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3月, 2024の投稿を表示しています

日曜特集 ハインライン短編「大当たりの年」(心臓の弱い方はご遠慮ください)

  これも冷戦期の作品らしいトーンに満ちたハインラインの短編です。映画のシーンのようなセリフの応酬が続き、シーンが展開していきとんでもない結末へ一気になだれ込むところこそ、ストーリーテラーとしてのハインラインのだいご味でしょう。翻訳がそれに追いついているかが問われます。 この作品から 統計学に 興味を覚えたのを覚えています。高校生のことでした。原作は1952年発表です。 ポ ティファー・ブリーンは最初、服を脱いでいる娘に気づかなかった。彼女はわずか10フィート先のバス停に立っていた。ブリーンはバス停横のドラッグストアのブースに座っており、若い女性との間には板ガラスと時折通る歩行者しかなかった。それでも彼は、娘が脱ぎ始めても顔を上げなかった。彼の目の前にはロサンゼルス・タイムズが立てかけてあり、横には未開封のヘラルド・エクスプレスとデイリー・ニュースがあった。新聞を注意深く読んでいたが、見出し記事には一瞥しただけで、テキサス州ブラウンズビルの最高気温と最低気温を記録し、立派な黒いノートに記入した。同じようにニューヨーク取引所の優良株3種と2種類の犬の終値と株式総数も記録した。彼が記録したものは、ミス・ナショナル・カッテージ・チーズ・ウィークが、生涯ベジタリアンであったことを証明できる男性と結婚し、12人の子供をもうけるつもりであることを発表した広報リリース、状況証拠はあるがありそうもない空飛ぶ円盤の報告、南カリフォーニア全土に雨乞いを呼びかける呼びかけなど、無関係のものばかりだった。ポティファーは、8歳の伝道師ディッキー・ボトムリー牧師が神こそ真実の存在教会のテント集会で奇跡的に癒やされたカリフォーニア州ワッツの住民3名の名前と住所を書き留め、ヘラルド・エックスに取りかかろうとしていた。立ち上がり、眼鏡をケースに入れ、新聞をたたんでコートの右ポケットに丁寧に入れ、小切手の正確な金額を数てえ25セントを足した。そしてフックからレインコートを取り、腕にかけて外に出た。そのころには、娘はすっかり素肌に近づいていた。ポティファー・ブリーンには、彼女がいい肌を持っているように見えた。にもかかわらず、彼女には上品さがあった。街角の新聞売りは呼び込みをやめて娘を見てニヤニヤしていたし、バスを待っていたらしき男装女装趣味の二人組は彼女に視線を向けていた。通行人は誰も立ち止まらなかった

ボルチモア港の機能復活のため、米海軍がクレーン船を緊急投入。中にソ連原潜回収作戦に投入されたバージも。

  東部ボルチモア港が橋梁の崩落で使えなくなってしまいました。これだけの事故では民間での対応は無理と、米海軍が出動したわけですが、動員された中に50年以上前にソ連潜水艦回収作戦に加わっていた由緒あるクレーン船があるというUSNI News記事のご紹介です。 NTSB investigators on the cargo vessel Dali, which struck and collapsed the Francis Scott Key Bridge on March 26, 2024. NTSB Photo CIAのソ連潜水艦ミサイル回収作戦に投入されたクレーン船がキーブリッジ崩落地点に到着(ボルチモア) 火 曜日の朝、貨物船がフランシス・スコット・キーブリッジに衝突し、橋が崩壊した後、その残骸を撤去するため、海軍海洋システム司令部を通じて契約したクレーンがマサチューセッツ州ボルチモアに到着した。  東海岸最大のクレーン船である揚重1,000トンのデリック台船 "チェサピーク "と、揚重200トンの回転クレーン台船 "フェレル"、揚重150トンのクレーン台船 "オイスター"が金曜日までに到着した。海軍の報道資料によると、海軍はさらにもう1隻、400トンのバージを派遣し、来週に到着する見込みである。 Barge crane Chesapeake. Donjon Marine Photo  海軍のサルベージ・潜水監督官は、4隻を使いパタプスコ川からキーブリッジの水没部分を吊り上げる。海軍の発表によると、橋は解体され、セクションごとに取り除かれる。それぞれははしけで持ち上げられ、その後運搬される。  海軍はさらに12隻のクレーンと支援船を動員中だ。これにはタグボートや調査船、潜水艇、乗組員用ボートも含まれる。船舶とクレーンは数日中にボルチモアに到着する予定。  海軍のサルベージ・潜水監督官は、火曜日のキーブリッジの崩落によりボルチモア港との海上交通が遮断されたことを受け、フォート・マクヘンリー水路の撤去を行う主管機関に任命された。  ウェブサイトによると、チェサピークはDonjon Marine Company, Inc.の所有で、1972年に建造された。  建造された当初はSUN 800と呼ばれていた。

