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三菱重工業(MHI)が建造した「もがみ」級FFMの7番艦「によど」は引き渡し式と自衛艦旗授与式を2025年5月21日終えた。これにより同艦が、海上自衛隊に正式に就役した。
「によど」は、広島県の呉基地に司令部を置く第12護衛隊に編入された。 もがみ級フリゲート艦の呉への配備はこれが初めて。
最も注目すべきは、「によど」がMk41垂直発射システム(VLS)を搭載した最初の「もがみ」級フリゲートとなったことだ。同クラスの最初の6隻には、後日VLSが装備される。
防衛省は2021年度補正予算で、「もがみ」クラスの8番艦であるJS「によど」とJS「ゆうべつ」に装備される最初の2基のVLSの取得に84億円(5800万ドル)を計上した。
防衛省はまた、2023年度予算で、もがみクラスの残り10隻のためのMk 41 VLSとその他の装備品の取得のために、787億円(5億4400万ドル)を確保している。この10基のVLSのうち、3基が2025年度、4基が2027年度、3基が2028年度に防衛省に引き渡される予定であることが、Naval Newsが入手した防衛省の文書からわかった。
海上自衛隊の広報担当者はNaval Newsに対し、7番艦と8番艦以降のFFMはすべて、すでに兵器システムが搭載された状態で就役することを確認した。
日本の南西部、四国地方に位置する仁淀川にちなんで名付けられた「によど」は、2023年9月26日に三菱重工が長崎で進水させた。
当初は、2025年3月31日に終了する2024年度に稼働する予定だった。 しかし、海上自衛隊の広報担当者によると、「によど号」の就役は、コロナウィルスのパンデミックと半導体の納入の遅れのために延期されたという。
FFM(別名30FFM、旧称30DX)は、海上自衛隊のために設計された次世代マルチミッションフリゲートである。海上自衛隊向けには合計12隻のフリゲート艦が調達される予定である。
このクラスの建造を担当する造船所は、長崎にある三菱重工と、岡山にある子会社の三菱重工海上システムズの2社である。
海上自衛隊とMHIによると、コンパクトでステルス性の高い船型を備えたJS「によど」は、2022年3月に発注された契約に基づき、約474億円(3億2700万ドル)で建造された。 他のクラスと同様、3,900トン級の同船は乗組員数約90人、幅16.3メートル、船体吃水9メートル。
2基のMAN 12V28/33D STCディーゼルエンジンと1基のロールス・ロイス製MT30ガスタービンを搭載したディーゼル・ガス複合(CODAG)推進システムにより、「もがみ」クラスの最高速力は30ノットを超える。 もがみ級は、海上自衛隊の艦船に初めてCODAGシステムが搭載されたことを意味する。
FFMには以下のような様々な武器やシステムが搭載される:
BAEシステムズ社製5インチ(127mm)62口径Mk45 Mod4艦砲システム×1基
日本製鋼所製12.7mm遠隔兵器システム×2基
Mk.41 VLS(16セル)
レイセオン製シーラム×1
三菱重工17式地対艦誘導弾(SSM-2)4連装発射管×2基
三菱電機OPY-2多機能レーダー
三菱電機OAX-3EO/IRセンサー
日立OQQ-11対機雷ソナー
NEC OQQ-25 対潜ソナー(VDS/TASS)
機雷対策用UUV(三菱重工製OZZ-5)およびUSV(JMUディフェンスシステムズ製
水雷戦用の爆雷
新しいFFM計画
海上自衛隊は、2024年から2028年までに12隻の新型FFMを取得する計画である。 これらの新型FFMの最初の1隻は2028年度に就役する予定であり、建造が順調に進めば、2032年度末までに12隻すべてが就役することになる。
新型フリゲート艦は基本的に、三菱重工が提案した設計で建造される「もがみ」級の改良型となる。
画期的な動きとして、オーストラリア政府は、オーストラリア海軍(RAN)の将来の汎用フリゲート艦を建造するため、スペインや韓国の候補者を抑えて、日本の三菱重工とドイツのティッセンクルップ・マリン・システムズ(TKMS)を最終候補に挙げた。 三菱重工はアルバニア政府に新型FFM(もがみ級改良型フリゲート)を売り込み、TKMSはMEKO A-200の設計を提案している。
さらに、昨年11月、日本とインドは、現在「もがみ」級に使用されている先進的な統合ステルス・アンテナ・システムをインドに輸出する計画に関する実施覚書(MOI)に調印した。■
Japan Commissions Seventh Mogami-class Frigate ‘Niyodo’ 「によど」
Published on 21/05/2025
By Kosuke Takahashi
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高橋幸助
日本在住の防衛ライター。 Janes Defence Weekly、Jane's Navy International、Monch Publishingなどで執筆。 ハフポスト日本版の元編集長で、朝日新聞とブルームバーグの元スタッフライター。 1993年慶應義塾大学経済学部卒業。 朝日新聞社、ダウ・ジョーンズを経て、コロンビア大学ジャーナリズム・スクールおよび国際公共問題大学院(SIPA)に留学し、2004年にジャーナリズム修士号および国際問題修士号を取得。 1993年に朝日新聞に記者として入社する以前は、ボルチモア経済開発公社で川崎市の姉妹都市プログラムへの交換研修生として勤務し、日米間の貿易問題を調査した。 1988年にはその功績によりボルチモア名誉市民権を授与された。
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