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2022年7月6日水曜日

F-35JPO統括官が交代。内部昇進のパターンを破る人事。一方で、次期ロット機体単価設定でロッキード、国防総省の意見が食い違ったまま。史上最悪の調達事業に取り掛かるシュミット中将は大変だ。

 


(US Marine Corps/Chief Warrant Officer Bryan Nygaard)



体価格設定で意見が不一致なまま次期ロットに関するロッキード・マーチンとの交渉が長引いているが、マイケル・シュミット空軍中将 Lt. Gen. Michael SchmidtがF-35プログラムオフィスを引き継ぐ。



マイケル・シュミット空軍中将は本日、国防総省のF-35プログラムオフィスの手綱を取り、国防総省で最も悪名高く高価な兵器プログラムの継続開発を指揮することになった。

シュミット中将は空軍の指揮・制御・通信・情報・ネットワーク(C3I)担当プログラム主幹が前職、2019年7月からF-35統合プログラムオフィスを率いていたエリック・フィック空軍中将Lt. Gen. Eric Fickの後任として就任した。


シュミット中将は、F-35ロット15-17の契約交渉が1年以上にわたる協議にもかかわらず長引く中、F-35プログラムオフィスを引き継ぐ。フィックは3月に記者団に対し、国防総省とF-35メーカーのロッキード・マーティンは機体単価でまだ合意していないが、サプライチェーン問題のため前回のロットより高くなる可能性が高いと述べていた。


シュミット中将はまた、F-35がブロック4近代化プログラムに移行し、基本形の機体戦闘機で追加武器、改良センサー、ミッションシステム、ソフトウェアでアップグレードされるのを監督する。


シュミット中将は、指揮官交代式で「世界最高の戦闘機事業を引き継ぐよう依頼され、本当に光栄に思い、さらに良いものにすることを楽しみにしています」と述べた。


F-35JPOのリーダーシップは、空軍と海軍が交互にプログラムオフィスを支配し、トップの座はプログラムエグゼクティブから副官へと移るという、通常決まったパターンで行われてきた。しかし、今回のシュミット中将は、F-35プログラムオフィスの外部出身であり、同じ空軍士官の後を継ぐため、これまでの傾向に反している。


シュミットの経歴には、複雑な兵器システムを監督した豊富な経験が含まれる。直近では、空軍の150億ドル規模のC3Iポートフォリオを監督した。このポートフォリオでは、サイバースペース機能、電子戦システム、ソフトウェア開発工場など、各種企業が含まれていた。それ以前は、2016年から2018年まで戦闘機・爆撃機プログラムオフィスを率い、2003年から2005年までは、共用打撃戦闘機の開発初期に国防総省のF-35リードプログラムモニターとして関与していた。


フィック中将は2019年にF-35プログラムオフィスを引き継いだとき、生産がフルレートまで上昇するのを監督できると期待していたと、今日の式典で述べている。それが一転し、2019年にJPOはサプライチェーンからトルコ企業を排除し、さらにCOVID-19パンデミックにより複雑化し、予定していた増産が頓挫してしまった。


「チームは見事に対応し、世界的な大流行にもかかわらずエンジン数百機を納入し、期限内にソフトウェアを納入した」とフィック中将は語り、大流行のため下級職員に権限を大きく委譲することを強いられたと述べた。


この数年、フィックの優先順位は 「人間第一」に進化したという。「一日が終わると、また別の課題が待っているからです。COVIDの第2弾、第3弾、第6弾が出るかもしれません」。■


The Pentagon’s F-35 program office has a new top leader

By   VALERIE INSINNA

on July 05, 2022 at 3:51 PM

https://breakingdefense.com/2022/07/the-pentagons-f-35-program-office-has-a-new-top-leader/


2020年7月23日木曜日

2030年のF-35はここまで性能強化される(はず)

ッキード・マーティF-35にはこれからの10年で以下が期待されている。

  • 世界各地で2千機超が供用され、さらに増える。機体販売単価、運航費用双方で第四世代機をわずかに上回る程度になれば販売に拍車がかかる。最新のブロック4仕様では現行型のコンピュータ処理能力の25倍になり、機内のデータ融合エンジンでアクティブ、パッシブ双方のセンサーのデータが有効活用可能となる。
  • コックピットの状況認識機能が向上し、パイロットは各種兵装を選択可能となる。ロッキード・マーティンAIM-260あるいはレイセオンAIM-120高性能中距離空対空ミサイル6本を機内搭載する、洋上標的攻撃に共用打撃ミサイル、新型長距離打撃ミサイルのスタンドイン攻撃兵器 (SiAW) を機外に搭載する。極超音速巡航ミサイルの外部搭載の可能性もある。ロット22機材がロッキード組立ラインを離れる2030年には新型空中発射回収式装備により探知能力が向上し、兵装搭載量もミッション内容により倍増する。
  • F-35の役割も制空攻撃任務から広がる。陸軍、海軍ともにF-35のセンサーデータで迎撃ミサイルを遠隔制御している。空軍の分散型指揮統制体制ではF-35の処理能力、センサーデータや通信能力で各ドメインで広範な攻撃効果を上げるのが狙いだ。F-35は空軍が通常使用する範囲を超えた役割を果たしそうだ。

