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2026年5月27日水曜日

新型ISR機材「ULTRA」高高度長時間滞空ドローンを米空軍が中東に投入する

 

The U.S. Air Force plans to send a new version of the glider-like Unmanned Long-endurance Tactical Reconnaissance Aircraft (ULTRA) drone with a turbocharged engine to the Middle East for an operational evaluation.2024年の過去の運用評価の際、アラブ首長国連邦のアル・ダフラ空軍基地に前線配備されていたULTRAドローン。米空軍

米空軍の新型ターボチャージャー搭載「ULTRA」監視ドローンが中東へ

グライダー形状の「ULTRA」が提供する長時間監視能力は、特にイランとの戦闘でMQ-9が損失を被っている状況下で高い需要を生む

空軍は、ターボチャージャー付きエンジンを搭載した、グライダーのような新型無人長距離戦術偵察機(ULTRA)ドローンを中東に派遣し、運用評価を行う。同機ULTRA Turboは、従来機より高速かつ高高度での飛行が可能でありながら、数日間空中に留まることができる。

DZYNE Technologiesが開発したULTRAドローンの初期モデルは、2024年に中東で運用評価を少なくとも1回実施している。空軍研究本部(AFRL)が主導するULTRAプログラムは、航空情報・監視・偵察(ISR)の継続的カバーを比較的低コストで実現する方法を模索するため、近年追求してきた取り組みの一つだ。特に中東におけるこの追加能力の重要性は、イランへの最近の活発な戦闘作戦現在進行中のイラン港湾封鎖によって、さらに強調されている。この能力は、広大な太平洋全域での作戦を含め、他地域でも有用なものとなるだろう。

ULTRAドローンのストック写真。DZYNE Technologies

空軍の2027会計年度予算要求には、ULTRAプログラムに関する新たな運用評価計画やその他の計画の詳細が含まれている。4月、DZYNEは、AFRL(空軍研究実験室)に追加のULTRA Turboを供給する新たな契約を獲得したと発表した。

空軍の予算文書によると、「2026会計年度の資金は、CENTCOM(米中央軍)の責任区域(AOR)におけるOCONUS OA(米本土外での運用評価)を支援するもので、ULTRAシステム開発における次の段階(運用試験および評価)である」としている。「この評価は、2026会計年度のOCONUS OAから開始される。2027会計年度の予算は、OAを継続するとともに、ユーザーの要件を満たすために必要な能力向上に充てられる。」

空軍の予算文書によると、同軍のULTRAドローンはいわゆる「マルチINT」構成を採用しているが、これ以上の詳細は明記されていない。この用語は一般的に、電気光学式、赤外線、またはハイパースペクトルカメラ合成開口画像および地上移動目標指示モードを備えたレーダー、および/または信号情報(SIGINT)スイートなどを含む、複数のセンサーの組み合わせを指す。ULTRAドローンは、少なくとも機体下部にセンサータレットを装備した状態で、かねてから確認されている。

2024年、アラブ首長国連邦のアル・ダフラ空軍基地で撮影されたULTRAドローン。センサータレットが確認できる。USAF

予算文書には、この新型ドローンが4気筒ピストン航空機エンジンであるRotax 916を搭載していることも記載されている。Rotax 916は、多くの民間超軽量機に加え、イスラエルのElbit製Hermes 900など、軍事用途向けドローンにも採用されている。

「このエンジンは、高度25,000フィート以上での出力と運用能力を解き放ち、ULTRAの任務遂行の柔軟性を高め、悪天候下での耐性を向上させます」と、DZYNEは初飛行を発表したプレスリリースで述べている

2月、DZYNEは、ULTRA Turboが「高度25,000フィート、真対気速度(KTAS)100ノットで60時間の飛行を達成し、実戦的な任務を遂行する飛行を完了した」と発表した。

執筆時点で、同社のウェブサイトによると、ベースモデルのULTRAは70時間以上飛行可能で、高度25,000フィート、最大速度96ノットまで飛行でき、450ポンドのペイロードを搭載できる。ULTRA Turboは、航続時間(最大60時間以上とされている)を多少犠牲にする代わりに、速度と運用高度(120ノット、最大30,000フィート)で向上を図っている。

