんね。


本政府はF-22、F-35両機の要素を組み合わせた新型ステルス戦闘機の実現をめざすのか。

米側から極秘技術を日本に提供し、ハイブリッド機の実現を認める動きがある。

日本は1980年代90年代にもロッキード・マーティンのF-16戦闘機を原型にF-2を作った実績がある。だがF-2はひどく高価な機材になってしまった。日本がF-2と交代する機材を新規開発しても同様に高価になる可能性はある。

「米国からF-35が使う極秘技術の一部を日本に公開してもよいとの提案があり、F-2後継機の共同開発を働きかけられている」と読売新聞が報じた。

航空自衛隊にF-35配備が始まった。防衛省に届いた米提案はF-35他を原型に世界最高性能の戦闘機を共同開発しようというものだ。

日本政府筋によれば米国はF-35が搭載するエンジン、ミサイル含む各部制御のソフトウェアの詳細を開示してもよいとの姿勢を見せているという。F-35のソフトウェアは米国以外への公開をしていないが、F-2後継機向けにソースコードを見せてよいという。
.
ロッキード・マーティンはF-22の機体にF-35のセンサーや電子装備を搭載するハイブリッド構想を提案している。

2000年代はじめに日本はF-22取得をめざしたが、米国国内法によりロッキードはF-22を輸出できないと判明。ハイブリッド機なら法の縛りを受けないというのだ。

だが日本が求める機材数は少ない。航空自衛隊はF-35のA型B型合計141機を調達し、F-4および最古参のF-15に交代させる。

予定するF-35が全機そろえば、空自は改修版F-15Jの102機、F-2が82機とともに混合編成となる。日本のねらいはハイブリッド新型F-3でF-2に交代させることだが、F-15Jの更改用機材にもなる。

だが新型機を最大で184機分しか調達しないとすれば機体は極端なまでの高価格になるのは目に見えている。F-2で痛い経験をしたはずだ。

F-2はF-16の4倍の機体価格と言われるが、性能が4倍とはいいがたい。

米空軍はF-22の187機を総額700億ドルで調達した。読売新聞の試算では日本の新型戦闘機開発予算は180億ドルとある。

Tealグループのアナリスト、リチャード・アブラフィアは開発製造に200億ドルは最低かかると見ている。

「その規模では空自予算では無理」とアブラフィアは言う。日本はGDP1パーセントしか軍事予算に使わず、防衛予算は500億ドル未満であり、米国の十分の一にも届かない。■

この記事は以下を参考にしました

Wild: Japan Wants to Cross an F-22 and an F-35 Into a New Stealth Plane


January 27, 2020  Topic: Technology  Region: Asia  Blog Brand: The Buzz  Tags: JapanF-22F-35MilitaryTechnologyWorld
Would the deadly combo work?
by David Axe 


2020年1月16日木曜日

F-3はF-35とこう併用される。2020年、高まるNGFへの期待

F-3は今後数十年にわたり自衛隊の重要な機材になる。
2019年2月、日本はステルス戦闘機の国産開発にかじを切った。直前に日本は米国よりF-35の100機超導入を決定しており、X-2ステルス戦闘試作機は前年に開発打ち切りに決まっていた。
防衛省は新型戦闘機F-3開発を中期防衛計画に取り入れ、自衛隊装備の今後の近代化の一環に据えた。
中期防に新型戦闘機が追加された背景に防衛支出の大幅増があり、更にその背景に日本を取り巻く安全保障環境の悪化がある。
防衛省はF-3は三菱F-2戦闘機の後継機種だとする。F-2は21世紀初頭には世界最先端の機体でAESAレーダーや複合材によりレーダー断面積の削減に成功していた。拡大した主翼面積で対艦ミサイル運用も可能となった。F-2最終号機は2011年にオフラインとなり、同型は2030年代に退役する。
ではF-35はどう活用するのか。本来ならF-2後継機はF-35ではないのか。
日本が導入するF-35の100機超はF-4EJの後継機の位置づけで、1970年製のF-4の戦力は現代においては疑問だ。また即戦力としてF-35に日本が期待するものも大きいのだろう。
日本がF-35Bも導入するのはいずも級以外に前方の厳しい環境の基地からの運用も想定しているのだろう。遠隔地の島しょ部でも航空戦力の運用が可能となる。これはF-3では期待できない機能だ。
そこでF-3には大型機内兵装庫を与え、攻撃能力を強化する。F-2に複座型もあるが、F-35にはない。このためF-3も複座型が開発され、攻撃ミッションの処理用あるいは今後登場する戦闘無人機の統制を行う「母機」になるだろう。
F-3は日本の航空宇宙産業力の維持の意味でも重要だ。F-16を原案にF-2開発が決まった際は日本で物議を醸した。米国からの技術移転が限定されていたためで、今回は防衛省が国内産業を優遇しそうだ。F-35事業のその他関係国と異なり、日本は自衛隊仕様の機体製造で小さな役割しか果たしていない。
とはいえF-3は自衛隊にとって今後数十年にわたり重要な機材になる。急成長する中国航空戦力に対抗しつつ、十分な機数を確保できるだけの経済性を実現しなければならない。軍事装備品輸出の制限を緩めた日本には輸出の可能性も広がる。失敗すれば、日本の戦闘機開発能力は終焉を迎えかねない。■

