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2025年11月25日火曜日

英国のF-35計画がコスト削減の失策で批判を浴びる(TWZ)―英国はまずB型を導入したが性能を発揮できないままでA型も導入しようとしています

 

スタンドオフ型空対地兵器の不足は、英国政府への批判的な報告書で指摘された問題の一つに過ぎない。

トーマス・ニューディック

公開日 2025年11月24日 午後2時16分 EST

コメント 安物買いの銭失い、ではありませんが、英F-35Bは能力を発揮できないまま放置されているという指摘ですが、要は予算が確保できないのでしょう。これではGCAPが心配になります。やはり強い国防は強い経済があって初めて可能となりますね。

F-35B UK issues

英国政府著作権

国国防省は、政府プロジェクトの費用対効果を検証した公会計委員会 Public Accounts Committeeによる最近の報告書で大きな欠点が指摘され、F-35プログラムの進捗状況について疑問が高まっている。長年にわたるコスト削減がプログラムに悪影響を与えていることに加え、F-35Bはスタンドオフ攻撃能力を欠いているままだという。

委員会は、整備技術員の不足がF-35Bの稼働率と生産性に深刻な影響を与えていると指摘した。下院での議会質問において、保守党議員のベン・オベシ=ジェクティは国防省に対し、これらの問題を解決するのにどれほどの時間がかかるのかを問いただした。

これに対し、国防省のルーク・ポラード国務大臣は、整備技術員不足は今後3~4年は解消される見込みはないとの見解を示した。ただし、過去2年間で技術員の採用を「大幅に」増やすなど、改善に向けた措置は講じられている。具体的には訓練能力の拡充や新規採用者への入社ボーナス支給などが含まれるとした。

公会計委員会報告書『英国のF-35運用能力』によれば、英空軍(RAF)における有資格技術員不足は、この重要要員の必要数を正確に算定できなかったことに起因する。結果として、F-35の運用可能率が「低水準」と評価され、目標達成が継続的に困難となっている主因の一つとなっている。

「国防省はRAFの全専門分野で人員バランスを回復させるため、採用強化プログラムを導入した」とポラードは説明した。「この取り組みでは特に技術職に重点を置いており、過去2年間でRAFは入隊奨励金を支給し、技術訓練学校の収容能力を拡大してより多くの新兵を育成できるようにした。定着率向上のため、RAFは技術者向けの金銭的定着奨励策を実施している。要員の募集と定着は、国防参謀総長にとって依然として最優先課題のトップ2の一つだ」。

英軍全体が技術支援要員の不足に苦しんでいるのは事実だが、F-35Bの事例では、国防省が休暇取得や他任務に従事する要員を考慮せず、単純に「1機あたりに必要な技術者の数を誤算した」という事実は依然として恥ずべきことだ。

2025年5月の「ハイマスト作戦」中、HMSプリンス・オブ・ウェールズ艦上に着艦するF-35B2機。Crown Copyright

公会計委員会は全体として、F-35を「英国がこれまで保有した中で最高の高速ジェット機」と評価している。

現在、同機は2つの前線部隊(空軍第617飛行隊「ダムバスターズ」と海軍第809海軍航空隊)および訓練部隊(空軍第207飛行隊、作戦転換訓練部隊(OCU)として機能)により運用されている。両部隊はイギリス空軍マーハム基地を拠点としている。主要な運用拠点であり、2隻のイギリス海軍空母に搭載されていない時や作戦展開中でない時に使用される。今年の夏までにF-35Bが38機納入されたが、うち1機は地中海での空母事故で失われた

報告書は、英国F-35計画全体にわたり行われてきた「コスト削減」の経緯が「運用上重大な問題を引き起こした」と指摘している。これにより戦闘機の「能力、飛行可能率、費用対効果」が損なわれていると結論づけた。

これらの問題は運用中のF-35B(短距離離陸・垂直着陸型)に関連するものの、同報告書はF-35A(通常離着陸型・核兵器搭載能力を有する)の導入計画についても、費用とスケジュールに関する問題が発生する可能性が高いと警告している。

RAFマーハム基地に関しては、公会計委員会が「基準以下の宿泊施設」を厳しく批判している。報告書は「みすぼらしく、時には温水が不足し、地元の町へのバスアクセスもない」と記述している。

