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2021年3月6日土曜日

中国機へのスクランブル対応方針が変更されていた。スクランブル回数は大幅減。浮いた負担分を高度訓練に回す航空自衛隊の対応は正しいと言えるか。

 この方針変更が果たして良いのかわかりませんが、たしかにこのままのペースでは早晩日本側の負担が手に負えなくなるレベルになる器具はありました。中国からすれば日本を消耗させる目的が果たせなくなるのは確実です。それだけ航空自衛隊に中国機の目的、意図が手にとるようにわかる自信があるということでしょうか。なお、スクランブル回数の総量規制などと報じている新聞社もあるようですが、誤解を与えそうな表現ですね。メディアには高い専門性のある軍事記者が必要です。

 

File photo taken in January 2018 shows a Japanese Air Self-Defense Force F-35A stealth fighter at Misawa base in Aomori Prefecture, northeastern Japan. (Kyodo) ==Kyodo

 

 

 

本政府は中国軍機へのスクランブル発進を領空侵犯の恐れが高い機体への対応に限る方針に変更していることがわかった。政府筋が3月2日に明らかにした。

 

今回の方針変更は防衛省が事後対応型をあらため、機材をF-35を使った高度訓練に振り向けるべく先取りの監視体制に切り替える動きの一環。

 

2020年度のスクランブル回数はこの新方針により大幅に減ったが、中国は新型コロナウィルス流行の中でも東シナ海での強硬な主張に変化はないと防衛省は述べている。

 

そもそもスクランブルは相手に軍事力を示威し、領空侵入を抑止するのが目的だ。航空自衛隊はF-35の導入を続けているが、同機はスクランブル対応には不向きである。

 

スクランブル回数が減ったことで、パイロット負担が軽減しているが、運用効率を引き上げるねらいもあるのだろう。空自パイロットはF-35で高度訓練の機会を増やせる。

 

日本政府が尖閣諸島国有化を宣言した2012年9月から中国の東シナ海における軍事活動が強化された。

 

2016年度に中国機へのスクランブル出動は851回だったが、2019年度は675回だった。だが、新方針により2020年度は当初9ヶ月で331回になっており、前年同期から192回減っている。

 

航空自衛隊では領空外に設定した防空識別圏内を飛行する機体の国籍、飛行経路をレーダー基地や早期警戒機が監視している。

 

脅威と判定されればジェット戦闘機が直ちに発進するが、警戒は24時間体制だ。■


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Japan scrambling jets less against China as more F-35 deployment eyed

KYODO NEWS KYODO NEWS - Mar 3, 2021 - 02:06 | All, Japan



2018年10月3日水曜日

★★ロシア機迎撃に投入して露呈したF-22の弱点とは---F-22は迎撃機には不適なのか

米軍もF-22をわざわざロシア機の眼の前に見せることの愚かさはわかっているのですが、機材が不足しているのでしょう。迎撃機としてF-22が決して使いやすい装備ではないことは明らかで、これは現在企画中のPCAと呼ばれる第六世代機でも同じことでしょう。つまり迎撃機と敵地侵攻機は異なるということですね。では日本はなぜF-22に未だに憧れるのか不思議と言えましょう。

 

US F-22s came face-to-face with Russia's top fighter near Alaska and were at a major disadvantage アラスカ付近まで進出したロシア最精鋭戦闘機と遭遇した米F-22が痛感した不利な立場とは



Sep. 13, 2018, 12:41 PM
  • 米ロの精鋭戦闘機がアラスカ近辺で接近遭遇したが、本当の開戦ならロシアが優位性を享受していたはずだ
  • 米F-22は兵装を搭載せずステルスだけが武器で、ロシアの高性能戦闘機とまともに対決していたら不利な立場に追いやられていただろう
  • 交戦規則の制約で米側が第一撃を受けやすい弱点がある

ラスカに接近してきたロシアTu-95核運用爆撃機とSu-35戦闘機の編隊を米F-22編隊が9月25日に迎撃したが、あらためて米精鋭戦闘機の弱みを露呈した格好となった。
F-22は驚くほどのアクロバット性能を空で発揮し、全アスペクトのステルス性能により敵も遠距離で探知が難しく米軍で最大の威力を誇る戦闘機であることに変わりはない。
F-35は空のクォータバックとしてドッグファイト、地上空爆、情報収集、偵察まで一機でこなすが、F-22は一つの仕事だけに特化している。空対空戦だ。
迎撃では領空侵犯機の横に付き、無線交信で「引き返せ、さもないと大変なことになるぞ」と伝える。
この際に主翼を傾け主翼下の満載のミサイルを領空侵犯機に視認させるのが通常だ。だがF-22はこれができない。ステルス機能のためF-22はミサイル、爆弾は全部機内に搭載するためだ。
米領空あるいは米軍が守る領空に侵入するパイロットはF-22が武装しているかわからない。ロシアのSu-35はF-22を上回るミサイルを搭載し誰が見てもわかるように見せびらかす。
通常の迎撃行動がエスカレートし本当の機動飛行になればF-22は大きく不利なまま戦闘を開始することになる。

ステルスの特性をわざわざ殺すのか

Sukhoi su-35Su-35が2013年パリ航空ショーで見せたアクロバティック操縦の合成写真。パイロットはセルゲイ・ボグダン。M0tty via Wikimedia Commons
もし今回のような迎撃行動中に本当の戦闘が始まれば、ロシア機パイロットはF-22を視野に入れた状態で大いに有利になる。さらにSu-35の操縦性能はF-22を上回る。
デイヴィッド・「チップ」・バーク中佐(退役)は米海兵隊でF-22とF-35両機の操縦経験がある唯一ノパいいロットで、F-22では敵側機と「戦闘に入るのが目的ではない」とし、F-22が本来持つステルス性能でドッグファイトそのものを回避することが狙いとBusienss Insiderに語っていた。
Su-35の旋回性能が優れミサイル搭載本数が多いからと言ってもそのままドッグファイトの勝利が保証されているわけではない。F-22の性能と空軍トップレベルのパイロットの技量が空戦で勝利をおさめるのは確実だろう。
王立合同軍事研究所で空軍力の専門家、ジャスティン・ブロンクはF-22含む第5世代戦闘機は兵装が機内搭載でステルスに頼り、F-35は迎撃には「必要ではない」とし「その他の安価な迎撃機に仕事をさせるべき」とBusiness Insiderに語っていた。

本当のリスクとは

米側が米領空付近まで進出するロシア機を迎撃する機会が増えており、安全かつプロとして取り扱うのが通例だ。米国とロシアは相違点が多々ありウクライナ、シリアを巡る対立から緊張が増えてきているが、世界の二大核大国が直接軍事衝突するとなれば軽々しく決断できない。
シリアでは米ロ軍用機がそれぞれ近接空域で飛行しており、両国は対立回避用に通信回線で他方に自軍機の接近を事前に教えるて戦闘を回避している。
米空軍がF-22にそもそも期待したのは的に探知されずに長距離から敵を抹殺する性能であり、わざわざ姿を相手に見せる迎撃に投入すれば不利になるのは当然と言える。

ブロンクはBusiness Insider にこのためF-15の方が迎撃に適すると語っている。