2025年1月31日金曜日

F-35がAI対応ドローン・コントローラー能力の実証に成功(The War Zone)―有人機による無人機編隊の統制機能で開発が進展しており、F-35の存在が重要になるというロッキードにとって好都合の記事ですね。

 



  

Lockheed Martin


F-35とF-22のパイロットが共同戦闘機他のドローンを制御する新たな能力が生まれる


ッキード・マーティンによると、ステルスF-35統合打撃戦闘機は現在、人工知能対応システムの助けを借り、米空軍の将来の連携戦闘機(CCA)のような高度な無人機の飛行中の「クォーターバック」として機能する能力を実証しているという。同社のテストでは、タッチスクリーンタブレットのようなデバイスで、F-35やF-22ラプターのコックピットから無人航空機編隊を同時にコントロールするための実用的なインターフェースであることも示されているという。米空軍にとって、乗員付き航空機のパイロットが作戦中にどのようにCCAを管理するかが重要な問題として浮上している。

 F-35とF-22に関連する乗員-非乗員チーム編成の開発に関する詳細は、ロッキード・マーティンが昨日発表したプレスリリースに含まれており、2024年における同社の各種成果をまとめている。

 F-35は「米空軍の将来の共同戦闘機の艦隊を含むドローンを制御する能力を持っています。ロッキード・マーティンと業界パートナーは、将来のF-35飛行試験用に構築されたハードウェアとソフトウェア・アーキテクチャを利用して、飛行中のドローンを制御するAI技術のシームレスな統合を含むエンドツーエンドの接続性を実証しました」とプレスリリースは述べている。「これらのAI対応アーキテクチャにより、ロッキード・マーティンは、パイロットドローンチーミング能力を証明するだけでなく、それらを段階的に改善し、米空軍のシステムファミリーのビジョンを実現することができます」。

 「ロッキード・マーティンは、F-35またはF-22のコックピットから複数のドローンを制御可能なドローン向けチーミングインターフェースを実証しました」。「この技術は、パイロットが第5世代航空機のコックピットでタッチスクリーンタブレットから複数のドローンを指示し、敵と交戦することを可能にします」。


ボーイングMQ-28ゴーストバットと一緒に飛ぶF-22ラプターステルス戦闘機を描いた米空軍の画像。 アメリカ空軍 F-22ラプターと一緒に飛行するMQ-28ゴーストバットを描いたアメリカ空軍のイメージ。 アメリカ空軍


 プレスリリースはまた、ロッキード・マーティンの有名なスカンクワークス先端プロジェクト部門が、アイオワ大学のオペレーター・パフォーマンス研究所(OPL)と共同してサロゲート・プラットフォームで行った、乗員・非乗員のチーム化作業にも焦点を当てている。OPLは米軍だけでなくシールドAI含む他企業とも協力し、高度な自律性とドローン開発の取り組みを支援している。

 2024年11月、ロッキード・マーティンは、L-39アルバトロス・ジェットに乗った人間コントローラーがタッチスクリーン・インターフェイスで、代理ドローンとして機能するAI対応飛行技術を搭載した2機のL-29デルフィン・ジェットに命令し、模擬敵戦闘機と交戦させるテストをOPLと実施した。これは、同社が現在F-35で実証しようとする制御アーキテクチャに非常に似ているようだ。


L-39ジェットの後部座席で、ドローンに模したL-29えh指令を出す「バトル・マネージャー」。 ロッキード・マーティン


空軍のCCAプログラムに関しては、この取り組みは現在、反復開発サイクルを中心に構成されており、アンドリルAndurilとジェネラル・アトミックスGeneral Atomicsがインクリメント1と呼ばれる開発サイクルのもと、ドローンを開発している。その他請負業者数十社は、自律技術や制御システムを含む補助的な開発に取り組んでいる。空軍はまだインクリメント2の要件を絞り込んでいる段階だが、より能力の高い無搭乗機の設計を求める傾向が強まり、コストも上昇する見込みだ。ロッキード・マーティンは昨年、インクリメント1で非常にステルス性の高い「金メッキ」ドローンを売り込んだが、それ以降は低コストで消耗品設計に焦点を絞っていると述べている。


ジェネラル・アトミクス(上)とアンドゥリル(下)がCCAプログラムのインクリメント1の一環で開発中のドローンの模型。 ジェネラル・アトミクス/ジェイミー・ハンター


空軍関係者によると、同軍は最終的にインクリメント1のCCAを100機から150機、すべてのプログラム・インクリメントで数千機のドローンを購入する可能性があるという。F-35はまた、無人偵察機で予想される最初の有人機として特定されている。ロッキードのスカンク・ワークスは、CCAコンセプトが公的に成文化される以前から、友人無人機のチーム編成に関する構想を明らかにしていた。

 空軍はまた、CCAドローンを作戦的に使用する新しい作戦概念や戦術、技術、手順を編成しようとしている。ドローンがどのように空軍の戦力構造に適合し、日常的な訓練やその他の平時活動で活用されるのか、またメンテナンスやロジスティクスはどうなるのかも、まだ見えていない。飛行中の指揮統制に関する疑問は、近い将来に答えを出すべき特に重要なものとして浮上している。

 フランク・ケンドール空軍長官は、昨年9月に開催された航空宇宙軍協会(AFA)の年次総会で、本紙含む記者団に語った。「我々は今、もっと大きな数を話している。航空優勢を達成し、他のミッションを行うために、乗組員のいるプラットフォームと協力して、乗組員のいない航空機への依存度を高める方向に進んでいる。