飛行中のULTRAドローン。DZYNE Technologies

速度の向上により、非常に離れた指定運用エリアへの往復にかかる時間が短縮される。これにより、現場での滞空時間も延長できる可能性がある。

特に滑空機のような設計の場合、高い高度で飛行できることは、燃料効率の面でメリットをもたらす。また、センサーの有効視野も広がり、例えば斜め飛行パターンを用いて、安全な距離からターゲットエリアの奥深くを観察する際にも有効だ。DYZNEが過去のプレスリリースで指摘しているように、より高い飛行高度で運用できることは、悪天候を回避する上でも利点となる。

DYZNEでは市販のスポーツグライダーを基本設計とするULTRAシリーズについて、導入および運用コストが比較的安価と説明しているが、正確な単価や飛行時間当たりのコストは不明。また、同型ドローンは展開時の占有面積も小さいとされる。空軍は現在、2027会計年度においてULTRAプログラム全体の開発を継続するため1,657万ドルの予算を要求している。

2024年の運用評価に関する現時点での情報からは、新型ターボチャージャー付きエンジンを搭載する以前でも、ULTRA設計がどのような能力を提供していたかについて、より現実的な見通しが得られる。これには、ドローンがアラブ首長国連邦のアル・ダフラ空軍基地から数千マイル離れたアフガニスタンへ出撃し、再び帰還する任務が含まれていたようだ。当時、空軍はこれらの任務にMQ-9リーパーも使用していたが、ペルシャ湾からアラビア海、パキスタンを経由して移動した後、現場に留まれる時間は限られていた。

赤でマークされたアル・ダフラ空軍基地と、北東にあるアフガニスタンとの距離を概観できる地図。Google Maps

余談だが、低空飛行するMQ-9は、2024年の「ULTRA」作戦評価以降でも、中東における米軍の空中ISR(情報・監視・偵察)体制で重要な要素であり続けている。先週の公聴会で、空軍参謀総長のケネス・ウィルスバック大将は、数十機の損失が報告されているにもかかわらず、イランとの最近の紛争においてリーパーが「おそらく最も価値のある戦力」であったと述べた。MQ-9による監視能力への継続的な需要、そして同時にこれらのドローンの脆弱性が高まっていることは、イエメンでフーシ派武装勢力を標的とした作戦の際にも指摘されていた。

前述の通り、イランに対する活発な戦闘作戦や同国港湾への継続的な封鎖は、持続的なISR監視能力に対する米軍の膨大な需要を浮き彫りにするに過ぎない。4月、本誌は、ギリシャにおいて一般に(非公式ながら)RQ-180、あるいはその派生型と呼ばれる、極めてステルス性が高く、超長航続時間、超高高度のISRドローンの出現という文脈において、こうした需要を詳細に検証した。RQ-180および関連設計は、言うまでもなく、ULTRAファミリーと全く異なるクラスに属する。

ただし、RQ-180のような極めて高度な資産を必要としない環境において、持続的なISRカバレッジを提供するため空軍や米軍の他の軍種が近年取り組んできたのはULTRAだけではない。成層圏での運用を想定したドローンや気球も、中東や太平洋地域およびその周辺での使用を含め、主要な関心領域だ。これらは高高度通信ノードとして利用可能であり、さらにはドローンや兵器を含む小型ペイロードの打ち上げにも活用できる可能性がある。

ULTRAに関する継続的な取り組みは、空軍がMQ-9の後継機候補を再検討している時期と重なっている。これまで空軍が公に提示してきた要件(最大航続距離932マイル、20時間の滞空時間など)は、ULTRAやULTRA Turboより航続距離が短い設計を示唆している。また、空軍はリーパー後継機では低コストかつ量産性を重視しており、高リスクな環境下でもより多くの機体を柔軟に投入できるようにしたいと考えている。これにより、能力の組み合わせを拡大し、ULTRAドローン部隊が参入できる運用上の余地が生まれる可能性がある。

USAF

全体として、ULTRAプログラムは依然として小規模ではあるものの、規模と範囲は拡大中で、同ドローンは新型のターボチャージャー付きエンジンを搭載して中東へ戻りつつある。■

ジョセフ・トレヴィシック

副編集長

ジョセフは2017年初頭から『The War Zone』チームの一員である。それ以前は『War Is Boring』の副編集長を務め、その署名記事は『Small Arms Review』、『Small Arms Defense Journal』、『Reuters』、『We Are the Mighty』、『Task & Purpose』など、他の出版物にも掲載されている。


USAF’s New Turbocharged ULTRA Surveillance Drones Are Heading To The Middle East

The persistent surveillance capabilities the glider-like ULTRA offers are in high demand, especially amid MQ-9 losses in fighting with Iran.

