ラベル シンガポール空軍 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル シンガポール空軍 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2025年8月18日月曜日

シンガポールF-15のグアム訓練派遣が中止へ(Breaking Defense) — 訓練空域が確保できないシンガポールがグアムで訓練できなくなれば、日本がかわりに便宜供与してはいかがでしょうか

 

シンガポール国防省の声明には米国と合意した決定とある

2021年5月24日、グアムのアンダーセン空軍基地でシンガポール空軍の F-15SGが離陸する。シンガポール空軍は 2017年よりローテーション訓練でグアムに戦闘機を配備している。(写真:米空軍/上級空曹マイケル・S・マーフィー)

ンガポール国防省はグアムにシンガポールのF-15 戦闘機を配備して訓練を行う計画は中止になったことを本日、声明で認めた。ただし、戦闘機を支援するために、アンダーセン空軍基地のインフラ整備の一部は引き続き実施される。

声明によると、決定はシンガポールと米国の合意によるものとある。

8 月 8 日、Guam Daily Post が報じた米国空軍の発表によると、この決定は、運用分析、現地調査の結果、環境への影響、および一般市民や政府機関からの意見、軍事的な判断要因に基づいて下された。

同省は「シンガポール空軍(RSAF)のF-15戦闘機最大12機の配備や関連する航空機基地運営(一時的な支援航空機を含む)およびRSAF要員やその家族、関連する支援要員の一時的な増加は実施しない」と文書で明記している。

さらに、RSAFはアンダーセン空軍基地滑走路の北西側に、新たな駐機エリア、燃料供給システム、関連施設およびユーティリティを含む約20エーカーの新たなインフラを建設する。

ただし、近隣の弾薬貯蔵区域に弾薬庫を建設する関連計画は中止される。

基地インフラ拡張に関する環境影響評価書は、シンガポールの戦闘機部隊を支援するほか、「国際日付変更線以西の米国のプレゼンスを強化する重要なインフラを提供するため」と説明がある。

グアムは、北マリアナ諸島に位置する米国の未編入領土で大規模な米軍基地が展開されており、インド太平洋地域での地政学的緊張の高まりを受けて、今後数年間で追加の海兵隊部隊、長距離ミサイル、ミサイル防衛システムが配備される予定だ。

シンガポールは、戦略的に重要な位置にある小さな東南アジアの島国で、軍事訓練空域がなく、海外で訓練を頻繁に実施している。シンガポールは2019年に米国と合意を締結し、アンダーセン空軍基地にシンガポール空軍(RSAF)の戦闘機訓練部隊を設立する計画で、同部隊は2029年ごろ発足の予定だった。

シンガポール国防省は、10月から11月にかけて予定の短期の戦闘機訓練部隊の派遣は予定通り実施されると表明した。

シンガポールは海外基地に長期訓練部隊を配置しており、米国ではルーク空軍基地にF-16戦闘機、アリゾナ州のシルバーベル陸軍ヘリポートにAH-64攻撃ヘリコプター、アイダホ州のマウンテンホーム空軍基地にF-15戦闘機を配備している。

シンガポールは、各国向けF-35訓練施設が設置されているエビング州軍航空隊基地に、F-35ライトニングII戦闘機の訓練部隊を設置する計画だ。シンガポールは、インド太平洋地域における米軍のプレゼンスを強く支持しており、米軍の航空機や艦船を定期的に受け入れており、米海軍の沿海域戦闘艦のローテーション展開の前方作戦基地となっている。

Plans for Singapore F-15 training detachment in Guam cancelled

The decision was mutually agreed upon by Singapore and the US, according to a statement from Singapore's defense ministry.

By Mike Yeo on August 12, 2025 4:29 pm

https://breakingdefense.com/2025/08/plans-for-singapore-f-15-training-detachment-in-guam-cancelled/



2019年1月23日水曜日

シンガポールがF-35導入に近づいている理由とは

Singapore Moves Closer To Joining What China Calls The 'U.S. F-35 Friends Circle' シンガポールが中国が言うところの「米F-35お友達サークル」加入に近づく

The short and vertical takeoff and landing F-35B could be especially valuable for the tiny Southeast Asian country during a crisis. F-35Bが東南アジアの小国であるシンガポールの有事で役立つのではないか