U.S. Air Force F-35A
米空軍のF-35Aが5月にネリスAFBで飛行テストに供されたが、GBU-49レーザー誘導爆弾を搭載していた。性能改修でレイセオンGBU-53/Bストームブレイカーの運用が可能となる。Credit: Airman 1st Class Bryan Guthrie/U.S. Air Force

10年先といっても決して遠い先のことではなく、実現は大いに可能だろう。10年前のF-35は危機的状況にあった。飛行テストは2009年に停止され、サプライチェーンは混乱していいた。当時国防総省で調達・技術導入の責任者だったアシュトン・カーターは状況説明を受け事業中止を提案していた。

ロッキードはF-35の500機超を9か国に引き渡しずみで、さらに三カ国が導入を決めた。2022年にロット14生産が始まると機材単価は77.9百万ドルまで低下する。

ただし同機開発のこれからの10年では、初期と同様の苦しい状況が予想される。

F-35共用開発室(JPO)はブロック4追加改修策でハードウェア・ソフトウェア66点の改修が必要と把握し、2019年5月に議会に報告していた。まず改修8点が2019年中に実施の予定だったが、実現したのは自動地上衝突回避システム一点のみだった。フルモーションヴィデオ機能を海兵隊向けF-35Bに搭載する構想もハードウェア面で予定より遅れていると会計監査院(GAO)が報告している。

JPOではブロック4開発の迅速化対策も採用した。性能改修は4回の主要改訂で実現するべく、ブロック4.1、4.2、4.3、4.4と六か月間隔で性能向上をめざすとし、継続性能開発提供 Continuous Capability Development and Delivery (C2D2)と呼ぶ。ロッキードでは30P5ソフトウエア開発が今年第三四半期内に完成する予定だ。この後、30P6が2021年第一四半期に登場する。この迅速開発体制は遅延の影響を縮小するのが狙いで、従来は大型ソフトウエア改修が二年おきにリリースされ都度遅延が発生していた。だがC2D2がテストに入ると、新たな問題がみつかった。たとえばブロック4のソフトウェアコードでブロック3Fで問題なく作動した機能が「問題」になったとGAOは指摘している。

ブロック4で次の大型改訂は2023年の予定で、ブロック4.2では Technical Refresh 3 (TR-3)ハードウェアがはじめて扱えるようになる。ここでは新型統合コアプロセッサ、機内記憶装置、パノラマコックピット表示が含まれる。ブロック3i(2016年)以来初のコックピット内演算処理となるTR-3でセンサー能力は一気に向上し、とくにBAEシステムズ製ASQ-239電子戦装備の利用が注目される。

F-35 panoramic cockpit display
F-35ではパノラマコックピット表示に加え、TR-3で新型統合コアプロセッサが導入され、処理能力が一気に25倍に増強される。Credit: U.S. Air Force


ただしTR-3改修にも開発面で課題がある。JPOは2021年度に42百万ドルを追加投入しTR-3の「技術的複雑性」の打開を目指すとしている。

「ハードウェア-ソフトウェアをひとつにとらえた開発日程の課題にサプライヤー各社が苦労している。このためハードウェアの暫定発表によりリスクを減らしつつソフトウェアを並行開発する」と空軍は2021年度予算説明書で述べていた。

F-35の特定調達報告書selected acquisition report (SAR)最新版を国防総省は7月初めに公表し、TR-3について同様の記述があり、とくに新型プロセッサ用のゲートウェイで課題の複雑さのため追加支援がサプライヤー一社で必要となったためのコスト上昇に触れている。コアプロセッサと機内記憶装置の開発も遅延中と同SARにある。

TR-3を搭載したブロック4.2仕様が配備されればF-35のパッシブセンサー能力は大きく向上する。またこの性能向上でBAEの電子戦装備特にジャミング発生装置がラック2A、2Bを有するASQ-239で使用可能となる。主翼前縁部に搭載の帯域2、3、4向け受信機、また帯域5用受信機により低周波から超高周波に至る無線信号受信を可能とする向上策もBAEが検討している。TR-3の強力な処理能力が加わればF-35は未遭遇の信号に対しても有効なジャミングが可能となる。敵対勢力がソフトウェア依存の無線交信や周波数変更方式のレーダー装置に切り替える中で認知電子戦cognitive electronic warfareといわれる分野が重要性を増している。

現行日程のままならTR-3とブロック4.2改修はロット15機材で間に合う。ロッキードは機内兵装庫改修に取り組んでおり、レイセオンAIM-120ミサイル搭載量を6発に増やす。ロッキードのAIM-260が実用化されれば外寸が同じなため6発搭載できながら射程は大幅に伸びる。