Joseph Trevithick

Published May 25, 2026 1:28 PM EDT

https://www.twz.com/news-features/usafs-new-turbocharged-ultra-surveillance-drones-are-heading-to-the-middle-east



2026年5月14日木曜日

E-7レーダー機への姿勢を180度転換する国防総省とヘグセス長官はイラン戦でのE-3喪失が大きな契機となったのだろう

 


The Pentagon says it is working to amend its proposed Fiscal Year 2027 budget to request new funding for the E-7 Wedgetail airborne early warning and control aircraft.

米空軍/ジョン・リンズマイヤー上等兵

E-7レーダー機への姿勢を180度転換する国防総省とヘグセス長官はイラン戦でのE-3喪失が大きな契機となったのだろう

イランの攻撃でただでさえ稀少なE-3の1機失われたことを受け、減少・老朽化が進む空軍のE-3に代わるE-7の必要性は、かつてないほど切実なものとなってきた

TWZ

ジョセフ・トレヴィシック

2026年5月12日 午後6時22分(米国東部夏時間)公開

防総省は、米空軍の老朽化したE-3セントリーに代わるE-7ウェッジテイル空中早期警戒管制機の新規資金を要求するため、2027会計年度予算案の修正に取り組んでいる。当初案ではE-7への予算要求は一切含まれていなかったため、同プログラムの将来を巡り議会と新たな対立が生じる可能性が懸念されていた。議員らは今年初め、ウェッジテイル廃止に向けた以前の試みを覆すために介入してきた。以前は中止を強く主張していたピート・ヘグセス長官は、同省の「考え」が根本的に変わったと述べている。

オクラホマ州選出の共和党トム・コール下院議員は、本日早朝に行われた下院歳出委員会の公聴会で、ヘグセス長官に対しE-7に関する最新情報を求めた。同委員会の委員長であるコールは質問の中で、3月にサウジアラビアのプリンス・スルタン空軍基地がイランによる攻撃を受けた際、空軍の現有E-3機(空中早期警戒管制機(AWACS)としても知られる)の1機が失われた事実にも言及した。これにより、「ウェッジテイル」計画への注目が新たに高まっている。本誌が以前詳細に報じた通り、イランとの今回の紛争は、老朽化が進み、機数も減少しているE-3機への深刻な負担をさらに増大させる結果となった。

「具体的な質問をさせてほしい。これについては後で回答してもらっても構わないが、以前、交わしていた議論がある――E-3を1機失った件だ。幸いにも地上での事故だった。乗員の死傷者はいないようだ」とコール下院議員は前置きし、質問を切り出した。「当委員会はE-7への投資に関心を寄せてきた。国防総省は追加5機分の契約を締結したが、[2027会計年度の]空軍予算には計上されていない。これについては是正されるのだろうか?E-7に関する検討は現在どの段階にあるのか?」

4月時点で、空軍はボーイングに対し、E-7開発機計7機に関する契約を授与していた。ウェッジテイルの各バージョンは、すでにオーストラリア、韓国、トルコで運用中だ。英国も同機を配備する予定だ。しかし、米国専用の仕様が現在開発中である。

米空軍向けE-7ウェッジテイルのレンダリング画像。USAF

「その状況については十分承知しています。当省としては、将来的には他の衛星ISR(情報・監視・偵察能力)が、大きな役割を担うことになるだろうという立場をとっていたことは承知しています」と、ヘグセ長官はコール議員の質問に答えて述べた。「しかし、その考え方は、我々がすでに脱却した『売却して投資する』という思考様式、つまり緊縮財政的な考え方、つまり継続決議を次々と重ねていく姿勢を象徴していたと思います。つまり、我々は[原文ママ]、これらのプラットフォームに投資するため、既存のプラットフォームを処分しなければならなかったのです。そして、埋めるべき空白が依然として存在したままです。また、現在戦場で使用されているシステム、例えばMQ-9やA-10など、挙げればきりがないほどですが、それらに依然として資金が必要です。」

「そして、E-7もその一つです」とヘグセスは続けた。「そこで、我々は実際にそれを追加するため、OMB[ホワイトハウスの行政管理予算局]に予算修正案を提出した。この機体には将来性があると思う。戦場での役割がある。その点についても、今後さらに情報を提供していくつもりだ。」