BY JOSEPH TREVITHICKJANUARY 18, 2019

F-35 Heritage Flight Team performs in Bell Fort Worth Alliance AirShowAIRMAN 1ST CLASS ALEXANDER COOK—56TH FIGHTER WING PUBLIC AFFAIRS
ンガポール国防省が現行のF-16C/D型の後継機種としてF-35ステルス戦闘機を正式に検討中と発表した。特に垂直離着陸が可能なF-35Bが同国に意味があり滑走路に依存せず運用でき、今後同国が取得予定の大型揚陸艦からも稼働させられる。ときあたかも南シナ海で中国がこれまでより大胆な動きを示し領有権を主張している。
シンガポール共和国空軍 (RSAF) が国防科学技術庁 (DSTA) と行った調査でF-35共用打撃戦闘機(JSF)がF-16C/Dの後継機種として「最適」と判明したと国防省が1月18日に発表した。シンガポールにはヴァイパーが60機ほどあり更新は2030年ごろに必要となるという。
「ただし技術評価からRSAFは少数のF-35を導入し完全評価を性能、維持でしてから全機導入するのが望ましいとの結論が出た」と声明は述べており、「次の段階でMINDFE(国防省)は米側と詳細を協議してからF-35をシンガポール国防装備として調達する決定を下したい」
簡単な発表内容で導入対象の型式は不明だ。米国はF-35のシンガポール向け販売をまだ未承認で、型式とか機数は今後判明するだろう。
米政府は反対しないだろう。シンガポールは2003年以来いわゆる安全保障協力参加国としてF-35事業に関与している。さらに米シ両国は長年に渡り防衛協力関係を維持し、シンガポールは米製戦闘航空機、ヘリコプター他装備を大量導入している。
米国がシンガポールと連携を強めているのは中国が南シナ海で領有権主張を強めその立場を強化する動きを示しているためだ。シンガポールは領有を主張しておらずあくまでも地域間、国際間の仕組みを通じた解決を求めてきた。

DOD
南シナ海で中国が構築した人工島の場所を示す地図


だがシンガポールがF-35に改めて関心を示す背景に南シナ海更に中国の存在を無視できない。シンガポールは海運交易に大きく依存する。近隣海域のマラッカ海峡など危機状態になれば簡単に封鎖されてもおかしくない地点が多い。
「直接の関与国以外も平和安定、航行の自由、上空飛行の自由が南シナ海で守られることに大きく依存している」とシンガポール外相ヴィヴィアン・バァクリシュナンが2018年8月に記者会見で語っている。「対立がなくても、緊張が高まれば船舶経費、保険料が上がるので各国の経済面へ影響が現れる」
中国は接近阻止領域拒否体制を南シナ海で強化中だ。人工島に長距離地対空ミサイルや対艦ミサイルを設置すれば有事の際に敵対勢力には大きな脅威になる。
中国はH-6中型爆撃機初め航空機を人工島から運用し誇示しており、兵力投射の新しい可能性を試している。人民解放軍海軍の水上艦、潜水艦の着実な増強は言うまでもない。
こうした中でステルス戦闘機が域内各国で必需品となりそうだ。F-35の有する脅威の前に中国はJSF運用国のオーストラリア、韓国、日本を「米国のF-35お友達サークル」と呼んでいる。
そのため同機の性能評価をしたのは米国との関係を考えればシンガポールとして当然である。同時に「買う前に飛ばしてみる」対応からシンガポールが時間かけて結論を出す動きが見える。シンガポール空軍のF-13C/Dはブロック52または52+仕様の高性能機材であり改修も相当受けている。さらにF-16V仕様に改修しようとしており、2030年時点でも十分戦力を発揮できるはずだ。

RAF-YYC/WIKICOMMONS
シンガポールのF-16Dが米国内で訓練を受けていた

RSAFはF-16をF-35に交替させる検討に入っているが、F-15SGイーグルは当面退役の予定はない。米空軍のF-15Eストライクイーグルの派生型である。
F-35とF-15SGの組み合わせ、あるいは高性能版F-15との組み合わせでステルス機の運用整備経費を抑えることができるはずだ。同時に同時運用で各機の特徴を活かした効果が期待できる。

USAF
RSAFの F-15SG イーグル.