「CCAを使用し、武装させ、......殺傷力を持たせるのであれば、厳重に管理しなければならない。そして、その要素のひとつが、安全で信頼性の高い見通し通信で重要だと思う。航空機が無制御のまま出撃して交戦する事態は避けたい」と空軍の文民トップは付け加えた。「通信が途絶えた場合、デフォルトで基地に戻ることになり、戦闘から離脱することになる。そうなってほしくない。そして、戦闘に参加するときは、厳重な管理下に置きたい。だから、有人機と無人機を混在させるのが、当面の正解だと思う」。

 ロッキード・マーチンがタブレットベースのコントロール・インターフェースに関する研究を宣伝しているように、現在、パイロットがコックピットから物理的に命令を出したり、ドローンを管理する方法について、重要な議論が行われている。


ジェネラル・アトミクスが公開したタブレット型デバイスのドローン制御システム。 GA-ASI


 「空軍内部でも、(他の航空機からドローンを制御する)正しい方法については、さまざまな意見があります」と、当時スカンクワークスのトップだったジョン・クラークも、2024年9月のAFAの集まりで、本誌などに語っている。「しかし、普遍的な考えとしては、タブレットやその他のタッチベースのインターフェースが、実験を開始する最も早い方法かもしれません。ただし、最終的な状態ではないかもしれない。

 「負担を最小限に抑えるオプションとしてタブレットさえ廃止したものに取り組んでいます」 とクラークは付け加えた。

 「航空戦闘司令部とは、タブレットから始まりました...空軍には控えめながらコントロールを確保したいという考えがありました」と、ジェネラル・アトミクスのアドバンスド・プログラム担当副社長マイケル・アトウッドは、2024年にThe Mergeポッドキャストに出演した際に語っていた。「タブレットを搭載したジェット機で飛行したことがありますが操縦は本当に大変だった。ましてや、機内の兵器システムを操作しながら、別のことを空間的、時間的に考えるのは」。

 F-35のコックピットには、先進的なワイドエリア・デジタル・タッチスクリーン・ディスプレイが搭載されている。F-35のテクノロジー・リフレッシュ-3(TR-3)コンフィギュレーションは、来るべきブロック4のアップグレードをサポートするソフトウェアとハードウェアのバックボーンを提供するもので、強化されたパノラマ・コックピット・ディスプレイも含まれる。レイセオン(現在の正式名称はRTX)の一部門であるコリンズ・エアロスペースは昨年、以下のような派手なCGビデオを公開した。これには、F-35のコックピット内ディスプレイがこの目的に使用されることも含まれていた。タブレットのようなデバイスを使った指令発信の様子も描かれている。



近くのドローンに指令を出すためにF-35のコックピット内ディスプレイが使用されていることを示すコリンズ・エアロスペースのビデオのスクリーンキャプチャー。 


さらに、CCAや同様のドローンを含む作戦をサポートするため、またF-35やF-22が空中管制官の役割で効果的に運用するために必要となる安全な通信アーキテクチャについては、まだ多くの疑問がある。F-35は、この目的のために一般的な無指向性のリンク16ネットワークを使用できるが、これにより対戦相手は同機とドローンを探知しやすくなる。長い間、リンク16によるデータの送受信しかできなかったF-22も、同様の問題に直面している。

 JSFとラプターは、それぞれ多機能アドバンスド・データリンク(MADL)と飛行中データリンク(IFDL)という、特殊な指向性の低迎撃確率/低検知確率(LPI/LPD)データリンクを搭載している。しかし、MADLはIFDLと「会話」ができず、その逆もまた然りで、どちらも他のリンクと直接通信することはできない。ロッキード・マーティンと米軍は近年、MADLとIFDLの間、およびこれらのリンクと他のリンク(他の乗員・非乗員の航空機に搭載された通信ゲートウェイノードを経由したものを含む)の間で「翻訳」する方法を集中研究している。いずれにせよ、ドローン自体にMADLやIFDLを装備することで、高度に安全で妨害耐性のあるコマンド・リンクを直接結ぶことが可能になる。例えば、XQ-58がMADLを装備しているのを試験中に見たことがある。ドローンをトランスレーターや再ブロードキャスト・ノードとして使用することも同様に機能する可能性がある。



IFDLとMADL間の一般機能を説明するブリーフィングスライド。 DARPA


ともあれ、ロッキード・マーティンがこの議論においてF-35(およびF-22)を中心に据えたことは、次世代航空支配(NGAD)構想の一環となる乗員付きの新型第6世代ステルス戦闘機の計画をめぐり不確実性が生じていることを考えると、興味深いことでもある。NGADはCCAプログラムも含む。空中のドローンコントローラーとして行動することは、NGAD戦闘機の重要な役割として長く想定されてきた。さまざまな代替案が評価されたが、その中にはF-35の後続機として、ドローンの制御任務に主眼を置いた、大幅に縮小されたコンセプトも含まれている。空軍はまた、F-22を退役させる時期も前回の発表を別途撤回した。

 はCCA計画や将来のステルス・タンカー計画など、空軍の最優先計画の各種プログラムの予算について深刻な懸念が広がる中で、NGAD戦闘機をどう進めるか、あるいは進めないかを決定する任務を担うのはドナルド・トランプ政権だ。空軍は以前、特にセンチネル大陸間弾道ミサイル計画の費用が膨れ上がっていることが、NGAD戦闘機計画の見直しを決定する重要な要因になったと述べている。