ここで言及されている継続決議とは、議会が年間予算案を可決できない場合に、短期的な連邦政府の歳出措置のことで都度承認されてきた。

ヘグセス長官はまた、公的には変更されていない空軍の長期計画についても言及した。その計画とは、空中移動目標指示装置(AMTI)の任務のすべてではないにせよ、大部分を最終的に軌道上に移行させるというものだ。本日の長官発言は、E-7プログラムを中止すれば、近い将来に深刻な能力の空白が生じるリスクが生まれることを暗に認めるものであり、将来的には良い解決策が得られることを期待している。これは本誌が昨年以来警鐘を鳴らし続けてきた点である。巨額の投資やすでに進行中の試作活動にもかかわらず、宇宙ベースの能力が現実のものとなるには、早くても数年はかかる。E-3の一部をE-7で置き換えるという空軍の当初の計画は、空中早期警戒機が今後数年間も引き続き重要な役割を果たすという期待を裏付けていた。

E-3の後継機として、E-7ははるかに近代的で高性能な航空機である。「ウェッジテイル」は、現時点で世界随一の空中下視センサープラットフォームであり、長距離特攻ドローンや巡航ミサイルの探知において特に有用である。ボーイング737をベースとした同機は、戦闘指揮や、機載の広範な通信・データ共有システムを活用したネットワークノード機能など、他の任務要件にも適応可能だ。本誌は3月、オーストラリアがイランの攻撃から湾岸アラブ諸国を防衛するため、E-7の1機を中東に派遣すると発表した際にその意義を強調していた

ヘグセス長官が本日述べた国防総省の考え方の変化に関するコメントは、長官や部下の専門家が昨年提起した「E-7は脆弱すぎて将来の紛争では実用性に欠ける」という主張に触れていない。これは、空軍のウェッジテイルが存在しない状況下で空中早期警戒能力のギャップを埋めるため、米海軍が現在運用中のE-2Dアドバンスト・ホークアイの追加導入を伴う計画があったにもかかわらずのことである。本誌や他のメディアは、E-2Dでも生存性の問題が当てはまると即座に指摘していた。

以前、同機の計画中止を主張したヘグセス長官らは、空軍のウェッジテイル計画が2022年に開始されて以来直面してきたコスト超過や遅延も根拠に挙げていた。

議会は少なくとも2026会計年度において、E-7を「煉獄」から救うため介入し、同計画に10億ドル以上の新規資金を計上した。現在空軍が発注している7機のウェッジテイルのうち、5機は今年3月に契約が締結されたばかりである。同軍は以前、試作機の迅速な開発を支援するため、さらに2機を発注していた。それでもなお、空軍はE-7計画の将来について、曖昧な態度を取り続けていた。

「我々は当然ながら、議会の指示に従い、[E-7]の迅速な試作機開発を行うつもりだ。また、それらの迅速な試作機開発には資金を投入する」と、トロイ・メインク空軍長官は、2月に開催された空軍・宇宙軍協会(AFA)の年次ウォーフェア・シンポジウムの合間に開かれた円卓会議で、本誌やその他の報道機関に語った。「議会からは追加機に関する計画を提出するよう求められていた。それを実行するつもりだ。」

「ちなみに、『計画を提出する』ということは、予算に組み込むという意味ではない」 と、メインク長官は当時こうも述べていた。「それを実現するために何が必要かという計画を提示し、その後、彼ら[議会]と協議を行うつもりだ。」

少なくとも当初は、この通りとなった。先月、空軍が2027会計年度の予算案を全面的に公表した際、E-7は再びその対象から外されていたのである。

オーストラリア空軍のE-7Aウェッジテイル。RAAF

「空軍省は、E-7の資金を確保するため[20]27年度予算案をどのように調整すべきか、皆様と協力して検討し、その後、[20]28年度以降の予算策定に取り組むことを約束します」と、マインク長官は最近行われた別の公聴会で述べた。『Air & Space Forces Magazine』誌がこれを伝えていた。

国防総省がE-7への姿勢を完全に転換したと表明しているにもかかわらず、空軍がいつから同機を実戦配備し始めるかは依然不透明なままだ。当初の目標は2027年にウェッジテイルを実戦任務に投入することだったが、昨年初め時点でスケジュールが2032年へとずれ込んでいた。現在は再開されているものの、この計画は事実上凍結されており、スケジュールはさらに遅れていた可能性も十分にあった。また、同機の調達と配備を加速させるための措置が講じられる可能性もある。

