2022年2月5日土曜日

北京冬季五輪大会中継を観戦していいのか。スポーツと政治の間で悩む、悩まない、さらに左右の分断で苦しむ米国の状況は日本も同じなのかな。

 確かに日米で政治的価値観の分断が深刻ですが、こちらでは言論の自由なやりとりよりも、あいまいさ責任逃れが目立ちます。国名を示さない対中非難決議とは?最高顧問の無責任な発言やメディアへの資金提供など眉を潜めさせる結果を前に、なにも説明しない政党を見ると、有権者の投票行動は大きく影響をうけるでしょう。左右問わず、人間として相手を認める姿勢が必要なのですが。今回の機種呼称問題でも言論機関としてのメディアに大いなる疑問を感じてしまいました。

 

Ryan Cochran-Siegle of Team United States skis during the Men's Downhill 1st training session ahead of the Beijing 2022 Winter Olympic Games at National Alpine Ski Centre on February 03, 2022 in Yanqing, China.

GETTY IMAGES / TOM PENNINGTON

 

京冬季五輪大会を観戦してもアメリカ人でいられるのか。

中国へのタカ派、チキンホーク、ジョー・バイデン大統領嫌い、極右・極左の人権活動家の大合唱では、NBCの北京五輪中継を見れば愛国心と人間性が疑われるとある。賛成か反対か、どちらかにつくよう圧力がワシントンで強まっている。

 

だがアメリカ人には、「賛成か反対か」という忠誠心テストではなく、もっと良い指導者が必要だ。

 

ピューリサーチセンターによる最新世論調査によると、中国が自分にとって重要と考えるアメリカ人が増加している。しかし、国防総省の軍部指導者や国家安全保障に真剣に取り組む人々、新聞のコラムニスト、日和見主義的な党派や不真面目な宣伝活動家など、ワシントンの人々が中国を重要視するほどではない。国家安全保障と政治の指導者にとっては、無知で無関心なアメリカ人多数の中国観、考え、発言に影響を与える歴史的なチャンスでもあるのだ。

 

ここ数年、アメリカ人に「中国をどう思うか」と質問すると、中国は脅威対象の上位にここ数年で上がっており、習近平の強権主義的な資本主義や人権弾圧、香港併合、大量虐殺、強制収容所などは、NBAのオーナーからイーロン・マスクの新疆のテスラ店まで、中国で、あるいは中国とビジネスをすれば、これまで以上の監視に晒されていることを意味する。フィナンシャル・タイムズが今週、国際オリンピック委員会の主要な企業スポンサー13社にコメントを求めたところ、返答がは皆無だった。その他企業は、場所を問わず、オリンピック選手をサポートしていると述べた。しかし、選手は人権活動家から、中国の刑務所に入れられないように、中国にいる間は口をつぐむよう警告を受けている。

 

米国では、NBCがおなじみのテーマ曲と開会式で第24回北京冬季オリンピックの開幕を祝っているが、同局は政治的背景をとりつくろうことはしないと約束している。しかし、中国を脅威ととらえ、競争相手と見る米国人が増えているが、世論調査によれば、理由を知らない層が多いことがわかる。ただそう言っているだけだ。

 

次の調査結果で明らかにしてもらいたい。国民を教育する余地がある。2週間前、ピューはアメリカ人に五輪大会と中国で世論調査した。バイデン政権の外交ボイコットを2対1の差で支持すると回答があった。しかし、ここで問題なのは、全体の45%がボイコットについて「何も読んだり聞いたりしたことがない」と答えたことだ。

 

ほとんどのアメリカ人は、首都ワシントンのような中国観を有していない。そのためか、アメリカ人の54パーセントが、中国を競争相手と見なしていると同調査で回答している一方で、敵と答えたのはわずか35%だった。しかし、党派が支持者に影響している。1月のピュー世論調査では、バイデンの中国対応を承認する民主党支持者は、1年前の83パーセントからわずか65パーセントに減少していた。共和党支持者は19%から9%へどん底まで落ち込んでいる。

 

右派メディアや共和党議会指導者は、バイデンや民主党は中国に弱腰なだけでなく、北京と結託していると、何ヶ月も前から全国放送で公言している。テキサス州選出のテッド・クルーズ上院議員の話では、共和党が民主党リベラル派の献金者として悪者扱いしているアメリカの民間部門、つまりハリウッド、テクノロジー大企業、スポーツ有名選手はすべて中国を援助し、中国とビジネスを続け、中国ボイコットを拒否しており、結果としてバイデン政権は大国間競争に負け、国家の安全を脅かしているというのである。右派はこのメッセージで電波や受信トレイを溢れさせている。

 

世論調査はこうした主張が反響を呼んでいるの様子を示している。しかし中国を警戒する動きには限界がある。 少なくとも2019年以降、共和党とトランプ政権が中国の脅威を強く押し出したが、共和党穏健派は抵抗している。1月の世論調査では、共和党員の52%、民主党員の22%が中国を脅威と呼んだ。保守派共和党員では62%に跳ね上がる。

 

左翼はどうか?多くはウイグル人のために声を上げ、中国は大量虐殺していると罵倒し続けている。ワシントンを離れると、純粋な地政学、米国の競争力、民主主義の構築といった他の理由から、中国とのデカップリングを求める声は皆無といってよい。木曜日、議会の対中国委員会の委員長オレゴン州選出のジェフ・マークレー上院議員(民主党)は、オリンピック観戦者に対して「香港、新疆、そして中国全土で起きている不正に対する国際的な戦いを強める」よう呼びかけた。同委員会は開会に先立ち、民主・人権活動家による2時間の公聴会を開き、下院議長ナンシー・ペロシ(民主党)がIOCとその企業スポンサー、中国を非難する一方、外交ボイコットを賞賛し、米国選手の参加を支持した。

 

クルーズのような党派的に動く政治家が、中国に本気かはわからない。長年、軍事委員会のメンバーであった同議員は、アメリカ人を啓蒙し、昔ながらの上院のコンセンサスを構築し、国家を守りつつ平和への架け橋となる方法となる中国を睨んだ政策の策定に役立つ。議会は中国関連の対応を模索中である。下院の共和党議員連は先月、北京オリンピックの米国内中継を担当するNBCユニバーサル幹部に対し、中国共産党からのトラブルを避ける方針を示すよう要求した。まっとうだと思う。左派議員は、国際競争力育成法案「America COMPETES Act」の成立を目指している。共和党はホワイトハウスとともに、中国に関する具体的言及がないことを理由に非難している。

 

中国に対するチームUSAのコンセンサスを構築するのではなく、右翼も左翼も自分たちの世界に没頭している。一方、著者は試合観戦を利用して、世界の仕組みや下り坂でのカーブ方法を子どもたちに教えようと思う。世界の若いアスリートたちが、最もエリートなレベルでスポーツに打ち込む姿を祝福し、政治に支配されず、より速く、より高く、より速く、より長く続く友情と絆を作って欲しい。

 

ワシントンもアメリカのオリンピック選手のように行動できるはずだ。真剣に中国との競争でより良いポジションを確保すべきだ。■

 

 

Can I Watch the Olympics or Does That Make Me a Communist? - Defense One


New polls show there’s still time to shape how Americans feel about China, while still rooting for Team USA.

BY KEVIN BARON

EXECUTIVE EDITOR

FEBRUARY 3, 2022


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