ボルティモア橋の崩落で最速の米輸送艦2隻が閉じ込められている。対中戦をにらみ、あらためて米海軍の海上輸送能力の不足が浮き彫りになっている。

ボルチモア港の出入り口が橋崩落のため封鎖され、米軍の作戦を支援するため寄港中の計4隻の貨物艦が立ち往生しています。The War Zone記事からのご紹介です。 DOD フ ランシス・スコット・キー橋の崩落事故により、ボルチモアで立ち往生中の船舶の中に、アメリカ国内で最も高性能な軍用貨物艦が2隻含まれている。アルゴル級の2隻は、一般的な大きさの貨物船としては世界最速の部類に入るもので、事故発生時、ボルチモアに入港していた他の2隻の予備輸送船も含まれている 2012年、ボルチモアの港に停泊中のアルゴル級SSアンタレスとSSデネボラ。500px via Wikimedia この記事の執筆時点では、ボルチモア港への船舶の出入りは無期限に停止されており、コンテナ船ダリが橋に衝突した際、橋の上で作業中の作業員6人が死亡したと推定されている。このチームの他の作業員2名は救助され、うち1名は入院している。他に死傷者は報告されておらず、当局によると、ダリからのメーデーコールが、災害の拡大を防ぐのに役立ったという。ダリはフランシス・スコット・キー橋の崩落部分の下敷きとなり、甚大な被害を受けている。海峡の復旧と橋の修復のめどは立っていない。 A satellite image from private firm Maxar showing the MV Dali trapped underneath a section of the collapsed after yesterday's incident. Maxar via X ジョー・バイデン大統領は昨日、「できるだけ早く港を再開し、橋を再建するよう私のチームに指示した。橋再建の費用は全額、連邦政府が負担するつもりだ」。 ピート・バティギグ運輸長官は本日、NPRの"モーニング・エディション"で、「この港は米国でトップの自動車取扱港です。「橋の工事が完了し、水路が再開されるのを待てません。今、港内で立ち往生している船舶があり、通過交通量は膨大です。経済全体にとって本当に重要なことです」。 現在ボルティモアで立ち往生中の船舶には、アルゴル級のSSアンタレスとSSデネボラが含まれ、両艦とも即応予備隊(RRF)艦船の一部である。運輸省海事局(MARAD)はRRFを管理し、民間の商船員によって乗組されている。R

F-35A搭載の25mm砲がついに「効果あり」と判定を受けたが....CASの作戦概念が変化しており、A-10の肩代わりをライトニングで期待していいのだろうか。

  これは前進といってよいのでしょうかわかりません。A-10の神話が強すぎるために苦労しているのでしょうが、そもそもF-35をA-10の代わりに投入しようという万能機構想が間違っていると思うのですが。The War Zone記事からのご紹介です。 USAF A-10退役をめぐる議論の主要な論点となってきたF-35Aの機関砲だが、命中精度やその他の問題で長年悩まされてきた ジ ョイント・ストライク・ファイターのF-35Aが内蔵する25mm自動砲が効果的な武器とみなされるに至った。何年もの間、まともな射撃が不可能とされてきた。25mm砲問題は、A-10ウォートホッグに代わるF-35A地上攻撃機の計画をめぐる議論で注目されてきた論点でもある。  F-35統合プログラム・オフィス(JPO)の広報ラス・ゲーメアは、今週初め、制式名称GAU-22/Aに関する最新情報を本誌に提供した。米軍では、F-35Aは米空軍が運用している。  「空軍と産業界のパートナーとの協力の結果、銃が改良され、効果的であることを報告することができる」とゲーメアは声明で述べた。「さらなる改良のため、そして戦術/作戦レベルでの有効性と殺傷力を最大化するため産業界、空軍、国際的なパートナーと協力し続ける」。  F-35Aには、毎分3,300発の発射速度を持つ4連装ガトリング砲のGAU-22/Aが1基搭載され、機体の左エンジンインテーク上部の内部マウントに設置されている。機体のステルス性を維持するため、銃口はフラッシュマウントされたドア後方に隠されている。 A 2014 briefing slide with details about the GAU-22/A and diagram showing how it is installed on the F-35A. General Dynamics Ordnance and Tactical Systems GAU-22/Aは、AV-8Bハリアーや、現在は引退したAC-130Uスプーキー・ガンシップに搭載の5連装GAU-12/Uの軽量派生型で、興味深いのは、現在米軍に配備されている戦術ジェット機はすべて6連装ガルティンタイプの20mm M61バルカン砲で武装していることだ。  F-35Aが搭載するGAU-22/Aは、最大180発の弾倉から給弾する。弾倉の大き

