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2025年4月25日金曜日

MQ-1Cグレイ・イーグルがヘルファイアミサイルでドローンを撃墜するテストに成功(The War Zone) ― 安価なドローンを高価なミサイルで毎回撃破するのでは計算があわないので、代替策の模索が続いています

 The MQ-1C Gray Eagle Unmanned Aircraft System (UAS) addresses the need for a long-endurance, armed (up to four HELLFIRE missiles), UAS that offers greater range, altitude, and payload flexibility.  

U.S. Army


MQ-1Cグレイ・イーグルをドローン狩りに使用するのは新たな展開で、同機用に新たなキネティック兵器とレーザー兵器の開発計画がある

MQ-1Cグレイ・イーグル無人航空システム(UAS)が搭載レーダーを使いAGM-114Lロングボウ・ヘルファイアミサイルの実射試験でドローンを撃墜したとジェネラル・アトミクス・エアロノティカル・システムズ(GA-ASI)が本誌に確認した。動的・非動的解決策を組み合わせた多様な対ドローンシステム(C-UAS)の開発が活発化している中、グレイ・イーグルがヘルファイアミサイルでドローンを撃墜した手法は、新たな興味深い進展だ。

 GA-ASIの広報担当者、C・マーク・ブリンクリーは本誌に対し、「グレイ・イーグルからロングボウ・ヘルファイア実弾を発射し、小型UASを撃墜した」と述べた。グレイ・イーグルにヘルファイアミサイルを装備することは、GA-ASIがこのプラットフォームで現在追求しているC-UAS対策の選択肢のひとつ。

ユタ州ダグウェイ試験場で運用されるヘルファイア装備のMQ-1Cグレイイーグル。米国陸軍

「さらに、当社が資金提供した昨年実施したグレイイーグルSTOL(短距離離着陸)からのポッド式ミニガン実射デモは、対UAS作戦で興味深くコスト効果の高い動的オプションを提供します」とブリンクリーは付け加えました。「UASは、7.62mm弾の直撃に耐えられる設計ではなく、ミニガンはこれまで検討されてこなかった武装監視オプションになる可能性があります」。これは、GA-ASIの米陸軍ユマ試験場で実射試験が行われたモハベデモ機搭載のディロン・エアロDAP-6ミニガンポッドを指している。


 モハベデモ機は現在、遠隔地や過酷な環境の粗末な滑走路から運用可能なMQ-1CのグレイイーグルSTOLバージョンへと発展し、多様な遠征型・分散型作戦支援に重点を置いた構成を採用している。ジェネラル・アトミクスはグレイイーグルSTOLの航空母艦や大型甲板両用強襲艦での実験における能力を強調している。

ジェネラル・アトミクスのブリンクリーによれば同社は「グレイ・イーグル STOL用の新たなキネティックオプションを数ヶ月以内に公表する計画で、これによりC-UAS対応のコストをさらに削減しつつ、精度と柔軟性を向上させる」と述べた。これは前述のロングボウ・ヘルファイアを指すかどうかは不明だが、コスト削減の言及は、レーザー誘導ロケットのような低コストオプションの可能性がある。

 敵対的なドローンを撃墜するための動的・非動的手段に加え、GA-ASIは機載センサーを適応させ、敵UASを検知・追跡し、最初に攻撃する能力を付与している。

 「当社は、小型UASの目標捕捉と追跡のために、リンクスとイーグルアイレーダーシステムを使用した数多くの飛行試験を実施しました」とブリンクリーは認めた。

 イーグルアイ合成開口レーダーは、地上目標を50マイル、海上目標を124マイルまで探知・追跡可能だが、空中脅威に対する能力は現時点では不明だ。ただし、イーグルアイ用に開発中の新しいアクティブ電子スキャンアレイ(AESA)アンテナと関連ソフトウェアにより、その範囲が拡大され、多モード性能が向上する見込みだ。

GA-ASIのグラフィックに示される、MQ-9Bシリーズドローンに搭載されたイーグルアイレーダー。GA-ASI


これらの飛行試験は、GA-ASIの独自レーダーを空対空モードで活用し、特に重要な下方向探知モードを含む探知と機載兵器の照準支援を提供した点で特に重要だ。

 一方でGA-ASIはC-UASミッション向けのドローン搭載ポッド型レーザーの開発も継続している。同社は、現在コンセプト段階にあるポッド式レーザーを、先月コロラド州オーロラで開催された空軍協会(AFA)の2025年戦争シンポジウムで、MQ-9B SkyGuardianドローンに搭載されたグラフィックで披露し、今月メリーランド州ナショナルハーバーで開催されたシー・エア・スペース会議でも再び展示した。GA-ASIは、このポッドを主に撃ちっ放し攻撃ドローンに対する艦隊防衛用に提案しているようだ。