F-15はF-35を上回るペイロードと航続距離を誇るが、有事にはステルス機が敵防空網に突破口を開き、非ステルス機がミッションを展開する構想だ。JSFはセンサー能力とデータリンクを生かして標的情報を後方のイーグルに送り、スタンドオフ兵器で攻撃させる。
イスラエルがこの戦術で進んでおり、米空軍も高性能版のF-15X少数機を導入するようだ。
さらにF-35Bが入るとシンガポールに重要な利点が生まれる。同国の面積は280平方マイルとロードアイランド州の4倍に過ぎず通常型機だと敵攻撃に脆弱性を露呈してしまう。
F-35Bなら補強道路や小型コンクリート敷地で運用できる。滑走路を使わずに運用できるため攻撃があっても同機なら比較的早く作戦再開できる。
2018年7月にはシンガポールのゥ・エン・ヘン国防相からエンデュランス級ドック型揚陸艦4隻を新型共用多任務艦(JMMS)に2020年以降に交替させるとの発表があった。
JMMS候補の最右翼はエンデュランス-160および-170設計案であり、シンガポールのSTマリーンが作成した。全長は540フィートで予想排水量は14,500トンだ。
最も重要なのは新型艦では飛行甲板が全長に渡り使えることで、想像図では中型ヘリコプター5機の駐機スペースだが、限定的とはいえF-35Bの運用も可能になりそうだ

ST MARINE
エンデュランス160の想像図

STマリーンではさらに大型艦の設計案もありステルス戦闘機運用に最適とする。韓国もF-35を独島級強襲揚陸艦で運用を検討しているが、エンデュランス-160/-170より全長で100フィート長く、排水量が4,000トン多いに過ぎない。
F-35の最適選択、機数の決定がシンガポールのJSF評価第一段階で重要だが、中国が南シナ海で一層動きを強める中で事態は緊急度を高めており、RSAF標識をつけたステルス機が十年以内に飛行してもおかしくないと言える。■

Contact the author: jtrevithickpr@gmail.com

2018年1月23日火曜日

シンガポールのエアバスA330 MRTT一号機引き渡し予定が明らかになった


Singapore reveals delivery date for first Airbus tanker

シンガポールがエアバス給油機一号機の引き渡し予定を発表


フランス空軍C-135FRから空中給油を受けるオーストラリア所属のA330 (Airbus Defence and Space)

Defense News By: Mike Yeo 
ンガポールはエアバスディフェンスアンドスペースA330多用途給油輸送機の初号機を今年後半に受領し、同国空軍の創立50周年に合わせる。
 シンガポール国防省の報道発表では9月1日の空軍創設記念日にA330 MRTTが姿を現すという。
 空軍報道官はDefense Newsに機体到着日は未確定だが、期日が近づけば詳細発表できると伝えてきた。
 同機はツールーズ(フランス)で2017年11月に撮影されており、給油仕様改装後の性能評価に入っていた。その時点で同国空軍の指定色の塗装は未実施だった。
 シンガポールはA330 MRTTを6機2014年3月に発注し給油能力の拡充を図る。現在はボーイングKC-135Rストラトフォートレス4機を運用している。各機は米空軍供用後に保管されていた機体を購入したもの。
 シンガポール空軍はロッキード・マーティンC-130B/Hハーキュリーズ輸送機10機のうち5機を給油用にも使用できるよう改装したが現在は給油任務は実施していない。空軍にプローブ方式給油に対応する機材がないためだ。
 引き渡しを待つA330 MRTTはMRTT高性能版仕様で空力特性、機体構造、エイビオニクスで改良を施す。フランスと韓国も同型機を受領する。
 A330 MRTTはシンガポール空軍のみならず陸軍も海外演習で支援することになりそうだ。300名あるいは75千ポンド貨物を輸送、あるいは245千ポンド燃料を補給する能力を発揮する。

 シンガポールは国土が狭いため訓練場所を海外に確保しており、ボーイングF-15SGイーグル、ロッキード・マーティンF-16C/Dファイティングファルコン両戦闘機がオーストラリア、タイ、インドに定期的に展開して訓練している。■

2016年2月17日水曜日

★シンガポール空軍で唯一不足している分野は...戦闘機ではなく....