兵装庫改修で空軍の新型SiAWミサイル運用も可能となる。これは海軍の高性能対放射線誘導ミサイル射程向上型に新弾頭をつけるものだ。イスラエル資金を導入し主翼に燃料タンクを追加すれば有効距離は25%増加する。ただし、これは機体のレーダー探知特性を重視しなくてもよいミッションの場合だ。

2020年代末までにF-35の運用実態は1990年代末の設計段階と大きく異なるはずだ。空軍のスカイボーグ事業は地上及び空中から発射する各種無人機開発で、自律飛行可能なウィングマンの実現を目指している。F-35パイロットにはスカイボーグ自律装備の運用技量の訓練を意味し、各種ミッションを実施させることにつながる。米空軍はF-35パイロットにスカイボーグを再利用可能装備として運用させたいとする。いいかえればいったん発射したミサイルを標的が無価値と判明すれば回収して再利用するのと同じだ。

20年前に設計陣が想定したF-35は当初予定より遅れ調達運用経費は上昇しととはいえ、実戦機材として利用可能となった。次の10年でJPOとロッキードは利用可能となった新たな性能を追加し、さらにスカイボーグやSiAWといった最新技術の導入も図る。F-35の歴史を特徴づけるのは過大な期待と開発期間中の低い実績だ。ブロック4開発が構想段階から現実に移行する中でこれまでの過ちの繰り返しは避けるべきだろう。

 

【これからどうなる】

Flight Paths logo

楽観視だと

  • 一時的に停滞したものの世界各国の防衛支出は拡大に戻り、ロッキードは4千機の販売に成功する
  • 懸念は残るもののロッキードはブロック4改修化を予定通り予算内で実現する

中立的見方

  • 各国の防衛支出は2040年まで増加せず、事業には逆風となる
  • ブロック4近代化改修は遅延し予算超過するものの調達に悪影響は出ない

悲観視すれば

  • 各国の国防支出は減少を長期間続け、戦闘機分野は1990年代同様の「調達閑散期」に入る。
  • TR-3リフレッシュとブロック4は大幅に遅れ、大幅予算超過で調達予算がさらに削減される。

この記事は以下を再構成したものです

 

Lengthy F-35 Upgrade List To Transform Strike Fighter's Future Role


Steve Trimble July 20、 2020

2017年4月1日土曜日

F-35事業推進室長交替人事(ペンタゴン発表)


ボグデン中将には史上最大規模の調達事業をよくここまで統括してきたなと率直に尊敬のしますがよく正常な精神を維持できたと思います。後任のウィンター提督は新大統領のもとで今までとは違うプレッシャーに負けず職責を果たしてもらいたいものです。

Rear Adm. Mat Winter Nominated As Head of F-35 Joint Strike Fighter Office F-35事業推進室長にマット・ウィンター海軍少将

March 28, 2017 1:45 PM • Updated: March 28, 2017 9:11 PM
海軍研究部門長マシアス・W・ウィンター少将US Navy Photo

  1. 前海軍研究部門長かつ海軍無人機開発部門長を国防総省がF-35ライトニングII共用打撃戦闘機推進室長に指名した。ペンタゴンが28日発表した。
  2. マット・ウィンター少将はクリストファー・ボグデン空軍中将の後任でJSF開発室長として国防長官官房に入る。上院の指名承認が下りれば中将に昇進する。ウィンターは2016年12月より開発室(JPO)の事業副責任者となっている。
  3. トランプ政権がロッキード・マーティンF-35の事業費削減を目指す中でウィンターはJPOを引き継ぐことになる。トランプは当選直後にボグデンに二回電話し価格問題で懸念を伝えている。これでジェイムズ・マティス国防長官が検討の指示を出し、ボブ・ワーク副長官のもと「F-35CとF/A-18E/Fの作戦性能比較とホーネット改良型でどこまで費用対効果が高い選択肢になりうるかの評価」を求めた。
F-35合同事業推進室長クリストファー・ボグデン空軍中将DoD Photo

  1. ボグデンはJPO室長を2012年から務め、JSFは三形式はいずれも価格引き下げに成功し、空軍海兵隊の各仕様は初期作戦能力獲得を実現した。ボグデンは退官する意向だ。
  2. ウインターは海軍研究部長として海軍研究所を統括していた。以前は攻撃兵器・無人航空機開発責任者を務めている。後者で空母艦上に初の固定翼無人機着艦を実現させた他無人艦載偵察攻撃機(UCLASS)開発を率いた。
  3. ウィンターはキャリア海軍航空士官でA-6Eイントルーダーの爆撃・航法士として従軍経験がある。1984年ノートルダム大卒で海軍大学院・国家国防大で学位取得している。■

2016年11月27日日曜日

★★あまりにひどいF-35の現実にトランプ大統領はどんな判断をする?