報告書は、マーハム基地のインフラ整備が2034年まで完了しないことを指摘している。これは「非常に楽観的な日程」であり、人員確保の問題をさらに悪化させる可能性がある。

Pictured: 02 Aug 2025 – A United States Marine Corps F-35B Lightning II from Marine fighter Attack Squadron 242 (VMFA 242) onboard HMS Prince of Wales. Aviators from HMS Prince of Wales and her embarked Squadrons, Naval Air Squadrons and their American counterparts from Marine fighter attack squadron 242 (VMFA 242) conducting extensive flying night operations whilst on Operation HIGHMAST 25. Led by UK flagship HMS Prince of Wales and involving a dozen nations, the eight-month mission - known as Operation Highmast - has seen the task group pass through the Mediterranean, Middle East, and Indian Ocean visiting Singapore and Australia, the Carrier Strike Group now shifts focus to Asia. The goal is to reaffirm the UK’s commitment to the security of the Mediterranean and Indo-Pacific region, demonstrate collective resolve with our allies and showcase British trade and industry. Over the course of the deployment, upwards of 4,500 British military personnel will be involved, including nearly 600 RAF and 900 soldiers alongside 2,500 Royal Navy sailors and Royal Marines.

Crown Copyright

航空機自体に目を向けると、コスト削減によって引き起こされた最も重大な問題の一つは、F-35のステルス性能を評価するために必要な施設に関するものだ。これは戦闘機の低可視性特性が適切に機能していることを保証するために極めて重要である。結局のところ、同機のステルス機能は、高度な防空システムを回避する鍵となるのだ。この種のインフラはF-35の独自能力の中核要件であり、その建設と維持には追加コストが伴う。

しかし国防省はプログラム支出を削減するため、同施設への投資を遅らせた。これにより2024-25年度までに8200万ポンド(約1億700万ドル)の節約が実現した。だがインフレの影響で、2031-32年度までに施設完成の最終コストはさらに1600万ポンド(約2100万ドル)上乗せされる見込みだ。


英国空軍マーハム基地のF-35B。Jamie Hunter

短期的な資金節約策として、2020年に国防省はF-35Bの納入スケジュールを遅らせる選択をした。これにより、運用可能な機数が減少した。この状況は、2020年に新機体購入資金が不足したためさらに悪化した。これにより7機の納入が1年遅れたのである。

最終的に国防省は、予算上の理由から、海軍初のF-35B飛行隊である第809航空隊の完全編成を延期する決定を下した。これにより同飛行隊は、マーハム基地での完全なインフラ整備を2029年まで待たねばならなくなった。結果として、能力は低下し、最終的な支出額はさらに膨れ上がる見込みだ。当初の5600万ポンド(約7300万ドル)から、おそらく1億5400万ポンド(約2億100万ドル)に達するだろう。

このプログラムにおける財政管理の失敗の歴史を踏まえ、公会計委員会は国防省がF-35Aの導入をどう管理するかについて懐疑的だ。

英国は今夏ついにF-35Aを12機購入すると発表した。過去に議論した通り、この機体はF-35Bに比べて多くの利点を持つが、国防省は特にNATO核任務への参加能力を強調している。これは米軍のB61-12核重力爆弾を装備した状態での任務を意味する。この任務に加え、英国空軍は新型機を訓練部隊に配備し、主に訓練任務に充てると述べている。

公会計委員会によれば:「NATO核任務の認定取得には、訓練・要員・場合によってはインフラに新たな要件が加わるが、この分野の協議は初期段階にあり、国防省から予測コストの示唆は提供されていない」。

米空軍のF-35Aがカリフォーニア州エドワーズ空軍基地での試験中にB61-12を投下する様子。米空軍

こうした費用の一つは、核爆弾を保管するのに必要な安全な地下兵器庫に関連している可能性が高い。RAFマーハム基地に過去にそのような保管庫が存在したとしても、このインフラが現在も機能しているか、あるいはB61-12を収容するためにどの程度の改修が必要かは不明だ。一部の報道によれば、保管庫は解体されたか、あるいは完全に埋め戻された可能性すらある。近隣のRAFレイケンヒース基地にある米国が運用する保管庫を利用するのも選択肢の一つだろう。

