衛星画像 ©2025 Maxar Technologies
北朝鮮は、被災したチェ・ヒョン級フリゲート艦を修理するため非常に疑わしいスケジュールを宣言している
独裁者金正恩が出席した進水式での恥ずかしい失態の翌日、北朝鮮当局は5,000トンのフリゲート艦を修理しようとしている。同艦は、崇津造船所で海中に滑り込み、横転し一部が水没したこの事件について。金正恩が「犯罪行為」と呼んだ。
本誌が入手した新しい衛星写真では、チェ・ヒョン級フリゲート艦の2番艦はブルーシートで覆われたままだが、造船所のドックに2本の鉄製ケーブルが接続されている。
「ケーブルは、さらなる移動や回転を防ぎ、構造上の安全を確保するために、一時的に係留、緊張、安定させるためのものと思われる」と戦略国際問題研究所(CSIS)の画像分析担当アソシエイト・フェロージェニファー・ジュンは語った。「北朝鮮は、浸水した画室から海水を汲み上げる必要があると述べているが、それによって艦のバランスも変化するため、何らかの安定化サポートが必要になる」。
災難の後に現れた名称不明の船。 (衛星画像 ©2025 Maxar Technologies)Wood,Stephen
北朝鮮のKCNA通信は金曜日に「専門家は、浸水した区画から海水をくみ上げ、艦首をスリップウェイから離脱させることで艦のバランスを保つのに2~3日、艦側面を回復させるのに10数日かかると推定している」と、報じた。
北朝鮮当局者も艦の状態について楽観的な見方を示した。
「艦の水中と内部を詳細に検査した結果、当初発表とは異なり、軍艦の船底に穴は開いておらず、船体の右舷に傷があり、救助水路を通って船尾部分に一定量の海水が流入していることが確認された」と当局者は主張している。「損傷の程度は深刻ではなく、事故直後の浸水過程の結果は、実際的な復旧措置を取るために必要な情報に過ぎない。上記のデータは、事故の原因や責任の所在の特定とは無関係である」。
本誌は、同艦の状態に関する北朝鮮の主張を独自に検証できないが、彼らが被害を軽視しようとするのは驚くべきことではない。 ワシントンを拠点とし、北朝鮮の造船を注視しているシンクタンクは、平壌が表明している復旧スケジュールに疑問を呈している。
戦略国際問題研究所(CSIS)のジェニファー・ジュンは、「現地に行かなければはっきりしたことは言えないが、艦が大きく傾き、一部水没していることを考えれば、10日間の見積もりには懐疑的」と語った。 「また、艦は部分的に浸水しており、船着場のインフラも損傷している可能性が高い。 仮に北朝鮮が『10数日』以内に船を修理できたとしても、本来の能力を取り戻すにはそれ以上の時間がかかることはほぼ間違いない。また、政治的な利害関係を考えれば、を金正恩に報告する責任者は、被害の程度を軽視する強い動機を持っていることも、言及しないわけにはいかないだろう」。
前回の報道で述べたように、この事故はフリゲート艦が岸壁から横付けされたときに起きた。北朝鮮はこれまで、まず艦尾からを着水させるスリップウェイを使ってきた。CSISのプロジェクトであるBeyond Parallelは、5月22日収集された衛星画像に基づき、何が起こった可能性があったかについて詳細な分析を行った。 詳しくはこちらをご覧いただきたい。
CSISによる衛星画像の分析。 CSIS/Beyond Parallel/Airbus DS 2025
新しい画像は、転覆の原因に関するCSISの評価を変えるものではない、とジュンは金曜日に本誌に語った。「今日のMaxarとPlanetの新しい画像を見ると、現時点での我々の分析を変えるものではない」と彼女は説明した。「回収作業は進行中で、サポートするため(小型)支援船多数が投入されている。艦尾はまだ水中にあり、艦は昨日から動いていないようだ」。
被害程度を軽視することに加え、北朝鮮当局は、何が起きたのか調査が進行中であるとも述べた。
「党中央軍事委員会は調査グループに、決して起きてはならない、許されない事故の原因とその責任者を調査し、明らかにするよう指示した」とKCNA通信は金曜日に報じた。「軍艦の状態がいかによくなっても、事故が許されざる犯罪行為であることに変わりはなく、その責任者は決して犯罪の責任を逃れることはできない。この事故を重大な問題とするのは、軍艦の損傷や経済的損失が理由ではない。 そうすることで、あらゆる分野に蔓延する無自覚、無責任、非科学的な経験主義的態度に一石を投じ、警鐘を鳴らすことを目的としている」。
調査の一環で、崇津造船所のホン・キルホ所長は "5月22日に法執行機関に召喚された"。
事件後、北朝鮮は、金正恩のコメントを含め、何が起こったかを発表するという極めて異例の動きを見せた。
KCNAは昨日、「金正恩委員長は、今回の事故は重大な事故であり、絶対的な不注意と無責任による犯罪行為であり......許されるものではない、と厳しい評価を下した」と報じた。
金委員長は、責任があると判断された幹部は6月の党中央委員会全体会議で処分されるだろうと述べた。 これは北朝鮮の与党である労働党の高官会議である。
同時に金委員長は、来月の会議までにフリゲート艦を復旧させるよう求めた。
艦艇の復旧スケジュールに関する北朝鮮の評価と同様、修理が大規模になる可能性が高いことを考えると、この主張は極めて疑わしい。
衛星画像が利用できるため、ブルーシートで覆い隠そうとする奇妙な試みもあるものの、同艦の物質的な状態や復旧・修復作業の進捗状況を北朝鮮が隠すのは難しいだろう。今後も動向を注視していきたい。■
Partially Sunk North Korean Frigate Recovery Effort Seen Underway In Satellite Image
North Korea has proclaimed highly dubious timelines to right and repair the stricken Choi Hyun class frigate.
Published May 23, 2025 4:32 PM EDT
ハワード・アルトマン
シニア・スタッフ・ライター
The War Zoneのシニア・スタッフ・ライターで、Military Timesの元シニア・マネージング・エディター。 以前はTampa Bay Timesのシニアライターとして軍事問題を担当。 Yahoo News、RealClearDefense、Air Force Timesなど様々な出版物に寄稿。
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