「F-35事業は15年にわたる失敗、遅延、予算超過の一大叙事詩」----す、すごい表現ですね。しかし一体どちらが正しいのか。メーカーや運用する米空軍等は楽観的な見方をする一方でペンタゴンの評価部門は極めて厳しい評価をしており、事業推進責任部門にも厳しい目を向けています。大きすぎてつぶせない、というF-35事業ですが、ビジネスマンのトランプ大統領がどんな判断を下すのかが来年の大きな話題になるでしょう。

War Is BoringWe go to war so you don’t have to
An F-35A takes off from Mountain Home Air Force Base in Idaho. U.S. Air Force photo

The U.S. Military Will Bring F-35s Into Service Without Finishing Them

Program office cuts development short

by DAN GRAZIER
戦闘対応の準備ができていない状態でしかも開発が完了しないままでパイロットがF-35共用打撃戦闘機を操縦することになりそうだ。
  1. 「このままでは実施できない」重要なミッションがあるとペンタゴンの武器試験部門トップも警鐘を鳴らしている。
  2. Project On Government OversightはこのたびDTO&E作戦試験評価部長マイケル・ギルモアの作成したメモを入手したが、共用打撃戦闘機推進室がF-35開発期間を切り上げることで日程・予算ともに予定通りと取り繕おうとしていると批判している。

開発テスト打ち切りでさらに予算超過する

  1. 契約企業各社、JPO、ペンタゴンともに同事業を予定通り進行することに失敗しており、今回は開発試験や技術修正が必要なのに予算がなくなったようだ
  2. 失敗を認める代わりに関係者は開発期間を短縮し次の作戦テスト製造段階用に確保しておいた予算に手を付けようとしている。
  3. 遅ればせながら推進室は追加予算で開発を完了しつつ議会には中途半端な開発のままの量産機の追加購入を求めているが、後年度に大幅かつ高額の改修が必要になることは承知の上だ。
  4. 現行の410機まとめ買い案では340億ドルから540億ドルの規模になるという差は、ペンタゴン公表の楽天的な数字と控えめな数字の違いだ。
  5. 不完全なままF-35が実戦配備される可能性が出てきた。戦闘投入されればギルモアを引用すればパイロットの生命が「大きな危険に」さらされる。
  6. ギルモアからは推進室の主張通りになれば、F-35が実戦テストに合格しない可能性もあると警告が出ている。その場合は高額な費用で修正を加えてからテストを全部やり直すことになる。この費用は納税者に3億ドルの追加負担となり、技術的な解決を図り、搭載でさらに高額の費用がかかるだろう。
  7. ギルモア作成のメモがブルームバーグで記事になるとジョン・マケイン上院議員(共、アリゾナ)が上院軍事員会委員長として書簡を国防長官アシュトン・カーターに送り、ペンタゴンが同委員会に対して事業の進展状況で正しくない理解に導いたとの懸念を表明している。
  8. マケイン委員長は推進室長クリストファー・ボグデン中将が先に出した開発は2017年末に完了するとの報告に疑念を示し、空軍長官デボラ・ジェイムズから必要な予算は確保ずみで開発は予定通り完了するとの発言があったことにも疑いの目を向けている。テスト部門のメモが火に油を注いだ格好だ。
  9. 「性能の不調、繰り返される遅延、コスト超過の常態化」を理由にマケイン議員は国防総省の主張する2,433機が必要との見積もりは現実的かつ実現可能との見解に反発しており、かわりにペンタゴンは現実のコストと日程から調達規模を見直すべきと主張している。
  10. 議会内とペンタゴンのF-35推進派は巨大すぎて失敗が許されない同機事業を何としても温存し生産することのほうが実戦でどんな威力を発揮するかより重要と考えているようだ。
  11. ペンタゴンが追加調達の要望を議会に送ったが、下院では超党派推進支持派70票がさらに11機の追加を求めている。
Airmen refuel an F-35 at Hill Air Force Base, Utah in November 2016. U.S. Air Force photo