F-35A導入決定が発表された際、本誌は混合戦力編成の潜在的な欠点にも言及した。特にこの機種がわずか12機という象徴的な規模である点を強調している:

「わずか12機のフリートはメンテナンスやインフラの要件が異なり、稼働率が低い別機種を追加することになる。同時に、この機種が提供する訓練は、STOVL F-35B とは 1 対 1 ではないため、長期的には経費削減につながるかどうかは疑問である。しかし、英国が A型をより多く購入すれば、状況は変わるだろう」。

機数に関する問題は、長年にわたり英国の F-35 プログラムを取り巻いてきた問題だ。

国防省は F-35 138 機を調達する計画に固執しているが、これは長い間疑問視されてきた

これまでのところ、確定発注は 48 機の F-35B だけだ。前の保守党政府は、2033 年までに 27 機の F-35B を追加購入する交渉を行っていることを確認していた。しかし、この 27 機は、F-35A(12 機)と F-35B(15 機)に分けられることになった。

少なくとも、計画されていた短距離離陸・垂直着陸型F-35Bの購入数は削減される見込みだ。

これは問題を引き起こす可能性がある。なぜなら、両空母で基幹空母打撃任務に24機の戦闘機を配備する目標を達成するには、48機を大幅に上回るF-35Bが必要だと広く考えられているからだ。訓練やその他の需要を考慮すると、60~70機という数字が一般的に妥当とされている。一方、米海兵隊のF-35Bは、空母巡航中の必要機数補充に頼られることがあった。ただし、最近HMSプリンス・オブ・ウェールズに搭載された24機については該当しない。

F-35計画における国防省の財務管理不備の報告は、グローバル戦闘航空計画(GCAP)というさらに野心的な計画への信頼をほとんど高めない。GCAPは英国の将来戦闘航空構想の中核であり、その中心にはテンペスト有人ステルス戦闘機が位置する。

以前議論した通り、GCAP計画の将来は決して確実ではない。

過去には、F-35Aが英国空軍で実績を証明すれば、追加購入の可能性が開け、この機種の大量導入がテンペストの将来にとって明らかな脅威となる可能性を示唆してきた。

ただし、その実現には国防省がF-35の配備継続に伴う問題を解決することが前提となる。

英国F-35計画を総括した公会計委員会のジェフリー・クリフトン=ブラウン委員長は、この管理不行き届きを「雨漏りする屋根の修理を先延ばしにする家主」に例え、「短期的なコスト判断は賢明ではない…にもかかわらず、F-35の管理ではそうした判断が蔓延していた」と指摘した。

公会計委員会は英国F-35計画の全寿命コストの最終額を提示していないが、国防省が2069年までに570億ポンド(約750億ドル)と予測した金額は「非現実的だ」と断言している。

一方、最新のブロック4規格で約束されている追加能力は、さらなる巨額の投資を必要とするが、これは戦闘機が最大限の性能を発揮するために不可欠だ。ブロック4のコスト面での影響もまだ完全には把握されていないが、非常に大きなものとなるのは確実である。

比較のため言えば、英国は4隻の新鋭ドレッドノート原子力弾道ミサイル潜水艦の設計・製造に、プログラム期間中のインフレ分を含め310億ポンド(約400億ドル)を支払う見込みだ。

委員会はまた、国防省試算には人員・燃料・インフラの費用が含まれていないと指摘している。

財政面の懸念に加え、英軍でより差し迫った問題は、F-35戦闘機に依然として重要な能力が欠けていることだ。24機の英国所有F-35Bを単一空母に配備する能力を実証し、完全運用能力が宣言されたものの、人員不足が適切に解決されていない現状では、この成果はあくまで目標達成に向けた途上段階に過ぎない。

憂慮すべきは、空母打撃群の基幹機であるこの戦闘機について、公会計委員会が「F-35は2030年代初頭まで安全な距離からの地上目標攻撃能力を持たない」と改めて指摘している点だ。

国防参謀総長によれば、これが最大の懸念事項である。

英国F-35が長距離スタンドオフ兵器を欠いていることは、重大な欠陥として長年認識されてきた。

今年初め、英国の独立公共支出監視機関である国家監査局(NAO)は以下のように述べた:

