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F-35開発の遅延への米空軍対応、F-22後継機種は海軍と共同開発か

USAF Chief Considers F-35 And F-22 Replacement aviationweek.com Nov 26, 2010 1. 米空軍参謀総長シュワルツ大将はロッキード・マーティンF-35開発に問題があることを認め、とくにソフトウェア開発の遅れによりJSFの配備が2016年にずれ込む可能性があると言及。 2. ペンタゴンでは三型式の機体を九カ国共同で開発する史上最大規模の調達計画の取りまとめに苦慮している。同機を取り扱う国防調達委員会(DAB)が11月22日に開催されており、別途2月に召集される予定。次回委員会において2012会計年度における予算計上額を決定する。 3. 一方、F-35開発がここまで遅れたことから、シュワルツ大将はF-16ブロック40/50の構造補強およびエイビオニクス改修で稼働年数を延長するなどの可能性があるという。 4. F-35開発への道が平坦でないにもかかわらず、同大将は海軍との共同開発そのものに熱意を失っているわけではない。またF-22後継機種開発でも海軍との共同作業が必要と考える。 5. 2030年代以降に就役する次期主力戦闘機は構想段階のままだが、空軍・海軍共同体制で機体開発・戦闘能力実現化を進めるのが鍵となると同大将は見ている。 6. その前例となっているのが、グローバルホークを海軍型に改造したBAMS構想だ。海軍と空軍で共通の機体を運用するのであれば、訓練体系も別の地上施設を維持するのは合理性がない、というのが同大将の考え方だ。

指向性エネルギーで電子装置を攻撃する可能性

Directed Energy Weapons Attack Electronics aviationweek.com Nov 19, 2010 1. アクティブ電子スキャンアレイ(AESA)や高出力マイクロ波(HPM)を活用する次世代ジャマーは指向性エネルギー(DE)兵器の早期導入につながるものとして期待が高まっている。 2. ロッキード・マーティンF-22およびF-35やボーイングF/A-18FおよびEA-18Gが搭載するレーダーで指向ビームエネルギーの照射するアルゴリズムの開発は予算が確保されれば可能だ。米海軍の次世代ジャマー開発によりAESAはレーダーの位置づけからDE能力を付与された電子戦(EA)への活用へ可能性が広がる。 3. 一方、今のところHPMはペンタゴン内部では対電子装備兵器との位置づけだ。HPMのパルスで生まれる出力上昇及びその他EA手段で敵の電子装備に損傷を与えたり、破壊することができる他、コンピュータメモリーを混乱させたり消去することも可能だ。今後はHPM、高出力レーザー光線、ジャマーの統合化が課題となる。 4. 攻撃手段としては期待できるものの、防御面で悪夢となりかねない要素が高性能電子装備が必要とする電力がどんどん減っていることだ。低電力消費の装置ほどEAに対する脆弱性が高まる。 5. 敵装置を混乱させるほうが望ましいのは、システムの再起動に時間がかかるためだ。この間に攻撃の機会が生まれる。これに対して敵装置を焼ききるには2倍3倍の出力が必要だ。さらに高出力攻撃の実行に先立ち関連システムへの影響も理解しなければ実施承認が下りない。 6. DEおよび関連技術(情報収集、監視、サイバー攻撃、電子戦)に方向性を与え、技術開発を加速するのがペンタゴンの国防研究技術部(DDRE)の役割だ。同部はオバマ政権下で急速に拡張している。 7. HPMは過小評価されているが、大型投資が必要な分野と同部は見ている。非運動兵器を爆発性兵器の代替手段として開発擦る必要があるが、小型でエネルギー照射の出力源および特殊な波形の確保には小型パルス出力、半導体主力源、高性能アンテナといった技術要素の開発が求められる。技術的に利用可能となれば、各種分野にも応用ができるものだ。 8. HPMによる「e爆弾」