 特にF-35にドローンコントローラーの役割を果たす能力を拡張することは、空軍のCCAプログラム以外にも影響を及ぼす可能性がある。空軍と海軍は将来の作戦中にCCAとそれぞれの軍に属する他のドローンの制御をシームレスに交換できるシステムで協力している。米海兵隊は、クレイトスXQ-58ヴァルキリーの実験を通じて、独自の忠実なウイングマン型ドローンを追求しているが、空軍のCCAプログラムとも正式につながっている。 この3軍はすべて、統合打撃戦闘機を飛ばしている。

 米軍が、少なくとも10年近く前から、戦術ジェット機が空中でドローンを能動的に制御する能力を公に実証してきたことも、ここで注目に値する。2015年には、米海兵隊のAV-8Bハリアー・ジャンプジェットが、クレイトスの無人戦術空中プラットフォーム-22(UTAP-22)ドローンと「戦術データリンクを介したコマンド&コントロール」含むテストで一緒に飛行させていた。それ以来、米軍全体で他の実験が行われたことが知られており、機密領域での追加作業が別にあってもおかしくない。

 CCAのインクリメント2段階には、同盟国やパートナーも含まれる可能性がある。高度な制御アーキテクチャを必要とする同様のドローン開発をすでに進めている国もある。制御アーキテクチャの共通化は、特に将来の連合作戦において、運用上のメリットをもたらすだけでなく、開発を加速させ、コスト負担を分散させるのに役立つ。米国、英国、豪州の3カ国が、自律型技術や関連開発を含む非搭乗員能力に関して明確な協力と連携を行うことは、3カ国間のAUKUS安全保障パートナーシップでの特筆すべき要素である。

 ロッキード・マーチンの昨日のプレスリリースによると、「2025年に向け、特にドローンとF-22およびF-35の実飛行テストとの統合を進め、短期間で実行に移せる迅速なテストと学習の実現に重点を置き、緊急に作業が続けられている。「これらの能力は、アメリカとその同盟国が、将来の防衛作戦で進化する要求に迅速に適応する柔軟で拡張可能な技術を実装し、アメリカの空の優位性を確保し、準備万端な状況の維持を保証するものです」。

 F-35は空軍のCCAなど無人機にとって重要な存在になりそうだ。■


F-35 AI-Enabled Drone Controller Capability Successfully Demonstrated


The F-35, along with the F-22, are gaining new capabilities to help pilots control Collaborative Combat Aircraft and other drones.


https://www.twz.com/land/north-korean-rocket-launcher-disguised-as-civilian-truck-may-just-have-appeared-in-kursk



米海兵隊と日本軍が西南日本でアイアン・フィスト演習を実施(USNI News)―沖縄県知事が安全保障上の難関になっています。地方選挙で示されたように住民の賛同をもはや得られくなっているのですが

 


防衛省





海兵隊と陸上自衛隊が日本の南西諸島で二国間演習に参加すると、日本政府関係者が金曜日発表した。

 陸上自衛隊の発表によると、第3海兵遠征軍と陸上自衛隊は2月19日から3月7日まで沖縄と九州で訓練を行う。同時に、中谷元・防衛相は水曜日、防衛省は南西諸島の防衛力を強化し、地対空ミサイル部隊の最終的な配備を支援するためのインフラを整備すると述べた。

 リリースによると、アイアン・フィスト25は水陸両用作戦と日米陸上部隊間の協力関係の改善に重点を置く。

 日本が拠点の第31海兵遠征隊が海兵隊の主力部隊として訓練に参加する一方、陸上自衛隊の部隊には水陸機動旅団(ARDB)、第1ヘリコプター旅団、西部方面隊の部隊が含まれる。

 訓練に参加する艦船は、米海軍からは水陸両用強襲揚陸艦USSアメリカ(LHA-6)、水陸両用ドック揚陸艦USSラシュモア(LSD-47)、水陸両用輸送ドック艦USSサンディエゴ(LPD-22)、海上自衛隊から戦車揚陸艦JSくにさき(LST-4003)、掃海艇JSあわじ(MSO-304)、JSちちじま(MSC-605)が参加する。

 演習地域は、九州本島の陸上自衛隊佐世保キャンプ相の浦と熊本陸上自衛隊高遊原分屯地、沖縄のキャンプ・ハンセンとキンブルービーチ演習場、沖縄と九州本島の間にある南西諸島の沖永良部島などだ。

 日本の防衛省は金曜日のリリースで、沖縄周辺での活動を減らすために沖縄以外で軍事訓練を行うという2016年の日米合意の一環として、普天間海兵隊航空基地(MCAS)を拠点とする海兵隊航空機群36(MAG-36)所属のMV-22Bオスプレイ4機が、訓練のため2月19日から3月7日まで相之浦駐屯地に移動すると発表した。

 2023年までのアイアン・フィスト演習はカリフォーニアで行われていたが、その後は日本の南西諸島に移った。近年この地域は、日本が領有権を有する尖閣諸島への中国の主張や、台湾封鎖を模擬した訓練の実施に中国が力を入れていることから、日本にとって懸念事項となっている。人民解放軍海軍の艦船や中国軍用機や無人航空機は、東シナ海を出たり入ったりする際に、日本の南西地域周辺の国際水域や空域を日常的に通過している。

 一方日本は、レーダー、地対地対艦ミサイル、地対空ミサイルを装備した部隊をこの地域の離島に配備し、この地域における軍事的プレゼンスを高めている。沖縄を除くと、各地の地方自治体はこのような努力におおむね協力的であり、防衛省は国民の支持を確保するために、定期的にこの地域の自治体関係者や市民に対して、計画や活動に関する説明会や働きかけを行っている。

 水曜日に与那国島で行われた記者会見で、中谷元防衛大臣は、石垣島、与那国島、竹富島、波照間島への2日間の訪問は、石垣島と与那国島の駐留部隊への訪問を含み、現地部隊の状況や地域の状況を知るためであったと述べた。