その間、近年すでに劇的なまで縮小中のE-3フリートは、運用要件を満たすのに苦戦し続けているイランとの最新の紛争により、AWACSへの需要は急増中だ。イランの攻撃により3月にこの貴重な航空機を1機喪失した空軍は、これまでにイランとの戦闘で失われた各種航空機の代替を検討していると述べているが、これには退役ずみお「セントリー」を保管状態から再整備し投入することが含まれるかは不明だ。その場合長期かつ多額の費用を要するプロセスとなるが、代替となるE-3の現実的な供給源は他にない。E-3の最終機は1990年代初頭に納入された

現状では、国防総省と空軍は、切実に必要とされる新型E-7の配備を進めることへの反対姿勢を完全に撤回したようだ。■


ジョセフ・トレヴィシック

副編集長

ジョセフは2017年初頭から『The War Zone』チームの一員である。それ以前は『War Is Boring』の副編集長を務め、その署名記事は『Small Arms Review』、『Small Arms Defense Journal』、『Reuters』、『We Are the Mighty』、『Task & Purpose』など、他の出版物にも掲載されている。


Pentagon’s Mindset On E-7 Radar Aircraft It Tried To Axe Has Completely Changed: Hegseth

E-7s to replace the Air Force's dwindling and aging fleet of E-3s are even more sorely needed now after one of the latter was lost to an Iranian attack.

Joseph Trevithick

Published May 12, 2026 6:22 PM EDT

https://www.twz.com/air/pentagons-mindset-on-e-7-radar-aircraft-it-tried-to-axe-has-completely-changed-hegseth



2026年3月23日月曜日

ギリシアのラリッサ基地に突如着陸した謎のUASの正体

 

解説 機密扱いの無人航空機(UAS)に関する伝承に「ラリッサの淑女」が新たな詳細を加える


Aviation Week

スティーブ・トリムブル、ガイ・ノリス

 2026年3月19日


concept image of the rq-180 flying above clouds米空軍は、2013年に『エイビエーション・ウィーク』誌がノースロップ・グラマンの「RQ-180」と特定した航空機の存在を依然として認めていないが、同機は謎の航空機の候補の一つに過ぎない。

クレジット:ロニー・オルストホーン(AW&ST向けコンセプト)


3月18日、ギリシャのラリッサ空軍基地付近で低空飛行中の正体不明の全翼型無人航空機(UAS)が写真および動画に収められ、長年機密扱いとなっていた軍用機プログラムの成果を、高解像度で捉える稀有な機会となった。


ネット上のコメント投稿者たちは、このギリシャ上空に侵入した機体を「ラリッサの淑女」と名付けた。これは、2009年に「カンダハールの野獣」としてデビューしたロッキード・マーティン社製RQ-170への、優雅なオマージュかもしれない。


地元メディア「OnLarissa」が公開した新たな画像には、W字型の主翼後縁を持つ黒塗りの機体が写っているほか、以下の特徴を持つUASの構成が明らかになっている。


• 比較的深い中央胴体。これは、十分な大きさのペイロードベイを収容できると思われる。

• 荷重率の高い翼型、外縁部が長く細くなっている。これは、大きな空力弾性変形に対応できる主翼の特徴だ。

• 単輪式の主脚と、突出した前輪脚。

• 機体の後方および下方から見た際にエンジン排気ノズルが確認できない。これは、ステルス性を高めるためノズルが後部上部デッキに配置されていることを示唆している。

• ある角度では、機体中央付近に排気口の存在が示唆されている。


機密扱いの航空機を特定することは常にリスクを伴うが、最近ではそのリスクがさらに高まっている。米空軍は、2013年に本誌がノースロップ・グラマン社の「RQ-180」と特定した機体の存在を依然として認めていないが、これは候補の一つに過ぎない。2013年の米情報機関のリークにより、機密扱いのイスラエル製RA-1無人航空機(UAS)の存在も明らかになったが、その後出回っている写真や動画によると、これは同様の構成を持つ全翼機であったことが判明している。