「国防省が2030年代まで延期した重要な能力がいくつか存在する。最も重大なのは、F-35が安全な距離から地上目標を攻撃するスタンドオフ兵器を持たないことで、これは戦闘環境下での有効性に影響する」と指摘した。NAOはさらに、この能力が完全に整備されるのは2030年代初頭の見込みだと付け加えた。

英国のF-35Bは地上目標攻撃にPaveway IV精密誘導爆弾に依存している。最終的には遠隔攻撃兵器「SPEAR 3」の統合を計画しているが、このプロセスは繰り返し遅延している。

SPEAR 3とメテオ空対空ミサイルを装備したF-35のイメージ図。MBDA

暫定措置として、英国は現在、F-35BにGBU-53/B小型径爆弾(SDB)II、通称ストームブレイカーの装備を検討している。

「より高性能な暫定対地兵器を獲得するため、英国F-35プログラムは小型径爆弾の資金を要請した」と国家監査局(NAO)はSDB IIについて述べた。しかしNAOは、国防省が「資金をまだ提供していない」とも指摘している。

スタンドオフ型空対地兵器に関して重要なのは、F-35は火器管制レーダーでは検知が難しいものの、完全には見えないわけではないという点だ。生存性の観点から、直接攻撃が不可能なケースでは、敵の防空網を無力化するスタンドオフ兵器の投入が不可欠となる。

総じて、公会計委員会の報告書は英国F-35計画の悲惨な実態を浮き彫りにしている。短期的にはコスト削減文化が能力を制約する一方で、長期的にはコスト増を招いているのだ。

英軍が「これまでに保有した最高の戦闘機」と称するF-35の真価を引き出すためには、国防省が「計画における短期主義、慢心、誤算を根絶しなければならない」と報告書は結論づけている。■

トーマス・ニュードック

スタッフライター

トーマスは防衛分野のライター兼編集者で、軍事航空宇宙分野や紛争に関する取材歴は20年以上。多数の書籍を執筆し、さらに多くの書籍を編集。世界の主要航空出版物にも寄稿している。2020年に『The War Zone』に参加する前は、『AirForces Monthly』の編集長を務めていた。


United Kingdom’s F-35 Program Slammed For Cost-Saving Blunders

A glaring lack of standoff air-to-ground munitions is just one of the issues identified in a critical U.K. government report.

Thomas Newdick

Published Nov 24, 2025 2:16 PM EST

https://www.twz.com/air/united-kingdoms-f-35-program-slammed-for-cost-saving-blunders


  


2025年11月20日木曜日

米海兵隊F-35B戦闘機、海軍CVM-22が空母「かが」から飛行作戦を実施(Naval News)―日本が「ライトニング空母」を提供し、米海兵隊が艦上からF-35Bを運用すれば日米の共同運用は新しい段階に入りますね

 米海兵隊F-35B戦闘機、海軍CVM-22が空母「かが」から飛行作戦を実施(Naval News)―日本が「ライトニング空母」を提供し、米海兵隊が艦上からF-35Bを運用するのは新しい安全保障の形になりますね

2025年10月19日、演習「ANNUALEX」において、第1海兵航空団第12海兵航空群第242海兵戦闘攻撃飛行隊所属のF-35BライトニングIIが、日本海軍の航空母艦「かが」から発艦した。同演習は、両軍の相互運用性強化、共同海上打撃能力の向上、自由で開かれたインド太平洋を支える即応態勢の維持という任務を支援するもの。(米海兵隊写真:アレハンドラ・ベガ伍長)

米海兵隊のF-35B戦闘機4機と米海軍のCVM-22Bオスプレイ1機が、10月に海上自衛隊最大級の艦艇「かが」で飛行作戦を実施した。これほど多くのF-35Bが「かが」から作戦行動したのは初めてである。また、米海軍のCVM-22Bが日本の空母に着艦したのも初めてのことだ。

この運用は、10月20日から31日にかけて実施された日米共同演習「ANNUALEX」の一環で行われた。同演習は隔年で海上自衛隊主導で実施され、今年は海上通信戦術、対潜戦(ASW)、防空戦(AAW)、航行中補給を通じた多国間環境下での同盟強化に焦点を当てた。

