2025年10月3日金曜日

米空軍向けE-7の試作機は英国で組立てへ ― 米英首脳会談の結果で大型案件が英国にもたらされた(Aviation Week)

 


Boeing E-7A Wedgetail rendering.  Credit: Boeing

ボーイングE-7Aウェッジテイルのレンダリング画像。

クレジット:ボーイング

ロンドン発―ボーイングは、米空軍向けE-7ウェッジテイル空中早期警戒プラットフォームの迅速試作機2機を英国で組み立てる。これは、英空軍が購入する航空機を支援する既存の改造ラインを活用するものである。

ボーイングは現在、ワシントン州レントンで2機の737-700未塗装機体を生産中だ。これらは2026年にバーミンガムのSTSエイビエーションへ移送され、E-7仕様へ改造される。STSの施設は世界唯一のE-7改造拠点であり、通常は軍用仕様への改造が行われるボーイングフィールドでは、ボーイングがE-7改造能力をまだ拡大していない。

この2機の迅速試作機は、米空軍が受領する初のE-7Aモデルとなる。STSは既に英国空軍向けに737-700を1機E-7仕様に改造済みで、さらに2機が組立工程の異なる段階で進行中である。

英国政府によれば、これは50年以上ぶりに英国における米空軍の航空機製造における重要な役割となる。

トランプ政権が米空軍のE-7計画中止を試みる中、英国での米空軍E-7機組立計画が浮上した。ホワイトハウス予算案では代わりにノースロップ・グラマンE-2ホークアイの活用と、宇宙ベースの空中移動目標探知能力開発が提案されている。

今週初め、下院は、737 ベースの航空機の迅速プロトタイプ製作と生産への移行を継続するために、最大 1 億 9,970 万ドルを拠出し、ウェッジテール・プログラムを推進し続けるという提案を発表した。

さらに、調達中の E-7 向けに同省が利用できる 2 億ドルの未使用資金が、プログラム全体の研究開発資金に組み込まれる予定です。

2機の納入は、9月17日から18日にかけてのドナルド・トランプ米大統領の公式訪問中に締結された、米国企業による1,500億ポンド(2,033億米ドル)規模の広範な投資および技術契約の一部である。

「英国と米国の関係はかつてないほど強固であり、ボーイングとの今回の新たな契約は、英国全土で数百名もの雇用を創出し、防衛を成長の原動力とし、私たちの集団安全保障を強化するものです」と、英国のジョン・ヒーリー国防相は述べた。「この契約は、世界トップクラスの英国の防衛産業に対する信頼の表れであり、戦略的防衛見直しおよび防衛産業戦略で定めた公約を実現し、国内での安全と海外での強さを確保するものです」。

米空軍向けのウェッジテール組立は、STS Aviation にとって大きな追い風となる。同社は、ボーイングとの 18 億 9000 万ポンドの契約の一環として、737-700 型機 3 機を E-7 型機に改造している。

STS は当初、RAF 向けに 5 機の 737 を E-7 規格に改造する予定だったが、英国国防省は経費削減のため、計画を 2 機削減した。その結果、英国は 5 セットのレーダーを購入したものの、搭載する航空機は 3 機のみとなっていた。6月に発表された戦略的防衛見直しでは、フリート規模の不足を認識し、同盟国と協力しながら3機以上に拡大する意向が表明された。ウェッジテイル計画は遅延が問題視されており、パンデミック後のサプライチェーン問題や事業計画承認の遅れが要因となっている。3機の英国空軍機のうち初号機は7月のロイヤル・インターナショナル・エアタトゥーで初公開され、現在はイングランドのボスクーム・ダウン基地でミッションシステム試験を準備中だ。2026年の英国空軍配備が計画されている。

政府は「英国内で製造された米空軍向け大型調達品は50年前が最後」と主張するが、1983年に発注され1985年に就役したC-23シェルパ(ベルファスト製ショート330派生機)が最後の事例だった。

発表された投資案件では、米パランティアが英国に15億ポンドを投じ、欧州本部を設置するとともに人工知能(AI)を活用した防衛能力の開発を行う。

防衛プロジェクトに加え、技術提携には米航空宇宙局(NASA)と英国宇宙庁による共同計画も含まれ、科学・探査ミッション支援を含む宇宙応用向けAIモデルの開発を進める。■

トニー・オズボーン

ロンドンを拠点に欧州防衛プログラムを担当。2012年11月にアビエーション・ウィーク誌に加わる前は、シェパード・メディア・グループにて『ローターハブ』誌および『ディフェンス・ヘリコプター』誌の副編集長を務めた。


USAF E-7 Rapid Prototypes To Be Assembled In UK

Tony Osborne September 18, 2025

https://aviationweek.com/defense/arcraft-propulsion/usaf-e-7-rapid-prototypes-be-assembled-uk

トニー・オズボーン

ロンドンを拠点に欧州防衛プログラムを担当。2012年11月にアビエーション・ウィーク誌に加わる前は、シェパード・メディア・グループにて『ローターハブ』誌および『ディフェンス・ヘリコプター』誌の副編集長を務めた。

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