 中谷防衛相は、自衛隊関係者と話すとともに、竹富町の副町長から、脅威が発生した場合の島民の避難計画について説明を受け、竹富島と波照間島も訪れ、島外避難の拠点となる空港や港を確認したと付け加えた。

 中谷防衛大臣は、南西諸島への部隊配備は円滑に進んでいると述べ、与那国島への地対空ミサイル部隊配備を支援するためのインフラ整備を進めるとともに、同地域の回復力を向上させるよう努力すると述べた。

台湾の東68マイルに位置する与那国島は、日本の南西諸島と、日本が保有し中国が領有権を主張する尖閣諸島の防衛計画における重要な地域と認識されている。同島には現在、レーダーサイトと電子戦部隊があり、昨年8月には米海兵隊第12海兵連隊がAN/TPS-80陸上/航空任務指向レーダー(TPS-80)システムを島に一時配備した。

 また中谷防衛相は日本政府は沖縄県、先島諸島の5市町村、九州の各県、山口県と協力し、離島地域からの避難手順を卓上訓練で確認・明確化し、避難先での避難者の受け入れ体制を検討していると述べた。また、与那国町、石垣市、宮古島市における特定一時避難施設整備費補助金について、防衛省は2025年度予算案に必要経費を盛り込んだと付け加えた。■


U.S. Marines, Japanese Forces to Drill in Southwestern Japan in Iron Fist Exercise

Dzirhan Mahadzir

January 24, 2025 1:30 PM

https://news.usni.org/2025/01/24/u-s-marines-japanese-forces-to-drill-in-southwestern-japan-in-iron-fist-exercise


空母が時代遅れと断言するのは時期尚早だ(19fortyfive)―空母の価値を巡り、米国で賛否両論が入り乱れていますが、有益なアセットとする見方が多数派であることは確かです



Aircraft Carrier U.S. Navy

(2013年10月19日)日没時に航行中の空母ハリー・S・トルーマン(CVN 75)。 ハリー・S・トルーマン空母打撃群の旗艦であるハリー・S・トルーマンは、米第5艦隊の担当区域に配備され、海上安全保障作戦を実施し、戦域安全保障協力活動を支援し、不朽の自由作戦を支援している。 (米海軍撮影:Mike DiMestico 2等兵/リリース)


空母艦は誕生から100年余りを経たが、現代において最も回復力のある兵器のひとつである。全長1,000フィート以上、原子力動力、70機以上の航空機を搭載する空母は、存在感、多用途性、火力において比類ない存在だ。

 あらゆる兵器システムと同様、空母もいつかは時代遅れになるだろうが、それはすぐには起こりそうにない。


空母の歴史

1922年、世界初の専用空母「鳳翔」が日本海軍に就役した。それまでにも航空機を運用していた海軍艦艇はあったが、航空母艦として建造されたのは鳳翔が初めてだ。

 鳳翔の建造は、日本海軍が海軍航空に未来があると、少なくとも全長552フィートの軍艦の建造を正当化するに足る未来があると信じていたことを示すものであった。

 鳳翔は、空母の古典的な特徴をすべて備えていた。飛行作戦を指揮するための隆起したアイランド、着陸機を回収するアレスティング・ギア、航空機を保管・整備するための巨大な格納庫、格納庫から航空機や兵器を上部に運ぶためのエレベーターなどがあった。そして何よりも重要なのは、飛行場の滑走路を模した、艦首から艦尾まで伸びた平らな飛行甲板だった。

 このシンプルな機能セットが、空母の次の世紀以降の将来を保証した。1920年代には、鳳翔、英海軍のアーガス、米海軍のラングレーなどの空母は、複葉戦闘機と偵察機を装備していた。これは、戦艦や巡洋艦が決戦に臨めるよう、航空機を使って敵の主力艦隊を探し、広大な海域を捜索する、艦隊偵察機としての空母に対する一般的な姿勢を反映したものであった。

 第二次世界大戦の頃には、空母は魚雷投下機や急降下爆撃機も加え、水上艦船や陸上目標に対する火力を高めていた。


空母の特徴 射程距離からの攻撃

空母の艦載機の有効距離は数百マイルに達し、最大級の艦載砲の射程距離を凌駕した。つまり、空母は戦艦よりもはるかに遠距離で戦うことができ、敵の火砲の射程内に身を置くことなく、より大きな火力を敵にぶつけることができ、より内陸の目標を攻撃することができたのである。

 1930年代には、空母が海軍の支配的プラットフォームとして戦艦を凌駕したことは、壁にはっきりと書かれていた。1942年6月のミッドウェー海戦では、ほぼすべてが空母で戦われ、真珠湾での米海軍戦艦の損失は結局のところ無意味で、フラットトップの時代が到来したことを確認した。

なぜ空母が嫌われるのか? 空母は適応能力がある

空母がトップに上り詰めると、その終焉が繰り返し予言された。たった1発の核兵器で空母は沈む。ジェットエンジンは爆撃機がより速く空母に接近できることを意味し、空母の防御反応時間を短縮した。誘導ミサイルは空母への攻撃をより正確にした。

 そのたびに、空母は脅威を吸収し、それを武器庫の一部とすることで、その能力を高めていった。空母は原子力に移行し、攻撃を回避する能力を高め、航空機搭載弾薬のリストに核兵器を加えた。プロペラ機はジェット機に取って代わられ、空母は航空機搭載の誘導弾を実戦配備した。