新たな機体画像で際立つ特徴は、暗色の機体だ。これまでの本誌報道や一般による目撃情報では、RQ-180(内部では「シカカ」または「グレート・ホワイト・バット」とも呼ばれる)は、柔らかな白色ミッション塗装を施されているとされていた。対照的に、RA-1とされる写真には、黒塗装の機体が写っていた。

こうした表面的な類似点があるにもかかわらず、『エイビエーション・ウィーク』による新たな画像の分析では、「レディ・オブ・ラリッサ」こそが、ノースロップ社の依然として機密扱いされているUASである可能性が高いとの結論に至った。

第一に、白から黒への塗装変更は、たとえ「シカカ」という愛称が通用しなくなっても、些細な変更に過ぎない。第二に、外側の翼部が延長されている点は、RA-1ではなく、ノースロップ機の以前の画像とより一致している。第三に、本誌が以前報じたように、「RQ-180」には武器ベイが装備されている可能性が高く、これは「ラリッサの淑女」の構成に見られる深い内部ベイとも一致する。

そして最後に、米空軍による兵站物資の移動も、ラリッサでの活動がイスラエル以外の起源であることを示唆している。

航空機追跡筋によると、2月25日と3月9日に、米空軍のC-17輸送機2機がカリフォーニア州エドワーズ空軍基地からラリッサ基地へ向けて異例の飛行を行った。2月の飛行はカナダのガンダーおよびドイツのラムシュタイン空軍基地を経由してギリシャへ向かったが、最近の飛行もガンダーを経由し、ドイツのシュパンダレム空軍基地に立ち寄るルートをとっている。さらに重要な点として、2月25日には、より大型のロッキードC-5M(「RQ-180」を一体で輸送できる能力を持つと見られる)も、最初のC-17と同行して、オクラホマ州ティンカー空軍基地からシュパンダレムを経由してラリッサへ飛行した。

カリフォーニア州のビール空軍基地に所属する第74偵察飛行隊が運用を担当しているにもかかわらず、同州のエドワーズ空軍基地からの作戦関与は重要である。同基地は「RQ-180」機群の主要基地と見なされているためだ。本誌が最初に報じたように、RQ-180の試験および開発は、2014年2月にネバダ州エリア51のグルーム・レイクで5号機の初飛行が行われた後、同年からエドワーズで進められていると考えられている。

それから4年後、さらなる評価と運用準備試験を経て、2018年4月、ネバダ州ネリス空軍基地に拠点を置く第53航空団傘下の空軍戦闘コマンド所属部隊である第417試験評価飛行隊が編成された。表向きはノースロップB-21爆撃機の試験準備に関連していた第417飛行隊だが、その後、新型爆撃機の試験任務が第420試験評価飛行隊に割り当てられた際、同飛行隊は「RQ-180」の担当として特定された。■

スティーブ・トリムブル

Eメール:steve.trimble@aviationweek.com

スティーブは、ワシントンD.C.を拠点とするAviation Week Networkで、軍用航空、ミサイル、宇宙分野を担当している。

ガイ・ノリス

Eメール:guy.norris@aviationweek.com

ガイは『Aviation Week』のシニアエディターであり、技術および推進システムを担当している。コロラドスプリングスを拠点としている。


Debrief: ‘Lady of Larissa’ Adds Details To Classified UAS Lore

Steve Trimble Guy Norris March 19, 2026

https://aviationweek.com/defense/aircraft-propulsion/debrief-lady-larissa-adds-details-classified-uas-lore


2026年1月31日土曜日

冷戦時のELINT衛星ジャンプシートの機密を解除したNROは遥かに性能の優れたスパイ衛星を軌道に乗せているから機密解除できたのだろう

 

国家偵察局(NRO)が冷戦時の極秘スパイ衛星ジャンプシートの機密を解除

敵対勢力の電子信号を数十年にわたり監視してきたNROの謎めいた「ジャンプシート」スパイ衛星が、ついに闇から姿を現した


The recent declassification of the United States’ Jumpseat spy satellite provides details on what was previously a highly secretive system, one that monitored critical Soviet military installations during some of the tensest years of the Cold War.TWZ

トーマス・ニューディック

2026年1月29日 午後1時58分(EST)更新

察衛星ジャンプシートの機密解除により、冷戦最盛期の緊張状態下でソ連の重要軍事資産を監視していた極秘システムの全容が明らかになった。一部は黒塗りされているものの、35年間にわたり米情報機関を支えた先駆的システムの未公開画像が公開されている。

