2022年10月8日土曜日

ウクライナ無人機がロシア国内の空軍基地を自爆攻撃。ロシアは否定。事実ならウクライナ戦は新局面へ。

Google Earth




ウクライナ無人機が、ロシア国内のTu-22M爆撃機基地を攻撃し、ウクライナ戦は新しい段階に入った

 

 

クライナの自爆無人機がロシア国内の空軍基地で爆発し、爆撃機2機を破壊したと、ウクライナの情報筋2人がThe War Zoneに伝えてきた。

 攻撃は、ウクライナ国境の北約140マイル、モスクワの南西約170マイルにあるカルーガ州のシェイコフカ空軍基地 Shaykovka Air Baseが標的となった。

 同基地には、ロシア第52重爆撃機航空連隊のTu-22Mバックファイア爆撃機が配備されている。

 ある情報筋は、「2機の爆撃機が修理不可能だ」とThe War Zoneに語っている。

 ウクライナのLB.uaニュースの以前の報道では、「カミカゼ無人機による攻撃で、カルーガ地方のシェイコフカ軍飛行場で爆発が起こった」とあり、LB.uaは、ウラジスラフ・シャプシャ州知事の言葉を引用し、無人機はウクライナの「国境から飛来した」と伝えた。

 ロシアのTGチャンネルによると、爆発はUAVが滑走路上に飛行して起こったという。

 しかし、無人機攻撃による被害はなかったと、シャプシャは自身のテレグラムチャンネルで述べている。

 「死傷者は出なかった」とし「飛行場のインフラや設備に損傷はない。業務に支障もない。調査グループが現地で事故原因や状況を究明している」。

 ロシアのRIAニュースのテレグラムチャンネルによると、ロシアメディアも「カルーガ近郊で爆発が起こった」のを確認している。

 「無人機が落下し、負傷者はいなかった」とRIAはシャプシャを引用して報じた。

 

 

2022年6月に衛星から見たカルーガ州のシェイコフカ空軍基地。(Google Earth photo)

 

 

ロシアのメディア「レドフカ」は、無人機が損害を与える前に撃墜されたと伝えている。

 「UAVはカルーガ地方の軍事部隊の滑走路の上で撃墜された」とレドフカはテレグラムチャンネルで報告した。「無人機は大きな戦果を与えられず、空中で撃墜された」。

 

 

シェイコバ空軍基地は、ウクライナ国境から北約140マイル、モスクワの南西約170マイルに位置する。(Google Earth photo)

 

オープンソースの情報アカウントOryxspioenkopは、ロシアのテレグラムチャンネルが、無人機がダメージを与える前に撃墜されたとする「証明」画像をTwitterに投稿した。

 しかし、Oryxspioenkopが報じた画像は、実際には「2020年のナゴルノ・カラブフク戦争で撃墜されたアゼルバイジャンのTB2無人機」だった。

 Tu-22Mバックファイア爆撃機は、ロシアのウクライナ全面戦争で重要な役割を担っている。

 同機は4月14日に作戦に参加し、当初は通常爆弾のみ使用していた。ロシア国防省は同日、同爆撃機が包囲中のマリウポリのアゾフスタル工場り爆撃に投入されたと発表した。マリウポリ爆撃は5月中旬まで、連日続いた。Tu-22M3がマリウポリを自由落下式爆弾の一斉投下で覆えたのは、同市がすでにロシア軍に包囲されており、爆撃機がウクライナの防空体制を心配する必要がなかったからだった。

 

 

Tu-22Mバックファイア爆撃機。 (Wikipedia photo)

 

ウクライナ奥地の目標に対して、Tu-22M3は大型ミサイルKh-22や新型Kh-32超音速対艦ミサイルで攻撃した。5月11日、ロシアの全面侵攻が始まってから初めて、Tu-22M3のコックピットから撮影されたミサイル発射の映像がSNSに登場した。ロシアが精密巡航ミサイルや弾道陸上攻撃ミサイルの在庫を減らし、Tu-22の対艦ミサイルを高精度とはいえない陸上攻撃モードで使用するようになると、こうした攻撃はより一般的になった。また、民間人への無差別攻撃も行っている。そのため、ウクライナが同基地を最重要ターゲットと見なすのも無理はない。これまでの衛星写真では、ミサイルは爆撃機近くに置かれていた。もし、このような形で、燃料を入れた状態だった場合、非常に不安定かつ破壊的なターゲットとなる。

 シェイコフカ空軍基地への攻撃は、この紛争における重要な変節点となり、ウクライナ軍がこれまでの攻撃で最もロシア内部の場所となった。

 ウクライナはこれまでにも、国境を越えベルゴロドの標的を攻撃していた。8月には弾薬庫が攻撃された報告があった。4月には、製油所をウクライナ軍ヘリコプターが空襲していた。

 ウクライナはロシアの奥深くまで攻撃できることを証明した。ウクライナの手にあるスタンドオフ兵器として知られているのは、即席の「アリババ」自爆無人機(改造の原型が中国で購入できる)だけで、6月に国境を越えたノヴォシャフチンスクのロシア製油所を攻撃した際に初めて登場した。同型機はクリミアの黒海艦隊司令部への攻撃にも使用された。その数日前には、クリミアのサキ空軍基地が攻撃され、ロシア軍機数機が破壊された。クリミアとロシアの両方で、同様の攻撃が発生しており、少なくとも部分的には、即席の同自爆無人機の仕業と思われる。爆撃機基地攻撃は、同機の理論的な射程内にあると考えられる。ロシアはこのため、国境付近の空軍基地で防空を強化してきた。

 ウクライナ軍がロシアとの戦いで成果を上げ続ける中、プーチン大統領が戦術核攻撃の可能性について発言ている。

 本誌では攻撃地の衛星画像を入手し、情報の追加を試みている。また、国防総省にも情報を求めており、最新情報をお知らせする。

 

午後2時54分(米国東部標準時)更新

カルーガ州のウラジスラフ・シャプシャ知事は、シャイコフカ空軍基地にある2機のTu-22Mバックファイア爆撃機やその他のものが損害を受けたという主張に反論している。

 「以前報告されたように、今日、カルーガ州のシャイコフカ軍事飛行場に無人機が墜落した」と知事は自分のテレグラムチャンネルで言った。「代理が直ちに現地に赴き、状況を明らかにした。死傷者がないことが確認された。飛行インフラや設備に被害はなかった。航空機が破損したとの報告は、全くの捏造だ」。

 国防総省は、この事件に関する質問をウクライナ当局にそのまま転送した。

午後3時30分(米国東部標準時)更新

ロシアのシェイコフカ空軍基地の大部分に損傷がないことを示す新しい衛星画像を入手した。この画像は部分的に不明瞭であるため、基地が本当に攻撃されたかどうかを決定的に言うためには、もう一回撮影する必要があります。詳しくは次のツイートスレッドをご覧いただきたい。

 

Ukrainian Kamikaze Drone Attacks Bomber Base Deep In Russia (Updated)

BYHOWARD ALTMAN, TYLER ROGOWAY| PUBLISHED OCT 7, 2022 12:21 PM

THE WAR ZONE

 


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