東南アジアでずば抜けた軍事力を有するシンガポールの空軍力で唯一不足しているのが海上哨戒能力だという指摘で、なんとなくP-8の採用を期待する論調ですが、同国が導入するのはビジネスジェットを改装した機材になるのではないでしょうか。P-1の選択は期待できないでしょうが、商戦には日本も参加すべきでしょう。空軍力というと戦闘機ばかりに目が向かいがちですが、状況に応じてバランスの取れた視点が必要ですね。
---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

Opinion: Singapore Air Force’s Missing Puzzle Piece

Feb 15, 2016 Richard Aboulafia | Aviation Week & Space Technology

http://aviationweek.com/defense/opinion-singapore-air-force-s-missing-puzzle-piece



軍事航空で必要な能力を整備するのは簡単ではない。大部分の国が予算の制約や更新が必要な機材が多数あることで苦労している。シンガポールの場合は独特な能力ギャップがあり短期間で大幅な手を打つ必要がある。
  1. 人口は6百万人に満たず、およそ20マイルx10マイルの島に集中しているシンガポールだが、世界有数の空軍力を保持し、国力以上の威力を発揮できる。シンガポール共和国空軍 (RSAF)はF-15SG60機とF-16C/D40機を保有し、旧型だがF-5も若干数ある。F-35国際開発にSCP安全保障協力国として関与しており、域内でいち早く同機を導入しそうだ。戦闘機には強力な空中早期警戒 (AEW) 能力が裏付けとなる。従来のノースロップ・グラマンE-2Cに代わりガルフストリーム550をもとにした新型機にEltaのEL/W-2085機体一体型AEW装備を積む。
  2. シンガポールは軍の巨大ショッピングモールにたとえられる。しかし同国が強力な軍備を保有するのは理解できる。シンガポールの国民一人当たり所得は米国を上回るが、周囲は裕福でない国ばかりで、政府統治能力は低く、不安定化しやすい。また非政府勢力の脅威も存在する。
  3. この現実の中で防衛上の最優先事項は自国存続の維持だ。現地ではこんな言い方がある。「魚の小骨でも飲み込めば喉に届く」。その結果、近隣のマレーシア、インドネシア他がシンガポールを強力な兵力で制圧する可能性は低い。
  4. だがこの都市国家の軍事力は自国主権の維持の範囲を明らかに超えた威力になっている。シンガポールは小国ながら空中給油能力を有し、KC-135Rの運用実績は数10年にわたる。2014年にはエアバスA330多用途給油輸送機を6機発注しており、機材を更新する。またKC-130給油機も運用中だ。
  5. だがなんといっても世界貿易に大きく依存する同国にとって海洋上の脅威に目を光らせる必要がある。2011年にシンガポールは初の海洋哨戒機(MPA)展開としてフォッカー50を一機38名の人員とともにアデン湾に派遣し、国際海賊対策に参加した。マラッカ海峡でも安全対策を実施している。
  6. 現在フォッカー50ターボプロップMPAは5機あり、ハープーンミサイルまたはユーロトープA244魚雷を搭載する。だが各機は1990年代初頭の取得機材であり、長距離対潜戦の実施には能力不足は否めない。航行の自由の維持に並外れた関心を有するシンガポールでは、防衛装備調達上これは大きなギャップとなる。
  7. 対照的に同国の回転翼MPA機材ははるかに近代的でシコルスキーS-70Bシーホーク6機を2011年に導入しており、2機が今年中に納入される。ただし短距離しかカバーせず、速度も固定翼MPA機材にはかなわない。
  8. このためシンガポールは新型MPAの候補を模索している。選択肢は広く、ビジネスジェットをMPAに改装する案、リージョナル用ターボプロップ機の改装案(ボンバルディアのダッシュ8 Q400がフォッカー50に相当する)もある。また米海軍で使用ずみのロッキード・マーティンP-3Cを購入する案も浮上したが、最新機体でも30年が経過しており、中古機の導入は実現していない。
  9. さらに最新装備がシンガポールの好みであることを考えると、また長距離海上哨戒飛行の安全を考えると、大型ジェット機を元にした機材が候補になる。ここではボーイングのP-8ポセイドンに加え、可能性だけだが川崎重工のP-1四発ジェット機もある。
  10. P-8をシンガポールが発注すれば同機の輸出先が増える。同機は優秀とはいえ、今のところ輸出で成約したのオーストラリアとインドだけだ。これに対しP-3は15か国に輸出されていた。
  11. P-1の選定は可能性が低いが、日本が2014年に武器輸出を解禁して日本産業界に輸出を目指す動きが増えており、まったく排除することはできない。
  12. シンガポールにとってP-8あるいはP-1の選定は非常に整備された域内軍事大国として最後のステップを完了することを意味する。また世界有数の船舶航路をそばに有する同国のプレゼンスを大きく伸ばすことにつながるだろう。■