工場で組み立てられるジャンプシート衛星。NRO

ジャンプシート計画の機密解除は、米国政府で偵察衛星を担当する国防総省の情報部門である国家偵察局(NRO)によって発表された。

1971年から1987年にかけてジャンプシート(別名AFP-711)計画下で8機の衛星が打ち上げられ、うち1機は失敗に終わった。NROのプログラムAの一環として米空軍が開発した衛星は、タイタンIII-Bロケットで打ち上げられた。大陸間弾道ミサイル(ICBM)の設計を基にしたこれらのロケットは、カリフォーニア州のヴァンデンバーグ空軍基地(現ヴァンデンバーグ宇宙軍基地)から打ち上げられた。

宇宙システム – タイタンIII(米空軍ドキュメンタリー・リマスター版)

NROは8回のジャンプシート打ち上げについてミッション番号7701から7708を確認している。アナリストらは以前から、ジャンプシートミッションをヴァンデンバーグ発の既知の宇宙打ち上げと照合しようとしてきたが、現時点で実際に機密解除されているのは最初と最後のミッションのみである。通常ジャンプシート関連と評価されている打ち上げの一部が、実際には他のペイロードを搭載していた可能性もある。

信号収集衛星として、ジャンプシートは広範な信号情報(SIGINT)コミュニティの重要な一翼を担った。簡潔に言えば、SIGINT資産は通信やその他の電子放射を検知・傍受するために使用される。無線機であれレーダーであれ、それらの発信源は傍受されるだけでなく、地理的位置の特定や分類も可能である。

ジャンプシートはSIGINTの2つのサブセットでも活動した。第一に通信情報(COMINT)で、電子信号の傍受による軍関係者間の日常通信の監視を含む。第二に、外国の兵器システム(ミサイルテレメトリー、レーダー、追跡信号など)からの電磁波放射を傍受・分析する外国装置信号情報(FISINT)の収集である。ジャンプシートが特に注目した軍事発信源には、防空システムや指揮統制拠点が含まれており、収集されたデータは敵対国(特にソ連)の電子戦力構成図作成に活用された。

NRO

文書によれば、ジャンプシートの収集活動は「当初、その他敵対国の兵器システム能力を対象としていた」が、詳細は明記されていない。

ジャンプシートの機密解除済み画像も公開されており、NROは図面、アートワーク、モデルや試験体の写真を混合して提供している。

わかっている範囲では、ジャンプシート衛星はヒューズによって製造されスピン安定化バスを採用していた。これはTACSATインテルサット4号通信衛星で使用されたものと類似する。ジャンプシートの主な特徴には、データ収集用の大型で部分的に折り畳み可能なパラボラアンテナと、地上へのデータ送信用小型パラボラアンテナが含まれていた。

ジャンプシートの構成要素を示す図面。NRO

国家偵察研究センター所長ジェームズ・アウトゼン博士は「ジャンプシートの歴史的意義は過小評価できない」と声明で述べた。「その軌道は米国に宇宙空間から独自かつ重要な信号情報収集のための新たな視点を提供した」

ジャンプシートは、グラブ、ポピー、パルケーといった先行する電子監視衛星の後継機として登場した。

冷戦の深刻化に伴い、宇宙からの将来的な兵器脅威の可能性が示唆される中で配備が開始されていた。この脅威は、ソビエト連邦によるスプートニク1号衛星の打ち上げ成功によって強く認識されることとなり、その後間もなく同じロケット技術に基づく第一世代ICBMが開発されることになる。

「第二次世界大戦終結後、世界的な共産主義拡大と核兵器拡散の脅威が、未知なるものとしてアメリカ国民の不安を煽った」とNROは説明する。「世界中で、敵対国多数が長距離ミサイルや原子兵器を含む大規模な最先端防衛兵器を整備していると米国は疑っていた」

「ジャンプシートの核心的な任務は、敵対勢力の攻撃・防御兵器システム開発を監視することだった」とNROは述べる。「より遠方の軌道位置から、既存および新興の脅威に関する独自の知見を提供する可能性のあるデータを収集することを目的としていた」

ジャンプシートはトランスポンダーモードで運用され、ダウンリンクされたデータをNROに送信し初期処理を行った。処理後、データは国防総省、国家安全保障局(NSA)、その他の国家安全保障機関に提供された。