2025年10月19日、ANNUALEX演習において、海上自衛隊「かが」艦上でF-35BライトニングII戦闘機の発進準備を行う米海兵隊員(第1海兵航空団第12海兵航空群第242海兵戦闘攻撃飛行隊所属)、米海軍「トリポリ」乗員(第76任務部隊所属)と海上自衛隊「かが」の乗員。同演習は、両軍の相互運用性強化、共同海上打撃能力の向上、自由で開かれたインド太平洋を支える即応態勢の維持という任務を支援するもの。(米海兵隊写真:アレハンドラ・ベガ伍長)

日本側からは「かが」を含む艦艇約20隻と約20機の航空機が参加した。米国側からはアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦「シュープ」(DDG-86)、タィコンデロガ級ミサイル巡洋艦「ロバート・スモールズ」(CG-62)、 P-8Aポセイドン、ルイス・アンド・クラーク級乾貨物・弾薬補給艦USNSアメリア・イアハート(T-AKE 6)とUSNSウォーリー・シラー(T-AKE 8)、艦隊給油艦USNSティペカヌー(T-AO 199)、米潜水艦、および米海兵隊のF-35BライトニングII戦闘機が含まれた。日本と米国以外にも、オーストラリア海軍とオーストラリア空軍、カナダ海軍とカナダ空軍、フランス海軍、ニュージーランド空軍が参加した。

2025年10月19日、演習「ANNUALEX」において、第1海兵航空団第12海兵航空群第242海兵戦闘攻撃飛行隊所属の米海兵隊員、第76任務部隊所属のUSSトリポリ乗員、および海上自衛隊艦「かが」乗員が、艦上での飛行作戦を実施している。(米海兵隊、アレハンドラ・ベガ伍長撮影)

「かが」艦上での飛行作戦に参加したF-35Bは、第1海兵航空団第12海兵航空群第242海兵戦闘攻撃飛行隊(VMFA-242)に所属するもので、艦上作戦支援は「トリポリ」艦の乗組員も提供した。JSかがは2024年11月に米海兵隊との初のF-35B飛行試験を実施した。その後、2025年8月のインド太平洋展開中に英国海軍空母HMS プリンス・オブ・ウェールズ所属のF-35Bとの飛行作戦を遂行した。したがって今回の展開は、JS 加賀におけるF-35B関連飛行作戦の第三弾となる。

日本は2018年、太平洋における中国爆撃機などの活動増加に対応するため、空母「かが」からのF-35B運用を可能とする決定をした。同艦は二段階の改修プログラムを実施中。第1段階は2022年3月から2024年3月まで実施され、飛行甲板前端を台形から長方形に改造し、F-35Bの排気ガスに耐える耐熱コーティングを追加した。第2段階は2027年3月から2029年3月まで予定され、艦内システムの改修が行われる。姉妹艦JS いずもも同様の改修を進めており、2028年3月までに全改修を完了する見込みだ。

2025年10月19日、演習「ANNUALEX」でUSSトリポリ(第76任務部隊所属)の米海軍兵士とJSかがの乗員が、同艦上でCMV-22Bオスプレイの固定を解除している。(米海兵隊写真:アレハンドラ・ベガ伍長)

稲葉 義泰

稲葉 義泰は、静岡県を拠点とするフリーランスライターである。日本で数少ない若手軍事ライターの一人であり、現在は日本の大学院で国際法(特に自衛と武力行使)を研究している。日本の陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊に特に精通している。


U.S. F-35B Aircraft Conduct Flight Operations from Japanese Flat Top



2025年11月9日日曜日

2025年11月、航空自衛隊のF-35Bが訓練飛行を開始した(The Aviationist)

 


日本の最初のF-35B。(画像提供:時事通信社/ジャパンタイムズ)

航空自衛隊は新田原基地でF-35BライトニングIIの訓練運用を開始した

航空自衛隊は2025年11月4日、新田原飛行場でF-35BライトニングIIの訓練運用を正式に開始した。

日本におけるF-35B訓練は初期段階に

11月4日は、九州南部の同基地での同機の初訓練飛行となった。防衛省によれば、訓練の第一段階では短距離離陸・垂直離着陸(STOVL)の核心となる操作、すなわち短距離離陸、タッチアンドゴー、低速着陸、垂直着陸に重点を置く。