 ブリンクリーは、同社にはこの用途向けに「非常に成熟したレーザー技術」があると述べている。ただし、一般に空中レーザーは当初の想定より実現がはるかに困難であり、技術的な理由から関連プログラム多数が中止されている。

 現時点での注目点は、C-UASミッション向けにグレイ・イーグルドローンに搭載されたロングボウ・ヘルファイアのライブファイア試験でだ。ドローン脅威を無力化する新たな手法の急速な普及傾向を考慮すると、グレイ・イーグルとロッキード・マーティンのAGM-114Lロングボウ・ヘルファイアをこの用途に組み合わせることは、非常に理にかなっている。

 ロングボウ・ヘルファイア(他のヘルファイア変種とは異なり、レーザー誘導ではなくミリ波レーダー誘導を採用)をドローン撃墜に用いた前例は既に存在する。

 AGM-114ヘルファイアは空対地兵器として開発され、主にその用途で用いられてきたが、ロングボウの派生型にはドローンに対する対空防衛役割がある。特にイスラエルは、AH-64アパッチ攻撃ヘリコプターを対空防衛任務に長年運用しており、シリア国境付近でヒズボラのドローンを撃墜した事例が有名だ。

 昨年10月、米陸軍は中東に展開中のAH-64Dロングボウ・アパッチヘリコプターが敵の空中ドローンを検知・破壊する訓練を行う動画を公開した。同地域では、特に撃ちっ放し攻撃弾薬や「カミカゼドローン」からのドローン脅威が最近急増している。

 陸軍の動画には、ロングボウ・ヘルファイアの変種または改良型が映っており、そのミリ波レーダーシーカーの初期誘導は、アパッチのAN/APG-78ロングボウマスト搭載レーダーシステムから提供されている。同じレーダーは、低空飛行ヘリコプター含む空中目標の探知と追跡が可能で、空中ドローンにも対応している。

AH-64がレッドサンズ演習中に目標ドローンに向けてヘルファイアを発射する様子。CENTCOMのスクリーンショット

 ロングボウ・ヘルファイアは、地上を含む他のプラットフォームから発射された場合でも空中脅威に対処する能力を実証している。米海軍はフリーダム級沿海域戦闘艦(LCS)にAGM-114Lを装備し、ドローンに対抗する緊急プログラムを実施した。LCSは当初、小型ボートの群れから防衛するため、レーダー誘導型ヘルファイアを装備していた。

 米軍はにはAGM-114Lの大量在庫があるが、このミサイルの生産は終了している。ロッキード・マーティンの新開発ミサイルAGM-179A ジョイント・エア・トゥ・グラウンド・ミサイル(JAGM)は、レーザーとミリ波レーダーの二重モード誘導システムを搭載し、ヘルファイアの他の後継として米軍に導入されている。このミサイルは、空対空役割を含むロングボウバージョンを置き換える可能性もある。

 この点で、米空軍がMQ-9リーパー無人機(UAV)にAIM-9Xサイドワインダー赤外線誘導空対空ミサイルを統合し、2017年の演習で初の空対空撃墜に成功した点を想起すべきだ。その後間もなく、同軍は無人機の一部に対し、空中脅威に対抗する能力を付与する計画を発表した。これにより、無人機は重要な自己防衛能力を獲得し、MQ-1C向けの無人機探知・撃墜技術開発と補完的な役割を果たす可能性がある。

AIM-9Xサイドワインダー空対空ミサイルを搭載したMQ-9。米国海軍

 グレイ・イーグル C-UASの実弾射撃実験において、UAS目標がどのように検出・追跡されたかは明確ではないが、GA-ASIが製造する前述のリンクスまたはイーグルアイレーダーシステムが使用された可能性がある。別シナリオではドローン脅威の検出に、レーダーが用いられ、将来的にグレイ・イーグルにレーザー兵器が使用される場合、マルチスペクトル標的システム(MTS)が識別とレーザー照準に活用される可能性がある。