 このような吸収と適応の能力が空母の航空機を発進させ回収するための大きくて平らな表面によるものだった。レーダー、対艦・対地兵器、対潜兵器、電子戦、空中給油、ステルス、そして核兵器さえも、すべて艦船ではなく航空機の機能である。


Navy Aircraft Carrier

航空母艦USSロナルド・レーガン(CVN 76)は、6ヶ月の計画的増備稼働の後、艦の検査調査委員会(INSURV)の一環として舵のチェックを行った。 海軍艦艇はINSURVによって定期的に検査され、状態と戦闘態勢をチェックされる。米海軍撮影:M・ジェレミー・ヨーダー2等通信兵(RELEASED)


航空母艦は、航空機を交換して性能の高い航空機に乗り換えることができる。飛行甲板のおかげで、空母は将来、レーザー、無人機、人工知能、高度な通信やネットワーキング、そしておそらく現在では想像もつかないような技術など、新しい技術を追加して、無限に自己改革することができる。

 ただ、空母はいつまでも現在の姿のままではない。現在の空母はあまりにも高価で、最新鋭艦のUSSフォードは130億ドルもする。フォードはまた、約4,000人という多すぎる人数を乗せ、何らかの形で沈没した場合、国家的な災難が現実になる。空母は間違いなく大きすぎて脆弱であり、多くの専門家は現在、海では潜水艦が支配的なプラットフォームだと主張している。 

 確かにその通りかもしれないが、空母は、その優位性を脅かす脅威を単純に吸収することで、再び共用してしまう可能性がある。潜水して探知を回避し、浮上してドローンを発射・回収できる軍艦は、空母の進化における次のステップになるかもしれない。

 空母の最大の強みは、無限に自己改革できることだ。空母はいずれ飛行甲板すら失うかもしれないが、航空戦力を投射する移動可能な海上プラットフォームというコンセプトは生き続けるだろう。空母のおかげで、米国は80年以上にわたって海上で支配的な地位を維持してきた。

 空母はあと80年は生き残れると信じるに足る理由があるが、そのためには変化に逆らうのではなく、受け入れ続けなければならない。■


Written ByKyle Mizokami

Kyle Mizokami is a defense and national-security writer based in San Fransisco. His work has appeared in Popular Mechanics, Esquire, The National Interest, Car and Driver, Men's Health, and many others. He is the founder and editor for the blogs Japan Security Watch, Asia Security Watch and War Is Boring.


Aircraft Carriers Aren’t Doomed

By

Kyle Mizokami


https://www.19fortyfive.com/2025/01/aircraft-carriers-arent-doomed/




2025年1月30日木曜日

ポトマック川上空でH-60とCRJ700が衝突した際の管制音声が公表された(The War Zone)―恐ろしい事故になりました。乗客乗員はほぼ全員の生存が別某出来でしょう。軍用ヘリも同様です。

 A commercial airliner collided with a Black Hawk helicopter over the Potomac River.Kennedy Center Webcam


ATCの音声は強烈で、航空機乗務員が爆発を報告し、管制官が素早くトラフィックを迂回させ、捜索救助のために機材を移動させた


1月29日水曜日の夜、首都圏上空で民間旅客機とシコースキーH-60ブラックホークヘリコプターが空中衝突する事故が発生した。

 PSA航空のボンバルディアCRJ700リージョナルジェットが、現地時間午後9時頃、レーガン・ワシントン・ナショナル空港の滑走路33に進入中、H-60ヘリコプターと空中衝突した。PSAはアメリカン航空5342便として運航されていた。PSAはカンザス州ウィチタから出発した。

 「FAAとNTSBが調査を行う。NTSBが調査を指揮する。「...複数の機関が対応している」と首都警察(MDC)はXで述べた。「航空機の墜落後、ポトマック川で複数の機関による捜索救助活動が行われている。続報あり。 MDCによると、死傷者の確認はできていない。

 ウェブカメラの映像では、空中爆発のように見えた。

 ロナルド・レーガン・ナショナル空港は、墜落事故によりすべての離着陸が停止された。

 米国首都周辺の空域は、米国で最も厳しく監視され、防衛が厳重である。この悲劇がどのようにして起こったのかはまったく不明だが、結論を出すために調査するデータには事欠かないだろう。

更新:東部時間午後10時58分

 アメリカン航空がCNNに語ったところによると、レーガン・ナショナル空港へのアプローチ中にヘリコプターと衝突したフライトには60人の乗客と乗務員4名が搭乗していた。 米国防当局者によると、衝突したヘリコプターは3人の乗員を乗せた米陸軍のブラックホークで、VIPは乗っていなかったという。

 「今夜の事件に巻き込まれた航空機は、ヴァージニア州フォート・ベルボアの陸軍UH-60ヘリコプターであった。 「我々は地元当局と協力中であり、情報が入り次第、追加情報を提供する」。

 ドナルド・トランプ大統領は声明を発表した:「レーガン・ナショナル空港で起きた恐ろしい事故について、私は十分な説明を受けた。彼らの魂に神の祝福がありますように。第一応答者の素晴らしい働きに感謝する。状況を注視しており、詳細が入り次第お伝えする」。

 ピート・ヘグセス国防長官も声明を発表した。「国防総省は積極的に監視している。 必要であれば支援する用意がある。 関係者全員に祈りを捧げる」とXで述べた。

更新:東部午後11時16分

陸軍が声明を発表した。

 「今夜の事件に巻き込まれた機体は、ヴァージニア州フォート・ベルボアの陸軍UH-60ヘリコプターであることが確認できた。 我々は地元当局と協力中であり、追加情報が入り次第提供する」。