航空自衛隊の飛行任務と同様に、F-35Bの訓練任務は通常1~2時間続き、防衛省は初期訓練期間が天候や作戦要件に応じて2~6日間継続すると見込んでいる。防衛省はまた、ほとんどの飛行任務では通常離着陸(CTOL)作戦を実施すると発表した。

実際、新型機による騒音増加を考慮し、航空自衛隊は垂直離着陸の運用を月平均80回に制限することを約束している。このうち約20回は夜間飛行中に実施される予定だ。ホバリングと垂直着陸の1サイクルは2~3分程度とされている。

特筆すべきは、9月17日に米軍パイロットが基地で実演飛行を行い、垂直着陸による騒音への地域住民の懸念を和らげようとしたことだ。さらに、新田原基地の南約150キロにある馬毛島には、騒音苦情への配慮なく垂直着陸訓練できる航空基地が建設中である。

最初の3機のF-35Bは2025年8月に新田原へ納入された。その後10月にさらに2機が到着した。年度後半には追加で3機の納入が予定されており、航空自衛隊は日本の計画する42機のF-35B部隊の一環として、2025年度末までに初期配備分となる8機の短距離離陸・垂直着陸戦闘機を配備する見込みだ。

日本のF-35B

日本は42機のF-35Bの一部を、海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦「かが」と「いずも」で運用する計画だ。両艦は現在F-35Bの搭載に向けた構造改修中であり、2027年度末までに完了する見込みである。

この計画の一環として、両艦は既に米海軍(USN)のVX-23(航空試験評価飛行隊23)所属の航空機による開発試験を実施している。

現時点では新田原基地の航空機は「臨時F-35B飛行隊」として運用されているが、防衛省は2026年度予算において初の常設部隊として第202戦術戦闘飛行隊(TFS)を編成する計画を明らかにしている。第202戦術戦闘飛行隊は1964年に創設され、運用期間の大半を新田原で過ごしたが、2000年に解散した。

同部隊は、航空自衛隊で初めて F-104J から F-15J へ移行した飛行隊として有名だ。解散前のエンブレムは、基地近くの遺跡で発見された小さな土製の像「埴輪」だったが、復活した第 202 戦術戦闘飛行隊が引き続きこのエンブレムを使用するかは不明だ。

航空自衛隊は F-35Aも運用しており、計画されている 105 機のうち 47 機が受領ずみで、三沢基地を拠点とする第 301 戦闘飛行隊と第 302 戦闘飛行隊が、それぞれ 20 機を運用している。3番目のF-35A飛行隊である小松基地の303戦闘飛行隊は、最近F-15J/DJからの移行を開始し、これまでに7機の第五世代ジェット機を受領している。

名古屋・小牧にある三菱重工業がライセンス生産している航空自衛隊の F-35Aとは異なり、航空自衛隊のF-35Bはすべて、米国ロッキード・マーティンのフォートワース工場で生産される。■


Japan Starts F-35B Training Flights

Published on: November 4, 2025 at 12:51 PM

Rin Sakurai

https://theaviationist.com/2025/11/04/japan-starts-f-35b-training-flights/


桜井凛

桜井凛は、軍事航空写真家であり、The Aviationist の寄稿者だ。第二次世界大戦後の軍事航空に関するあらゆる事柄に関心があるが、特に東アジアの空軍と実験的な戦闘機に関心が高い。高校で学んでいるほか、Instagram、X(旧 Twitter)、Bluesky でも活動している

2025年8月15日金曜日

日本がF-35B ライトニング II 戦闘機 3 機を受領、1機は納入遅延(USNI News)—馬毛島施設の完成が遅れる間にVTOL訓練ができないままではたまりません。防衛省は地元と真摯な交渉を行うべきです。

 