ミッションソフトウェアが不完全なまま

  1. 機体構造、空力特性、エンジン、信頼性と問題が山積みのところに日程をさらに遅らせているのはミッションシステムのソフトウェア問題だ。
  2. ミッションソフトウェアはパイロットが得るインプットすべてを制御し、脅威対象、標的、武装、ミッション内容全般に関係する。空軍は繰り返し、ミッションソフトウェアでステルス性能とともにF-35の優位性が最大化すると説明してきた。
  3. ソフトウェア初期版のブロック2Bと3iが機材に搭載されており、今可能なのは基本的な飛行に加えレーダー誘導ミサイル一種類と誘導爆弾一型式の運用だけだ。
  4. ただし初期型でも開発テストに合格できない事態が発生しており、現時点で戦闘能力は極めて限られている。
  5. そこで実戦能力の実現には新型ミッションシステムのソフトウェアが必要だ。近接航空支援や深部侵攻爆撃、空対空で必要となり、各種名称で今後改訂され大幅な手直しが行われる。
  6. 各型には追加装備がつき、初期型の欠陥を修正する。開発中のブロック3F改訂版5で運用兵装が追加となり、これまで多発していたコンピュータ作動中止が減ることが期待されている。
  7. ギルモアはコンピュータがクラッシュしたためミッション中のパイロットがレーダーを一度止めて再起動を迫られていたと書いている。
  8. この第五版の開発が完了してもF-35に求められる戦闘能力の一部しか実現できず、実践的な作戦テストとしても不十分だ。重要なテストのためにはさらにブロック3FR6が必要となるが開発はまだ始まっていない。
  9. 初期型ブロック3Fのテストでは近接航空支援、敵防空体制制圧・破壊、制空任務、対地攻撃はことごとく「受け入れられない程度の効果で性能、作動に大きな欠陥がある」と判明している。
All three variants of the F-35 over Florida in May 2014. U.S. Air Force photo

その場しのぎの対策ばかり

  1. 開発テストで不十分な結果の山積み状態だが、手直しに相当の費用がかかることが予想される中で開発室は開発テスト段階を短縮化し、未完のテスト項目、再テストは今後の運用テスト段階に持ち越すと決めてしまった。
  2. そこで残る開発テスト項目、再テストは運用テスト用の予算で実施することになるが、そもそも想定していないテストに予算が食われることになる。
  3. 運用テストを中断して問題点を手直しすることは本来開発テスト期間中に完了しておくべきことなので、運用テストとして念入りに計画した内容にしわ寄せが行く。運用テスト自体は四年前にすでに各軍と当部で合意しておいたものだ。(ギルモア
  4. ギルモアはこの方法ではリスクが高すぎると警句を発している。作戦テストを現実的かつ有益に活用できるようにすべく開発段階を完了させ開発テストを合格し、諸元に合致する装備を先に準備すべきだと言う。
  5. ウェポンシステムの戦闘テストを始める時点で開発期間中の補修がまだ必要なら危険が発生する。
  6. 中途半端なままのF-35を過酷な戦闘テストに持ち出してもあらたに設計上の瑕疵が見つかるだけだ。修正作業が必要となり、再度テストすれば工程が長期化するだけだ
  7. 作戦テストを途中で繰り返し中断して基本設計が原因の問題を解消していくと緻密に組んだ上に各軍とDOT&Eで合意済みの運用テスト日程が狂う。
  8. その結果でさらに遅延し、コストを引き上げることになるが、ギルモアへの批判筋やF-35弁護派はこういう事態を回避できるという。
  9. ペンタゴンがF-35事業を立て直したのが2012年のことだったが、同時並行による作業量を減らすために生産を一時延期してまで開発・運用テストを完全に終えようとしていた。今回推進室が開発期間を短縮すると逆にF-35の同時並行作業を増やすことになる。
  10. 同時並行作業の大義名分は日程消化を加速と費用節約だったが、実際の目的は調達費用の流れを確保した上でテスト結果の不調を理由に発注取り消しになることを防ぐことにある。
  11. さらに歴史上はこのやり方ではさらに遅延が加わり費用が高騰することがわかっている。

機関砲が運用できない

  1. F-35Aが内蔵する機関砲は近接航空支援、ドッグファイトの両方で重要な装備だが、問題が解決できておらずさらに開発努力が必要だ。ステルス性を確保するため通常は機関砲扉が開閉するが、これで抗力が増え機首が一方向に振られ照準が難しくなる現象が発生している。
  2. 技術陣は飛行制御ソフトウェアの改良でこの問題は解決できると見ているが、当然テストで実証する必要がある。
  3. もっと深刻なのが銃の照準を当てるための600千ドルもするヘルメット搭載ディスプレイだ。このヘルメットでの射撃精度テストは2016年10月に行われる予定だったが、ソフトウェア問題のため2017年まで先送りされている。
  4. ヘルメットの視野が機関砲の射撃精度性能と合致しないという技術問題がある。
  5. パイロットから報告があったのはヘルメットに表示される記号が眼球の動きに対応していない問題で特にタービュランスがある場合や機体に振動が加わる過激な機体操縦時に発生するという。機関砲が戦闘投入可能なのか判明するのは現実の条件に近い運用テストを待つ必要があり、結果が出るのは最短で2020年となる。
  6. 海軍と海兵隊向けのF-35にはもっと深刻な機関砲精度の問題がある。というのはともに機関砲は外部装着ポッドを使い、機内搭載砲と比べると安定度が劣るためだ。このポッドから発射すると反発力で機首が下がり、F-35Aの場合より悪い影響が生まれる可能性がある。
  7. こうした深刻な問題を克服できたとしても機関砲は当初の目標を達成できない可能性がある。25ミリ銃弾の仕様が途中で変更されたためだ。
  8. F-35Aは新たに非爆発性破砕型弾薬を使うことになったが、精度と威力は実証されていない。F-35BとC型は従来同様に海軍開発の半貫徹型高性能銃弾を用いる。開発室は「新規採用銃弾では精度面の要求水準は実現しないとわかった」としている。
  9. DOT&Eが指摘しているように推進室はこれらの課題を契約上の運用必要性能から削除することで解決している。しかも正式な承認を各軍やOSDから得ていないままだ。契約企業はこのため契約上は空対空、あるいは空対地での発射精度や命中威力の保証義務がないのだ。
  10. F-35搭載機関砲では目標に命中させられず威力がないと判明した場合、誰も責任を問われず、修正作業が実施されるまで使用不能のままだ。
An F-35A drops a GBU-12 laser-guided bomb onto a range in Arizona in April 2016. U.S. Air Force photo