イスラエル: F-35追加導入を実現する取引

U.S. Offers Israel 20 Joint Strike Fighters aviationweek.com Nov 19, 2010 1. イスラエル国防関係者は米国から申し出ているヨルダン川西岸入植地建設の停止モラトリアム更新の見返りにF-35共用打撃戦闘機合計20機の受け入れを同国政府に求めている。 2. イスラエル・パレスチナ平和交渉の再開を目指し、米国は総額30億ドル相当のF-35を提供する条件としてイスラエル側に入植地建設の停止を求めている。パレスチナは同建設が交渉の障害としてきた。米国務省は今回の供与案件について言及を避けているが、バラク・イスラエル国防大臣は内容を認めている。「当初から40機の導入を目指していたが、予算制約で20機になった経緯がある。米国は入植地建設の90日間停止の見返りに追加20機の提供を申し出ている」と同相は本誌に語る。 3. さらに米国からはイランの脅威に対応する新型技術・装備の提供も申し出ており、国連あるいは国際原子力機関におけるいかなる反イスラエル決議に拒否権を行使し、さらにパレスチナとの和平を実現すれば防衛条約も締結するとまで約束している。 4. イスラエル国防筋によると米国よりの提案は9月にあったもので、ちょうど10ヶ月の建設停止期間が終了するタイミングだったという。ただネタニヤフ首相はこれを一蹴。そこでクリントン国務長官が11月11日に同首相とニューヨークで7時間にわたる会談にのぞみ、同長官から建設停止に加えパレスチナとの米国が提示する交渉ガイドラインの受け入れおよび交渉の障害条件の解決が求められた模様。 5. その際にネタニヤフ首相は大統領信書を受け取り後内閣に信書を提示することを求めたが、閣内・連立与党からこれに異論が出ている。「首相と与党内の意見対立よりも20機を追加導入することのほうが長期的にははるかに意味がある」(バラク国防相) 6. イスラエルは10月に総額27.5億ドルでF-35A20機を購入し、1飛行隊を編成する契約をサインしたばかり。この取引には米国の海外軍事援助資金を活用し、2015年から17年にかけて受領する。追加20機の引渡しは2020年代以降になる。先週末まで、米国の確約は書状ではイスラエルに未着。

中国: J-10戦闘機の改良開発が進展中

Chengdu J-10 Next Variant Developing aviationweek.com Nov 19, 2010 成都飛機工業のJ-10戦闘機が珠海航空ショーでお披露目されたのは2008年のことで、その後二年間で同機開発は着実な進歩をとげている。 同機開発の進展にはロッキード・マーティンF-16を想起させるものがある。 F-16開発の大きな転換点は二番目のエンジンとしてF110-GE-100を採用したことで当初のF-100-PW-100/220エンジンよりも推力が6千ポンド増加している。同様に中国もLiming Aeroengine Manufacturing Corporation(LMAC)のWS-10Aエンジンのテスト開発を急いでいる。 中国の報道によるとWS-10AエンジンはJ-10の次の型式としてJ-10Bと呼称される機体に搭載される。同エンジンは当初から搭載されていたサリュートAL-31FNエンジンに代わり採用される。 J-10Bにはエンジン空気取り入れ口が当初の長方形から楕円形に代わり取り付けられている。これもF-16でGE製F110エンジンの採用で推力が増加したことで「大口」尼なったことと同様である。 今日の戦闘航空機の性能を左右するのは搭載する電子装備の能力である。中国産業筋はこれまでJ-10に搭載されていたポッド格納型の装備に置き換わる新型装備の開発が進んでいると明らかにした。 特に目立つのがCETC製KG300G電子戦ポッドで、周波数帯域がこれまでより拡大している。また、新世代のアクティブ電子スキャンアレイ(AESA)レーダーも開発中であり、現在装備されている機械式スキャンのアレイに置き換わるだろう。

情報収集協力を強化するアメリカと英国

U.K., U.S. To Share Intel As In WWII   aviationweek.com  Nov 12, 2010                  英国国防予算の削減の結果、情報収集の分野では逆に良い効果が出そうである。 運用上は英国軍はフランス軍との連係を強め、装備の不足を補う予定であるが、その効果については疑問が出ている。両国で装備、予算双方の弱体化が進むためだ。 それに対して今のところ目立っていないが情報収集と高性能センサーで米国と協力関係が強化されている。 この協力関係は第二次大戦後では最大規模となると見られ、とくに英空軍の情報収集機材ニムロッドMR2の退役がひとつの契機となりそうだ。 そ こで両国は覚書を締結しており、英国はRC-135リベットジョイントの購入をすることになる。ただし英国内には英空軍・陸軍共同運行のレイセオン製セン ティネルR1地上探索レーダーを搭載した機材が実際に英空軍第5航空隊に5機あり、情報収集能力を追加すればリベットジョイントのおよそ80%相当の性能 が低コストで実現するとの反対意見も存在する。 ただし米空軍で特殊装備機材を運用する関係者は異なる見解だ。 リベットジョイント各機は性能改修を継続して受けており、その場所テキサス州グリーンヴィルでセンティネルもテストを実施している。そのグリーンヴィルで3機のKC-135が英空軍向けRC-135に改修される予定だ。 ニ ムロッドには構造的な限界があり、その改修は経済的には割があわないが、RC-135の機体構造には問題がない、と米側は見ている。ビッグサファリ計画に よりRC-135各機は退役までメンテナンスが実施されており、英軍向けの機材もその対象となる。情報収集分野では米国の優位性は揺ぎ無く、英国が米国と リベットジョイント各機を密接に運用することで、両国が実施する情報収集能力はこれまでになく強力になるだろう。