GCAP電子コンソーシアムの立ち上げ(Aviation Week)
クレジット: Edgewing
ロンドン発―グローバル戦闘航空プログラム(GCAP)の中核をなす戦闘機向けセンサー・通信システムを開発する三国がコンソーシアムを結成した。
GCAPエレクトロニクス・エボリューション(略称G2E)コンソーシアムは、9月9日に当地で開催された防衛展示会DSEI初日に、レオナルドUK、レオナルド・イタリア、ELTグループ、および三菱電機によって結成された。
このコンソーシアム結成は、イタリア、日本、英国政府によるGCAP戦闘機の本格的な設計・開発契約が年末に授与される見込みを前にして実現した。
G2Eの結成は、2023年3月の協力協定調印とパートナー間での広範な業務分担活動に続くものだ。
この業務分担では、英国と日本の企業がレーダーを主導し、イタリアが赤外線探知追跡システムを担当、日本が衛星通信を開発する。コンソーシアム関係者は、当初は英国拠点のゼネラルマネージャーが運営し、GCAP参加3カ国間で業務分担が「ほぼ均等」になると述べている。
G2Eは、4 社がすでに運営している既存の拠点で業務を行うほか、航空機を製造する産業合弁企業エッジウィングEdgewing とともに、GCAP 国際政府機構(GIGO)が設立された英国レディングにも拠点を置く。Edgewing は 6 月、BAE システムズ、レオナルド、および三菱重工業のスピンオフ企業である日本航空機産業振興株式会社によって設立された。
G2Eの設立により、関係各社は、エッジウィング への共同作業の入札プラットフォームを得ることになる。
「アクセルを踏む準備が整いました」と、レオナルド UK の未来戦闘航空部門ディレクター、アンドルー・ハワードは述べている。同氏は、G2Eの初代トップを務めるが、リーダーシップはパートナー間で交代制となる。「コンソーシアムの設立により、我々は正しい軌道に乗り、深く統合された将来の能力を生み出す準備が整いました。「構想やイニシアチブ、研究開発といった話題は少なくなり、設計、開発、納入というタイプの哲学へと実際に移行し、この非常に困難なプログラムのスケジュールを達成しようとする動きが見られるでしょう」とハワードは述べている。
G2Eは今後18ヶ月程度の開発作業をカバーする正式な契約提案を、近くエッジウィングに提出する。
GCAPプログラムは2035年までに第6世代戦闘機とその関連センサー・エンジンを納入することを目指しており、最終的には英国とイタリア空軍のユーロファイター・タイフーン、および航空自衛隊が運用する三菱F-2戦闘機群の代替を目的としている。
センサー・通信システム各要素の担当国に加え、サブシステム開発業務には各国が主導国となり、3カ国からなる合同技術チームが参画する。こうした合同チームは、GCAPプログラムが掲げる二つの主要目標達成に向けた取り組みの一環だ。すなわち「行動の自由」と「改修の自由」の確保により、各参加国がシステム・サブシステムの開発内容を理解し、関与できるようにすることだ。
コンソーシアムはこれらのシステムに対する数十年にわたる全寿命支援サービスについても共同で取り組む予定である。
一方、センサー・通信システム群の開発を支援するため、3カ国政府が資金提供する一連の研究開発プログラムが継続しており、技術準備度(TRL)の向上を目指している。しかし上記ハワードによれば、現在プログラムに必要とされる技術の多くは「十分な成熟度に達しており、プログラムのタイムスケール内で信頼できる」という。
開発支援のため、パートナー各社は複数の航空機試験機を運用する見込みだとプログラム関係者は述べた。ボーイング757ベースの試験機が英国で現在組み立て中であるほか、イタリアはガルフストリームVを試験機として運用する可能性が高く、日本ではC-2が使用される可能性がある。各機は若干異なるサブシステムを搭載するが、いずれかの試験機が長期間使用不能になった場合でも開発計画を維持できるよう冗長性を確保する。■
GCAP Electronics Consortium Takes Shape
Tony Osborne September 09, 2025
https://aviationweek.com/defense/aircraft-propulsion/gcap-electronics-consortium-takes-shape
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