兵装運用テストの遅れ

  1. 戦闘条件を想定した運用テストで搭載兵装の実力を確かめる前に、兵装投下の精度を確かめるテストが各装備で必要だ。F-35の性能諸元によれば「敵探知、目標固定、識別、追尾、標的確定、攻撃、評価」をすべて行えるはずだ。
  2. 一連の機能を確かめてからストレスの多い戦闘条件を再現するテストで「キルチェーン」が機能するか検証することになる。この運用作戦テストは複雑かつ費用がかかるので通常のの技術テスト条件でさえ標的を外すような兵装をいきなりテストしても意味が無いのだ。
  3. F-35開発テストでは極めて高い精度を証明した場面もあったが、DOT&Eによれば全般成績は芳しくないという。実際にテスト現場で成果を上げるために「制御室からの介入」が必要となったという。
  4. その例としてメモによれば長距離用AIM-120レーダー誘導空対空ミサイルのテストで地上要員からパイロットに発射タイミングを教示していた。F-35搭載レーダーとコンピュータが敵攻撃のタイミングを表示できなかったためだ。
  5. さらに予定していた開発段階兵装の精度確認テスト13種類が未実施のままだ。推進室はテストをすべて実施しないことにするのか、開発段階中にすべて完了させるのかそれとも運用テスト段階に先送りするのか明らかにしていない。
  6. 兵装テストが完了しないままと未確認の不良を放置することとなり、修正の後に再テストする必要があるのだ。
  7. 兵装テストの日程を再度調整し必要な予算を手当し開発段階を完了しないままなら運用作戦テストに悪影響が生まれるとギルモア部長は警告する。結果として日程がさらに狂い、経費超過を招き、F-35の戦闘能力の妥当性そのものが評価できなくなるという。
  8. もともと合意ずみの大日程通りに兵装開発テストをすべて完了してから運用テストに望むのが技術上、倫理上ともに正しい選択のはずだ。
  9. 残念ながらそうすれば推進室と長官官房関係者は一層の費用と時間が必要だと認めざるを得なくなり、すべての問題は解決済み、価格は低下中という前言を覆さざるを得なくなる。
An F-35A during a preflight inspection in Idaho in February 2016. U.S. Air Force photo

テストを短縮して機体は完成と言えるのか

  1. F-35事業はこのままでは戦闘に送り出せない問題をかかえている。この見解は空軍自体が内部評価で認めている。”
  2. 空軍はF-35が戦闘投入可能と公言したが、同日に空軍参謀総長デイヴィッド・ゴールドファイン大将は「本日のIOC宣言はF-35Aが完全な戦闘能力を獲得する道筋の大きな一歩だ」と述べている。
  3. 同大将がこう表現したのはテスト工程がさらに遅れを加えているさなかだった。最新のDOT&Eメモによれば、2016年9月末現在で65パーセントの飛行テスト項目しか消化していない。
  4. 推進室は2017年早々に予定されていた飛行テストを実施しないと決定し、ブロック3F開発が同時に完成予定だったがなりゆきに任せるとした。
  5. 今年8月のIOC宣言までに確保しておくはずだった戦闘性能では数点が開発フライトテストをこの度初めて開始している有様だ。その他にはまだそこまで到達していない項目もあり、2017年に想定していた運用作戦テストの開始が時期尚早になったのも事実だ。