 統合任務部隊ナショナル・キャピタル・リージョンも声明を発表した。JTF-NCRのヘザー・チャイレズ報道部長は、「今夜の事件に関与した航空機は、訓練飛行中のフォート・ベルボアーのデイヴィソン陸軍飛行場から離陸した第12航空大隊ブラボー中隊の陸軍UH-60ヘリコプターであると確認できた。「地元当局に協力中であり、情報が入り次第、追加情報を提供する」。

 第12航空大隊は、ワシントンD.C.周辺のナショナル・キャピタル・リージョン(NCR)全域で、VIPやその他のヘリコプターによる空輸支援を行っている。同部隊はまた、大規模な攻撃や自然災害、あるいは同様の危機が発生した際に、米国政府が確実に機能し続けられるようにするための、いわゆる「政府継続」計画の一部でもある。その役割として、大隊のヘリコプターは高官や議員を指定された安全な場所に運ぶ。  レーガン国際空港は少なくとも現地時間午前5時まで閉鎖される:


更新:東部時間午後11時45分

衝突時の航空管制の音声を入手したので、以下で聴くことができる(クレジット:ATCLive.net)。レーガン国際空港から飛び立つUSCG MH-65が使用する "Blackjack "コールサインにも注目。首都周辺の制限空域を侵犯する飛行速度の遅い航空機に対応するため、警戒態勢をとっている。他の軍のコールサイン"Mussel"は、おそらく近くのアンドリュースAFBからの第1ヘリコプター飛行隊の米空軍UH-1Nである。


更新:東部午前12時45分

地上から、目撃された衝突の様子が追加で公開された。

 また、ポトマック川で残骸の周りで作業しているボートが写っているとされる画像も出てきた。ポトマック川に少なくとも3つのがれきがあるとの情報もある。

 ショーン・ダフィー運輸長官は声明を発表し、「NTSB(国家運輸安全委員会)と対応するすべての機関や当局を全面支援する。「またワシントンD.C.のバウワー市長、ヴァージニア州のヤングキン知事、カンザス州のケリー知事、そしてNTSBのホーメンディ委員長と話をし、全面的な支援を申し出ている」と述べ、捜索と救助活動を続けている第一応答者に感謝の意を表した。

 ドナルド・トランプ大統領は、トゥルース・ソーシャルへの投稿で、衝突の状況に率直な疑問を表明している。

 また、アメリカン航空のロバート・アイゾムCEOは、ビデオで声明を発表した。■


Chilling Air Traffic Control Audio From H-60 Collision With CRJ700 Over Potomac River

The ATC audio is intense with aircrews reporting the explosion and controllers quickly rerouting traffic and begin to move assets in for search and rescue.

Howard Altman, Tyler Rogoway, Joseph Trevithick


https://www.twz.com/air/h-60-black-hawk-collides-with-crj700-airliner-over-potomac-river


ヒル空軍基地に小型原子炉を早ければ2028年設置(KSL.com)―原子力工学の進展とトランプ政権の再スタートでエナジー関連の新興企業に追い風です。自ら道を封じてしまった日本では考えられないビジネスですね。

  

ラディアント・ニュークリア社のホームページより。小型原子炉クレイドスはトラックで運搬可能で、設置の翌日から完全出力となるという。5年の稼働後は同社がユニットを回収し、燃料補給し、廃棄物は設置場所に残らないという。



ディアント・ニュークリアRadiant Nuclear社のCEOダグ・バーナウアー Doug Bernauer によると、ヒル空軍基地に2028年までに可搬型原子炉を設置する可能性がある。

 同社は、2026年にアイダホ国立研究所で小型モジュール式原子炉のテスト実施を目指している。

 このプロジェクトはヒル空軍基地の回復力を強化し、カーボンフリーの電力目標を達成するのに役立つと、同基地のエナジー・マネージャーのニック・キングは述べている。

 ヒル空軍基地は、早ければ2028年にもバックアップ発電用の可搬型原子炉を導入する可能性があると、ラディアント・ニュークリアのダグ・バーナウアーCEOはKSL.comに語った。

 「ユタ州は素晴らしい場所です」と、ベルナウアーCEOはフロリダ州パームビーチのマー・ア・ラゴ・リゾートで開催された大規模な宇宙・防衛技術投資家サミットからの電話で語った。「ユタ州は、トップダウンでもボトムアップでも、原子力発電に積極的な州の短いリストに入っていると思う」。

 スペースX、ボーリング・カンパニー、火星コロニーの設計でイーロン・マスクの特別プロジェクトに12年間携わったエナジー担当重役は、ラディアントを設立するために退職したと語った。

 彼の会社は最近、資金調達と規制当局の承認において躍進を遂げ、州の代表やヒル空軍基地と協力し、小型モジュール式原子炉を基地に導入する可能性を研究している。

 より小規模なプロジェクトでは、カリフォルニア州エル・セグンドを拠点とするラディアント・ニュークリア社と、ペンシルベニア州のウェスティングハウスが、2026年に施設の改修が完了すれば、ブラックフットにあるアイダホ国立研究所の敷地で設計試験を行えると競い合っている。

 この建屋は、高さ80フィートのコンクリートと鋼鉄の構造で、マイクロリアクター実験のデモンストレーションを行い、米国初の先進原子炉テストベッドとなる。

 ベルナウアーは、小型で可搬型のモジュール式原子炉というニッチを埋めるべく、ユタ州でのコネクションを活用してテストに取り組んでいるという。

 ベルナウアーによれば、ラジアントはユタ州の政治的支援と軍からの支援を受けている。「過去数年間、(ジョン・カーティス議員は)新設計の原子炉(1メガワット)に燃料を供給しようとする当社を支援してくれました。「議員はとても協力的で、当社が燃料を入手し、施設を利用し、アイダホ国立研究所を優先的に利用できるよう手助けしてくれました」。