トマホークミサイル導入に向け、海上自衛隊向け運用訓練が始まった

  USNI News記事からのご紹介です。 米海軍が海上自衛隊へのトマホーク・ミサイル訓練を開始 木原稔防衛相による木曜日発表によると、米海軍は巡航ミサイル「トマホーク」の海上自衛隊員への訓練を今週開始した。  木原防衛大臣は声明の中で、防衛省と自衛隊は、日本を早期に、そして遠くから侵略してくる勢力を混乱させ、打ち負かすため、スタンドオフ防衛能力を強化すると述べた。「その一環として、トマホークに関して、アメリカ海軍は3月25日より海上自衛隊隊員への訓練コースを実施している」。  声明では、米国の協力を得て、防衛省は2025会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日)のトマホーク・ミサイル取得までに人材訓練を完了させたいと述べている。  「引き続き、各種スタンドオフ・ミサイルの調達を推進し、防衛力整備計画に基づくスタンドオフ防衛能力の早期構築に取り組む」と声明は結んだ。  木曜日、ラーム・エマニュエル駐日米国大使は、海上自衛隊が訓練を受けている横須賀に停泊中の駆逐艦USSマッキャンベル(DDG-85)を訪問している写真をソーシャルメディア・チャンネルXに投稿した。NHKニュースによると、この初回訓練には海上自衛隊員20名が参加し、金曜日に終了する。米海軍発表によると、マッキャンベルは3月2日に横須賀に戻り、近代化改修を終えて駆逐艦戦隊(DESRON)15に復帰したばかりである。  日本は1月18日、ブロックIV仕様トマホーク200発、ブロックVトマホーク200発、戦術トマホーク・ウェポン・コントロール・システム14基、サポート、訓練、メンテナンス、予備品、その他の付帯サービスや物品を契約したと発表した。11月のDSCA発表によると、推定取得費用は23億5,000万ドルとある。日本の防衛省は、取得は日本の会計年度2025年から2027年の間に行われると述べている。  日本は当初、ブロックVトマホーク400発の購入を予定しており、2026年度より納入を開始する予定だった。しかし昨年10月、国防総省を訪問した木原大臣は、安全保障環境が厳しさを増しているため、スケジュールを1年前倒しし、ブロックIVとVの混合調達に変更すると発表していた。  日本が挙げた「厳しい安全保障環境」とは、国連決議に反し核兵器や弾道ミサイルの開発と実験を続ける北朝鮮、軍事力と自己主張を強める

日本がAUKUSに加盟する可能性が増えてきた

  前から話は出ていましたので意外観はありませんが、日本のAUKUS加盟はどんな形になるにせよ、論理的帰結になると思います。その場合JAUKUSになりますが、いよいよスパイ防止法などセキュリティ関連の法整備が待ったなしになります。いままで面倒な話題には蓋をしてきたツケを払わされそうですね。Warrior Maven記事からのご紹介です。 日本がAUKUSに参加すれば大きな利益をもたらす可能性がある 日本がAUKUS協定に貢献する可能性は高い。 高い技術力を持つ日本が第二柱AUKUSに加わることは、大きな利益をもたらす可能性がある。 オ ーストラリア、イギリス、アメリカの3カ国による安全保障パートナーシップであるAUKUS協定は、インド太平洋地域において重要な進展を見せている。2021年9月15日に発表されたこのパートナーシップは、米英が豪州の原子力潜水艦取得を支援するというものだ。 最近の記者ブリーフィングで、サブリナ・シン副報道官は、日本がAUKUSピラーIIに参加する可能性について質問された。彼女は明確な答えを出さなかったが、「日本はこの地域で最も古い同盟国の一つである」と述べた。 ロボット工学、量子コンピューター、人工知能など先端技術分野で知られる日本は、最先端の防衛技術開発を目的とするAUKUSイニシアチブを大幅に強化することができる。 もちろん、AUKUSの第2柱が先端軍事技術の開発に焦点を当てていることは周知の通りだ。報道では、日本のAUKUS第二柱への参加が検討されているとされている。日本がAUKUSの第二の柱に加わることで、軍事技術において画期的な進歩がもたらされる可能性があることは、皆さんにとって興味深いことだろう。 エレクトロニクス、サイバー能力、非従来型戦争技術における日本の卓越性は、特にインド太平洋地域において、AUKUSに競争力をもたらす可能性がある。この協力によって、自律システム、サイバー防衛メカニズム、量子技術などの進歩がもたらされ、AUKUS諸国の作戦能力が強化される可能性がある。 しかし、日本に実効性のあるスパイ防止法がないことが足かせになるという意見もある。日本にはスパイ防止に特化した法律がいくつかある。しかし、エコノミスト・インテリジェンス・ユニットは、日本がこの地域の潮流に追いつこうとする中で、商業スパイに関する法的枠組みを強