2014年8月31日日曜日

シンガポール空軍F-15SGの現況 シリアルナンバーで保有機数を推測する


ここまで秘密を守れるとはシンガポールはすごい国ですね。機体番号と資料からシンガポール運用する機数が判明しましたが、さぐりあてた著者にはご苦労様としかいいようがありません。なお、シンガポールもF-35の採用を検討していると言いますが、近隣諸国を見てもF-15SGで当面大丈夫なのではないでしょうか。

Singapore Quietly Expanding Fighter Force

By: Mike Yeo
Published: August 25, 2014 4:02 PM
Updated: August 25, 2014 4:02 PM
シンガポール共和国空軍所属のF-15SGイーグルがオーストラリアのダーウィン空軍基地から離陸。Pitch Black演習(2014年8月)に参加し、GBU-38共用直接攻撃爆弾(JDAM).を投下した。 Mike Yeo Photo

シンガポールが運用するボーイングF-15SGは公称24機だが、実は同型機を32機保有しており、さらに40機に増設する動きがあると判明した。

  1. マラッカ海峡と言う戦略的な立地条件のシンガポールは地域内安全保障で重要な役割を担い、合衆国とは安全保障、国防で密接な関係にある。

  1. 米国務省の国防交易管理局 Directorate of Defense Trade Controls から議会提出ずみの書類(2012年11月26日付)にシンガポールがF-15SGを8機追加発注しており、全24機になるとの記載があった。契約は直接商業販売 Direct Commercial Sales (DCS)でボーイングに発注されており、2011年末までに納入されている。そのうちの一機が2012年のシンガポール航空ショーに展示された。

  1. ショー会場でボーイングのF-15担当副社長(当時)ロジャー・ベサンセネス Roger Besancenez がF-15SGの最終納入は2012年第四四半期と明らかにしており、ボーイングからも同年にF-15が8機国名不詳の相手先に引き渡されたと発表していた。

  1. F-15SGには米空軍と同様のシリアル番号をボーイングの製造番号をもとに表示している。シンガポール空軍のF-15SGは一部マウンテンホーム空軍基地の428戦闘機飛行隊とともにパイロット訓練用に配備されている。その機体にはシリアル番号を尾翼にも記載しているが、シンガポール配備のF-14SGは4ケタで全く違う番号が表示されている。

  1. 2013年10月の写真では05-0025、05-0029 、05-0030 の番号を付けた機体がアイダホ州での演習に参加しているが、同年12月には05-0028、05-0032の機体がアリゾナ州でシンガポール陸空軍が共同で実施した実弾発射演習に参加している。

  1. 一方でシンガポール配備の機体では8331と8332の番号が製造番号を隠した形で視認されている。

  1. また8331の機体がオーストラリアで最近行われた演習に参加しているのをUSNI Newsは目撃している。その機体ではテープが一部はがれ末尾の「26」が確認できた。総合するとシンガポールはすでに32機のF-15SGを導入済みのようだ。
.
  1. 8月5日から6日にかけボーイングは連邦航空局に対して8機分の民間機登録を抹消申請をしており、機体はF-15SGであると説明している。これが追加発注分だとするとシンガポールは国内にF-15SGの第二飛行隊を新設し、ノースロップF-5S/TタイガーII迎撃機と交代させるつもりなのだろう。

  1. シンガポールは軍事関連で秘匿の傾向が強く、F-15を何機保有しているのかさえ口外していない。ボーイングも口を閉ざしている。

  1. サウジアラビア向けF-15SAが引き渡されるまではF-15SAが最高性能のF-15のままで、レイセオン製AN/APG-63(v)3アクティブ電子スキャン方式レーダー、AIM-9Xサイドワインダーミサイル、AIM-120C高性能中距離空対空ミサイルで空中戦を、GBU-10/12ペイブウェーIIレーザー誘導爆弾とGBU-31/38/54共用直接攻撃弾(JDAM)を対地攻撃用に搭載する。またシンガポールはAGM-154共用スタンドオフ兵器も調達済みと広く信じられている。■