NROの初代電子監視衛星(Grab、Poppy、Parcaeなど)が低軌道で運用される中、プログラムAは高度楕円軌道からの信号収集衛星開発を任務とした。これはプロジェクト・アープポップとして知られる。

ジャンプシートの工場内様子。NRO

ジャンプシートはアープポップから「米国初の高度楕円軌道(HEO)信号収集衛星」として誕生した。HEOとは細長い卵形の軌道軌道を指し、特に偵察衛星にとって重要である。これにより衛星は軌道上の二点——遠地点への上昇時と下降時——で長時間の滞留が可能となる。

ジャンプシートの場合、HEOにより衛星は北極地域上空の高高度に長時間滞留できた。これはソ連監視に理想的だった。北極地域上空のHEOは、ここで運用された一連のソ連衛星にちなみ「モルニヤ軌道」と呼ばれることもある。

この場合のHEOは、高地球軌道(HEO)と混同すべきではない。後者は宇宙機を静止軌道帯(海抜約22,236マイルと定義される)より上方に到達させる軌道である。

未確認の報告によれば、ジャンプシートの主要任務の一つは、同国最北端に位置するソ連の弾道ミサイル警戒レーダーの監視であったとされる。軌道から見て確かに理にかなっているが、この地域には米国とその同盟国にとって極めて重要な軍事発信源が他にも多数存在した。

ジャンプシートでの機密解除覚書は、同衛星が「見事に機能した」と記し、NROの信号情報収集(SIGINT)体系から外れたのは遅くとも2006年だったと明記している。

NROは今回ジャンプシートを部分機密解除する正当性について、「現行及び将来の衛星システムに損害を与えない」ためと説明している。同局はまた、高軌道信号収集衛星における先駆的役割を強調するため本プログラムに注目を促したいと付記している。

ジャンプシートの後継機がどのような能力を備えているかについては、その大半が前世代機と同様に極秘扱いとなっている。

トランペットと呼ばれる一連の衛星がジャンプシートの後継となったとする未確認情報も複数存在する。一方、NROが宇宙に打ち上げた他の多くの大型機密ペイロードも同様の機能を果たし得る

一方で情報収集分野はますます民間企業に委託される傾向にある。

NROが表明しているように、「信号の軌道上収集はもはや政府だけの取り組みではない。複数の非機密商業事業体が、ジャンプシートと同等かそれ以上の能力を持つ信号収集システムを打ち上げている」のである。

過去に議論した通り、商業宇宙分野は数百もの情報収集衛星を擁するコンステレーションに可能性を開き、戦術的・戦略的宇宙ベースのセンシングに革命をもたらすだろう。スターリンク型のコンステレーションをセンシング用途に活用する構想(米国は既に推進中)は、地球全体を常時監視する能力を提供する可能性がある。これにより、個々の衛星が軌道上を飛行する際に取得する瞬間的なスナップショットではなく、地球上のあらゆる地点への継続的な監視が可能となる。各衛星に搭載されるアンテナのサイズが小さいため、このようなコンステレーションでどのような電子情報収集が可能かは全く明らかではないが、その制約を克服できれば、米国が敵対勢力の電子放射を監視する方法とタイミングを変える可能性がある。

SpaceXがスターリンク衛星を宇宙に展開する様子を見る

いずれにせよ、ロシア、そして中国による脅威のレベルを考慮すると、より多くの衛星を運用可能にし、新たなシステムを迅速に軌道に展開する手段を確立することは、喫緊の優先事項となっている。

現在存在する衛星、あるいは将来登場する予定の衛星はいずれにせよ、秘密裏に進められたジャンプシート計画の先駆的な取り組みに負うところが大きいといえよう。■

トーマス・ニューディック

スタッフライター

トーマスは防衛分野のライター兼編集者であり、軍事航空宇宙トピックや紛争を20年以上取材してきた。数多くの書籍を執筆し、さらに多くの書籍を編集し、世界の主要航空出版物に多数寄稿している。2020年に『The War Zone』に参加する前は、『AirForces Monthly』の編集者を務めていた。


Top Secret Spy Satellite Declassified By National Reconnaissance Office

After spying on the electronic signals of adversaries for decades, the NRO's enigmatic Jumpseat spy satellite has emerged from the darkness.

Thomas Newdick

Updated Jan 29, 2026 1:58 PM EST

https://www.twz.com/space/top-secret-signal-intelligence-satellite-declassified-by-national-reconnaissance-office

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