 元ユタ州上院議員のミット・ロムニーも、同州に技術を導入するためのラジアントとの交渉に関与していた。

 ここ数カ月は同社にとって旋風だった。11月には、パッシブ・クールダウンの実証実験を完了した後、シリーズC投資で1億ドルを調達し、資金調達総額は1億6000万ドルに達した。

 州全体の産業開発組織である47Gの代表団もマール・ア・ラーゴ・サミットに参加しており、アーロン・スタークス社長は木曜日に講演し、世界最大級のベンチャーキャピタル企業にユタ州の産業との提携を検討するよう呼びかけた。

 スタークス社長によれば、「2年ほど前まで、この産業の成長を妨げていたのは、この分野で起業するために必要な初期投資でした。 ... 研究開発、商品化、そしてプロトタイプを市場に出すには、大量の資金が必要なのです」。

 「その時点に到達する前に、何億ドルもの資金を投入することになるかもしれません」とスタークスは言う。「プロトタイプから成長することは、本当に、本当に難しいジャンプであり、それができる企業はほとんどないんです」。

 スタークスによれば、この2年間で、太陽光や風力以外の代替エナジー・プロジェクトに対するベンチャー・キャピタルの関心が高まり、その環境は変わり始めているという。

 「エナジーの民主化は、おそらく州としても国としても最大のチャンスです」とスタークス。


ラディアントとヒル空軍基地

ラディアントは2023年3月、ヒル空軍基地と提携し、同基地におけるバックアップ発電の実現可能性調査を開始した。というのも、同基地のエナジー・マネージャーであるニック・キングが、国防総省の会議に出席した際、『ぜひこの技術を導入したい』と手を挙げたからだ。「『ユタ州にぜひ欲しい』と言ったのです」(ベルナウアー)。

 キングは声明の中で、このプロジェクトは基地の「故障箇所を特定し、システムの改善を適切に計画する能力」の向上に役立ち、2030年までに100%非炭素電力を必要とする大統領令の達成に役立つと述べた。

 専門家は、カレイドスと呼ばれるラディアントの1.2メガワット原子炉が、長期的な停電危機シナリオにおいて既存のシステムとどのように連携できるかを検証した。

 「その一環として、我々は実際に基地全体をコンピューターベースのモデルに変換しました。研究で判明したのは、基地全体を稼働させたまま、重要でない負荷を遮断するだけで、重要設備への電力を失うことなく基地を復旧させることができるということです」。

 リリースによると、ヒル空軍基地は11月初め、「バックアップ電源能力のギャップを特定する」ためもあって、意図的に商用電源の供給を10時間カットした。ラディアントは、彼らの研究が「この演習を計画し、シミュレーションする基地の能力を高めるのに役立った」と述べている。

A rendering of Radiant's Kaleidos 1.2-megawatt portable microreactor.

ラディアントの1.2メガワット可搬型マイクロリアクターKaleidosの完成予想図。 (写真:ラディアント、米エナジー省)

 問題の原子炉は、トラックやC-17輸送機で運搬できるほど小さい。

 「当社のシステムは5年間持ちこたえ、その後シャットダウンして当社が引き取りに行きます」とベルナウアーは言う。

 ラジアント社は、2026年にアイダホ国立研究所でカレイドスをテストする。同社によれば、これは「新設計の原子炉の運転としては50年ぶり」となる。

 その後、「(ヒル空軍基地に)少なくとも1基の原子炉を配備したい」という。

 技術や規制が刻々と変化する中、それ以前に事態が変わる可能性もあるが、ベルナウアーは政治的に楽観的である。「特に、ドナルド・トランプ大統領が木曜日に指名したクリス・ライトがエナジー長官に任命された。

「より多くの政治的支援が必要であり、燃料や試験施設に関して政府が邪魔にならないようにする必要がある」。■

この記事のKey Takeawaysは、大規模な言語モデルの支援を受けて作成され、編集チームによってレビューされた。記事そのものは、人間が書いたものである。



Hill Air Force Base could get small nuclear reactor as soon as 2028

By Collin Leonard, KSL.com | Posted - Jan. 21, 2025 at 12:55 p.m.


https://www.ksl.com/article/51232191/hill-air-force-base-could-get-small-nuclear-reactor-as-soon-as-2028


ウクライナ戦争の疑問:戦闘機と爆撃機はどこにいるのか?(19fortyfive)―双方とも有人機の損失に耐えられず、飛び回るのは無人機とミサイルになっているのがウクライナ戦の前線上空の様相とのことです

 Russian Su-34 fighter-bomber. Image Credit: Creative Commons.

ロシアのSu-34戦闘爆撃機。 画像出典:クリエイティブ・コモンズ



ウクライナ戦争では、双方が戦闘機の使用を制限しており、あらためて近代的な防空システムの力を浮き彫りにした格好だ


-西側支援で強化されたウクライナの重層的な防空システムは、ロシアのジェット機をスタンドオフ運用するように追い込み、その有効性を低下させている

-同様に、ロシアの防空システムによりウクライナ軍は航空機を前線近くに配備できなくしている

-両国は、偵察と攻撃をドローンに大きく依存することで適応してきた。 ロシアはまた、ウクライナの迎撃ミサイルの備蓄を枯渇させようと、ウクライナにミサイルやドローンで大量に攻撃している。