2012年2月11日土曜日

防衛装備を充実させるシンガポール



Singapore Seeks Tankers, Tranports, ASW

aviationweek.com Feb 10, 2012

シンガポール空軍(RSAF)向けにエアバスミリタリーが 大きく受注を伸ばす見込み。調達リストには空中給油機、戦略空輸機、対潜固定翼機があり、今後数年にわたり同国が東南アジアで最大の防衛装備購入国にな る。2011年度の国防予算は121億シンガポールドル(96億ドル)で政府予算の26%、同国GDP比5%相当。人口5百万人の同国の一人あたり国防支 出はイスラエル除くと世界トップクラスだ。
  1. シンガポール独立の1965年以来国防は最優先事項であり、同国を創り上げたリー・クアン・ユーは最近の著書「厳しい真実」の中で「強固な国防なくして、シンガポールは存在できない。隣国の衛星国家あるいは弱くおびえる事態に陥るだろう」と述べている。
  2. 新型空中給油機は現有のボーイングKC-135R(4機)の更新用だ。後継機種にはボーイングF-15SG部隊をマウンテンホーム空軍基地(アイダホ州)に海外展開させる際の支援が求められる。
  3. ボー イングKC-46Aが通常なら候補機種に上がるが、ボーイングとしてははすでに米空軍向けKC-46Aを18機納入する責務をかかえており、他国向けに早 期納入を実現の余裕がない。ボーイングはKC-46Aの海外向け納入は一番早くで2018年になりそうだと本誌に語っている。それではシンガポールには遅 すぎる。シンガポール空軍はKC-135Rの保守点検に相当の労力が必要としており、イスラエル航空産業(IAI)による767の給油機転換という選択肢が浮上する。
  4. よく見落としがちだがシンガポールとイスラエルの国防協力は密接で、シンガポールの今後の装備購入ではイスラエル企業が目立つ。
  5. ただし業界筋によると最右翼候補はエアバスミリタリーの多用途給油輸送機(MRTT)だという。オーストラリア空軍のA330MRTTへシンガポール空軍が関心を寄せている。
  6. シンガポールテクノロジーズエアロスペースは政府関連企業で空軍の各機種の保守点検を行なっており、シンガポール航空が 運用するA330の重メンテナンスを実施していることから構造を熟知している。A330MRTTは111トンの燃料を主翼と水平尾翼に搭載し、機体主要部 は人員輸送(380名)に利用する。貨物輸送であれば軍用パレット26基を格納できる。またエアバスミリタリーA400MおよびボーイングC-17にも関 心をよせいているという。
  7. シンガポール空軍が現在運用しているのはロッキード・マーティンC-130H(5機)だが東南アジア域内での運用しかできない。シンガポールが必要とするのは軍事訓練の場所であるオーストラリア、台湾、フランス、米国に人員・貨物を輸送する長距離空輸能力だ。現在はシンガポール航空あるいはアントノフから大型貨物機をチャーターしている。
  8. これ以外に対潜哨戒機(ASW)需要があり、現行フォッカー50哨戒機(9機)の後継機となろう。これは隣国における潜水艦整備が進んできたことへの対応だ。候補としてアレニアATR42MP、ボーイングP-8Aポセイドン、IAI/EltaシステムズボンバルディアQ400改造)がある。
  9. シ ンガポールは日本がロッキード・マーティンF-35共用打撃戦闘機を採択したことを興味深く見ている。米国と密接な軍事関係がある同国だが、事実昨年12 月の海外軍事販売(FMS)に関する議会調査報告によるとシンガポールは2010年に530百万ドル相当のFMS利用で合意しており、世界上位10カ国に 入っている。
  10. さらにシンガポールは艦艇搭載用の小型カタパルト発進型のボーイング製スキャンイーグルUAVに注目しており、海賊対策も装備品調達の大きな動機になっている。


コメント 日本としてはC-2輸送機、P-1対潜哨戒機にも関心を示してもらいたいところですね。特にシンガポールと日本の関係を見てみても。ただし問題はコストでしょうか。