この記事は以下を参考にしました。

Japan Chose The F-3 Over America's F-35 For One Reason (China)

The F-3 has a bigger internal weapons bay.
January 16, 2020  Topic: Security  Region: Asia  Blog Brand: The Buzz  Tags: MilitaryTechnologyWeaponsWarJapan


2019年12月24日火曜日

次期戦闘機はNGFの呼称へ。日本独特の大型戦闘航空機になりそう

Latest Japanese Fighter Concept Suggests Greater Range

最新の日本の戦闘機コンセプトは、長い航続距離を示唆

Bradley Perrett December 20, 2019

Latest Next Generation Fighter concept.
Credit: Japanese Ministry of Defense

衛省は、日本が目指す次期戦闘機の新デザイン案を公開した。航続距離とペイロードが以前より重視されているようだ。
写真は決定案ではないとされるが、2020年4月1日から始まる新年度における戦闘機および関連技術で認められた総計280億円(255,780,000米ドル)の予算案の一貫として防衛省が示した。
事業名が将来型戦闘機から次世代戦闘機(NGF)へ変更になったと12月17日に河野太郎国防相が言及したが、2020年度予算案の防衛省文書で確認された。
双発型の同機は、2030年代の運用開始をめざし、日本は、英国および米国のパートナー企業との協力案を検討中。
今回発表の想像図は、26DMUと呼ばれた2014年度作成のものと大きく異なる。新設計は、将来型戦闘航空機構想(FCS)およびテンペスト戦闘機プログラムのコンセプトに通じるものがある。前者はフランスとドイツ、後者は英国が主導する。テンペストはNGFの原型になる可能性がある。
26DMUには傾斜した尾部表面4つがあったが、NGFには2つしかなく、おそらく45度で取り付けられる。
主翼部分も劇的に異なり、高いアスペクト比のようだ。前と同じように前縁部は直線構造だが、後縁はテンペストとFCASコンセプトの主翼に似ており、さらに1990年代に共用打撃戦闘機競合に失敗したマクドネルダグラス案のように、また1950年代のマクドネルF-101ブードゥーのように内側に傾斜している。
ダッソーのFCASコンセプトのように、日本案の後縁は、尾部表面の前縁とほぼ同じ点で胴体につながる。英国が公開したテンペストのコンセプトでは、主翼は日本案より低いアスペクト比で、尾翼表面の後縁まで後方に延長されている。
防衛省は航続距離と兵装搭載量を重視し、以前の設計では、4つの尾部表面が外側セクションより長く、より高いアスペクト比だった。アスペクト比が高いと、亜音速で航続距離と耐久性が向上しますが、胴体形状に抗力が大きく影響される。アスペクト比が高いと、離着陸時の重量が大きくでき、燃料・兵装をより多く搭載できる。
26DMUの主翼にはまっすぐな後縁があり、2013年度の25DMUよりもアスペクト比が低いようだ。25DMUでは、後縁はまっすぐ後退している。
25DMUの作成段階には、防衛省の開発部門は、先進的飛行性能ではなくても、長時間の飛行性能と長距離空対空兵装を機内内部に備えた大型戦闘機が日本に有益であると決めていた。このような戦闘機は、パフォーマンスの高い戦闘機よりも待機地点に長く残れる可能性がある。新しいデザインは、その構想をさらに進めており防衛省が望む姿を現しているのだろう。

各案とも非常に大型機で、F-22ラプターを上回り、おそらくゴジラの方がプロジェクト名としてふさわしい。
IHIは防衛省と推力33千ポンド以上といわれるXF9-1エンジンを同戦闘機用に開発している。
2020年度予算での280億円予算の説明は十分でない。河野大臣は12月17日、戦闘機の研究開発に111億円計上し、「概念設計」作業と説明。そのレベルの予算なら26DMU以前の設計案を超える作業規模だろうが、今の言いぶりでは2020年度に開発の本格立ち上げは想定していないようだ。
予算には、戦闘機ミッションシステム統合のの76億円も含まれており、防衛省要求した177億円から削減され、NGFに付随するドローンの作業は1億円で、要求19億円が削られている。
そうなると2020年度に内容不明のNGF作業92億円分が予算計上されていることになる。予算要求では、プログラム管理室の設置を同省は求めていた。
2018年後半に政府は、戦闘機開発を日本が主導権を握ると述べ、国際的なパートナーシップを暗示していた。新型機は、三菱重工業(MHI)F-2の後継機づくりが目的だ。
パートナー候補には、BAEシステムズ、ロッキード・マーティン、ノースロップ・グラマンに加えボーイングが想定される。 BAE提案はテンペスト事業への参加で、日本は独自の機体、エンジン、エイビオニクス、兵装、またはその組み合わせで、設計内容を選択できるという。■