-この紛争は、現代の戦争におけるドローンの優位性を強調している。


ウクライナで進行中の戦争は、現代戦において防空が果たす決定的な役割を強調している

ウクライナとロシアは、双方の航空機の使用を厳しく制限する強固な防空対策を展開しており、特にロシアが国境近くでも航空戦力を投射する能力に重大な影響を及ぼしている。


ウクライナは、西側の同盟国によって提供された機材を活用することで、ロシアのジェット機やヘリコプターの運用を制限している。

ハイリスクな空中環境の結果、ロシアの航空機の損失は驚異的なものとなっている。 Oryxは、オープンソース情報で双方の損失をカタログ化しているウェブサイトで、ロシアの航空機損失は286機とある。Oryxの数字によれば、ウクライナは173機の戦闘機を喪失した。この2つの数字の差は、ロシアの空軍力がウクライナ空軍よりもかなり大きいことが一因となっている。


ウクライナ戦争の初期


ウクライナ戦争の初期、ロシアは制空権を確立し、戦場を支配することを期待して、大量の戦闘機を配備した。

 しかし、ウクライナのソ連時代の防空能力、および西側の同盟国から提供された防空能力を迅速に動員し、展開する能力は、ロシアの航空機にとって重要な課題であったし、今もそうである。

 ウクライナの防空網により、ロシア軍機はウクライナの重層的な防空網の外側で飛行することを余儀なくされている。 これは事実上、戦闘機が地上部隊を支援したり、意図した目標から遠く離れた場所に弾薬を発射したりする能力を妨げ、作戦上の価値を低下させている。

 ウクライナにとっても、ロシアの防空網は同様に、特に前線に近い地域での空軍の投入を制限している。 両陣営とも、このような制約に対応するため、安価で消耗品の無人航空機を多用せざるを得なかった。

 ウクライナの空戦では、両陣営とも相手の上空を堂々と飛び回ることはできない。シンクタンク、ランド・コーポレーションの研究者の報告書によれば、「ウクライナの空戦では、両陣営とも、相手の上空を堂々と飛び回ることはできない。ロシアのヘリコプター・ガンシップは地上部隊に近接航空支援を提供しているが、戦局を逆転させるほどではない。 「その結果、双方は地上作戦を支援するために、大砲や神風ドローンに頼るようになっている。 攻撃作戦は、航空優勢がないために損なわれている」。

 防空は、有人戦闘機の有効性と殺傷力を低下させるにらみ合いの距離に追いやった。その結果、地上戦で数百メートルしか戦えないこともある。機動部隊の交戦距離は、武器システムの最大射程を下回ることもある。 戦車対戦車の小競り合いもある。

 エナジー含むウクライナの公共インフラの多くは、ウクライナの強固で重層的な防空の傘にもかかわらず、ロシアからの攻撃や脅威にさらされている。 そして、ウクライナの防空体制はドローンやミサイルの大半を何とか撃墜しているが、ロシアはそれを攻撃標的にしている。

 ロシア製弾薬の中には、何とか通過して重要インフラを攻撃するものもある。ロシアの滑空弾が使用される機会が増えている。

 ウクライナ国防省は昨年初め、Xで防空部隊の大活躍を発表した。   「ロシア軍機は落ち続けている。 「今朝、防空隊は東部方面で2機(Su-34戦闘爆撃機とSu-35戦闘機)を撃墜した。 この3日間で、ウクライナは6機のロシア機を撃墜した」。


海外でも国内でも


ウクライナの防空の有効性は、ロシアが自国内でも防衛態勢を強化することを促している。 ウクライナは、ますます洗練された長距離攻撃ドローンを開発し、ロシア本土の奥深くにある標的を攻撃するために活用している。 こうした攻撃は、エナジー施設や物流の拠点、さらには大規模な都市部までも標的にしており、安全なロシア本土というイメージを削いでいる。 こうした空爆に対抗するため、ロシアはウクライナの脅威を軽減することを期待して、重要なインフラやその他の価値の高い目標をカバーする防空壕を配備している。

 同時にロシアは、ウクライナの防空能力を弱めようとしている。 ロシア軍はミサイルやドローンによる攻撃を大量に行い、高度な巡航ミサイルと低コストの消耗型ドローンを組み合わせている。これらの攻撃には、ウクライナの防空システムを圧倒し、貴重な迎撃ミサイルを急速に消費させるようねらいのおとり目標が含まれており、ウクライナの備蓄弾薬を使い果たすことを目的としている。

 ウクライナの防空システムが有人プラットフォームを紛争空域外に押し出すことに成功したことで、ドローンの重要性が浮かび上がった。ドローンは安価で消耗品の攻撃兵器であると同時に、情報収集の役割を果たす重層的な防衛ネットワークの一部でもある。

 ウクライナでは、双方が戦闘機の有用性を制限する上で防空体制が非常に効果的であることが証明され、事実上、今日の戦場での膠着状態の一因となっている。 ウクライナでの経験は、次の戦争において間違いなく重要な要因となる。それは、現在飛行しているレガシーな有人プラットフォームではなく、無人航空機の有用性が増していることである。■


About the Author: Caleb Larson 

Caleb Larson is an American multiformat journalist based in Berlin, Germany. His work covers the intersection of conflict and society, focusing on American foreign policy and European security. He has reported from Germany, Russia, and the United States. Most recently, he covered the war in Ukraine, reporting extensively on the war’s shifting battle lines from Donbas and writing on the war’s civilian and humanitarian toll. Previously, he worked as a Defense Reporter for POLITICO Europe. You can follow his latest work on X.


Ukraine War Paradox: Where are the Fighters and Bombers?


By

Caleb Larson


https://www.19fortyfive.com/2025/01/ukraine-war-paradox-where-are-the-fighters-and-bombers/