不十分な準備体制

  1. 不完全な設計だけが貴重な運用テストの効果を危うくする要素ではない。ギルモア部長は推進室がおそらく意図的に戦闘テスト用機体に十分な予算をつけなかったのではと疑っている。
  2. 量産型で戦闘投入用のF-35の機数が運用テスト開始で考慮すべき要素だ。試験評価の大日程案ではDOT&Eと推進室が同意のもと18機が必要としており、各機に試験装備を搭載してテスト開始するとしていた。
  3. だが推進室はその通りにテストを開始するつもりはないようだ。関係者はテスト機材を確保する準備をまだしていないが、もともとテスト前に7年もの時間があったのだ。
  4. 対照的に納税者には不完全でテストのおわっていないF-35に61億ドル追加が必要だと説明するのに懸命だ。
  5. 推進室は運用テストの完了に必要な事項を無視しており、極めて現実条件を考慮した人員介在ミッションのシナリオのシミュレーションや脅威環境での電子装備の機能シミュレーションを軽視している。これが評価できないままF-35の戦闘能力全部をテストするのは不可能だ。
  6. 例えば、テスト中にステルス性能と対抗措置が作動するのか不明なままではミサイルは発射できない。F-35の性能を多面的に試す唯一の方法はヴァーチャルに再現した環境を使うことだ。というのは飛行試験空域では実際の戦闘で遭遇する可能性のある状況全てを再現できないためである。
  7. このため運用テスト用の機材を確保する努力を怠る推進室へギルモア部長は厳しく批判している。
The U.S. Capitol Building in Washington, D.C. Stefan Fussan photo via Flickr

F-35の政治的な意味

  1. 大型装備整備事業では常に政治が背後にあり、ことに今年は大統領選挙の年である。F-35とて例外ではない。
  2. 当初から関係者はF-35を予算削減の対象にさせないよう懸命に動いてきた。同機の部品は全米45州で生産されている。
  3. 生産企業を分散させることでF-35支援者を議会内に多数確保するようにしたのだ。
  4. 議会にF-35支援議員があることで、ペンタゴン内関係者はF-35向け予算を増やす圧力を感じている。
  5. こうした支援派は結束してF-35の追加調達で合意を取り付けようとしている。
  6. 下院共用打撃戦闘機を支援する議員の集まり70名が署名した書簡では下院国防歳出小委員会へ上院によるF-35先行調達1億ドル追加案を支持するよう求めている。
  7. この先行調達予算は空軍にF-35新造機体の部品を購入させ、2018年に完成機体を納入させようとするものだ。
  8. 実施されれば該当機材のコストを二年間にわたり分散させ、納税者の観点からは機体を先に導入する効果があるが、運用テストの結界如何ではF-35が本当に戦闘状況で実力を発揮できるか不明のままだ。
  9. ただしこの観点は何故か書簡には盛り込まれていない。
  10. 予想通り、大統領選挙費用を分析したCenter for Responsive Politicsによると署名議員はほとんどが国防産業からの寄付を受けている。
  11. 議員団幹事をつとめるケイ・グランジャー(共、テキサス)とジョン・ラーソン(民、コネチカット)両議員は144千ドル、43千ドルをそれぞれ国防産業大手や労組から受けている。
  12. 議会にF-35推進派がある中で、ペンタゴン関係者がF-35関連予算を可能な限り増やせとの圧力を感じているのは疑う余地がない。
An F-35A takes off from Mountain Home Air Force Base in Idaho in February 2016. U.S. Air Force photo
さらに墓穴を掘るのか
  1. F-35の開発・テスト状況はこのように悲惨な状況なのだが、推進室はブロック4の「完全性能」機体をさらに高額で多数調達する契約を2018年に交付する準備に入っている。
  2. ブロック4の詳細は未定だが、ブロック3のIOT&Eが始まる前に契約だけ交付することになる。
  3. 今後新たな問題点がいくつ見つかるか不明なままで初期作戦能力は宣言したもののあたかも片足で歩くようなものだ。推進室および支援派は一貫して現行の実現不可能な日程案のままで機体購入数を増やそうと言うが、これでは既知、未知の問題点を多数抱えることになるのは必至だ。
  4. ブロック3機材のテストが完了しないままブロック4機材を多数生産することは、建設会社が基礎工事を中途半端なままで超高層ビルを建てるようなものだ。
結語
  1. F-35事業とは15年にわたる失敗、遅延、予算超過の一大叙事詩と言って良い。
  2. ロッキード・マーティンへの契約交付のは2011年9月11日のテロ事件の数週間後のことで、当時の同社は空軍、海兵隊に新型機の初飛行は完全な性能を備えた形で2008年に実施すると約束していた。その後海軍向け機材は2010年に初飛行としていた。合計2,866機を総額2,000億ドルで生産する目論見だった。
  3. だが2016年現在で、2,457機生産で3,900億ドルになり、機体単価は二倍になり、409機減っても2,000億ドルを追加支出することになった。
  4. ペンタゴンで調達技術開発ロジスティクスを担当する副長官フランク。ケンドールはF-35調達について機体完成前に「調達の悪しき事例」と言っていた。この発言は2012年のことだったが、その後本人は意見を後退させている。
  5. ギルモア部長のメッセージは明瞭だ。F-35は戦闘で実力を発揮できず、米軍兵士の生命を危険にさらす。その回避のために今こそ大胆な策をうつべきだ。
  6. 開発テストを切り上げ運用テスト用機材の予算を確保しない現行案を先にすすめようという議会とペンタゴンはF-35の実戦での有効性を試すための実戦テストを事実上妨害しているようなものだ。
  7. 予算を十分つけないと回避できる問題を見つけ修正することができなくなり、パイロットは戦闘で危険な目にあう。
  8. 新しい大統領、新しい議会、新しい国防長官は官僚主義の妨害工作を止めるべく必要な対策を講じるべきだ。手始めに、F-35購入規模の拡大傾向を止めるべきだ。
  9. それで浮いた予算は開発段階、開発テストの完了に流用し予定通りの工程を完了させるべきだ。完璧までに現実に即した作戦テスト用に予算を当初通り確保した上でペンタゴンの作戦テスト評価部長が厳しく誠実に統括して難易度の高い工程を完了させるべきだ。
  10. 機体を繰り生命を賭ける男女にこの作業がなんとしても必要なのだ。■
Dan Grazier is the Jack Shanahan Fellow at the Project On Government Oversight, where this article originally appeared.