2025年8月7日、3機のロッキード・マーティンF-35B が新田原基地に到着した。航空自衛隊写真

本は8月7日、最初の 3 機の F-35B ライトニング II 戦闘機を受領したが、4 機目は整備および検査の要件で納入延期となった。

航空自衛隊によると、ロッキード・マーティン F-35B 3 機が、新田原基地に到着した。到着する予定だった 4 機目は、メンテナンスと点検のため、ロッキード・マーティン施設(米国)に残ったままで、日本当局者は、納入日はまだ決定していないと述べた。

3機の短距離離着陸型航空機は、新田原を臨時拠点として運用される航空自衛隊の F-35B 暫定飛行隊に配備される。F-35Bは、いずも型護衛艦「いずも」 (DDH-183) ・「かが」 (DDH-184) からも運用される予定だ。

現在までに両艦は米国が運用するF-35Bとの飛行訓練のみを実施している。いずもは2021年10月、海兵隊戦闘攻撃飛行隊(VMFA)242の「バッツ」部隊と訓練を実施しました。かがは、昨年秋に米国で行われた試験に、第23航空試験評価飛行隊(VX-23)「Salty Dogs」に所属する航空機と、F-35パックス・リバー統合試験部隊(Pax ITF)の試験パイロットと共に参加した。

いずもはF-35B運用に向け2段階目の最終改修工事を実施中だ。一方、かがは現在、ジョージ・ワシントン空母打撃群(CSG)とイギリス海軍の空母打撃群、および両用上陸艦USS アメリカ(LHA-6)との訓練を実施中だ。イギリスとアメリカ海兵隊のF-35Bは、今週中にかがで甲板間着陸と離陸を実施する。VMFA-242は、アメリカとイギリス海軍(RN)の航空母艦HMS プリンス・オブ・ウェールズ(R09)に搭載されている。

米パイロットは、航空自衛隊がF-35Bの能力を向上させる際に教官として務め、3機のF-35Bを日本へ飛行させた。アメリカ海兵隊は、B型を運用する唯一のアメリカ軍種だ。

当初、日本の防衛省(MOD)は、九州住民からの騒音懸念を理由に、新田原での垂直離着陸訓練を禁止していた。訓練は無人島の馬毛島に建設中の専用施設で行う予定だった。

しかし、馬毛島施設は建設遅延により2030年まで完成しない見込みのため、航空自衛隊はF-35B戦闘機の訓練を本土で行う必要が生じた。防衛省は最終的に決定を改め、新田原基地で垂直離着陸訓練を実施することにした。

2025年8月7日に撮影された3機の短距離離陸・垂直着陸戦闘機は、九州の新田原基地に一時的に配備されるF-35Bの暫定飛行隊に所属する。航空自衛隊提供

この決定は、地方自治体関係者や住民から反対を受け、防衛省は基地での訓練計画を見直すことになった。防衛省は9月に改定計画を提示する見込みで、それまでの間、垂直着陸訓練は行われない。

日本はF-35B ジョイント・ストライク・ファイター・ライトニングII部隊を整備中だ。航空自衛隊は、木曜日に到着した機を含む合計8機のF-35Bを2026年3月までに配備する予定だ。2026年3月。日本はF-35A 105機とF-35B 42機を注文しており、全機が引き渡された時点で米国を除くと最大のF-35運用国となる。

複数国が短距離離陸・垂直着陸能力の拡大を進めている。シンガポールはF-35B 12機とF-35A 8機を注文し、2026年から受領を開始する。全機はシンガポール空軍(RSAF)に所属し、同空軍はシンガポールの海軍ヘリコプターと海上哨戒機も運用する。

イタリアは最終的にF-35B 40機とF-35A 75機を配備する。これらの機体はイタリア海軍とイタリア空軍に均等に配分される。イタリア空軍のF-35Bは、イタリア海軍のF-35Bと共に航空母艦ITS Cavour(550)で運用中で、2024年のインド太平洋展開において、同航空母艦の航空団にはイタリア空軍F-35B2機が搭載されていた。

イギリスは48機のF-35Bを発注中で、うち41機が引き渡しずみだが、2021年11月に1機喪失した。■


Japan Receives 3 F-35B Lighting II Fighters, 1 Faces Delays

Dzirhan Mahadzir

August 7, 2025 1:54 PM

https://news.usni.org/2025/08/07/japan-receives-3-f-35b-lighting-ii-fighters-1-faces-delays