 いずれにせよ、グレイ・イーグルとロングボウ・ヘルファイアのドローン撃墜組み合わせの潜在力は魅力的だ。

 C-UASシステムは主に地上ベースのため、柔軟性と応答性が必然的に制限される。

 一方、グレイ・イーグルのようなドローンは、必要に応じて反ドローン能力を提供するために再配置可能だ。ドローンは前線基地に配備され、地上部隊に非常に近い位置で運用できる。脅威の接近に応じ比較的迅速に発進可能で、特にグレイ・イーグルのSTOLバージョンにこれが当てはまる。グレイ・イーグルSTOLの短距離離着陸能力は、モハベ実証機から移植されたもので、その性能仕様には、情報収集・監視・偵察(ISR)任務時の離陸滑走距離400フィート、または12発のヘルファイアミサイルを搭載した場合の1,000フィートが含まれる。

GA-ASIのモハベ実証機は、2023年8月1日、カリフォルニア州エルミラージュ近郊の未舗装滑走路で離着陸試験を実施した。GA-ASI

 さらに、ヘルファイアミサイルを搭載したグレイイーグル無人機(またはこれらと他の武器の組み合わせ)は、多くの伝統的なC-UASシステムと異なり、単一任務プラットフォームではない。ドローン迎撃に加え、グレイ・イーグルは地上部隊の武装護衛を提供し、センサーによる監視を行う。滞空持続時間は特に重要で、24時間以上任務に就くことが可能だ。この持続性は、C-UASシナリオでの監視や、特定の区域を通過するドローンのスクリーニングに理想的で、戦闘航空哨戒(CAP)役割を果たすことができる。

 戦闘機はドローン迎撃任務を成功裏に遂行できるが、コストが高く、給油支援なしでは短時間しか任務に就くことができない。他方でグレイ・イーグルが対応できないシナリオでも、戦闘機はドローンを撃墜可能だ。ただし、低密度脅威や特定目標領域上空での点防御任務においては、MQ-1Cが極めて価値ある選択肢となる。

 ロングボウ・ヘルファイアは、低性能ドローンに対処するハイエンドなソリューションとして依然として存在している。過去にも議論したように、基本型のAGM-114の単価は約215,000ドルで、レーダー誘導型のロングボウモデルはさらに高額だ。それでも、これは一般的な空対空ミサイルよりもはるかに安価で、例えば、主力ミサイルAIM-120 Advanced Medium-Range Air-to-Air Missile(AMRAAM)の単価は1発あたり約100万ドルだ。

 これらの要因が、グレイ・イーグル向けのさらに安価なキネティックC-UASオプションへの関心が高まっている要因と考えられる。

 例えば、レーザー誘導式ロケットのAdvanced Precision Kill Weapon System II(APKWS II)は、ヘルファイアよりさらに安価で、1発あたり約25,000~30,000ドルだ。APKWS IIのようなロケットベースの武器は、グレイ・イーグルに効果器の弾薬庫を大幅に拡大する可能性を提供するが、レーザー誘導の特性上、一度に1機のドローンしか攻撃できない。さらにMQ-1CがAPKWS IIを運用する位置に到達することは、特に複数の目標に対して迅速に対応する場合、戦闘機よりも困難だ。F-16は紅海上でドローンに対してAPKWS IIを効果的に運用している。赤外線シーカーを活用して擬似的な発射後追尾能力を備えた新しいAPKWS IIモデルが開発中で、これにより、交戦が簡素化され、実行にかかる時間が短縮される。

 コストと効果器の搭載量の問題を克服する上で、さらに重要なのはレーザー兵器で、例えば、ジェネラル・アトミクスが現在開発中のポッド型設計のようなレーザー兵器が、この困難な技術をマスターできれば、大きな役割を果たす可能性がある。

 GA-ASIのグレイ・イーグル/ロングボウ・ヘルファイア C-UAS試験にはまだ多くの疑問が残るが、同ドローンがUAS脅威に対する有効な対抗手段として、特に低高度領域でますます認識されていることを示している。■


MQ-1C Gray Eagle Is Shooting Down Drones With Hellfire Missiles In Tests

Using the MQ-1C as a drone-hunter is a new development, and there are plans for new kinetic and laser weapons for the Gray Eagle.

Thomas Newdick

Published Apr 18, 2025 6:04 PM EDT


https://www.twz.com/air/mq-1c-gray-eagle-is-shooting-down-drones-with-hellfire-missiles-in-tests