2015年3月31日火曜日

F-35:2Bソフトウェア完成遅れるが海兵隊はIOCに向け努力中


ボグデン中将は率直な物の言い方をする人のようですね。これだけ大規模なトラブルにある事業を統括し続ける人だけに普通の神経ではないのかもしれません。しかし次から次に話と違う事態がF-35では発生しているようで目が離せません。

‘I Am Not A Salesman For F-35:’ Lt. Gen. Bogdan, F-35 PEO; 2B Software Delayed

By COLIN CLARKon March 25, 2015 at 6:53 PM


Offical Photo : MGen Christopher Bogdan

F-35事業を統括するクリストファー・ボグデン空軍中将が記者を前にF-35に関する正しい報道を行うよう求めた。その際に注目を集めた中将の発言は「自分はF-35のセールスマンではない。またF-35事業の提唱者でもない。最高の事業を運営するのが仕事だ」というもの。
兵器開発に当たる制服組は得てして自らが携わる兵装の信奉者になる。予算の獲得に奔走しながらどれだけうまく事業が推進されるかで昇進にも影響する。F-35取材の中ではロバート・ゲイツ元長官がボグデンの前任者だったデイビッド・ハインツ海兵隊少将を更迭した場面が記憶に新しい。2010年度予算の説明の際にハインツはF-35向け第二エンジン選択を批判し、ゲイツは公の場で自分の意見と対立する人を我慢できなかった。
ボグデンが取り組むのは米国史上最大の通常兵器開発事業だ。その彼が事業の信奉者ではないと公然と発言するのは勇気のいることだ。その同じ人物が当初はJPOとロッキード・マーティンの関係は「ここまでひどいものは見たことがない」と言っていた。つまりボグデンが心のなかを明らかにするのは前例があることになる。
記者も納税者であり、一言言わせてもらえばボグデンの発言を聞いて嬉しくなった。ただしそのままうけとめてはいけない。F-35事業の国際規模を考えると運営には演技力と雄弁ぶりが必要。
そこでボグデンが他にどんなことを行っているのか知りたくなる。
まず2Bソフトウェアは6月までに利用開始できない。この月に海兵隊は初期作戦能力(IOC)獲得を宣言する予定なので微調整が必要だ、とボグデンは発言。ソフトウェアが完成するのは秋の初め頃になりそうだ。
F-35ではデータ融合機能がもてはやされる。数学的にはアルゴリズムとソフトウェアの力で機内の各種センサーのデータを集め、脅威ライブラリーと比較対象して敵の正体を教え、同時に撃破のための最適な手段を示す。この融合機能が補修が必要になっている。
F-35は四機編隊で飛行し各機でデータを共有する設計だ。軍は詳しくこの点を話したくないのだが、編隊は密ではなく、数十ないし数百マイル離れての飛行を想定している。12月の実証実験では融合機能に問題が見つかった。F-35の一機がセンサーを作動して地上目標を探知した際には融合エンジンがうまく作動した。データ共有も2機でうまくいった。だが四機で共有しようとしたら実際は存在しない目標が表示されたほかボグデンが詳細を紹介したがらない異常が発生した。
問題ではあるが、ボグデンによれば海兵隊はIOC宣言を99日以内に実施するという。メーカーのロッキード・マーティンとしては完全作戦性能を実現するソフトウェア三種類(2B,3I,3F)を予定通り完成させないと300百万ドルの報奨金を受け取れず楽しくない状況だ。
海兵隊はボグデンが次善策とよぶ2機ずつ2組の機体でデータ共有する手段を使い、ロッキードがソフトウェア改修をするのを待つという。
また同機の運用・点検システム(ALIS)も大きな課題だとボグデンは言う。
気になる方のために現状での機体価格は以下のとおりだ。順に第六ロット、第7ロット、第8ロットの低率初期生産分の単価を示す。
  • F-35A $117 million; $112 million; $108 million
  • F-35B $145 million; $137 million; $134 million
  • F-35C $134 million; $130 million; $129 million